コラム
最終更新日:2023.10.16

相続手続きの流れ|相続手続きの基本と流れを弁護士が詳しく解説

相続手続

遺産相続の手続きを進めるには、流れを把握しておきましょう。

遺産相続の際にはやらなければならないことが非常に多く、期限のある手続きも多数あります。段取りよく進めていかないと、いつまでも終わらなかったり期限を過ぎてしまったりする可能性もあります。

今回は弁護士が相続手続きの流れや期限について、わかりやすく解説します。

相続人の立場になった方はぜひ参考にしてみてください。

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【相続手続きの流れと期限一覧】

親族が亡くなった場合、自動的に遺産を取得できるわけではありません。以下で紹介するような相続手続きの流れを踏まえて、手続きを進めていく必要があります。

  1. 遺言書を探す
  2. 遺言書がある場合には遺言書の検認
  3. 相続人調査
  4. 相続財産調査
  5. 相続放棄や限定承認の検討(3か月)
  6. 準確定申告(4か月)
  7. 遺産分割協議
  8. 遺産分割調停や審判
  9. 不動産の相続登記
  10. 預貯金払い戻しや株式の名義変更など
  11. 相続税の申告と納付(10か月)
  12. 遺留分侵害額請求(1年)

1.遺言書を探す

まずは遺言書を探しましょう。遺言書の探し方は、遺言書の種類によって異なります。

1-1.自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言を作成する人が、財産目録を除く全文を自筆で書く遺言書です。

自筆証書遺言は、法務局に預けられているケースと自宅などで保管されているケースがあります。

法務局に預けられている場合、遺言書の有無や内容を法務局で調べることができます。

自宅で保管されている場合には自宅などを相続人が探さねばなりません。貸金庫内に遺言書が保管されているケースもよくあります。

自筆証書遺言の場合、後述する検認手続が必要となります。

1-2.公正証書遺言

公正証書遺言の場合には公証役場で遺言書を検索して調べられます。

公正証書遺言とは、公証役場の公証人が、遺言者の述べる遺言の内容を踏まえて作成する遺言書です。

1-3.秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言の内容を秘密にしたまま、公証人に遺言の存在のみを証明してもらう遺言をいいます。

秘密証書遺言は、遺言者が自宅などで保管しているので、相続人が心当たりの場所を探す必要があります。

2.遺言書がある場合には遺言書の検認

遺言書がある場合、見つかった遺言書が法務局に預けられていなかった自筆証書遺言や秘密証書遺言であれば遺言書の検認を受けなければなりません。

検認は家庭裁判所へ申請して行います。検認を受けずに遺言書を開封すると過料の制裁を課される可能性もあるので、早めに手続きしましょう。

▼裁判所の検認手続の解説はこちら

3.相続人調査

遺言がない場合や遺言によってすべての遺産の分け方が指定されていない場合には、相続人調査をしなければなりません。

被相続人の生まれてから死亡するまでのすべての戸籍謄本類を取り寄せて、子どもなどの相続人がいないか調べましょう。

4.相続財産調査

相続財産(遺産)の調査もしなければなりません。

自宅内に財産資料や現金が保管されていないか、よく探してみましょう。

預金の場合、金融機関がわかれば残高証明や取引明細書を取得すると調べられます。

不動産の場合、名寄帳を取得すると同一市町村内のすべての不動産を一覧で確認できて便利です。

郵便受けも確かめて、資産や負債に関する通知が来ていないかチェックしましょう。

遺産の調査が済んだら遺産の一覧表(財産目録)を作成するようおすすめします。

5.相続放棄や限定承認の検討(3か月)

借金などの負債が遺されていて相続したくない場合などには、相続放棄や限定承認を検討しなければなりません。これらの手続きは「自分のために相続があったことを知ってから3か月以内」に行う必要があります。

具体的には、多くのケースで「相続開始を知ってから3か月」が期限となります。

6.準確定申告(4か月)

被相続人が事業者だったケースなどでは、相続人が代わりに確定申告をしなければなりません。これを準確定申告といいます。

準確定申告は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内が申告期限となっています。

相続人の立場になったら早めに準備を進めましょう。

7.遺産分割協議

相続人調査によって相続人が特定され遺産の調査も終わったら、遺産分割協議を行いましょう。

遺産分割協議とは、相続人が全員参加して遺産の分け方を話し合って決めることです。

法定相続人が全員参加する必要があり、1人でも抜けると無効になります。

相続人の中に未成年や認知症の方がいる場合には、特別な対応が必要になる可能性もあります。

遺産分割協議には期限がありませんが、相続税の申告時までに遺産分割できていないと配偶者控除などの控除を適用できません。

その意味では、相続開始後10か月以内には遺産分割協議も終えているのが望ましいといえるでしょう。

8.遺産分割調停や審判

遺産分割協議を行っても相続人同士の意見が合わない場合などには、家庭裁判所で遺産分割調停や審判を行わねばなりません。

話し合いが決裂した場合や話し合いができる状況ではない場合などには早めに家庭裁判所で遺産分割調停の申立をしましょう。

9.不動産の相続登記(将来的に3年以内になる)

遺産分割協議(あるいは調停や審判)で遺産の分け方が決まったら、不動産の相続登記などの相続手続きをしなければなりません。

相続登記とは、不動産の名義変更です。

2023年の時点では相続登記は義務ではありませんが、2024年4月1日からは義務化されます。同日以降は不動産を相続したことを知ってから原則的に3年以内に相続登記しなければなりません。

改正法が施行されるとそれ以前に相続した人にも期限が適用されるので、不動産を相続したら今のうちから早めに相続登記するようおすすめします。

10.預貯金払い戻しや株式の名義変更など

預金を相続したら預金の払い戻しや名義変更、株式を相続したら株式の名義変更、車を相続したら車の名義変更や売却などを進めなければなりません。

これらについても期限はありませんが、預金を放置すると休眠口座扱いになってしまう可能性があります。株式についても、放置していると「株主不明」扱いとなって株式を会社に買い取られてしまう可能性があります。こうしたことからも、相続手続きは早めに行った方が良いといえるでしょう。

11.相続税の申告と納付(10か月)

遺産の価額が基礎控除を超える場合、相続税の申告と納付をしなければなりません。

相続税の申告納付の期限は相続開始を知った日の翌日から10か月です。

相続税の計算などの準備にも日数がかかるので、相続税がかかるなら早めに準備を始めましょう。

TIPS!
相続税の申告は、すべての事案で必要となるわけではありません。
相続税の基礎控除額を超える場合に限り相続税の申告が必要となります。
基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」により算出されます。

12.遺留分侵害額請求(1年)

不公平な遺言や生前贈与によって遺留分を侵害された場合には、遺留分侵害額請求ができます。

遺留分侵害額請求とは、遺留分権利者が遺留分侵害者へ遺留分侵害額という金銭を請求することです。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障される最低限の遺産取得割合です。

遺留分割合は、法定相続分の2分の1とされています(ただし、直系尊属は3分の1)。

遺言や贈与によってその遺留分まで侵害されてしまったら、権利者は「遺留分侵害額」という金銭を請求する方法で遺留分を取り戻せます。

遺留分侵害額請求は、相続開始と遺留分侵害を知ってから1年以内に行わねばなりません。

相続手続きは弁護士へお任せください

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遺産相続の手続きは多岐にわたり、初めての方がすべてに対して適切かつ迅速に対応するのは困難です。相続人調査や相続財産調査などにも時間や手間がかかります。遺産分割協議がまとまらず、もめてしまうケースもあるでしょう。

そういった場合には、遺産相続の専門家である弁護士までご相談ください。

弁護士は相続人調査から遺産分割協議書の作成、遺産分割協議や調停の代理人、遺留分侵害額請求、相続放棄など各種のサポートができる専門職です。

早めに弁護士に依頼すると、相続放棄や遺留分侵害額請求などで期限を過ぎてしまう心配もありません(ただしギリギリになった場合やすでに期限を過ぎてしまっている場合、対応できない可能性もあります)。

ご自身で頑張り過ぎずに、適切に弁護士に相談することが重要です。

弁護士に依頼するメリット

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