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養育費の計算方法とその決定方法について

夫婦が離婚をする場合、子どもと同居しない側の親は養育費の支払い義務を負います。養育費の算定は、様々な個別事情に基づいて計算されます。今回は、養育費の目安となる金額を算定する方法・考え方について解説します。

1. 裁判所の養育費算定表をベースに計算する

養育費を計算する際、ベースとして参照されるのが、裁判所が公表している「養育費算定表」です。

参考:養育費算定表(裁判所)

https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html

養育費算定表に従えば、養育費の金額は以下の要素により決定されます。

・両親の収入バランス →支払う側の収入が多い(受け取る側の収入が少ない)ほど、養育費は高額になります。 ・子の人数 →人数が多いほど、養育費は高額になります。 ・子の年齢(15歳以上か、14歳以下か) →15歳以上の方が、14歳以下よりもやや養育費が高額になります。 ・自営業か給与所得者か →同じ年収であれば、自営業者よりも給与所得者の方が、養育費の計算上有利になります。 →算定表における自営業者の収入は、確定申告における所得をベースに計算します(収入金額をベースとしません。)。

計算例を2つ見てみましょう。

<設例①> ・母が子と同居 ・父年収600万円(給与所得者) ・母年収0円 ・子1人(12歳) 「(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)」に夫・妻の年収を当てはめると、養育費は「6~8万円」のレンジに収まっています。 レンジの上限に近いところなので、8万円に近い金額が認められる可能性が高いでしょう。 ただし、子供の年齢等の事情から、母が仕事に就くことができるといえる場合には、収入がなかったとしても、潜在的稼働能力を基に年収として120万円ほどを計上される可能性はあります。
<設例②> ・母が子と同居 ・父年収500万円(自営業) ・母年収300万円(給与所得) ・子2人(16歳、13歳) 「(表4)養育費・子2人表(第1子15歳以上、第2子0~14歳)」に父・母の年収を当てはめると、養育費は「8万円~10万円」のレンジ上半分に収まっています。 従って、9万円強の養育費が認められる可能性が高いといえるでしょう。

2. 私立学校の学費はどうなる?

養育費算定表で計算される金額には、平均的にかかる教育費は含まれますが、私立学校の(高額の)学費に代表される特別の支出は含まれません。

親が子の扶養義務を負う以上は、子どもが私立学校に通うというのであれば、その費用を経済力に応じて分担すべきと解されます。

ただし、非同居親が子の決断にどの程度関わっているかなど、具体的な事情は家庭によってさまざまです。例えば、私立学校に通学することを承諾していたか、受験のための進学塾に通っていることに承諾しているか(塾の月謝の支払の有無等)及び両親の経済力等の事情を基に判断されます。

そのため、私立学校の学費をどのように分担するかについては、ケースバイケースで判断されることになります。こちらのコラムでも私学加算について解説しています。

3. 離婚協議・離婚調停では交渉次第

上記の養育費に関する考え方は、離婚訴訟(裁判)になった場合に当てはまるものです。

離婚協議・離婚調停でも、養育費算定表の基準が目安にはなるものの、実際には夫婦間の交渉により養育費の金額が決定されます。

夫婦間の交渉において、ご自身にとって有利な養育費の定めを勝ち取れるかどうかは、希望額について法的な観点から説得的な理由を示せるかどうかにかかっています。

養育費に関するお悩みは、離婚全般に関するご相談と併せて、ぜひ弁護士にお話しください。

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