コラム
最終更新日:2023.08.13

離婚届を勝手に出すとどうなる?対処法と適切な離婚を無効にする手続きを解説

離婚問題 離婚届勝手に届出 対処法、手続き、罰則とは

相手が応じないときに、離婚を望む当事者が勝手に離婚届を提出するケースがあります。

離婚届を勝手に出したとしても、法律上は無効です。もっとも、勝手に離婚届の提出をされた側が調停や訴訟で無効であると確認されなければ、戸籍の記載は訂正されません。

無断で離婚届を出されるのを防ぐには、事前に「不受理届」を提出しておく方法があります。

本記事では、離婚届を勝手に出すとどうなるか、提出されたらどう対処すべきかなどについて解説しています。

離婚届を勝手に出すとどうなるかが分かる
離婚を無効とする手続きが分かる
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離婚届の無断提出を防ぐためには
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離婚届をなぜ無断で提出できるのか?

離婚届を相手に無断で市町村役場に提出しても、形式面に問題がなければ受理されます。

離婚届を提出する際には、夫婦2人が揃っている必要はなく、片方だけで手続きが可能です。役所の窓口では、住所や本籍地に間違いがないか、夫婦や証人の署名押印があるかなど、形式的なチェックしか行いません。署名が偽造されていたとしても、担当者が気づく可能性は低いです。

そもそも、離婚届は代理人や郵送による提出もできます。役所では、提出時に夫婦双方が実際に離婚の意思を有しているかまでは確認しないのが実情です。

離婚届を勝手に出すとどうなるのか?

では、離婚届が勝手に提出されて受理されたときには、どうなるのでしょうか?

離婚が無効になる

夫婦の片方が勝手に離婚届を提出したとしても、法律上は無効となります。

離婚が有効に成立するには、提出時に、夫婦双方が離婚する意思を有していなければなりません。届出があっても、実際には片方に離婚する気がないケースでは無効です。

署名が偽造された場合はもちろん、先に離婚届に記入して相手に預けていたとしても、提出した時点で離婚する気がなければ無効となります。

もっとも、いったん離婚届が受理されると、戸籍の記載は変更されます。後述する通り、戸籍の訂正には、訴訟など裁判所を利用した手続きを経なければなりません。

再婚が重婚となる

虚偽の離婚届が受理された後に再婚していた場合には、再婚が重婚となります。重婚とは、法律上の配偶者がいる状態で、別の人と婚姻することです。

重婚は、法律上禁止されています。重婚になっていないかは婚姻届提出時に確認されるため、通常であれば重婚は生じません。もっとも、先に虚偽の離婚届が受理されていたケースでは、気がつかれずに重婚状態になる場合があります。

重婚になったときは、後にした方の婚姻を、家庭裁判所への請求により取り消すことが可能です。

文書偽造等の犯罪が成立する

離婚届を勝手に提出すると、刑法の犯罪が成立する可能性があります。

まず、提出する目的でウソの離婚届を作成する行為に、有印私文書偽造罪が成立します。実際に提出した際には、偽造有印私文書行使罪が成立します。法定刑は、いずれも「3月以上5年以下の懲役」です。

また、ウソの申し立てにより戸籍に事実と異なる記載をさせた点について、電磁的公正証書原本不実記載罪が成立します。刑罰は「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

調停離婚や裁判離婚の場合

調停や裁判で離婚が決まった場合は、調停成立や判決確定の時点で離婚の効力が発生します。その後の役所への届出は、戸籍に記載するために行われ、届出により離婚の効力が生じるわけではありません。

話し合いで離婚(協議離婚)したケースとは異なり、調停離婚や裁判離婚では「勝手に離婚届を出して無効になる」という状況は発生しません。

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離婚届の無断提出を知る方法

相手により離婚届が勝手に提出された事実は、以下の方法で知ることができます。

役場からの通知

離婚届が受理されたときには、役所に来ていない当事者には受理通知があります。

たとえば夫が役所で離婚届を提出した場合には、担当者は窓口で本人確認を行わなければなりません。加えて、確認ができていない妻の方には、離婚届が受理された旨の通知をするのがルールです。

したがって、夫婦の一方により勝手に離婚届が提出されたとしても、相手は知ることができます。

戸籍謄本の確認

何らかの手違いや一時的な居場所の変更などの要因で、通知を受け取れないケースもあるかもしれません。

その場合でも、離婚の事実は戸籍謄本を見ればわかります。戸籍を調べれば、いつでも確認が可能です。

「相手に勝手に離婚届を出されていないか心配」という方は、戸籍謄本を取り寄せてみてください。

どのような場合に離婚届の無断提出が行われるのか

離婚届の無断提出がなされるケースとしては、以下が想定されます。

協議離婚に応じない場合

相手に協議離婚に応じてもらえず、早く離婚したいと考えている場合には、勝手に離婚届を提出する可能性があります。

協議離婚では、夫婦双方が離婚することや、その他条件で合意しなければなりません。そもそも話し合いにならないケースや、協議していても合意する気配がないときには、離婚を強く望んでいる側が勝手に離婚届を出す事態も発生し得ます。

親権争いが激しい場合

親権争いが激しいケースでも、無断提出に至る可能性があります。

夫婦間に未成年の子どもがいるときには、離婚の際に親権者を決定しなければなりません。離婚届にも、親権者を記載する欄が設けられています。

親権をどうしても得たいと考えた側が、勝手に自分を親権者として離婚届を出す事態が想定されます。

不貞やDV等の有責行為がある場合

不倫やDVなど、離婚を望む側に責任があるケースでも、無断提出が発生し得ます。

離婚の原因を作った「有責配偶者」からの離婚請求が認められるハードルは高いです。正当な方法では認められないために、「不倫相手と早く再婚したい」などと考えて不当に離婚届を提出するケースがあります。

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無断提出された場合の処理

離婚届が勝手に提出されれば無効ですが、いったん受理されると、役所に言っても戸籍を変更してくれません。裁判所の手続きを利用して無効であると確定させ、役所で戸籍を訂正してもらう流れになります。

離婚無効確認調停を申し立てる

まずは「離婚無効確認調停」を家庭裁判所に申し立ててください。

調停では、調停委員を介して、離婚が無効かどうかを話し合います。夫婦双方が離婚の無効について合意ができ、それが正当と認められたときには、裁判所が「合意に相当する審判」をします。

関連記事|離婚調停とは?離婚調停の流れや時間を弁護士が解説します

離婚無効確認訴訟を提起する

話し合いで合意できなかったときは、調停は不成立です。続いて「離婚無効確認訴訟」を提起します。

訴訟では、証拠を元に離婚の意思がなかったことが証明されれば、無効を確認する判決が出されます。勝訴するには、筆跡など、無効であると証明するための証拠を提出しなければなりません。

戸籍の訂正をする

離婚を無効とする審判または判決が出た場合には、役所で戸籍の訂正ができます。

訂正の際には、審判書・判決書謄本と、確定証明書が必要です。確定から1ヶ月以内に申請しなければなりません。

離婚届の無断提出された時にしてはいけないこと

無断で離婚届を出された場合には、速やかに対応することが重要です。他方で、無断提出に際して、してはいけないことがあります。

放置すること

離婚届が提出されたことは、市町村役場からの通知などを通じて知ることができます。それにもかかわらず、離婚無効確認の調停や裁判をすることなく放置すると、離婚に同意したと捉えられてしまうおそれがあります。

異議を申し出ない

離婚届を無断で提出されれば、提出した配偶者に対して異議を唱えることが普通です。それにもかかわらず、配偶者に対して何らの異議も申し出ない対応をすると、離婚を受け入れていると認定されるおそれがあります。離婚届を無断で提出されたのであれば、離婚届を届ける意思がないことを早期に明確にしておくことが大切です。

離婚を前提とした手続きをすること

離婚無効確認が認められるためには、離婚届けを提出する意思がなかったことを証明しなければなりません。そのため、離婚届を勝手に出されたにもかかわらず、離婚を前提とするアクションを取ると離婚を受け入れたと認定されるリスクがあります。

離婚無効確認の手続きをせずに、①子供の面会交流を行っている、②親権者に対して子供の養育費を支払っている、③年金事務所に対して年金分割の請求をしている、④子供の氏の変更許可の申立てを行っている、⑤子供の扶養に関する手続きを行っている場合には、離婚届の提出に反対していなかったと認定される可能性がありますので注意が必要です。

離婚届の無断提出を防ぐためには

無断で提出された離婚届が受理されてしまうと、上述した裁判所での手続きを経ないと戸籍を訂正できず、非常に手間がかかります。事前に提出を防ぐのが重要です。

離婚届の無断提出を防ぐためには、事前に「不受理届」を役所に提出する方法があります。離婚の不受理を申し出ておけば、申し出た人の意思が確認できない限り、離婚届は受理されません。

不受理の申出は、役所に行けば簡単にできます。有効期限はありません。離婚したくなったときには取り下げられるため、離婚するか悩んでいる場合にも有効です。

相手が離婚したがっているときには、知らぬ間に離婚届が提出されるリスクがあります。早めに不受理の申出をしておきましょう。

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離婚届けを勝手に出された場合には弁護士に相談を

離婚届を勝手に出された場合には、早期の対応が大切です。これを放置していると勝手に提出された離婚届を受け入れたと捉えられてしまいます。

離婚を無効とするためには、調停や裁判といったプロセスが必要となります。

調停手続や裁判手続きには専門的な知見が求められます。

まずは、弁護士に速やかに相談しましょう。

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