コラム
最終更新日:2023.09.27

離婚裁判の期間と流れ|長期化する原因や早期解決のポイントを弁護士が解説します

離婚問題 離婚裁判は14.2月 裁判を早期に解決させるためには

配偶者が離婚協議に応じない場合、離婚調停を申立てしなければなりません。離婚調停を経ても、離婚できなければ離婚裁判を提起せざるを得ません。

離婚裁判だけでも1年以上の期間を要してしまうことが一般的です。

このように離婚協議から離婚裁判の終結までに、かなり長期間を要してしまい、当事者に大きな負担を生じさせます。

離婚条件を譲歩したり、ある程度の経済的な負担をすることも、早期解決するための選択肢になり得ます。

本記事では、離婚裁判の期間や流れ、早期解決のためのポイントを弁護士が解決します。

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離婚裁判の審理期間

離婚裁判の平均審理期間
6月以内22.1%
6月超~1年以内27.6%
1年超~2年以内37.8%
2年超~3年以内 10.5%
3年超~5年以内1.9%

裁判所が公表している『裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(令和3年7月30日公表)』によると、離婚裁判の平均審理期間は、14.2月とされています。平均的な裁判期日の回数は7.7回とされています。期日の間隔は、1.8月とされ、1月半に一度の頻度といえます。

それ以外の人事訴訟の平均審理期間は、10.5月とされているため、離婚裁判がその他の人事訴訟よりも長期化の傾向であることが分かります。

代理人弁護士が就くと長期化する?

離婚裁判において、弁護士が代理人となった場合、平均審理期間は14.3月となります。他方で訴訟代理人として弁護士が関与しない場合には、平均審理期間は6.7月となります。

一見すると、弁護士に依頼しない方が早いではないか!と思われるかもしれません。しかし、弁護士が関与しないことで、本来議論するべき法律上の問題が十分に議論されないことで早期に終結している可能性が高いといえます。

財産分与の申立てがある場合

財産分与の申立てがある場合の平均審理期間は17.7月となり、上述の平均審理期間よりも長期間していることがわかります。他方で、財産分与の申立てがない場合は、12.1月となっています。

このように、財産分与の申立てが審理期間を長期化させる要因になっていることが分かると思います。

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裁判が長期化する要因

離婚裁判は1年を超えることが一般的と言っても過言ではありません。

その原因を説明していきます。

裁判手続きがゆっくり進むから

離婚裁判も含め裁判手続きそのものがゆっくり進みます。

裁判手続きでは、原告と被告が交代で書面や証拠を準備します。具体的には、第2回期日では、被告が準備書面を提出し、第3回期日では、原告がこれに対する反論として準備書面を提出します。

その上、裁判期日は1か月半前後に一度のペースで行われます。夏季休廷(お盆休み)や年末年始の長期休暇時には、さらに先の日程で調整されます。

離婚原因が明確ではない

離婚を請求する原告の主張する離婚原因が曖昧であったり、明確ではあるものの、これを裏付ける証拠が少ない場合には、長期化しがちです。

相手方である被告が離婚を拒否している場合には、対立関係が激化します。離婚を求める側は、裁判所に離婚判決を出してもらうために、離婚原因を具体的に主張した上で、これを裏付ける証拠を提出する必要があります。

しかし、離婚原因が明確ではない場合、証人尋問をした上で判決を出さざるを得ないため、裁判手続きが長期化してしまいます。

関連記事|離婚原因とは何か?離婚手続きを弁護士が分かりやすく解説

争点が多い

離婚原因の有無だけではなく、それ以外の法律上の争点が問題になる場合には、離婚裁判が長期化してしまいます。

離婚裁判では、離婚原因だけでなく、子供の親権や養育費、財産分与、慰謝料請求、年金分割といった法律上の問題で激しく対立する場合があります。

対立する問題が多ければ多いほど、裁判期日を多く重ねる必要があるため、手続きを長期化させてしまいます。

財産分与の調査が多い

離婚裁判では、財産分与の請求が行われることが多いです。

財産分与とは、夫婦が協力して得た共有財産を離婚に際して清算する制度です。

財産分与では、相手方の共有財産の調査、特有財産、自宅不動産の評価額、別居前の預金の引き出し、といったように幅広い論点が生じさせます。特に、相手方が財産を任意に開示しない場合には、裁判所の調査嘱託を通じて調査することが必要となります。

このように、財産分与一つ取っても、多くの論点を審理することが必要となり、手続きを複雑化させてしまい長期化の要因となります。

親権で対立している

子供の親権で対立している場合には、長期化しがちです。

子供の親権で対立する場合、家庭裁判所の調査官による調査を行うことがあります。調査には、家庭訪問、父母の聴き取り、子供の意向調査、交流観察等があります。

調査官による調査を行うことで、審理が長期化する可能性が高くなります。

和解が成立せず判決に至っている

多くの離婚裁判では、裁判官から和解の提案が行われます。裁判上の和解では、お互い歩み寄いながら離婚条件を調整した上で成立させていきます。

しかし、夫婦の一方又は双方が離婚条件で全く譲歩しない強気な状況であれば、歩み寄りによる和解の成立はできません。そのため、和解による早期解決ができません。

和解が成立しなければ、当事者尋問をした上で裁判所から判決が出されます。判決に納得がいかない場合には、控訴をすることで高等裁判所の審理が続きます。このように和解が成立しない場合には、控訴や上告といった上訴を通じて裁判期間がかなり長くなりがちです。

短期間で終結させるためのポイント

離婚裁判を通じて解決させる場合、最低でも1年を要するでしょう。平均的には、1年半ですから、事案が複雑になれば2年も超えてきます。先行する調停手続の期間を踏まえると、より一層の時間を要しています。 

そのような状況で、早期に解決させるためには、どのようにすれば良いかを解説します。

和解に前向きになる

裁判所から提示される和解案に前向きになることが早期解決につながります。

裁判所の和解案は、将来の判決を踏まえながら提示されることが多くあります。

将来の判決を見通しながら、和解案が将来の判決内容よりも有利な内容であれば積極的に検討するようにします。

また、有利か不利か定かではないとしても、紛争が長期化することにより生じる経済的な負担を考慮することも大事です。例えば、紛争が長期化することで、夫が妻に対する生活費の負担額が増えてしまいます。長期化による生活費の負担額を踏まえて和解案を受け入れる場合もあります。

証拠を早期に提出する

証拠を早期に提出することで紛争の早期解決を図ります。

証拠の出し惜しみをすることで、必要なく裁判期日を重ねてしまうことがあります。

証拠の出し控えの必要がなければ早期に提出して、早期に争点に関する議論を開始させた方が良いでしょう。

主張を早期に出し尽くす

証拠の提出に加えて、主張を早期に出すようにします。

審理の後半に至って新たな主張が出てくるケースがあります。これにより新たな争点が作られてしまい、審理期間を長引かせてしまいます。

裁判期間を短期にさせるためには、早期に主張を出し尽くして、争点を明確化させるべきでしょう。

離婚条件を合理的に検討する

裁判所から提示される離婚条件を合理的に検討することも重要です。

およそ認められない主張にこだわりすぎてしまうケースも多くあります。法的におよそ認められない慰謝料請求、証拠が全くない慰謝料請求、子供が幼齢で別居後も母親が養育監護している場合に父親が親権の主張を固持する場合、離婚条件の調整は難しくなります。

将来、離婚裁判に至った場合の見通しを踏まえながら、離婚条件を合理的に考えるのが早期解決の近道となります。

離婚裁判の流れ

離婚裁判の流れ
調停手続き
訴え提起
審理
和解協議
当事者尋問
判決

離婚裁判(離婚の訴え)の流れを説明します。

調停前置

離婚裁判は、いきなり行うことができます。まずは、家庭裁判所に調停申立てを行い、調停手続を経る必要があります。これを調停前置と呼びます。

調停手続にも時間がかかる

調停手続は、家庭裁判所の調停委員2名が当事者双方を仲裁して話し合いによる解決を目指すプロセスです。

調停手続では、3回から5回ほど調停期日が重ねられます。そのため、調停の申立てから調停手続が終わるまでに6か月前後の期間を要することがほとんどです。ケースによっては、それ以上の期間を要してしまうこともあります。

関連記事|離婚調停とは?離婚調停の流れや時間を弁護士が解説します

離婚訴訟の提起

離婚調停をしたものの、調停が成立しない場合、つまり、調停が不成立となれば調停手続が終了します。

この場合、自動的に離婚裁判が始まるわけではありません。当事者のいずれかが家庭裁判所に対して訴えを提起することで、離婚裁判が開始されます。

訴状や証拠を提出する

訴状を作成した上で、離婚原因や財産分与に関する証拠を準備して、家庭裁判所に対して提出します。

訴状には、離婚を求めるだけでなく、子供がいれば親権者の指定や養育費を求める記載をします。また、不貞行為やDVがあれば慰謝料請求をすることもあります。さらに、財産分与や年金分割を求めることもあります。

家庭裁判所の受付

訴えを提起後、書記官から第1回期日の指定が行われます。その上で提出された訴状や証拠、呼出状が被告住所に送達されます。

訴状に誤記や不足がある場合には、書記官から補正をするよう求められることもあります。

答弁書の提出

被告となった配偶者は、指定された期日までに答弁書を提出します。

初回期日までに答弁書を提出せずに無視することは回避するべきです。

答弁書を出さずに放置すると、被告の欠席のまま裁判手続が終結してしまい、いつの間にか被告に不利な判決が出されてしまうリスクがあります。

初回期日

原告は、第1回期日として指定された日時に家庭裁判所に赴きます。

被告も第1回期日に家庭裁判所に出頭します。ただ、被告は、答弁書を提出された場合、第1回期日に限って欠席することが許されます。これを擬制陳述と呼ばれています。

次回期日までの準備

2回目以降、被告と原告は、争いとなっている事項について、準備書面と主張を基礎づける証拠を提出します。

裁判手続では、原告と被告が一斉に書面や証拠を提出することはありません。

原告と被告が交代で書面と証拠を出し合うのが一般的です。例えば、2回目の期日に原告が準備書面を提出すると、3回目の期日では、被告が原告の準備書面に対する反論を行い、4回目の期日では、原告が被告の書面に対する反論を行うといった具合です。

証拠説明書を提出する

証拠を提出する場合には、証拠説明書の提出することが求められます。

証拠説明書には、証拠の名称、写しか原本か、作成年月日、作成者を記載します。さらに、その証拠によってどのような事実を証明するのか(立証趣旨)を明記する必要があります。

調査嘱託を申立てる

財産分与では、夫婦が互いに共有財産の資料、通帳、取引履歴、退職金の証明書等を提出することで財産分与の金額を確定していきます。

しかし、相手方によっては、財産資料を任意に提出しないこともあります。

この場合には、金融機関や勤務先に対して、裁判所を通じて財産の情報を開示するように求めることがあります。これを調査嘱託といいます。

和解の提案

裁判期日を重ねて、ある程度審理が尽くされた段階で、裁判官から当事者に対して和解案の提示が行われることが多くあります。

和解案は、将来の判決を見据えて提示されます。

和解協議を通じて和解が成立すれば、裁判離婚が成立します。

和解協議を経たものの、離婚条件の調整ができなければ次のプロセスに移ることになります。

当事者尋問

和解が成立しない場合には、当事者尋問を行います。夫婦以外の第三者、例えば、子どもや親が事情を知っている場合には、子供や親に対する証人尋問も行います。

尋問を行うにあたっては、陳述書を作成して提出することが必要となります。

尋問期日の当日は、嘘の発言をしないことを宣誓した上で、主尋問→反対尋問→裁判所の補充質問の流れで行います。

1人あたり1時間前後で行うことが多いでしょう。弁護士に依頼していない場合には、裁判官が主尋問を行います。

判決

当事者尋問を終えた後、判決手続に移ります。ケースによっては、尋問内容を踏まえた最終準備書面を提出することがあります。

裁判所は、審理を通じて提出された書面や書証等を踏まえて終局的な判断を示します。

控訴提起

判決を受け取った日の翌日から2週間以内に高等裁判所に対して不服申し立てをすることができます。これを控訴といいます。

土日や祝日も含めた2週間となります。

2週間以内に控訴提起をしなければ判決は確定することになります。

裁判確定後の手続

判決が確定すると、裁判離婚が成立します。判決の確定により夫婦は法律上離婚となります。ただ、離婚裁判の確定により当然に戸籍に離婚の記載がなされるわけではありません。

判決書、確定証明、送達証明と離婚届を市町村役場に提出することで、戸籍上も離婚となります。

早期に解決させるためには弁護士に相談を

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離婚協議や離婚調停を合わせると、離婚手続はとても長い道のりです。その期間、1人で抱え込んでしまうと、精神的に大きな負担となります。また、法律的な知識を全てカバーすることも容易ではありません。離婚裁判では、裁判所から弁護士に依頼するように促されることも多くあります。

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難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

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