コラム
最終更新日:2023.07.07

借金も財産分与できるか?財産分与の手続きについて弁護士が解説

財産分与と債務

離婚時に問題となるのが財産分与です。

特に、住宅ローンや教育ローンなどの借金がある場合、財産分与において、これら借金をどのように処理するべきなのかが問題となります。

住宅ローン等の借入れが、夫婦生活のために必要なものであれば、財産分与の計算時において考慮することができます。プラスの財産からマイナスの借入を控除するという限りで考慮します。ただ、借金それ自体を財産分与により相手方に負担させることは認められていません。

財産分与をはじめとした離婚問題は、複雑な法律問題を多く含んでいます。一人で抱え込まずに弁護士に相談して進めていきましょう。

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1.財産分与とは

まず、財産分与とは何かを解説します。

財産分与とは、離婚した夫婦が、同居中に協力して築いてきた財産を清算する制度です。

財産分与の対象は、預貯金、保険の解約返戻金、退職金、自宅不動産などの共有財産です。

2.借金と財産分与

では、住宅ローンや教育ローン等の借入は財産分与の対象となるのでしょうか?

2-1.借入を負担させることはできない

財産分与は、夫婦が経済的に協力して得た共有財産を清算するものです。

そのため、借金を夫婦間で分担し合うことを予定していません。

よって、財産分与によって、一方の配偶者が負っている借入の半分を、他方の配偶者に負担させることは原則としてできません。

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3.借金を考慮することはできる

借入の半分を負担させることはできません。

そのため、夫婦にプラスの財産がなく、借金しかない場合には、清算すべき対象財産がないため、財産分与の請求は認められません。

他方で、夫婦にプラスの財産がある場合には、プラスの財産から借金を控除することは認められています。

なお、プラスの財産から借金を差し引いた結果、プラスの財産はないとして、財産分与請求は認められません。

3-1.債務を控除する計算式

例えば、夫のプラスの財産が700万円、借入が300万円、妻のプラスの財産が100万円である場合です。

この場合、夫婦の財産分与の対象財産は、500万円となります。

夫婦の財産分与の分与割合は、原則2分の1ですから、夫婦1人あたりの取得額は250万円となります。

ただ、妻は既に手元に100万円の財産を持っているため、この足らずの部分である150万円をもらうことで、先ほどの取得額250万円を得ることができます。

そのため、夫は妻に対して、150万円を支払うことになります。

【計算式
分与する金額=(夫のプラスの財産−夫の借入+妻のプラス財産)÷2−手元にある財産+負担する借入額
 (700万円−300万円+100万円)÷2−700万円+300万円=−150万円
 (700万円−300万円+100万円)÷2−100万円=150万円

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4.控除できる債務とは何か

全ての借入を財産分与で控除できるわけではありません。

夫婦の共同生活の維持に関係する借入は考慮することができます。

4-1.結婚後の資産形成で生じた債務

結婚後に取得した財産は、共有財産として財産分与の対象となります。

この共有財産の取得に伴って負った借入は、財産分与において考慮することができます。

取得した財産が財産分与の対象となる以上、その取得のための借入も財産分与で考慮するのが公平といえるでしょう。

例えば、自宅不動産の住宅ローンや車のローンが当たります。

4-2.生活費や教育費のための借入

資産の形成には繋がらないものの、生活費や教育費の不足を補うためにした借金も、債務として考慮することができます。

生活費のためのカードローンや教育ローンがあたります。

4-3.事業の運転資金のための借入

配偶者が個人事業主である場合、個人事業に関する財産も財産分与の対象とすることが多いです。

よくあるのが、売上の入金や経費の支払いのために開設した、個人事業用の預貯金です。

個人事業に関する財産を財産分与の対象とするのであれば、運転資金のための借入についても考慮するのが公平といえます。

そのため、運転資金の借入も財産分与において考慮することもあります。

4-4.ギャンブルなどの個人的の借入

ギャンブルや個人的な趣味のための借入は、夫婦の共同生活を送る上で必要なものではありません。

そのため、ギャンブルなどの個人的な借入れは財産分与において考慮することはできません。

また、亡くなった人の債務を相続した場合、その相続債務も、夫婦の共同生活の維持に必要な債務とはいえません。

そのため、相続債務も財産分与において控除できる債務にはなりません。

財産分与に関する割合のコラム|財産分与の割合を変えられるのか?弁護士が解説します

5.日常家事債務による負担することも

財産分与により、借入をしていない配偶者側が、その借入の一部を負担することはありません。

しかし、その借入が日常家事債務にあたる場合には、その借入の債権者に対して支払う義務を負うことがあります。

5-1.日常家事債務とは

民法では、夫婦の一方が日常の家事に関して取引をした場合、他方の配偶者も、この日常家事に関する責任を負うと定められています。

この日常の家事に関する責任を日常家事債務と呼びます。

日常の家事とは、夫婦の共同生活から生じる事務と考えられています。

  • 家庭用の食料品
  • 衣料品の購入契約
  • 家庭用光熱費
  • 自宅の家賃
  • 子供の医療費
  • 子供の学習教材購入のための立替払委託契約

これらについては、日常家事に関する取引と判断されることが多いでしょう。

他方で、夫婦の共同生活に関係のない、単なる借金や借財は、日常家事に関する法律行為とは評価されないことが多いでしょう。

✓財産分与に関する裁判所の解説はこちら

6.財産分与の手続き

財産分与を行う手続には、離婚前と離婚後によっては異なります。

離婚前の財産分与

離婚前に財産分与を求める場合、離婚協議→離婚調停→離婚裁判の各プロセスを進めていきます。

離婚協議

離婚協議に際して、財産分与を含めた離婚条件の話し合いをします。

当事者双方の話し合いにより離婚条件が整えば、離婚届を提出することで協議離婚が成立します。財産分与も含めた離婚条件を明記した合意書を作成することが一般的です。

離婚調停

離婚協議が進展しない場合には、離婚調停の申立てを行います。離婚調停の手続きの中で財産分与の話し合いも行います。

離婚調停では、家庭裁判所の調停委員が当事者双方を仲裁します。

財産分与等の離婚条件が合意できれば、離婚調停が成立します。

離婚裁判

離婚調停が成立しなければ、調停手続きは終了します。

この場合、財産分与も含めた離婚裁判を提起することになります。

離婚裁判では、当事者双方が主張反論を繰り返し審理を進めます。

審理が尽くされた段階で、裁判官から和解の提案が行われます。和解による解決ができなければ、証人尋問を行い判決手続となります。

離婚後の財産分与

離婚時に財産分与を合意する必要はありません。財産分与は離婚後でも行うことはできます。

当事者間で交渉する

当事者間で財産分与の話し合いを行います。

当事者間で合意ができれば、合意書を作成します。合意の内容によって公正証書を作成する場合もあります。

財産分与調停

当事者間の話し合いが進展しなければ、財産分与の調停申立てを行います。

調停委員の仲裁を通じて財産分与の話し合いを進めていきます。

財産分与審判

財産分与の調停が成立しなければ、調停手続きは審判手続きに移行します。

審判手続きは、裁判官が、当事者から提出された主張書面や証拠に基づいて、終局的な判断を下します。調停手続きのように話し合いの要素は薄くなるのが審判手続の特徴です。

7.弁護士に相談しよう

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財産分与は、離婚時に対立が激しくなるテーマの一つです。

そして、財産分与の対象となる財産の探索やその金額の評価に加えて、今回のテーマとなった債務の扱いについては、難しい問題を多く含んでいます。

間違った進め方をしてしまうと、本来得られるはずの財産を得られない、あるいは、支払う必要のないにも関わらず、必要以上に支払ってしまうリスクもあります。

適切な時期に弁護士に相談しましょう。

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