コラム
最終更新日:2023.12.29

単身赴任中に離婚できるのか?単身赴任中の離婚原因、離婚手続を解説

夫の単身赴任がきっかけで離婚を決意することはあります。その理由は様々です。配偶者の浮気不倫もあれば、単身赴任により会う機会が減り愛情を喪失してしまうこともあります。

単身赴任中であっても、離婚原因があれば離婚することは認められますし、離婚原因がなくても、夫婦で合意できれば離婚することはできます。

しかし、離婚に際しては、財産分与、子どもの親権や養育費、面会交流といった問題を解決しなければなりません。

本記事では、単身赴任中の離婚トラブルを弁護士が詳しく解説します。

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単身赴任を理由に離婚できるのか?

単身赴任をしている方、あるいは、自宅に残った方の中には、このまま自由気ままな一人暮らしを続けたいと思われたことがあるかもしれません。

果たして、単身赴任をしている間に気持ちが離れてしまったというだけで、離婚することができるのでしょうか。

単身赴任と別居の違い

単身赴任とは、夫婦の一方が転勤することになった場合に、子供の学校や親の介護などの事情で、夫婦の一方のみが転勤先に異動して、夫婦の他方と子供が自宅に残るというような場合をいいます。

これに対し、別居とは、性格の不一致や不貞行為、DV等のために、夫婦関係が悪化し、更には夫婦関係が破綻したことにより、同居することができなくなって別々に暮らす場合をいいます。

つまり、単身赴任は同居することができるものの、何らかの事情で同居しない場合であるのに対し、別居は、夫婦関係が悪化して同居することができない場合であるといえます。

単身赴任は離婚原因にならない

単身赴任それ自体が離婚原因になることはありません。

もちろん、離婚原因がなくても、夫婦が離婚することに同意すれば、離婚することができます。これを協議離婚といいます。

これに対し、夫婦の一方のみが離婚を望んでいても、他方が離婚に同意しない場合には、民法が定める離婚原因がなければ離婚することはできません。

たとえば、夫婦関係が悪化し更に破綻したために別居し、それが長期間にわたった場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由ある」として離婚原因があることになります。

これに対し、別居の場合と同じように同居していないからといって、単身赴任の場合には同居しないことに正当な理由があるので、たとえ単身赴任が長期間にわたったとしても、それだけでは離婚原因にはなりません。

また、単身赴任には同居しないことに正当な理由があるので、「悪意の遺棄」にも当たりません。

単身赴任中に離婚できる場合

単身赴任それ自体が離婚原因にはなりにくいとしても、配偶者に離婚原因となるような有責行為があれば、離婚することはできます。

妻や夫が不貞行為をした場合

単身赴任中に夫婦のどちらかが不貞行為をした場合には、離婚原因になります。

そういう意味では、同居している場合と同じです。

しかし、単身赴任の場合、独身時代に戻ったような開放的な気分になり、同居している場合よりも不貞関係に発展することが多くなるかもしれません。

金銭問題で夫婦仲が険悪になった場合

単身赴任をすると、単身赴任手当が支給されるとしても、二重生活になるためにどうしても生活費が多く掛かりがちになります。

そのため、お金のことで夫婦間に軋轢が生じることもあります。

また、自宅から単身赴任先までの交通費が支給されるとしても、毎週自宅に帰る分が支給されるわけではないことが多いようです。

そのため、夫婦間の接触が少なくなり、夫婦の関係性が薄まってしまうこともあります。

セックスレスになった場合

夫婦の一方が単身赴任先から自宅に戻った際に、夫婦のどちらかがセックスに消極的になったり、拒否的になったりした場合には、セックスレスも離婚原因になる可能性があります。

これも単身赴任をしている夫婦に限ったことではありませんが、単身赴任をしている間に、夫婦間の気持ちのずれが生じて、セックスレスに陥るということもあるようです。

ただ、全てのセックスレスが離婚原因に該当するものではありません。セックスレスそれ自体が夫婦関係を破綻させている場合もあれば、セックスレスが他の有責行為を引き起こす要因になっていることもあります。

なお、最高裁判所においても、夫婦の性生活は婚姻の基本となるべき重要事項であるとして、性交渉をしようとしない夫に対する妻の離婚請求を認めた裁判例があります。

単身赴任が本当の別居になった場合

単身赴任している間に、いつの間にか夫婦間の気持ちのずれが生じてしまい、それまでは連絡を取り合っていたのに連絡をしなくなったり、単身赴任先から帰宅したり単身赴任先を訪れたりしていたのにそれもなくなり、いつしか本当の別居になってしまったということもあります。

また、単身赴任期間中に夫婦関係が悪化し、単身赴任前の勤務先に戻ったのに、自宅には帰らず、賃貸住宅を借りて別居を続けるという場合もあります。

そのような別居期間が長期間にわたった場合には、やはり離婚原因になります。

ただし、単身赴任が本当の別居になってしまった場合であっても、単身赴任中の期間は別居期間には含まれないと考えられます。なぜなら、単身赴任期間中は、同居しないことに正当な理由があるので、夫婦の同居義務には違反しないからです。

したがって、単身赴任期間を除く本当の別居期間の長短によって、離婚原因があるかが判断されることになります。

単身赴任中の不貞行為を予防するためには

単身赴任中の不倫浮気は、離婚原因になります。単身赴任中の不貞行為を防ぐために取るべき対応を紹介します。

密なコミュニケーション

単身赴任中に夫婦の一方が不貞行為をしてしまうことがあるのは、単身赴任のためにどうしても夫婦間のコミュニケーションが不足がちになるためであると思われます。

したがって、単身赴任中の不貞行為を予防するためには、夫婦間のコミュニケーションを密にする必要があります。

例えば、毎晩、連絡を取り合うとか、週末にはできる限り自宅に帰るようにするとか、赴任先を訪れるようにするといったことが必要です。

過度な干渉を控える

かといって、余りにも他方の生活に干渉しすぎてしまうと、信用されていないのかと不信感を抱き、かえって夫婦関係が悪化し、ひいてはそれが不貞行為につながるおそれがあります。

したがって、過度な干渉は控える方が無難です。

生活費の分担を明確にする

単身赴任をすると、同居している場合よりも生活費が多く掛かることがあり、双方に収入がある場合であっても、一方の側のみの経済的負担が大きくなってしまい、夫婦間に軋轢が生じる場合もありあす。

そこで、一方の側のみに経済的な負担が偏ることがないように、夫婦間で生活費の分担について十分に話し合っておく必要があります。

単身赴任中の不貞行為の調査

それでも不貞行為をしているのではないかと疑われる場合もあるでしょう。

そのようなときに、①単身赴任先に、あるいは自宅に様子を見に行く、②週末や土日の行動をチェックする、③SNSをチェックする、更には④探偵社に尾行調査を依頼するなどして、不貞行為の調査をすることも必要になってきます。詳細は次の関連記事の解説をご参照ください。

関連記事

単身赴任中離婚の流れ

単身赴任中に離婚を決意した場合、その離婚手続きの流れを解説します。

不貞行為の証拠を集める

もし相手方が不貞行為を行なっている場合には、不貞行為の調査をして、不貞行為の証拠を集める必要があります。

あらかじめ不貞行為の証拠を十分に確保しておくことで相手方に離婚を認めさせ、慰謝料を請求するなど、より有利な条件で離婚の手続きを進めることができます。

離婚協議を進める

夫婦間で離婚について話し合うことができるのであれば、離婚調停や離婚訴訟をする必要はありません。

また、離婚調停や離婚訴訟をする必要まではなくても、相手方との交渉を弁護士に依頼したほうが良いこともあります。

相手方との話合いでは、次の離婚条件を決めていく必要があります。

協議する離婚条件

  1. そもそも離婚するのか
  2. 子供がいる場合には親権者をどちらにするのか
  3. 面会交流をどのように実施するのか
  4. 養育費を支払うのか、額をいくらにするのか
  5. 財産分与としてどちらがいくら支払うのか
  6. 慰謝料としてどちらがいくら支払うのか

婚姻費用の分担請求

離婚が成立するまで、配偶者に対して婚姻費用の請求をします。

離婚手続きは、時に1年を超える長丁場になることがあります。その間、生活費をもらうことができなければ、経済的に不安定な生活を余儀なくされます。

離婚が確定するまでの間は、別居していても夫婦には扶養義務がありますから、収入の少ない方が多い方に婚姻費用の分担を求めることができます。

そのため、生活の安定を得るため、婚姻費用の請求をするべきです。

関連記事|別居中の生活費とは?別居後の婚姻費用を弁護士が解説します

単身赴任中の離婚の際の財産分与

同居していた夫婦の場合は、別居開始時の夫婦の共有財産を分割することになります。別居により夫婦間の経済的な協力関係が終了すると考えられるからです。

これに対して、単身赴任中は同居していませんが夫婦間の経済的な協力関係は続いていますので、そのような関係が終了したとき、すなわち、単身赴任が本当の別居になった時点における共有財産を分割することになります。

関連記事|財産分与と割合とは?離婚問題に精通する弁護士が解説します

関連記事|財産分与の対象にならないものとは?共有財産と特有財産について

離婚調停を申し立てる

夫婦間での話合い、更に弁護士に依頼しての話合いでも離婚や離婚条件についての合意ができない場合には、まず、離婚調停を申し立てることになります。

離婚調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入って、離婚や離婚条件について話合いを進め、合意を目指します。

離婚訴訟(離婚裁判)を提起する

離婚調停でも離婚や離婚条件についての合意ができない場合には、離婚訴訟を提起して、裁判所に離婚や離婚条件について決めてもらうことになります。

離婚裁判では、原告と被告の双方が主張と立証を繰り返して行い、審理を進めていきます。審理期間は1年を超えることが多く時間を要します。

離婚届の提出

夫婦間での話合い、あるいは離婚調停、離婚訴訟で離婚や離婚条件が決まれば、離婚届を提出することになります。

協議離婚であれば、夫婦双方が署名捺印した離婚届を提出する必要があります。

調停離婚であれば調停成立時に離婚は成立します。しかし、調停成立によって直ちに戸籍上に離婚の事実が反映されるわけではありません。そのため、調停離婚でも離婚届を提出する必要はあります。ただ、調停離婚の場合、相手方や証人の署名捺印は求められません。

また、裁判離婚の場合も調停離婚と同様に離婚届の提出は必要です。

単身赴任中の離婚手続きは弁護士に相談しましょう

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これまで見てきましたように、単身赴任中に夫婦関係が悪化し、離婚しなければならなくなる場合もあるようです。

離婚についての話合いは、感情的になってうまく進まないことも多いと思われます。

また、離婚原因があるかの判断や、離婚条件を決めるためには、法律の専門的な知識が必要になることも多いと思われます。

離婚をお考えの方は、一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

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