コラム
公開日: 2026.08.28

発信者情報開示請求とは?投稿者を特定する手続きの流れ・費用・期間

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

CASE TYPE 002 — SENDER DISCLOSURE

発信者情報開示請求とは?
投稿者を特定する手続き

匿名の誹謗中傷でも、法的手続きにより投稿者の氏名・住所を特定できます。流れ・費用・期間を大阪の弁護士が解説します。

Q. 匿名の投稿でも投稿者を特定できますか?
特定できます。発信者情報開示請求という法的手続きにより、SNS事業者やプロバイダから投稿者の氏名・住所・IPアドレスの開示を受けられます。2022年10月施行の「発信者情報開示命令」により、手続きは以前より迅速になりました。
Q. どのくらいの期間・費用がかかりますか?
期間は4〜6か月、弁護士費用は着手金35万〜55万円が目安です。投稿の削除や損害賠償まで含めると、事案により変動します。まずは無料相談で見通しをご説明します。
Q. 急いだほうがよいですか?
できるだけ早く動くべきです。投稿者の特定に必要なアクセスログの保存期間は、多くのプロバイダで概ね3か月〜半年です。ログが消えると特定が困難になるため、投稿を見つけたら早期にご相談ください。
02 — OVERVIEW

発信者情報開示請求とは

発信者情報開示請求とは、インターネット上に誹謗中傷などの権利侵害の投稿をした匿名の投稿者について、SNS事業者やインターネット接続事業者(プロバイダ)に対して、氏名・住所・IPアドレスなどの情報開示を求める手続きです。

根拠となる法律は、従来の「プロバイダ責任制限法」を改正・改称した情報流通プラットフォーム対処法です。2022年10月には、開示手続きを一体的・迅速に行える「発信者情報開示命令」という非訟手続きが新設されました。

投稿者を特定できれば、損害賠償請求(慰謝料)・謝罪要求・再発防止のほか、悪質な場合は名誉毀損罪・侮辱罪での刑事告訴も可能になります。

03 — FLOW

特定までの流れ

4 STEPS
STEP 01

証拠の保全

投稿のURL・スクリーンショット・投稿日時を保存。削除される前の確保が重要です。

STEP 02

SNS事業者へ請求

投稿サイトやSNS事業者に、投稿者のIPアドレス等の開示を請求します。

STEP 03

プロバイダへ請求

判明したIPアドレスから接続事業者を特定し、契約者情報の開示を請求します。

STEP 04

投稿者の特定

氏名・住所が判明。損害賠償請求や刑事告訴へ進みます。

2022年10月の改正ポイント:従来はSNS事業者と接続事業者に別々の手続きが必要でしたが、新設された「発信者情報開示命令」(非訟手続き)により、一つの手続きで一体的に進めることが可能になりました。

04 — FEE

弁護士費用(税込表記)

FEE TABLE
項目着手金報酬金備考
初回法律相談無料30分まで無料
発信者情報開示請求
(裁判所手続き)
35万〜55万円20万〜30万円投稿者を特定できた場合のみ報酬金
投稿削除請求8万〜15万円別途協議1投稿あたり。開示と同時進行も可
損害賠償請求15万〜30万円回収額の10〜16%特定後の慰謝料請求

※ 別途、裁判所への申立費用等の実費がかかります(開示命令の非訟手続きは概ね数千円、仮処分は事案により変動)。
※ 表示の費用は目安です。事案の内容により変動します。着手金は法律相談時にご説明し、ご納得のうえでのご依頼となります。

05 — DEADLINE

期間とタイムリミット

4〜6か月
特定までの目安期間
3か月〜半年
アクセスログの保存期間の目安

投稿を見つけたら、できるだけ早くご相談ください。投稿者の特定に必要なアクセスログは、多くのプロバイダで概ね3か月〜半年で消去されます。手続きには複数の段階があり時間を要するため、ログが消える前に着手することが特定成功の鍵です。

06 — FAQ

よくあるご質問

Q1必ず投稿者を特定できますか?

特定できる可能性は高いですが、100%ではありません。アクセスログがすでに消去されている場合や、海外事業者・公衆Wi-Fiからの投稿など、特定が困難なケースもあります。早期に着手するほど成功率は高まります。

Q2開示請求と削除請求は同時にできますか?

できます。投稿の削除と投稿者の特定は別の手続きですが、並行して進めることが可能です。むしろ削除を急ぐあまり証拠が失われないよう、証拠保全と開示手続きを優先することが重要です。

Q3自分で開示請求できますか?

手続き自体は本人でも可能ですが、実務上は困難です。証拠保全、事業者・プロバイダの特定、裁判所への申立書作成など専門的な対応が必要で、ログ保存期間内に完了させる必要があります。弁護士への依頼をおすすめします。

Q4かかった弁護士費用は相手に請求できますか?

一部は請求できる可能性があります。裁判例では、発信者の特定にかかった調査費用の相当額が損害として認められるケースがあります。ただし全額が認められるとは限らないため、事案ごとの見通しをご相談時にお伝えします。

Q5投稿からどのくらいの期間なら間に合いますか?

投稿後できるだけ早く、遅くとも数週間以内の着手が望まれます。アクセスログの保存期間が3か月程度のプロバイダもあり、手続きに要する時間を逆算すると、投稿から時間が経つほど特定が難しくなります。まずは早急にご相談ください。

Q6特定した後はどうなりますか?

投稿者の氏名・住所が判明したら、損害賠償請求(慰謝料)や再発防止の合意、悪質な場合は名誉毀損罪・侮辱罪での刑事告訴へと進めます。当事務所では特定後の対応まで一貫してサポートします。

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