コラム

遺留分侵害請求されたら?遺留分請求を受けた場合の対応を解説

遺留分のポイント

相続問題でよく争いとなるのが遺留分の問題です。

相続人の一部から遺留分侵害請求を受けた場合、どのように対応するべきなのでしょうか。

本記事では、遺留分請求を受けた時の確認すべきポイントを解説します。

1.遺留分とは何か?

遺留分とは、相続人が、生前贈与や遺言によっても奪われることのない相続財産に対する一定の割合をいいます。

つまり、遺留分は、相続人の最低限保障された相続権ともいえるものです。

遺留分の割合は、法定相続分の2分の1です。

ただ、亡くなった人(被相続人)の親が相続人である場合には、法定相続分の3分の1となります。

2.遺留分の侵害とは?

遺留分の侵害とは、遺留分の権利者が実際に取得した相続財産額が、遺留分額に達しない状態にあることをいいます。

被相続人が遺留分権利者以外の相続人等に対して、遺留分を侵害する程の多額の生前贈与や遺贈をする場合に、相続人の遺留分を侵害する事態が生じます。

3.遺留分請求を受けた場合の確認すべき点

もし、あなたが他の相続人から遺留分侵害請求の通知を受け取ったとしても、慌てて対応する必要はありません。

以下で紹介する事項を確認するようにしてください。

遺留分権利者か?

時効になっていないか?

不動産の金額は適切か?

生前贈与の内容は適切か?

ご自身で精査できない場合には弁護士に相談することを推奨します。

3-1.遺留分の権利を有しているか

まず、あなたに遺留分侵害請求の通知を送付している人が遺留分権利者であるかを確認しましょう。

相続人か?

まず、請求者が相続人であるかを確認します。

相続人であるとして、遺留分の権利を持っている相続人であるかを確認しましょう。

相続人は誰か?

被相続人に配偶者がいれば、配偶者は常に相続人となります。

被相続人に子供がいる場合には、子供も相続人になります。

子供が先に他界している場合には、その子供の子供(つまり孫)がいれば、孫も相続人になります。

これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。

被相続人に子供がいない場合には、被相続人の親が相続人になります。

しかし、親がいずれも既に亡くなっていれば、被相続人のきょうだいが相続人となります。

きょうだいが先に他界していれば、その子供(甥や姪)が相続人となります。

遺留分権利者か?

被相続人の兄弟は、先ほど解説したように、子供がおらず、両親も既に他界している場合には、相続人になります。

しかし、被相続人の兄弟には遺留分の権利は認められていません。

そのため、被相続人の兄弟から遺留分侵害請求を受けたとしても、遺留分権者としての地位にありませんので、請求に応じる必要はありません。

また、被相続人の兄弟が被相続人よりも先に他界している場合、その兄弟の子供(つまり甥姪)が被相続人の相続人となります。

きょうだいが遺留分権利者にはならない以上、その子供である甥や姪も遺留分権利者にはなりません。

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3-2.時効が到来していないか

遺留分侵害請求にも期限があります。

被相続人が亡くなってからいつまでも遺留分請求ができるとなると、相続の権利関係がいつまで経っても不安定のままとなります。

そこで、遺留分侵害請求は、遺留分の侵害を知った日から1年以内にしなければなりません。

遺留分侵害請求が1年を過ぎてから行われた場合には、遺留分侵害請求の時効は完成しています。

そのため、遺留分侵害請求の時効を主張することで、遺留分権利者の請求に応じる必要はなくなります。

遺留分侵害を知った日とは

遺留分の侵害を知った日とは、遺留分額に達しない遺言書が開示された日や遺留分を侵害する生前贈与の存在を認識した日です。

自筆証書遺言であれば、裁判所の検認手続により知ることが多いでしょう。

公正証書遺言であれば、遺言執行者が相続人に対して遺言の写しを送付することで、知ることが多いでしょう。

ただ、遺言や生前贈与の存在を知っただけでは足りません。

遺言や生前贈与によって、遺留分が侵害されていることまで知る必要があります。

✓裁判所の検認の解説はこちら

時効の援用

被相続人が亡くなったことと遺留分侵害の事実を知ってから1年が経てば、当然に時効により消滅するわけではありません。

遺留分侵害請求権を時効により消滅させるためには、時効により遺留分侵害請求権を消滅させる意思表示(時効の援用)をする必要があります。

3-3.遺留分請求の内容が適切か

仮に、遺留分権利者から期限内に遺留分侵害請求を受けたとしても、遺留分権利者から言われるままに応じる必要はありません。

遺留分請求の内容が正しいとは限りません。

不動産の評価が適切か

遺留分の問題で、対立しやすい問題が不動産の評価額(時価額)です。

不動産の評価額が高くなればなるほど、遺留分の基礎となる財産が大きくなるため、その分、遺留分侵害額も大きくなります。

遺留分権利者としては、不動産の時価額を高めに主張することで、自身の取り分をできる限り多くしようとするのが自然です。わざわざ、自分の取り分が少なくなるような時価額の主張をすることは稀です。 

不動産業者の査定書、固定資産税の評価額、路線価の評価額、不動産鑑定士による鑑定意見を踏まえて、遺留分権利者が主張する不動産の評価額が適切であるかを検討するようにします。

遺留分権利者の主張する不動産の評価額が不当に高い場合には、査定書等を根拠に、不動産の評価額に関する反論を行いましょう。

不動産の評価方法

不動産の評価方法には、いくつかの種類があります。

公示価格、路線価、固定資産税評価額などがあります。

その他には不動産鑑定士の鑑定書や不動産業者の査定書を参考にすることもあります。

公示価格とは、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日を基準日として公示する価格です。

ただ、公示価格の対象となる土地が少ないため、利用する頻度は多くありません。

路線価は、国税庁が路線価図等により公表している価格で、相続税や贈与税の算出の基準として用いられます。

固定資産税評価額とは、固定資産税を算出するための評価額です。

3-4.生前贈与の内容をチェックする

遺留分権利者が、死亡時に残っていた財産だけでなく、生前贈与も遺留分の算定基礎に含めて、遺留分侵害請求をする場合があります。

遺留分の侵害額は、相続開始時の遺産に生前贈与の額を加算した上で、相続債務を差し引いた金額に対して、遺留分割合を掛けることで算出します。

しかし、すべての生前贈与が遺留分の基礎となるわけではありません。

遺留分権利者が生前贈与に関する主張をするのであれば、いつ、誰に対して、どのような内容の生前贈与であったのかを具体的に主張するよう求める必要があります。

生前贈与を受けた人が相続人以外

生前贈与を受けた人が相続人ではない人である場合には、相続開始前の1年間にした生前贈与のみが、遺留分の算定基礎となります。

ただ、被相続人と贈与を受けた人の両方が、遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合には、1年前の日より前にした贈与も算定基礎となります。

生前贈与を受けた人が相続人

相続人が生前贈与を受けている場合には、相続開始前の10年間にしたものに限って、遺留分の算定基礎となります。

ただし、遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合には、10年前の日より前にした贈与も算定基礎となります。

また、相続人が受贈者である場合、すべての生前贈与が対象になるのではなく、「婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与」、つまり、特別受益にあたる贈与に限られます。

4.弁護士に相談しよう

弁護士に相談しよう

遺留分の請求を受けても、慌てて対応する必要はありません。

遺留分侵害請求に対して、チェックするべきポイントは多岐にわたります。

専門的な事項も多く含みます。

できるだけ早い時期に弁護士に相談をして、遺留分侵害請求の対応を進めていくことが重要です。

初回相談30分を無料で実施しています。

面談方法は、ご来所、zoom等、お電話による方法でお受けしています。

お気軽にご相談ください。

対応地域は、大阪難波(なんば)、大阪市、大阪府全域、奈良県、和歌山県、その他関西エリアとなっています。

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