母子家庭には、国や自治体による様々な扶助制度があります。特に幼い子どもがいる家庭は働き方が制限されやすいため、利用できる制度はもれなく活用することが大切です。
中には自分から申請しなければ受け取れない手当も多くあります。本記事では、2026年度の最新情報をもとに、母子家庭が受けられる手当・支援制度を弁護士が解説します。
2024年10月の制度改正により、児童手当は大きく変わりました。 支給対象が高校生年代まで拡大し、所得制限が撤廃されています。古い情報のまま申請していないか、ぜひ本記事でご確認ください。
児童手当【2026年度最新】
児童手当は、母子家庭に限らず、子どもを養育するすべての家庭に支給される手当です。離婚を理由に母子家庭になった場合、受給口座が父親名義のままになっていることがあるため、必ず役所で受給者・口座の変更手続きを行ってください。
支給対象者
0歳〜18歳(高校生年代まで/18歳到達後の最初の3月31日まで)
2024年10月の制度改正により、従来の「中学校卒業まで」から大幅に延長されました。また、所得制限は撤廃され、所得にかかわらず全世帯が対象となっています。
支給金額(月額)
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 0歳〜3歳未満 | 一律 15,000円 |
| 3歳〜高校生年代(第1子・第2子) | 10,000円 |
| 3歳〜高校生年代(第3子以降) | 30,000円 |
第3子以降の算定対象は、22歳年度末までの子を含めてカウントできる場合があります(条件あり)。該当する可能性がある方は、お住まいの市区町村に確認・申請してください。
児童扶養手当【2026年度最新】
児童扶養手当は、母子家庭・父子家庭などのひとり親家庭を対象とした手当です。児童手当とは別に、申請しなければ支給されないため、まだ申請していない方は必ず手続きしましょう。
支給対象者
母子家庭・父子家庭の0歳〜18歳(到達後の最初の3月31日まで)の子を養育する方
支給金額(2026年度・月額)
| 子の人数 | 全部支給 | 一部支給(所得に応じて逓減) |
|---|---|---|
| 1人目 | 48,050円 | 48,040円〜11,340円 |
| 2人目以降の加算額 | 11,350円 | 11,340円〜5,680円 |
2024年11月の制度改正により、第3子以降の加算額が第2子と同額に引き上げられ、また所得制限限度額も引き上げられました。以前は所得制限に該当して受給できなかった方も、改めて対象になっている可能性があります。
障害年金との併給
ひとり親が障害年金を受給している場合、これまでは障害年金額が児童扶養手当を上回ると児童扶養手当を受け取れませんでした。現在は、児童扶養手当法の改正により、児童扶養手当と障害年金の子の加算部分との差額を受給できるようになっています。
💡 養育費の請求もあわせて検討を
子の養育費を相手方から受け取っていない母子家庭は少なくありません。手当の活用と並行して、養育費の請求もご検討ください。 詳しくは「養育費を払わないとどうなる?差し押さえや時効・減額請求・遅延損害金や罰則についても解説」の記事もご覧ください。
こんなお悩みはありませんか?
- ✓ 養育費を相手から受け取れておらず、生活が苦しい
- ✓ どの手当を申請できるのか、自分のケースで整理したい
- ✓ 離婚にあたり、親権・養育費もまとめて相談したい
手当の知識だけでなく、養育費の確保も重要です
児童育成手当
18歳までの子どもがいる母子家庭等を対象とした手当で、市区町村ごとに制度・名称・受給資格が異なります(実施していない自治体もあります)。
- 支給対象者:18歳未満(到達後の最初の3月31日まで)の子(自治体により異なる)
- 支給金額:月額13,500円程度(自治体により異なる)
特別児童扶養手当・障害児福祉手当
いずれも母子家庭であるかどうかは問わず、障害のある子を養育するすべての家庭が対象です。申請しなければ支給されません。
特別児童扶養手当
精神・身体に障害があり、日常生活に著しい制限がある20歳未満の子が対象です。
| 子の人数 | 月額(1級の場合) |
|---|---|
| 1人 | 52,500円 |
| 2人 | 105,000円 |
| 3人 | 157,500円 |
障害児福祉手当
重度の障害があり常時介護を要する20歳未満の子が対象です。
- 支給金額:一律月額14,480円
母子家庭の住宅手当
20歳未満の子がいる母子家庭で、月額10,000円を超える家賃を支払っている場合に支給される、市区町村独自の制度です。実施していない自治体もあります。
- 支給対象者:母子家庭で20歳未満の子がいる、住宅を賃借している等(自治体により異なる)
- 支給金額:月額5,000〜10,000円程度(自治体により異なる)
母子家庭の遺族年金
配偶者が死亡した場合に受け取れる年金です。加入していた年金の種類によって受給額が異なります。
遺族基礎年金
18歳未満の子(障害等級1〜2級なら20歳未満)と同居している場合が対象。基礎額に子の人数に応じた加算があります。
遺族厚生年金
亡くなった方に生計を維持されていた配偶者・子が対象。本人が受け取るはずだった厚生年金の約4分の3が支給されます。
寡婦年金・死亡一時金
要件を満たす場合に支給される、国民年金加入者向けの制度です。
医療費助成制度
母子家庭等医療費助成制度
0歳〜18歳の子がいる母子(父子)家庭を対象に、健康保険の自己負担分を助成する制度です。市区町村により内容が異なりますが、所得制限が設けられているのが一般的です。
子ども医療費助成
母子家庭等医療費助成の所得制限で対象外となった場合でも、子ども医療費助成を受けられることがあります(親自身の医療費は対象外)。対象年齢は自治体により異なるため、お住まいの市区町村にご確認ください。
生活保護
働いて得られる収入だけでは最低限度の生活を維持できない場合に、国が生活を保障する制度です。養育費を受け取れていない、あるいは受け取っても生活費が不足する場合は、受給を検討する価値があります。
- 主な要件:援助してくれる親族がいない/資産がない/就労が困難な事情がある/収入が最低生活費を下回る
- 支給金額目安:単身世帯で月額10〜13万円程度、母子家庭で月額18〜20万円程度(地域・子の人数により変動)
各種保険料・保育料の減免
国民健康保険料の軽減
母子家庭であることそのものを理由とした減免制度はありませんが、世帯の所得が一定基準以下であれば7割・5割・2割の軽減が受けられます。また、未就学児については所得に関係なく均等割が5割減額されます。
国民年金保険料の免除
ひとり親(寡婦)の場合、前年の合計所得が135万円以下であれば全額免除の対象になります。所得に応じて4分の3・半額・4分の1免除の段階もあります。
保育料の無償化
幼稚園・認可保育園・認定こども園などは、3〜5歳児クラスで無償化されています。住民税非課税世帯であれば0〜2歳児クラスも対象です。
就労支援の給付金
自立支援教育訓練給付金
指定の教育訓練講座(介護福祉士、保育士、柔道整復師、看護師、歯科衛生士など)を修了すると、受講料の60%が給付されます。
高等職業訓練促進給付金
児童扶養手当を受給する母子家庭の母が、1年以上のカリキュラムを持つ養成機関(看護師、介護福祉士、保育士、社会福祉士など)に通う場合、生活費相当の給付金が支給されます。
- 市民税非課税世帯:月額141,000円
- 課税世帯:月額70,500円
- 修了時の一時金:非課税世帯5万円/課税世帯2万5千円
よくある質問
Q. 児童手当と児童扶養手当は両方もらえますか?
A. はい、要件を満たせば両方受給できます。児童手当は全世帯対象、児童扶養手当はひとり親家庭向けの別制度です。
Q. 児童手当の所得制限は本当になくなったのですか?
A. はい。2024年10月の制度改正により所得制限は撤廃され、所得にかかわらず支給対象となっています。
Q. 高校生の子がいますが、児童手当はもらえますか?
A. もらえます。支給対象が「高校生年代まで(18歳到達後の最初の3月31日まで)」に拡大されています。
Q. 養育費をもらっていますが、児童扶養手当の所得には影響しますか?
A. 児童扶養手当の所得算定では、養育費の8割相当額が所得に加算される仕組みになっています。受給額に影響する可能性があるため、詳しくは自治体窓口または弁護士にご確認ください。
Q. どの手当から申請すればいいかわかりません。
A. お住まいの市区町村の窓口(子育て支援課等)でまとめて確認できます。離婚協議と並行して養育費の取り決めも進めたい場合は、弁護士にご相談いただくとスムーズです。
母子家庭の手当・養育費は弁護士にご相談ください
母子家庭が受けられる扶助には多くの種類があり、自治体によって内容も異なるため、すべてを把握するのは簡単ではありません。一つでも多くの制度を漏れなく活用することが、安定した生活の土台になります。
あわせて、相手方からの養育費をきちんと確保することも、手当と同じくらい重要です。養育費の取り決め・未払いへの対応については、弁護士がサポートできます。
難波みなみ法律事務所では、離婚・養育費・親権の問題に取り組む弁護士が、手当の活用方法も含めてアドバイスいたします。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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