離婚をする夫婦は少なくありません。
ただ、実際に離婚する夫婦の多くは円満離婚ではなく、不満を残しながら離婚します。
つまり、夫・妻のどちらかが離婚を告げ、もう一方は「離婚したくない」というケースが多いということです。
『離婚したくない』には、離婚それ自体を拒否するだけでなく、離婚すること自体は反対しないが、離婚に関する各条件が納得できない場合も含まれています。
一体、なぜこのようなすれ違いが起きてしまうのでしょうか。ここでは、「離婚をしたくない理由」と「離婚をしたい理由」、それぞれの心理について解説します。
本記事を読んで分かること
- 離婚をしたい理由・したくない理由が分かる
- 離婚原因の内容が分かる
- 離婚を回避するためにとるべき行動が分かる
本記事を読んで分かること |
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この理由を知ることによって、夫婦の関係改善や離婚の回避などに役立つ可能性があるでしょう。
本記事では、離婚を求める配偶者に対する対処法を解説します。
1. 離婚をしたくないのはなぜか?

離婚をしたくない理由には、様々あります。
その理由を整理することで、離婚を求める配偶者の心理を理解できるようになり、離婚を回避できるかもしれません。
まず、「離婚したくない理由」から紹介します。
離婚したくない主な理由には、以下の5つが挙げられます。
未練や好意
1つ目は最も多いとされる「相手に未練や好意がある」という理由です。
関係がこじれてしまっていても、本来は愛し合って結婚した二人です。
意地を張っていただけのつもりが、いつしか溝が深まり、相手に離婚を言い渡されてしまったというケースも少なくありません。
相手に対して未練や好意がある場合は、離婚をしたくないと考えるのは当然といえるでしょう。
子供と離れたくない
2つ目は「子供と離れたくない」という理由です。
経験上最も多い理由であると考えます。
お互いに離婚自体には納得できていても、子どもの存在を考えると離婚したくないという気持ちになる人も多くみられます。
離婚後に子供と会えなくなることは耐えられない、両親がそろっていないと子供に不自由をさせてしまい養育環境が悪くなってしまうなどと考えた末に離婚を踏みとどまる夫婦も多いようです。
経済面の不安
3つ目は「経済面に不安がある」理由が挙げられます。
これは特に専業主婦やパート従業員であることの多い妻側に多い理由です。
離婚後の生活を考えると、離婚に踏み切れない人も多くいます。
我慢して結婚生活を続ければ相手の収入で安定して暮らせるなど、金銭面につながりを感じるケースも多いようです。子供がいる場合はなおさら不安を感じ、離婚したくないと考えるでしょう。
孤独に耐えられない
4つ目は「一人になることに耐えられない」という理由です。
今まで一緒にいたパートナーがいなくなると、当然ほとんどの人は寂しさや心細さを感じるでしょう。この孤独感に耐えられない人は、離婚を避けることがあります。
世間体
5つ目は「世間体が気になる」ことです。現代では離婚はさほど珍しくなくなりました。
とはいえ、日本にはまだ離婚に対する偏見を持つ人もいます。
そのため、社会的にマイナス評価を与えられることをおそれたり、知り合いへの体裁が気になったりする人は、離婚をしたくないと考える傾向にあるのです。
離婚したくない理由
- 未練や好意がある
- 子供と離れたくない
- 経済面に不安がある
- 1人になることに耐えられない
- 世間体が気になる
2. 離婚をしたいのはなぜか
離婚をしたくない理由に加えて、離婚を求める配偶者が離婚を求める理由も理解しておくことが離婚の回避につながります。
離婚をしたい理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は、平成30年度の司法統計を参考に、男女別の離婚原因をランキング形式で解説します。特に多い5位までは、あわせて詳細も説明します。
夫の離婚原因
男性の離婚原因 | |
1位 | 性格の不一致 |
2位 | 精神的に虐待 |
3位 | 異性関係(不貞) |
性格の不一致
まずは、男性の離婚原因を見ていきましょう。1位は「性格が合わない」ことです。
結婚後、妻と性格が合わないと感じる男性も多いようです。
すると、次第に家で一緒に過ごすことが苦痛になり、離婚を決意するケースも多いといわれています。
精神的な虐待(モラハラ)
2位は「精神的に虐待する」というものです。
妻からの虐待やモラルハラスメントに悩む男性も少なくありません。
長期間にわたり心ない言葉を浴びせられると、心身のバランスが崩れる原因につながります。男性の場合は周りに虐待の相談をしにくく、離婚までに時間がかかりやすい傾向にあります。
異性関係
3位は「異性関係」です。妻の不貞行為等が引き金となり、離婚を決意する男性もいます。
反対に、男性が妻以外の女性に興味を持ち、離婚後に不倫相手と一緒になろうと考えるケースもあるようです。
その他
4位は「家族親族との折り合いが悪い」という理由です。
配偶者が親族との付き合いを断ったり、配偶者の家族との折り合いが悪かったりする場合に、離婚を切り出すケースがあります。
特に、妻側の親族関係というよりも、夫側の親族関係の折り合いが悪いことが多く、これをきっかけに夫婦関係がギクシャクすることが多い印象です。
また、男性は将来的に両親との同居を考えている人も少なくありません。
そのため、同居を視野に入れている場合は不満が生じやすく、離婚を考える傾向にあるようです。
5位は「性的不調和」です。性行為を長期間配偶者に拒否される、いわゆるセックスレスが原因で離婚となる夫婦も多くいます。
セックスレスそれ自体で離婚となることは少ないかもしれませんが、これが一つの要因となって、色々な夫婦間の不和を生んでいることが多いでしょう。
また、性行為の回数や方法に問題がある場合なども、これに含まれます。性交渉は夫婦の大切なコミュニケーションであり、子供をもうけるために欠かせないものです。
そのため、性交渉に不満があると離婚を考える男性も多いといわれています。
以下、6位は「浪費する」、7位は「同居に応じない」という理由です。浪費については、配偶者がパチンコやギャンブル等の浪費に明け暮れて生活費を渡さないということが多いです。
8位は「暴力を振るう」、9位は「家庭を捨てて省みない」、10位は「生活費を渡さない」という理由となっています。
妻の離婚原因
次に、女性の離婚原因を見ていきましょう。
女性の離婚原因 | |
1位 | 性格の不一致 |
2位 | 生活費を渡さない |
3位 | 精神的な虐待 |
性格の不一致
1位は男性と同様に「性格が合わない」という理由です。
性格とひとまとめにしているものの、その言葉が指す範囲は広く、夫婦によっても異なります。
たとえば、夫との趣味が合わないため離婚したいケースもあれば、生活習慣が合わず離婚したいケースもあるようです。
生活費を渡さない
2位は「生活費を渡さない」ことです。夫が生活費を渡してくれず、生活上必要なものが購入できないケースがこれに該当します。
お金が足りないことを夫に伝えると、管理が悪いと攻撃されるケースもあるようです。
精神的な虐待
3位は「精神的に虐待する」ことです。
直接的な暴力がなくても夫から心ない言葉で攻撃されたり怒られたりするなど、モラルハラスメント(モラハラ)や精神的DVなどが含まれます。
精神的な虐待は肉体的な虐待と比べると発覚しにくく、長期化しやすいことが問題視されています。
夫に怒られる自分が悪いと思い込み、離婚まで時間がかかる女性も少なくありません。
その他
4位は「暴力を振るう」という理由です。
夫からの暴力に耐えられなくなり、離婚を決める女性もいます。
肉体的なDVがこれに該当し、暴力の内容や証拠の有無によって離婚までにかかる時間や慰謝料の額などが変動します。
5位は「異性関係」です。
夫の不倫が原因で離婚を決めた場合、証拠や不倫相手との交渉などが必要になります。
そのため、なかなか離婚の話が進まずに時間が経ってしまうケースも少なくないようです。
不倫が原因で離婚をする場合は、事前準備が非常に重要になるでしょう。
そのほかに、6位は「浪費する」、7位は「家庭を捨てて省みない」という理由が挙げられます。8位は「性的不調和」、9位は「家族親族と折り合いが悪い」、10位は「酒を飲み過ぎる」という理由です。
なお、司法統計に出ている結果は、あくまでも離婚調停などの申し立てを家庭裁判所に行ったケースのみが対象となっています。
つまり、夫婦の話し合いのみで離婚成立となったケースは統計には含まれません。
あくまでも目安として捉え、離婚理由の実態のすべてを反映しているとは限らない点に注意しましょう。
3. 性格の不一致は離婚原因とならない
これまで見てきたように、男女共に性格の不一致が離婚原因の一位となっていました。
しかし、性格の不一致は、直ちには離婚原因にはなりません。
法的に性格の不一致が法律上の離婚原因とならない理由を説明します。
離婚原因とは何か?
離婚原因とは、裁判所が離婚をしたくない夫婦の一方に対して、離婚を命じることを正当化する理由を言います。
民法770条1項に、5つの離婚原因が規定されています。
民法第770条【裁判上の離婚】
①夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
離婚原因の1号から4号には該当しない
性格の不一致は、770条一項の1号から4号には当てはまりません。
1号から4号は具体的な離婚原因が規定されていますが、いずれも性格の不一致とは言えません。
婚姻を継続し難い重大な事由
では、5号の『その他婚姻を継難い重大な事由』といえるか。
この婚姻関係を継続し難い重大な事由とは、不貞行為や悪意の遺棄に匹敵するような重大な事由であることが必要です。
離婚原因の有無については、相手方が認めている場合は別ですが、そうではない場合には、その離婚原因があることを主張する側で証明しなければなりません。
しかし、性格の不一致は、夫婦間の主観的な事情であり、不貞行為や悪意の遺棄のように外形的に分かるような事情ではありません。
つまり、性格が合う合わないを判断するための一般的な基準が存在しないため、第三者である裁判官が夫婦間の性格が合わないかどうかを判断することは不可能というほかありません。
そのため、相手方が離婚に反対する立場の場合には、性格の不一致が離婚原因となることは非常に困難と言うほかありません。
裁判実務上では、離婚原因を十分に証明できない場合には、離婚を求める配偶者がいくらかの解決金を支払うことで離婚に応じてもらうことがあります。
4. 離婚を切り出された時の対応方法

突然夫もしくは妻から離婚を切り出されたとき、離婚をしたくない場合はどのように行動したら良いのでしょうか。
行動次第では離婚を回避できる可能性もあるため、あらかじめ取るべき行動や避けるべき行動を把握しておくことが大切です。
それぞれの行動について、詳しく見ていきましょう。
離婚を切り出されても離婚は強制されない
配偶者から離婚を切り出されても、これに直ちに応じる必要はありません。
離婚は、夫婦の話し合いにより離婚届を市町村役場に提出することで成立するのが原則です。
そのため、離婚を求めれても、あなたが離婚に応じない限り、すぐに離婚を成立させることはできません。
たとえ、不貞行為やDVなどの離婚原因があったとしても、離婚を求められても、すぐに応じる必要はありません。
離婚原因があれば離婚裁判を通じて、将来的に離婚判決が出される可能性はありますが、離婚を認める判決が確定するまでの期間は、1年以上の期間を要します。
離婚を回避するための行動
離婚を求められたとしても、感情的にならずに冷静な対応が大切です。
まず「離婚を回避したい場合に取るべき行動」です。
要点は以下の4つが挙げられます。
離婚を回避するための行動・ポイント
- 冷静になること
- 相手方の主張に耳を傾けること
- 率直な気持ちを伝える
- 離婚届の不受理申出をしておくこと
1つ目は「冷静になること」です。突然離婚を突きつけられると、どうしても焦ってしまうものです。しかし、感情的になってしまうと、和解が遠のいてしまいます。感情的にならないよう注意し、冷静に相手の話に耳を傾けるようにしましょう。
2つ目は「相手方の主張に耳を傾けること」です。離婚を求める配偶者に対して、持論をぶつけて議論をしても離婚は回避できません。相手方の主張に耳を傾け、離婚したい原因を探り、その原因を解消できるように最大限努力することが重要です。
3つ目は、「率直な気持ちを伝えること」です。婚姻期間が長くなれば、夫婦関係がマンネリ化してしまい、相手方に対して抱いている愛情や感情を素直に伝える機会が少なくなりがちです。あなたの率直な気持ちが分からず、不安に感じ、離婚をしたいと感じてしまっていることもあるかもしれません。あなたの素直な気持ちを相手方に対して伝えることも大切です。気持ちの押し付けにならないよう、自筆の手紙を作成して、これを手渡す方法も有効です。
4つ目「離婚届不受理申出をしておく」ことです。これは相手の一存で離婚届が提出された場合に、受理されないようにするための申出です。申出は市区町村役場で行えます。申出を済ませておくことにより「知らないうちに離婚となった」というトラブルを避けられます。
離婚届は、夫婦2人の署名捺印と証人の署名捺印が必要です。
そのため、離婚を希望しない配偶者が署名捺印しない限り離婚届が受理されることはありません。
ただ、離婚を希望する配偶者が、反対する相手方の署名捺印を無断で行なって、これを提出するということが考えられます。
この場合でも、離婚届は市役所にて受理されますから、予め離婚届の不受理届をしておくことが必要になります。
なお、相手方が無断で離婚届を提出した場合、市役所において、離婚に反対する配偶者の本人確認をすることができないことから、この場合には市役所から本人確認のできなかった配偶者宛に離婚届の受理通知が送付されます。
離婚に反対する配偶者は、この受理通知の受領により離婚届の提出を知ることになります。
この場合には、離婚無効確認の調停や訴訟などの手続を進めることになります。
離婚回避のために取ってはいけない行動
離婚を切り出されると、気が動転してしまい、感情に任せた無計画な言動を行いがちですが、控えるべきです。
次に、「離婚を回避するために取ってはいけない行動」をチェックしていきましょう。要点には、以下の3つが挙げられます。
離婚回避のために取ってはいけないの行動 |
相手にすがりつくこと 別居すること 相手を無理に説得すること |
1つ目は「相手にすがりつく」ことです。離婚の決意が固まっている相手にすがりついても、重荷となるだけです。
やみくもにすがる行為は避け、冷静に解決策を探るよう努めましょう。冷静になれない場合は、話し合いを延期することも一つの方法です。
2つ目は「別居する」ことです。
冷却期間として、別居という選択をする夫婦もいます。ところが、別居期間が長くなると離婚が認められる可能性があるため注意が必要です。
できる限り長期間の別居は避け、じっくり二人で話し合う機会を設けましょう。
3つ目は「相手を無理に説得する」ことです。弱みを指摘するなどして、離婚を諦めるよう相手を説得する人も少なくありません。
しかし、これは火に油を注ぐ行為といえます。
ののしり合ったり、無理に詰め寄ったりすることは避け、冷静に話し合いを行いましょう。
5. 離婚手続について
通常、夫もしくは妻が離婚の申出を行ったところ、相手がそれを拒否し協議離婚ができないのであれば、離婚調停や離婚裁判を行う流れとなります。
離婚裁判になれば、離婚はできるのでしょうか。
離婚裁判では裁判所が法定離婚事由があり、夫婦関係が破綻していると認めるときに、離婚判決が命じられます。
その事由とは、民法第770条第1項で定められている「不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」、「強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと」「その他婚姻を継続し難い重要な事由があること」の5つです。
これらに該当する場合、裁判で離婚することができます。
離婚する場合には、子どもの親権・養育費・面会交流、財産分与、年金分割といった離婚条件を合意していく必要が生じます。
以下では、不貞行為と悪意の遺棄について簡単に解説します。
不貞行為(不倫・浮気)について
不貞行為がある場合には離婚原因となります。
不貞行為とは、配偶者以外の異性と性行為に及ぶことをいいます。
よくある間違いですが、異性とキスをしたり抱擁する行為それ自体は不貞行為には該当しません。
また、不貞行為があると確信していたとしても、これを裏付ける客観的な資料がなければ、裁判手続において不貞行為の存在を認定されることはありません。
例えば、ラブホテルに入室する写真、性行為に関するLINEメッセージや写真、不貞相手の自宅の宿泊に関する履歴等が不貞行為を裏付ける資料となります。
不貞行為が証明できる場合には、離婚請求できるとともに、これを理由とした損害賠償請求することができます。
多くの事案では、不貞行為に及び、これが発覚すれば、離婚を希望する配偶者を説得して離婚を回避することは難しくなることが多いでしょう。
また、離婚を回避できたとしても、少なくとも別居を選択するケースが多く、別居をしながら、相手方に婚姻費用を支払う状況が続きます。
なお、不貞行為を行った配偶者は「有責配偶者」となるため、有責配偶者による離婚請求は原則認められないため、注意が必要です。
不貞行為の証拠集めについては、こちらのコラムを参照ください。
悪意の遺棄
夫婦は同居して互いに協力し、扶助する義務があります(民法752条)。
悪意の遺棄とは、夫婦関係の断絶を意図する積極的な意思をもって、正当な理由なく、同居義務等を継続的に履行せず、夫婦共同生活の維持を拒否すること、と定義されたりします。
例えば、
・不貞行為を行った夫または妻が一方的に別居を開始したうえで、他方配偶者に対して生活費を支払わない
・病気の配偶者を置き去りにして生活費を送らない
・配偶者に対して暴力を振るうなどして、別居せざるを得ない状況を作った
といったような場合が、悪意の遺棄と評価されます。
そのため、配偶者に同居義務があるからといって、一方的に別居を開始させれば、悪意の遺棄にあたるかというと、そうではありません。
6. 円満調停を申し立てる
当事者の話し合いによっても、夫婦関係の修復ができないのであれば、第三者に仲裁を求めることを検討します。
そこで、離婚をしたくない配偶者は、夫婦関係の修復を図るために、家庭裁判所に対して円満調停の申立てを行うようにします。
円満調停とは
離婚したくない配偶者が離婚を回避するための裁判手続きの一つとして、「夫婦関係円満調整調停」が挙げられます。
夫婦関係調整調停とは、その名のとおり裁判所の調停制度を利用するものです。
裁判所の調停委員が夫婦の間に入り、夫婦関係を維持・改善するためのアドバイスを行います。
これにより、夫婦間で生じている対立を話合いにより解決させ、夫婦関係の修復を図るものです。
調停手続は、1か月から2か月に1度に家庭裁判所で実施されます。調停期日では、それぞれが別々の待合室に待機し、申立人と相手方のそれぞれが入れ替わりで調停室に入室します。
つまり、一方が調停室にて話をし、これが終わると待合室に戻り、その後、他方の配偶者が調停室にて話をし、これが終わると待合室に戻るといった具合で行います。
調停期日の1回につき2時間から3時間程行われます。
調停室では、男女の調停委員2人が在室しており、それぞれから事案の聴き取りをしてもらいます。
数回の調停期日を経ても、結論が出ない場合には、調停は不成立となります。
円満調停のメリット
円満調停は、裁判所の調停委員が仲裁的役割を果たすことで夫婦関係の修復を目指すものです。
調停手続は、直接相手方と面会することはなく、全て調停委員を通じて話をしていきます。
当事者間が直接対峙する必要がありませんので、感情的な対立を回避することができ、冷静な話し合いが期待できます。
また、夫婦関係に関する知識や経験のある調停委員が、当事者から事案や双方の言い分を聞き取った上で、中立的な立場から事案解決に向けたアドバイスをすることがあります。
これにより、当事者間の協議では気が付かなかった視点から事案に向き合えるようになることがあり、夫婦の関係修復に役立つかもしれません。
円満調停のデメリット
離婚調停に関する裁判所の解説はこちら |
7. 最後に

離婚したくない配偶者が取るべき行動やこれに関する解説をさせていただきました。
離婚を回避するためには、要約すると、離婚を求める配偶者と真摯に向き合い、その配偶者に傾聴した上で、問題点や課題を解決していこうという誠実な態度・努力が求められると思います。
本コラムを参考に、何とか離婚を回避するため、夫婦の信頼関係を再構築するよう努めてください。
弁護士に依頼するメリット
- 離婚回避のために取るべき行動を知ることができる
- 交渉や調停手続等の不慣れな手続を一任でき、負担を軽減できる
- 有利な条件についてアドバイスを受けることができる
当事務所では離婚問題に注力しており、数多くの離婚相談をお受けしています。
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面談方法は、ご来所、zoom等、お電話、メールによる方法でお受けしています。
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