コラム
公開日: 2025.01.08

モラハラ妻と離婚するためには?モラハラ妻の特徴・改善方法・離婚の流れ|難波みなみ法律事務所

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

「どこで何をしていたの?私を置いて楽しんでいたんでしょう!」「あなたが悪いからこうなったのよ!」『だれのおかげ生活できている!』『無能!』このような言葉に日々さらされている夫は、モラハラ妻の被害に遭っている可能性があります。

モラハラは、日常化されているため、妻の言動が精神的な虐待にあたるモラハラであるとの認識が薄い人は案外多いです。

日々浴びている妻の言動や妻の特徴を踏まえて、モラハラの被害を受けているかを客観的に確認してみましょう。

モラハラ被害を確認できれば、それを理由に慰謝料請求や離婚請求するために、モラハラ被害を証明できる証拠を収集しておくことが非常に大切です。

この記事では、モラハラ妻の特徴や、離婚に踏み切る際の具体的な流れ、慰謝料請求の方法などを詳しく解説します。

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モラハラとは

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で、倫理や常識を超えた精神的な嫌がらせを指します。モラハラは、精神的なDVに該当することもあり、周囲から気づかれにくいという特徴があります。加害者は、被害者の自尊心を傷つけ、精神的に追い込むような言動を繰り返します。モラハラを受けている被害者は、自己評価が低下し、うつ病などの精神疾患を発症するリスクが高くなります。

モラハラが精神的なDVに該当する場合には、法定の離婚原因である婚姻を継続し難い重大な事由に該当します。ただし、モラハラを理由とした離婚は、証拠収集が難しく、裁判所での立証が困難な場合も多くあります。

モラハラ妻の特徴

モラハラ妻の特徴について詳しく見ていきましょう。モラハラ妻には、いくつかの共通した行動パターンや性格的特徴があります。あなたの妻がモラハラ妻の特徴を当てはまるかを確認してみましょう。

常に批判的な発言をする

モラハラ妻は、夫に対して常に批判的な発言を繰り返します。些細なことでも夫の行動を否定し、責め立てるのが特徴です。

例えば、夫が少し遅く帰宅したときに、「どこで何をしていたの?私を置いて楽しんでいたんでしょう!」と激しく詰め寄ります。また、夫が家事を手伝っても、「こんなことも満足にできないの?」と非難するなど、どんなに頑張っても夫を認めようとしません。

自分の非を絶対に認めない

モラハラ妻は、自分に非があっても絶対に認めようとしません。夫婦間の問題が生じた際にも、全ての責任を夫に押し付け、自分の言動を正当化します。

たとえ客観的に見て明らかに妻に非があっても、「あなたが悪いからこうなったのよ!」と開き直ったり、話をすり替えたりして、自分の非を認めようとはしません。このような態度から、建設的な夫婦の話し合いは難しくなってしまいます。

夫の行動を厳しく管理する

モラハラ妻は、夫の行動を細かく管理し、束縛する傾向にあります。夫の外出先や交友関係、金銭の使途などを逐一チェックし、容認できない行動があれば激しく非難します。

例えば、夫が友人と食事に行くことを許さなかったり、「この服を着てはダメ」「この時間までに帰宅しなさい」など、夫の自由を著しく制限します。これにより、夫は精神的に追い詰められ、萎縮してしまうのです。

夫の人間関係を遮断する

モラハラ妻は、夫の人間関係を遮断しようとします。夫の友人や家族との付き合いを嫌がり、「あの人とは付き合わないで」と要求することがよくあります。

また、夫の友人や家族の悪口を言って関係を悪化させたり、夫に「私か友達か選べ」と迫ったりすることで夫を追い詰めます。その結果、夫は周囲からのサポートを得られず、社会的に孤立し一人で問題を抱え込むことになるのです。

突然怒るなど精神的に不安定

モラハラ妻は感情のコントロールが苦手で、突然激怒するなど精神的に不安定な面があります。些細なことでいきなりヒステリックに怒鳴り散らしたかと思えば、すぐに泣き出すといった極端な感情の起伏を見せます。

夫は常に妻の機嫌を伺わなければならず、いつ怒られるか分からないという恐怖に怯えながら生活することになります。そのような環境に長くさらされることで、夫は大きな精神的な負担を抱えることになります。

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モラハラ妻によって受ける影響

モラルハラスメントを行う妻、いわゆる「モラハラ妻」と結婚生活を送ることで、夫は様々な悪影響を受けることになります。ここでは、モラハラ妻によって夫が受ける主な影響について説明します。

自己肯定感の低下

モラハラ妻は、夫に対して常に否定的な言動を繰り返します。些細なミスも許さず、夫の自尊心を徹底的に傷つけるのです。長期間このような生活環境に置かれることで、夫は自分に自信を持てなくなり、自己肯定感が著しく低下してしまいます。

加えて、モラハラ妻は夫の行動や考え方を全否定する傾向があります。夫が何をしても認めず、常に批判的な態度を取るのです。このような状況下では、夫は自分の判断や行動に自信を持てなくなり、自己肯定感がさらに低下してしまいます。

精神疾患を発症させる

モラハラ妻からの継続的な精神的虐待は、夫の心身に大きな負担をかけます。絶え間ないストレスにさらされることで、夫はうつ病や不安障害などの精神疾患を発症するリスクが高まります。

特に、モラハラ妻との生活が長期化すると、夫の精神状態は深刻な状況に陥ります。自己肯定感の低下に加え、不眠や食欲不振などの身体の症状も現れ始めます。適切な治療を受けないと、夫の精神疾患は慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

社会的に孤独になる

モラハラ妻は、夫の人間関係を支配しようとする傾向があります。夫の友人や同僚との交流を制限したり、外出を過度に制限したりすることで、夫を社会から孤立させてしまうのです。

また、モラハラ妻は夫の行動を細かく監視し、説明を求めます。このような状況下では、夫は自由に行動することができず、次第に社会との関わりを避けるようになります。結果として、夫は社会的に孤独な状態に追い込まれ、心理的に追い詰められていくのです。

健康が悪化する

モラハラ妻との生活は、夫の身体的健康にも悪影響を及ぼします。慢性的なストレスは、免疫力の低下や生活習慣病の発症リスクを高めます。また、十分な睡眠や栄養を取ることができず、体調を崩しやすくなります。

加えて、モラハラ妻は夫の健康管理には無関心であることも少なくありません。病気やケガを放置することで、夫の健康状態は悪化の一途をたどることもあります。

妻がモラハラに走る原因

ここでは、妻がモラハラに走る主な原因について説明します。

幼少期のトラウマ(自分の親もモラハラ)

妻がモラハラに走る背景には、幼少期のトラウマが関係していることがあります。例えば、両親の不仲や虐待を目撃したり、経験したりした場合、健全な人間関係の構築方法を学ぶ機会を逸してしまう可能性があります。

その結果、大人になってからも、自分の感情をコントロールすることが難しくなり、相手を尊重したコミュニケーションが取れなくなってしまうのです。幼少期の辛い経験が、無意識のうちに妻のモラハラ行動を引き起こしている可能性があります。

夫婦関係の不満(コミュニケーション不足・価値観の違い)

妻がモラハラに走るもう一つの原因は、夫婦関係への不満です。コミュニケーション不足や性生活の不一致、家事・育児の分担の偏りなどが、妻のストレスを増大させます。

不満が蓄積すると、妻は夫に対して攻撃的になり、精神的な嫌がらせを行うようになります。夫婦関係の問題を解決せずに放置することが、モラハラを悪化させる要因となるのです。

自己肯定感が低い

自己肯定感の低さも、妻がモラハラに走る原因の一つです。自分に自信がない妻は、夫の言動に過敏に反応し、些細なことでも傷つきやすくなります。

自己肯定感の低さから生じる不安や焦りが、支配的な態度や過度な束縛につながるのです。妻自身が自分を認め、尊重することが、モラハラ防止に重要だと言えます。

ストレスの蓄積

日常生活の中で蓄積されたストレスも、妻のモラハラを引き起こす要因です。仕事や育児、介護などの負担が重なると、妻のメンタルヘルスが悪化します。

ストレス解消の方法を知らない、または実践できない妻は、夫に対して攻撃的な言動を取るようになります。妻のストレスマネジメントを支援することが、モラハラの予防と改善に役立つでしょう。

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モラハラ妻を改善させるためにできること

モラハラ妻の言動に悩まされている夫にとって、妻の改善は切実な願いでしょう。しかし、モラハラ妻を変えるのは容易ではありません。

ここでは、夫がモラハラ妻を改善させるために取り組むべき具体的な方法をご紹介します。一朝一夕では難しいかもしれませんが、粘り強く努力を重ねることで、少しずつ状況が好転していく可能性が

モラハラ妻の多くは、自分の言動がモラハラに当たることを自覚していません。そのため、まずは妻にモラハラについて理解してもらうことが重要です。

夫は、妻の言動を具体的に指摘し、それがモラハラであると伝えましょう。その際、感情的にならず、冷静に事実を述べることを心がけてください。妻が感情的にならないよう、配慮した言葉選びも必要でしょう。

モラハラの原因と向き合う

モラハラにはさまざまな原因が考えられます。妻の性格的な問題や、ストレス、過去のトラウマなどが背景にあるかもしれません。

夫婦で話し合い、妻がなぜモラハラに走ってしまうのか、その原因を探ることが大切です。妻の抱える問題に共に向き合い、支えていく姿勢を示しましょう。妻も変わろうと努力する必要がありますが、夫の理解と協力も不可欠です。

冷静に話し合う

モラハラ妻との会話は、感情的になりがちです。しかし、建設的な話し合いをするためには、お互いに冷静さを保つことが何より大切です。

夫は、妻の発言に一呼吸おいて対応するよう心がけましょう。妻の感情に流されることなく、問題に焦点を当てて議論を進めることが重要です。双方が落ち着いた態度で臨めば、歩み寄りの余地も生まれるはずです。

妻の不満を聞き取る

モラハラの背景には、妻の不満や不安があることも少なくありません。夫に対する要望や、生活上のストレスが、モラハラを引き起こしているのかもしれません。

夫は妻の話に耳を傾け、不満の原因を理解するよう努めましょう。妻のニーズを汲み取り、できる限り解決策を見出す姿勢が求められます。妻の心情を尊重し、歩み寄る努力を怠らないことが重要です。

カウンセラーなどの専門家に相談

夫婦だけでは解決が難しい場合、カウンセラーなどの専門家に相談するのも一つの方法です。第三者の視点から的確なアドバイスを受けられるでしょう。

夫婦カウンセリングでは、互いの気持ちを伝え合い、理解を深められます。モラハラ克服のための具体的な方策も学べるはずです。二人で一緒に取り組む覚悟があれば、状況改善の大きな助けとなるでしょう。

モラハラ妻と離婚するデメリット

モラハラ妻と離婚することには、いくつかのデメリットが存在します。ここでは、経済的な問題、子供の養育環境の悪化、親の介護の問題について詳しく解説していきます。

経済的な問題(世帯収入が下がる)

モラハラ妻と離婚する際に直面する大きな問題の一つが、経済的な側面です。特に共働きの場合、妻の収入が失われることで家計が圧迫される可能性があります。

また、離婚後は養育費の支払いが義務付けられる場合が多く、経済的な負担が増加します。さらに、婚姻費用の支払い義務も発生する可能性があり、離婚後の生活設計には十分な注意が必要です。

その上、財産分与を求められる場合には、たとえモラハラ妻であっても、共有財産を清算しなければならず、大きな経済的な負担となります。

子供の養育環境が悪化する

モラハラ妻との離婚は、子供の養育環境にも大きな影響を与えます。離婚によって子供が精神的なダメージを受ける可能性があり、人間関係の歪んだ認識を持つようになる恐れがあります。

また、親権の問題も重要です。一般的に母親が有利とされていますが、特に乳幼児の場合はその傾向が顕著です。子供の将来への影響を考慮し、慎重な判断が求められます。

親の介護の問題

モラハラ妻との離婚は、親の介護にも影響を及ぼします。離婚後は、介護の負担が増加する可能性があり、仕事との両立が困難になるケースもあります。

特に、妻が介護の中心的な役割を担っていた場合、離婚によって介護体制の再構築が必要になります。介護サービスの利用や、親族との協力体制の構築など、事前の準備が重要です。

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モラハラ妻と離婚するための流れ

モラハラ妻との離婚を検討する際には、いくつかの重要なステップを踏む必要があります。ここでは、モラハラ妻と離婚するための具体的な流れについて解説します。

モラハラの証拠を確保する

モラハラ妻との離婚を進める上で、モラハラ行為の証拠を確保することが非常に重要です。日記、録音、メールなどの形で、モラハラ行為の詳細を記録しておきましょう。

また、モラハラによる精神的ダメージを裏付ける医療記録も有効な証拠となります。可能であれば、精神科医や心療内科医の診断を受け、その記録を保管しておくことをお勧めします。

協議離婚を目指す

証拠を確保した上で、まずは協議離婚を試みることが望ましいでしょう。双方の合意があれば、協議離婚は最も簡便な離婚方法です。

ただし、モラハラ妻との話し合いが難しい場合も多いため、弁護士などの専門家に相談しながら進めることをお勧めします。協議離婚が成立しない場合は、次のステップである離婚調停を検討します。

協議離婚ができなければ離婚調停を申し立てる

協議離婚が不調に終わった場合、次は家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。離婚調停では、調停委員が双方の主張を聞き、合意形成を目指します。

この際、モラハラの証拠を提出し、妻のモラハラにより婚姻関係を継続し難い程度に至っていることを主張・立証することが重要です。調停でも合意に至らない場合は、審判や訴訟へと進むことになります。

裁判離婚を提起する

調停でも離婚問題を解決できない場合、最終手段として裁判離婚を提起することになります。裁判では、モラハラが婚姻関係の継続を困難にする重大な事由に該当するかどうかが争点となります。

そのため、モラハラの証拠を適切に提示し、妻の行為が婚姻関係を破綻させるに至ったことを立証する必要があります。裁判の結果、離婚が認められれば、離婚が成立することになります。

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モラハラ妻との離婚は、精神的にも経済的にも大きな負担を伴う困難な選択です。しかし、適切な準備と専門家の支援により、円滑に進めることが可能です。

モラハラ妻の特徴を理解し、証拠収集に努めることが重要でしょう。また、離婚後の生活や子供への影響について十分に検討し、必要な対策を講じることが大切です。慰謝料請求についても、弁護士に相談するなどして、適切に対応することが望ましいでしょう。

モラハラ妻との離婚を検討されている方は、一人で抱え込まずに、周囲の支援を積極的に求めることをおすすめします。専門家の力を借りながら、新しい人生を歩み始める勇気を持つことが大切です。

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