コラム
公開日: 2025.11.29

提訴とは?弁護士がわかりやすく解説|告訴・起訴との違いや裁判の流れも紹介

「提訴」という言葉を聞いたことはあっても、どんな意味かわかりやすく説明できる方は少ないかもしれません。ニュースなどで耳にする機会はあっても、自分には関係ないと思っている方もいるでしょう。

この記事では、提訴とは何か、その意味をわかりやすく解説します。また、提訴と似た言葉である「告訴」や「起訴」との違いについても説明します。さらに、裁判の流れや、提訴を検討する際に知っておきたいポイントもご紹介。ぜひ参考にしてみてください。

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「提訴」とは一体なに?まずは基本を理解しよう

まずは、「提訴」という言葉の基本的な意味と、どのような場面で用いられるのかを分かりやすく解説します。

提訴とは何か?

「提訴」とは、個人や法人などの私人間で発生した民事上のトラブルに関して、裁判所に訴えを起こし、法的な解決を求める手続きのことを指す言葉です。簡単にいうと、民事裁判を起こすことを意味します。法律用語としては、「訴えの提起」と呼ばれるものです。

提訴は、当事者間の話し合いだけでは解決が難しい紛争を法の下で公正に解決するため、民事裁判を開始する第一歩となる重要な行為です。

なお、民事裁判を起こす側の人のことを「原告」、起こされた側の人のことを「被告」といいます。「被告」というと、犯罪者であるかのようなイメージを持たれるかもしれませんが、そのような悪い意味を持つ言葉ではありません。

提訴が行われるのは「民事裁判」

提訴は、「民事裁判」を起こすための手続きです。刑事事件の加害者を警察などに訴えることは「提訴」ではありません。

民事裁判では、お金の貸し借り、不動産の所有権、契約上の問題などをはじめとして、私人間で発生したさまざまな法的トラブルが扱われます。代表的な民事上の法的トラブルの例を以下に示します。

・知人に貸したお金が返ってこない場合の「貸金返還請求」

・不倫による精神的苦痛に対する「慰謝料請求」

・交通事故で被った損害への「損害賠償請求」

・賃借人が家賃の滞納を続けるため退去してほしい場合の「建物明渡請求」

・一部の相続人が遺産を勝手に使い込んだ場合の「不当利得返還請求」

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「告訴」や「起訴」とは何が違う?

「提訴」と同様に、「告訴」や「起訴」といった言葉も、ニュースなどで耳にする機会が多いでしょう。これらは一見似ているように感じられますが、それぞれ意味合いや目的が大きく異なります。

最も大きな違いは、「提訴」が民事上の手続きであるのに対して、「告訴」と「起訴」は刑事上の手続きであることです。

【民事】提訴:私人間の権利・義務に関する争いを解決するため

提訴とは、個人や法人などの私人間で生じた権利や義務に関するトラブルを、民事裁判で解決するための手続きです。具体的には、貸したお金を返してもらったり、被った損害の回復を求めたりするために行われます。

このように、提訴はあくまで民事上の法的トラブルを解決することを目的としており、相手の処罰を求めるものではありません。ただし、刑事事件であっても、加害者に対して慰謝料など損害賠償金の支払いを求めて裁判を起こす場合は、民事の問題となりますので「提訴」をすることになります。

【刑事】告訴:犯罪の被害者が犯人の処罰を求めるため

「告訴」とは、犯罪の被害に遭われた方が、警察官や検察官といった捜査機関に対し、犯罪の事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をする手続きです。この行為は、私人間のトラブル解決を目指す「民事」の手続きである提訴とは異なり、国の機関に犯人への刑事罰を求める「刑事」の手続きであるという点で根本的な違いがあります。

具体的な告訴の方法は以下の通りです。

●  告訴状の提出: 詐欺、暴行、名誉毀損などの犯罪被害に遭った場合、被害者が警察署に「告訴状」を提出するのが一般的な方法です。

●  口頭での告訴: 口頭による告訴も認められていますが、実務上は事実関係を明確にするためなどの目的で書面の提出を求められることがほとんどです。

告訴が受理されると、捜査機関は事件の捜査を開始する義務が生じます。これにより、犯人の処罰につながる可能性が高まります。ただし、軽微な犯罪では刑事裁判にまで至らないこともあります。

なお、犯罪の被害者ではない第三者が処罰を求める行為は告訴ではなく、「告発」といいます。

【刑事】起訴:検察官が犯人の処罰を求めて裁判を起こすため

「起訴」とは、刑事事件において、検察官が裁判所に対し、犯罪の被疑者の刑事責任を問い、その処罰を求めるために、裁判の開始を請求する手続きを指します。日本では、この「起訴」を行う権限は検察官のみに与えられており、「起訴独占主義」として刑事訴訟法で定められています。そのため、犯罪の被害者や一般の方が直接、犯人を起訴することはできません。

捜査が進み、検察官が「有罪判決を得られるだけの十分な証拠がある」と判断した場合に限り、被疑者は起訴されます。起訴されると、被疑者は「被告人」となり、刑事裁判が正式に開始されます。検察官は、裁判所に起訴状を提出することで、この手続きを進めるのです。

告訴と起訴は、刑事事件における手続きであるという点で共通していますが、告訴は犯罪の被害者が捜査機関に訴える手続きであるのに対して、起訴は検察官が裁判所に訴える手続きであるという点で異なっています。

最後に、提訴・告訴・起訴の主な違いを表にまとめておきます。

用語概要主体目的
提訴民事裁判の開始を裁判所に請求する手続き個人、法人など私人間の権利義務に関するトラブルを解決する
告訴犯罪事実を捜査機関に申告し、犯人の処罰を求める意思表示被害者など犯罪捜査の開始と犯人の処罰を促す
起訴刑事裁判の開始を裁判所に請求する手続き検察官被疑者の刑事責任を問い、処罰を求める

誰がどんな場合に提訴できるのか?

提訴は、誰でも自由に、どんな場合にでもできるわけではありません。

「提訴できる人」と「提訴できるケース」は、民事訴訟法で以下のように定められています。

提訴できる人

提訴できるのは、法律上の権利や利益を侵害された人です。基本的には、本人に限られます。

家族や友人であっても、「AさんがBさんに貸したお金を返してもらえないので、返してあげてほしい」というように、第三者間のトラブル解決を求めて提訴することはできません。

ただし、未成年者や認知症で判断能力が低下した人など、単独で法律行為を行う能力のない人が当事者となったトラブルでは、親権者や後見人などの法定代理人が提訴することになります。

法律上の行為能力がある成人が当事者となったトラブルでも、弁護士が委任契約に基づき訴訟代理人として提訴することも可能です。

提訴できるケース

提訴ができるのは、トラブル解決のために裁判所による判決が必要であり、それによって法的トラブルを有効かつ適切に解決できるケースに限られます。この要件のことを、法律用語では「訴えの利益」といいます。

例えば、AさんがBさんに車を貸したところ、Bさんが交通事故を起こしてその車を廃車にしたとします。この場合、AさんからBさんに対して車の返還を求めても、目的物が存在しないのですから訴えの利益がなく、提訴することはできません。しかし、車を返還できなくなったことによる損害の賠償を求める場合は訴えの利益がありますので、提訴できます。

また、「相手に謝罪してほしい」「真実の事実関係を知りたい」といった目的では、当事者間の権利・義務に関する法的判断によってトラブルを解決することにならないため、訴えの利益は認められません。つまり、提訴できないということです。

ただし、損害賠償を求めるなど訴えの利益がある形で提訴することにより、裁判の手続きを通じて事実関係を究明することはできます。裁判上の和解協議において、和解成立の条件として、相手方に対して謝罪を求めることも可能です。実際にも、和解調書において「被告は原告に対し、本件について真摯に謝罪する」との条項が記載されるケースがよくあります。

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提訴してから解決までの流れを5ステップで解説

実際に提訴に踏み切る際には、「具体的に何から始めれば良いのか」「どのような手続きを経て解決に至るのか」といった疑問や不安を抱くかもしれません。

この章では、提訴の準備段階から最終的な解決まで、一般的な民事訴訟の流れを5つのステップで解説します。各ステップで「誰が何をするのか」を明確にすることで、裁判の全体像を具体的にイメージできるでしょう。

ステップ1:裁判所に「訴状」を提出する

提訴の最初のステップは、訴訟を起こす側、すなわち「原告」が、裁判所へ「訴状」という書面を提出することから始まります。この訴状は、民事裁判を開始する上で最も重要な書類です。

訴状には、主に「請求の趣旨」と「請求の原因」という二つの内容を具体的に記載する必要があります。「請求の趣旨」とは、原告が裁判所に対し、どのような判決を求めるのかを明確に記す部分です。例えば、金銭の支払いを求める場合は「被告は、原告に対し、金〇〇円を支払え」といった形で簡潔に記載します。「請求の原因」では、なぜそのような請求を行うのか、トラブルの経緯や請求の根拠となる事実を具体的に説明します。

訴状は原則として、訴える相手である「被告」の住所地を管轄する裁判所に提出します。提出時には、以下の書類や費用を併せて準備する必要があります。

●  訴状本体

●  証拠書類の写し

●  収入印紙(裁判所に納める手数料)

●  郵便切手(裁判所からの書類送付用)

ステップ2:裁判の日程が決まり、相手方に訴状が届けられる

訴状が受理されると、初回の裁判期日(第一回口頭弁論期日)が指定されます。その日程は、裁判所が原告と調整して決められますが、基本的に被告の都合が確認されることはありません。

それから、第一回口頭弁論期日の日時や場所などが記載された「呼出状」とともに、訴状や証拠書類の写しが裁判所から被告へ送付されます。この送付は、「特別送達」という特殊な郵便で行われるのが特徴です。特別送達の封筒にはその旨が明記され、郵便局員が被告に直接手渡し、受領のサイン(押印または署名)をもって完了します。これにより、被告は訴えられている事実を正式に認識することになります。

訴状を受け取った被告は、その内容に対する自身の言い分をまとめた「答弁書」を作成し、裁判所に提出します。答弁書には、訴状に記載された請求内容を認めるか否かや、具体的な反論内容などを記載する必要があります。この答弁書の提出期限は、通常、第一回口頭弁論期日の約1週間前に設定されており、裁判官や原告が事前に内容を確認できるようになっています。

ステップ3:口頭弁論・弁論準備手続を通じて審理を行う

第一回口頭弁論期日を迎えると、裁判所での「審理」が始まります。審理とは、原告と被告がそれぞれの主張や提出された証拠を出し合い、裁判官がどちらの言い分が正しいかを判断する手続きのことです。

公開の法廷で行われる審理のことを「口頭弁論」といいますが、多くの裁判では「弁論準備手続」も行われます。これは、公開の法廷ではなく、裁判所の非公開の部屋で、裁判官と当事者が集まり、今後の審理の進め方や具体的な争点を整理するための話し合いです。この手続きは、効率的な審理のために重要な役割を果たします。

これらの手続きは一度で終わることは少なく、通常は約1ヶ月に1回程度のペースで複数回繰り返されます。そうして、徐々に争点が明確になり、裁判の全体像が固まっていくのが一般的な流れです。

ステップ4:裁判所から和解勧試が行われる

審理が進む中で、裁判官は当事者双方に対し、話し合いによる解決を促す「和解勧試(わかいかんし)」を行うことがあります。これは民事訴訟法89条に定められた手続きです。

和解勧試の主な目的は、裁判所が判決を下すことなく、当事者間の合意によって紛争の円満かつ柔軟な解決を図ることです。民事上のトラブルは、当事者双方が納得して解決するに越したことはありません。また、長期化しやすい裁判において早期に和解が成立すれば、当事者の時間的、精神的な負担、さらには費用の増加を避けることにもつながるため、多くの民事裁判で積極的に試みられています。裁判官は、これまでの主張や提出された証拠などを総合的に考慮し、双方にとって妥当な和解案を提示することもあります。

和解が成立すれば、その合意内容が「和解調書」として作成され、裁判はそこで終了します。和解調書には、確定判決と同じ法的な効力が認められます。

和解を成立させるためには、当事者双方が自身の主張に固執せず、互いに譲歩することも重要です。裁判所を通じて協議を重ねても合意に至らない場合は、審理が引き続き進められ、次のステップである「尋問手続き」へと移行します。

次の表では、裁判における「和解」と「判決」の主な違いをまとめます。

項目和解判決
性質当事者間の合意による解決裁判所が一方的に下す判断
成立要件当事者双方の譲歩と合意裁判官による事実認定と法適用
法的効力確定判決と同じ効力(和解調書として)確定判決として法的効力を持つ
主なメリット紛争の早期解決、時間・費用・精神的負担の軽減、双方納得の解決、予期せぬ結果のリスク回避法に基づいた公正な判断

ステップ5:尋問手続を経て判決が下される

当事者が主張や証拠を出し尽くして争点が明確となった段階で、和解に至らなかった場合は、人証(人の供述による証拠)を取り調べるための「尋問手続」が実施されます。この手続きでは、公開の法廷において当事者本人や証人が裁判官や弁護士からの質問に直接口頭で答え、事実解明を進めます。

尋問手続は、一般的に以下の流れで行われます。

●  人定質問

●  宣誓

●  主尋問

●  反対尋問

●  再主尋問

尋問手続きは、なるべく集中的に行われますが、複数の証人がいる場合などでは複数の期日にわたって行われることもあります。

全ての審理が完了した時点で、再度、裁判所から和解勧試が行われることも多いです。この段階でも和解に至らなかった場合は結審し、判決言渡期日が別途指定され、最終的に「判決」が言い渡されます。判決が確定すると法的な拘束力を持つため、敗訴側はその内容に従う義務を負います。

もし判決内容に不服がある場合は、判決書を受け取ってから2週間以内に上級裁判所へ「控訴」を申し立てることができます。

提訴に踏み切る前に知っておきたい注意点

提訴は、当事者間のトラブルを法的に解決するための有効な手段の一つですが、決して軽いものではありません。裁判を通じて問題を解決するには、長い時間と多大な費用がかかるだけでなく、精神的な負担も大きいことが少なくありません。これらの負担を十分に理解せず、安易な気持ちで提訴に踏み切ってしまうと、後で後悔する可能性もあります。

そのような事態を避けるためにも、提訴を検討する際には事前にいくつかの重要な注意点を知っておくことが大切です。この章では、以下の3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

●  提訴にかかる具体的な時間や費用の目安

●  裁判以外の解決方法(民事調停など)の検討

●  感情的にならずに証拠を集めることの重要性

時間や費用はどのくらい必要?

提訴を検討する際、裁判にかかる「時間」と「費用」が気になる方は多いことでしょう。

民事裁判の期間は、事案の複雑さによって大きく変動します。比較的単純な事案であれば3ヶ月から半年程度で解決に至ることもありますが、1年以上かかることも多いです。争点が多く複雑なケースでは、数年単位の期間を要することも珍しくありません。

次に費用ですが、大きく分けて「裁判所に納める費用」と「弁護士に支払う費用」の2種類があります。

裁判所に納める費用には、訴状に貼る「収入印紙代」や、書類の送達に必要な「郵便切手代」などがあります。収入印紙代は請求額に応じて決まり、例えば100万円を請求する場合は1万円が必要です。郵便切手代は裁判所によって異なりますが、6,000円程度が目安で、当事者が1人増えるごとに2,000円程度増額されることが多いです。

一方、弁護士に依頼する場合は、着手金や報酬金、日当、実費などがかかります。具体的な金額は事案によって幅があり、どの弁護士に依頼するかによっても異なります。一般的には、着手金として数十万円、報酬金として得られた経済的利益の10%~20%程度が目安となります。総額では、50万円から150万円程度となるケースが比較的多いといえます。

ほとんどの場合、裁判所に納める費用よりも弁護士費用の負担が重くなります。弁護士に依頼する際には、必ず費用について詳しい説明を受けて見積もりを取り、納得した上で依頼するようにしましょう。

裁判にかかる費用の構成と目安は以下の通りです。

費用項目目安備考
裁判所に納める費用数千円~1万円+収入印紙代(請求額に応じて変動)収入印紙代は請求額100万円で1万円
弁護士に支払う費用50万円~150万円程度のことが多い(事案の内容や依頼する弁護士によって異なる)着手金、報酬金、日当、実費などを含む
全体費用合計52万円~155万円程度事案の複雑さにより変動

裁判以外の解決方法(民事調停など)も検討する

提訴は、時間、費用、そして精神的な負担が大きい最終手段の一つです。そのため、いきなり裁判に踏み切る前に、まずは他の解決策も検討してみた方がよいでしょう。

その代表的な方法が「話し合い」です。当事者だけでは話し合いがまとまらない場合でも、弁護士を間に入れると冷静な交渉が可能となり、迅速かつ穏便な解決が可能となることも多いです。弁護士費用も、提訴を依頼する場合よりは、示談交渉を依頼する場合の方が低額となる傾向にあります。

話し合いによって解決する方法としては、「民事調停」を利用することも考えられます。これは、裁判官と調停委員が双方の間に入り、合意による円満かつ柔軟な解決を目指す手続きです。民事調停のメリットは、費用を比較的安く抑えられる点にあります。例えば、トラブル対象額が10万円までなら申立手数料は500円、30万円なら1,500円です。また、手続きは非公開で行われるためプライバシーが守られることや、裁判よりも早期の解決が期待できるというメリットもあります。

その他にも、中立・公平な専門機関が仲介するADR(裁判外紛争解決手続)を利用することも考えられます。これは、裁判所以外の機関を通じて話し合いや「あっせん」などの方法により、円満かつ柔軟な解決を目指す手続きです。無料で利用できる機関も多く、有料の機関でも費用は提訴する場合より低額で済みます。

感情的にならず、証拠を集めておくことが大切

民事裁判では、感情的な主張だけでは勝訴できません。裁判官は、民事訴訟法第247条に定められている通り、「口頭弁論の全趣旨」と「証拠調べの結果」に基づいて事実を認定し、判決を下します。そのため、

自身の主張を裏付ける証拠の有無が、裁判の勝敗や判決内容を大きく左右します。

具体的にどのようなものが証拠になり得るかは、事案や主張の内容によって異なります。代表的なものとして、以下のものが挙げられます。

●  契約書、請求書、領収書などの書面

●  メールやSNSのやり取り

●  写真、録音データ

●  診断書

有力な証拠が手元にない場合は、弁護士に依頼して「弁護士会照会」を利用することにより、官公庁や企業などの団体から証拠を入手できることもあります。提訴した後に「文書送付嘱託」や「調査嘱託」を申し立てることにより証拠を入手できることもありますが、証拠は可能な限り提訴前に確保しておくことが大切です。

証拠は時間が経つと失われたり、集めにくくなったりすることが少なくありません。トラブルが発生したその時点から、意識的に関連する資料を保存し、記録を残しておきましょう。これにより、いざというときに自身の正当性を法的に証明する準備を整えられます。

弁護士に提訴を依頼するメリット

提訴は個人で行うことも可能ですが、その手続きは複雑で専門的な知識も要します。難しいと感じた場合は、弁護士への依頼を検討することをおすすめします。

弁護士に依頼した場合には、まず、話し合いによる解決の道を探ってもらえます。相手方との話し合いは弁護士に一任できますので、自分で相手方と直接やりとりする必要はありません。弁護士が代理人として法的観点から冷静に交渉してくれますので、迅速かつ円満な解決が期待できます。それと同時に、弁護士費用の削減にもつながるでしょう。

どうしても話し合いで解決できず、提訴が必要な場合には、弁護士が証拠の収集からサポートしてくれます。訴状の作成や提出、裁判期日への出頭、準備書面の作成・提出、証拠の提出など、民事裁判に関する手続きは全面的に弁護士に任せることが可能です。自身は、原告本人尋問の期日を除いて、基本的に裁判所へ出頭する必要もありません。これにより、時間や労力、精神的な負担を大きく軽減できるでしょう。

何よりも、弁護士が法的に有効な主張と、その主張を裏づける証拠を提出し、尋問手続きにも的確に対応することで、有利な判決を得られる可能性が高まります。途中で和解に応じた方が得策となるケースでも、弁護士から適切なアドバイスがありますので、和解のチャンスを逃すことはありません。

弁護士費用はかかってしまいますが、弁護士のサポートを受けることで、時間や労力、精神的な負担を大きく軽減しながら、満足できる結果を得られる可能性を格段に高めることができるでしょう。

まとめ:提訴はトラブル解決の最終手段!まずは専門家への相談がおすすめ

本記事では、私人間の金銭トラブルや損害賠償など、法的な争いを解決するための手続きである「提訴」について詳しく解説いたしました。

提訴は、当事者間の話し合いでは解決が困難な紛争に終止符を打つための有効な手段ではありますが、決して安易に選択すべきものではありません。裁判には、半年から数年に及ぶ長期的な期間を要することがあります。さらに、弁護士費用を含めると、一般的に50万円から150万円程度、場合によってはそれ以上の高額な費用が発生することもあります。また、精神的な負担も大きく、日常生活に影響を及ぼす可能性も考慮する必要があります。これらの理由から、提訴はトラブル解決のための「最終手段」として位置づけるのが賢明といえるでしょう。

もし現在、私人間のトラブルでお悩みを抱えているのであれば、まずは弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

弁護士は、個々の状況に応じて、提訴だけでなく民事調停や示談交渉など、より早期かつ円満な解決につながる他の手段も視野に入れ、最適なアドバイスを提供してくれます。

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