コラム
更新日: 2025.06.08

顧問弁護士とは?役割やメリット・デメリット、活用方法を徹底解説

企業経営において法的リスクを管理することは、ビジネスの持続的な成長に欠かせない要素です。「顧問弁護士」というワードを知っていても、実際に顧問弁護士がどのような役割を担い、どのようなメリットがあるのか、具体的に理解している経営者は多くないかもしれません。

また、顧問契約を結ぶべきかどうか迷っている方や、すでに契約しているものの十分に活用できているか不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。

そこで、この記事では、顧問弁護士の基本的な役割から具体的なメリット・デメリット、さらには効果的な活用方法まで徹底的に解説します。

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顧問弁護士の基本概念と一般弁護士との違い

顧問弁護士とは、企業や個人事業主と継続的な契約関係を結び、定期的に法律相談や法務サポートを提供する弁護士のことです。一般的な弁護士との最大の違いは、この継続的な関係にあります。以下では、顧問弁護士と一般の弁護士との違いを説明します。

顧問弁護士の定義

顧問弁護士とは、企業や個人事業主と継続的な契約関係を結び、法律面でのサポートを行う弁護士のことを指します。

顧問契約により、法律相談などのリーガルサービスを定期的に受けることができます。これにより企業経営や事業運営における様々な法的課題に対して、予防的かつ継続的なサポートを受けられるようになります。

顧問弁護士の特徴は、単発的な案件対応ではなく、依頼者の経営状況を長期的に把握した上で、総合的なサポートを行う点にあります。つまり、顧問弁護士は、事業内容や取引関係、社内体制などを理解した上で、その企業特有の法的リスクを見つけ出して、適切な助言を行います。

顧問弁護士と一般の弁護士との違いとは

顧問弁護士と一般の弁護士の最も大きな違いは、継続的な関係性にあります。

一般の弁護士は特定の案件や問題が発生した際に都度依頼する「スポット対応」が基本ですが、顧問弁護士は月額の顧問料を支払うことで継続的に法律相談などの法務サポートを受けられる関係を構築します。

継続的な関係を持つことで、顧問弁護士は顧問先企業の事業内容や経営方針、法的な課題などを理解した上でアドバイスができるという強みがあります。一般弁護士への依頼では、毎回ビジネスの背景や現状を一から説明する必要がありますが、顧問弁護士はすでに企業の状況を把握しているため、より的確で迅速な対応が可能です。

費用面では、一般弁護士は案件ごとの弁護士費用やタイムチャージ(時間単価制)が一般的ですが、顧問弁護士は月額固定の顧問料を基本とし、訴訟案件や内容証明の作成などの別案件では、通常の依頼より割引きされた料金体系となることが多いです。

さらに、対応の優先度も異なります。一般弁護士は複数の依頼者を抱えているため即時対応が難しい場合もありますが、顧問弁護士は顧問先企業からの相談に優先的に対応することもできます。

顧問契約の基本的な仕組み

顧問契約とは、企業や個人事業主が弁護士と継続的な法律相談等のサポートを受けるために結ぶ契約です。

一般的な顧問契約では、月額の固定料金を支払うことで、定められた範囲内での法律相談が可能となります。

顧問契約の基本的な仕組みは、顧問料の月額に応じた「サービス内容」「相談可能時間」「連絡手段」「値引き制度」の各要素で構成されています。

連絡手段としては、電話やメール、チャットワーク、ライン、オンライン会議、事務所での対面相談など、複数の連絡手段が用意されていることが多いです。緊急時の対応についても、契約内容に明記されているケースが増えています。

料金体系は、基本的に月額固定制となっており、相談件数、契約書チェックの有無や回数、内容証明の作成、紛争時の弁護士費用の減額率などによって金額が設定されます。基本料金に含まれる相談範囲を超えた場合や、訴訟対応などの追加業務が発生した場合には、別途料金が発生することが一般的ですが、顧問契約の内容によっては通常の料金から減額されることも多いです。

契約期間は通常1年単位で更新される形式が多く、自動更新とされていることも珍しくありません。

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顧問弁護士の役割と具体的な活用例

弁護士バッジを付けた男性

顧問弁護士は企業の法務パートナーとして多様な役割を担っています。最も重要な役割は法的リスクの予防で、契約書のチェックやコンプライアンスの体制構築をサポートします。

問題が発生する前に対策を講じることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができるのです。

顧問弁護士の具体的な役割を紹介します。

法的リスクの発生予防と早期の対応

顧問弁護士の最も重要な役割の一つが、法的リスクの予防と早期対応です。

企業活動においては様々な法的リスクが潜んでおり、問題が顕在化してから対処するのでは大きな損失を被る可能性があります。

顧問弁護士は定期的な法律相談を通じて、企業活動に潜む法的リスクを事前にチェックします。例えば、取引先との契約書に不利な条項がないか、労務管理が労働法に違反していないか、新規事業が各種規制に抵触しないかなどを事前に確認することで、将来的なトラブルを未然に防ぎます。

また、企業内で発生した些細な問題が大きな問題に発展する前の段階で相談できることも強みです。些細な従業員とのトラブルや、取引先からのクレームなど、初期段階で適切な対応を取ることで、問題の拡大を防止できます。

企業経営における法務サポート

企業経営において法的な問題は避けて通れません。

契約書の作成や確認、労務問題への対応、取引先とのトラブルなど、日々の経営活動には法務的な視点が常に必要とされます。顧問弁護士は、こうした企業経営における法務面でのサポートを包括的に提供する重要なパートナーになります。

また、企業内での法務知識の向上にも貢献します。従業員向けの法務研修を実施したり、社内規定やマニュアルの作成をサポートしたりすることで、組織全体の法的なリテラシーを高める役割も担います。これにより、法的リスクに対する社内の感度が向上し、問題の早期発見や早期対応が可能になります。

トラブル発生時の迅速な対応と解決

企業が顧問弁護士と契約する最大の利点の一つが、法的トラブルが発生した際の迅速な対応と早期の解決です。

一般的に、顧問契約を結んでいない場合、法的問題が生じてから弁護士を探し、状況や背景を説明し、対応策を検討するまでに貴重な時間を失ってしまいます。

顧問弁護士がいれば、トラブル発生直後からすぐにアドバイスを受けられるため、初動対応のスピードが格段に向上します。

さらに、顧問弁護士は企業の事業内容や組織体制をあらかじめ理解しているため、個別のケースに応じた最適な解決策を提案できる点も大きな強みです。

訴訟等の裁判手続に発展するケースでは、初期段階からの適切な証拠収集や法的戦略の構築が勝敗を分けることも少なくありません。顧問弁護士は問題の初期段階から関与することで、訴訟リスクを抑えるだけでなく、万が一訴訟となった場合の勝訴を実現させるための準備を整えることができます。

紛争時の弁護士費用負担の軽減(割引制度)

顧問弁護士と契約している企業が法的紛争に直面した場合、通常の弁護士費用と比較して弁護士費用が一定程度軽減されます。顧問弁護士は、顧問契約を結んでいるクライアントに対して、顧問契約のコースに応じて、訴訟や交渉などの紛争解決業務に関する費用を10〜30%程度割り引く制度を設けています。

また、紛争の初期段階で顧問弁護士に相談できることで、問題が大きくなる前に適切な対応が可能となり、結果的に訴訟コストそのものを抑えることができる点も大きな利点です。

顧問契約の月額料金を支払っていても、一度大きな紛争が発生した際の費用負担を考えると、長期的には経済的メリットが大きいといえます。

具体的な活用事例とその効果

顧問弁護士の活用によって実際に企業が得た効果は多岐にわたります。

例えば、製造業の顧問先企業では契約書の事前チェックの相談体制を整備したことで、一方的に不利な条件での取引が減少しました。

賃貸業を営む不動産会社においては、相談体制を確立させたことで、多発していた個人客からの相談に適切に対応できるようになり、担当者個人の裁量による、その場しのぎの対応を減らすことができました。

これらの事例は、顧問弁護士が単なる「問題解決者」ではなく、企業の成長と安定を支える「ビジネスパートナー」として機能している証左といえるでしょう。

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顧問契約のデメリットと回避策

顧問契約は企業の成長を支えるパートナーですが、顧問契約にもデメリットはあります。そのデメリットの内容にも目を向けながら、顧問弁護士を選定することが失敗しないための鍵となります。

契約内容と費用のバランス(相談がなくても固定的に発生する)

顧問契約では、毎月一定額の顧問料が発生するという特徴があります。この費用は、実際に相談や依頼がなかった月でも固定的に支払う必要があります。例えば月額5万円の顧問契約を結んだ場合、その月に一度も相談しなくても5万円は支払わなければなりません。

このような費用体系は、法的問題が頻繁に発生する企業にとっては費用対効果が高いものの、法律相談の頻度が少ない企業にとっては、契約内容と費用のバランスが取れていないと感じることがあります。

顧問弁護士との契約を検討する際は、自社の法的なニーズを正確に把握し、それに見合った契約内容と費用設定を選ぶことが、このデメリットを解消させる鍵となります。

相性や専門分野のミスマッチリスク

顧問弁護士との契約において見落としがちなのが、弁護士との相性や専門分野のミスマッチによるリスクです。弁護士との長期的な関係構築において、このミスマッチは問題解決の質に大きく影響します。

まず専門分野のミスマッチについてです。弁護士にも得意分野があり、企業法務、労働問題、不動産問題など専門性は様々です。

また、相性の問題も見逃せません。顧問弁護士との関係は単なる一時的な委任関係ではなく、長期的なパートナーシップです。コミュニケーションスタイルや価値観の違いが大きいと、相談のしづらさや意思疎通の問題が生じます。

このようなミスマッチを避けるためには、契約前の十分な面談や相談を通じて相性を確認することが重要です。

顧問弁護士の費用相場と契約形態

スマホで金額を計算する男性

顧問弁護士との契約を検討する際、費用相場と契約形態を理解することは重要です。一般的に顧問弁護士の月額費用は企業規模や相談頻度によって大きく異なります。

顧問料の相場

中小企業の場合、月額3万円〜10万円程度が相場となっています。小規模事業者であれば月額3万円〜5万円、中規模企業では5万円〜10万円が目安です。大企業になると10万円以上の顧問料が一般的で、事業規模や法務リスクの大きさに応じて30万円以上になることもあります。

また、顧問契約には最低契約期間が設定されていることが多く、一般的には6ヶ月〜1年の契約が標準です。契約内容と費用のバランスを考慮し、自社のニーズに合った契約形態を選択することが賢明です。

追加料金が発生するケースと対策

顧問契約では基本的な月額顧問料に含まれるサービス範囲が定められていますが、その範囲を超える業務が発生した場合には追加料金が必要となります。主な追加料金が発生するケースとしては、訴訟や調停などの紛争案件の代理業務があります。これらは通常の法律相談の範囲を超える業務であるため、別途着手金や成功報酬が発生するのが一般的です。

また、契約書の作成や交渉の立会いなど、特別なリーガルサービスにも追加費用がかかることが多いでしょう。さらに、顧問契約で定められた相談回数や時間を超過した場合や、契約時に想定していなかった新たな法律分野に関する相談が必要になった場合も追加料金の対象となることがあります。

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個人向け顧問弁護士サービスの特徴

個人事業主や一般個人も顧問弁護士を活用できることはあまり知られていませんが、実際には様々なニーズに対応したサービスが提供されています。個人向け顧問弁護士サービスは、企業向けとは異なる特徴を持っています。

個人向け顧問契約では、月額料金が比較的低く設定されていることが多く、当事務所のスマートプラン(月額9500円)を利用される個人のお客様もいらっしゃいます。

また、個人向けサービスでは特定分野に特化した顧問契約も増えています。例えば、不動産オーナー向け、医師・歯科医師などの開業医向けの相談に特化したものなど、個人の職業や状況に応じた専門的なサポートを受けることもできます。

顧問弁護士の選び方と評価基準

専門性が高い分野であるために、弁護士の良し悪しは、外観だけでは判断することは簡単ではありません。そこで、失敗しない顧問弁護士の選び方を紹介します。

企業のニーズに合った専門性の確認

企業が顧問弁護士を選ぶ際、最も重要なポイントの一つが専門性です。すべての弁護士が同じ法律分野に精通しているわけではなく、各弁護士には得意分野があります。企業の業種や直面している法的課題に適した専門知識を持つ弁護士を選ぶことが、顧問契約の効果を最大化する鍵となります。

相性や対応スピードの見極め方

顧問弁護士との相性や対応スピードは、長期的な関係を構築する上で非常に重要な要素です。まず相性を見極めるには、初回の無料相談や面談を積極的に活用しましょう。

契約前に確認すべき重要事項

顧問弁護士と契約する前には、いくつかの重要事項を確認しておくことが重要です。まず契約書の内容を詳細に確認し、顧問料に含まれるサービスの範囲を明確にしておきましょう。どのような相談が無料で、どこからが追加料金になるのかを事前に把握しておくことで、予期せぬ出費を避けられます。

顧問弁護士に関するよくある誤解と事実

?が付いた付箋と鉛筆

顧問弁護士に関する誤解は多く存在します。その誤解が、大きな法律問題を招くかもしれません。

「高額すぎて中小企業には不要」という誤解

「顧問弁護士は高額だから中小企業には必要ない」という考えは、多くの経営者が抱く誤解の一つです。

確かに従来の顧問契約では月額10万円以上の顧問料も多くありましたが、近年は中小企業向けに月額3万円から5万円程度の手頃なプランも増えています。特に、当事務所では月額9500円のスマートプランを用意しております。

自社の状況や予算に応じて、適切なプランを選択することで、中小企業でも無理なく顧問弁護士のメリットを享受することができるのです。

「トラブル発生時だけの相談で十分」という間違った認識

多くの経営者や個人が「問題が起きたときだけ弁護士に相談すればよい」と考えがちですが、これは大きな誤解です。

トラブルが発生してから弁護士に相談するアプローチでは、すでに状況が悪化していることが多く、解決にかかるコストや時間、そして企業イメージへのダメージが大きくなりがちです。

顧問弁護士の大きなメリットは「予防法務」にあります。契約書のチェックや社内規定の整備、法改正への対応など、問題が発生する前に潜在的なリスクを特定し対策を講じることで、トラブルそのものを未然に防ぐことができます。

また、定期的に弁護士と接することで、経営者や従業員のリーガルマインドが養われ、日常業務における法的感覚が向上します。

トラブル発生時のみの相談では、急場しのぎの対応となってしまい、根本的な問題解決や将来的なリスク低減につながりません。

「経営者一人で解決できる」という誤解

経営者は多くの場合、自社の事業に関する深い知識と経験を持っていますが、法律の専門家ではありません。「自分で調べれば解決できる」「これくらいの問題なら自分で対応できる」という考えは、法的リスクを見過ごす危険性をはらんでいます。

法律は複雑で常に変化しており、判例の積み重ねによって解釈も変わります。経営者が業界の動向や常識を把握していても、民法、労働法その他特別法など多岐にわたる法律すべてに精通することは現実的ではありません。

また、法律の問題は早期対応が重要です。問題が大きくなってから弁護士に相談するのでは、すでに選択肢が限られている場合があります。予防法務の観点からも、速やかに法的リスクを発見して対応することが必要です。

顧問弁護士は難波みなみ法律事務所へ

顧問弁護士は企業の法務体制を強化する重要なパートナーです。企業規模や業種を問わず、適切な顧問弁護士との顧問契約は法的リスクの予防と迅速な対応を可能にします。

顧問弁護士を最大限に活用するためには、まず自社のニーズを明確にし、それに合った専門性と相性の良い弁護士を選ぶことが重要です。また、顧問弁護士との定期的なコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、経営判断の前に法的アドバイスを求める習慣をつけることで、問題の芽を早期に摘むことができます。

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