近年、離婚や別居の理由として増加しているものがモラハラです。
しかし、裁判手続において、モラハラが離婚原因や慰謝料の原因として認められるためには、モラハラの存在を証明しなければなりません。
本記事では、モラハラの証拠、特に、日記の書き方について解説します。
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1.モラハラとは

モラハラとは、モラルハラスメントの略です。
家庭内におけるモラハラは、家庭内での侮辱的言動、脅迫的言動を意味します。
モラハラは、殴る蹴るの暴力を伴いません。
しかし、配偶者の人格を否定するような暴言、侮辱的言動、脅迫的言動は、配偶者に対する精神的な暴力、虐待といえます。
このようなモラハラが家庭内で継続して行われると、モラハラを受けた配偶者には、深い心の傷を残します。
2.モラハラの証拠
しかし、モラハラは身体的暴力とは異なり、言葉や態度による精神的な攻撃や経済的な束縛です。
そのため、暴力のように形に残りにくく、事後の裁判等において、モラハラの存在を証明することに困難が伴うことが多いです。
そこで、モラハラの存在を証明し、モラハラ被害を受けてきた配偶者が泣き寝入りしないようにするため、モラハラの証拠を計画的に収集しておくことが極めて重要です。
重要な役割を果たす証拠として、日記やノートがあります。


3.日記の書き方

日記やノートは、動画や写真に次いで、モラハラの証拠として重要な役割を果たします。
しかし、動画や写真は、機械的にモラハラの状況を記録するため、その記録する過程にモラハラ被害者の心情等は介在しません。
他方で、日記やノートは、モラハラ被害者がその記憶を辿りながら、自身の手でモラハラの状況を記載して作成するものです。
つまり、日記やノートは、作成者の記憶による記述により作成されるため、作成者の心情等の主観が介在します。
そのため、日記やノートについては、その証拠としての信用性が問題となることが多いです。
そこで、日記・ノートの信用性が十分に認められるためには、その内容や作成方法には注意が必要です。
3-1.日記の作成時期
日記がどの時点で作成されているものかがポイントとなります。
継続して作成することが大事
離婚問題が発生する以前から、継続して作成されている日記は、信用性が高いと認定される傾向です。
なぜなら、モラハラ以外の日々の出来事も含めて、その都度作成されているものであれば、新鮮な記憶にしたがって記入されている可能性が高いからです。
その上、紛争が発生する前から継続的に記録されているものであれば、モラハラの紛争を意識せずに作成されているものといえるため、より一層信用性は認められやすくなるでしょう。
まとめて作成するのは控える
他方で、離婚問題が生じてから、過去の出来事をまとめて作成した日記については、信用性は低いと認定される傾向です。
過去の出来事をまとめて記載する場合、過去の記憶に沿って作成されるところ、その過去の記憶が正確なものかは定かではありません。
また、既に離婚問題が生じており自己に有利な内容で記載される可能性があるからです。
3-2.具体的な内容か
日記の内容が具体的に記載されているかについても、ポイントとなります。
具体的な記載を心掛ける
日記の内容はできるだけ具体的に記載することを心掛けます。
モラハラを証明するためには、ぼんやりと『モラハラがあった』では足りません。
具体的に、どのような言動が、いつ、どのような経緯で行われたのかを特定させることが重要です。
できる限り、事実を列記することを心がけで下さい。
抽象的な内容は不十分
抽象的な内容ですと、モラハラの証拠としては不十分です。
また、心情的な部分のみが記載され、事実関係を記載した部分がないと、具体的な事実を証明することが難しくなります。
3-3.ノートに書く
ルーズリーフやパソコンは控えます。
携帯のメモアプリや日記アプリを使用することも控えます。
パソコンやアプリを利用した場合には、事後的に加筆修正することができるため、証拠の信用性が低いとされます。
ルーズリーフについても、1枚ずつ自由に抜き差しできるため、日記の連続性が認められなかったり、改ざんの指摘を受けるリスクがあります。
そこで、一冊のノートや日記帳に自筆で記述していくようにします。
3-4.ボールペンで書く
日記を作成する際には、加筆修正のできる鉛筆ではなく、消せないインクのボールペンを使用するようにします。
書き直した形跡があれば、紛争が発生した後に自分に有利な形で修正したのではないか疑われる可能性があります。
3-5.余白は作らない
日記をつける際には、余白は作ることなく連続して記載するようにして下さい。
不自然な余白を作ってしまうと、改ざんを疑われてしまうからです。
3-6.矛盾する点がない
日記の作成にあたっては、矛盾点がないようにします。
日記内の記述にモラハラの内容や時系列に矛盾点が見つかると、その日記の信用性に疑問の目が向けられます。
また、日記内の記述に矛盾がないとしても、その他の証拠と整合しない場合には、やはら日記の信用性が低くなる可能性があります。
そのため、日記をつける際には、日記内だけでなく、客観的な証拠との整合性にも配慮するようにします。
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4.弁護士に相談しよう

モラハラの証明は容易ではありません。
モラハラの証明をするためには、動画や写真に加えて、日記をつけることが重要です。
しかし、せっかく作成し続けてきた日記が、信用できないと認定されるのは勿体ないです。
日記をつける以上、モラハラの証拠として十分に信用される内容や方法で作成することが望ましいでしょう。
モラハラの問題で悩まれている場合には、1人で抱え込まずに、できるだけ早い時期に弁護士に相談するようにしましょう。
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