離婚に向けて別居をしたものの、いつまで経っても相手方が離婚に応じてくれない。
このような場合に、裁判所の離婚判決がない以上、離婚を強制することはできません。その上、相手方に不貞行為やDVといった離婚原因がなければ、裁判所が離婚を認める判決を出すこともありません。
しかし、そのような場合でも、いつまでも離婚できないわけではありません。別居を長期間続けることで、夫婦関係が修復できない程に破綻したと言えれば、そのような状況は離婚原因になり得ます。
別居期間としては、【3年から4年】であると考えるのが一般的でしょう。
しかし、法律上、「別居期間が〇年に達すれば離婚できる。」と定められているわけではありません。どのようなケースでも3年又は4年別居すれば離婚が認められるわけではありません。
婚姻期間が長期であれば、3年程度の別居期間では不十分といえます。また、離婚を求める側が不貞行為等を働いた「有責配偶者」である場合には、さらに長期の別居が必要となることもあります。
今回のコラムでは、別居が離婚原因となるのかについて解説していきます。
離婚に必要な別居期間は3年から4年
結論から言うと、離婚に向けた別居期間が3年から4年に達している場合には、婚姻関係を継続し難い重大な事由があるとして、離婚請求が認められる可能性が高いです。
相手方が離婚に応じない場合には、「離婚原因」があることが必要です。別居期間が3年から4年に達している場合には、婚姻関係を修復できない程に破綻したといえますから、「離婚原因」に該当することになります。
しかし、常に3~4年の別居期間となれば離婚できるわけではありませんので注意が必要です。婚姻期間が長期である場合や有責配偶者の離婚請求のケースでは、さらに長期の別居期間を求められます。
他方で、3年から4年よりも短期間の別居でも離婚が認められるケースもあります。例えば、婚姻期間が1~2年の短期間であったり、別居婚をしている場合が想定されます。
以下では、離婚原因とは何かを解説した上で、離婚するために必要となる別居期間を詳しく解説していきます。
別居が離婚原因となるためには
離婚原因とは、相手方が離婚に反対していたとしても離婚を正当化させるための理由です。
離婚原因を列記した民法770条1項には、以下の離婚原因が定められています。
1号 配偶者に不貞な行為があったとき。
2号 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3号 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4号 配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき。
5号 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
「別居」がこの離婚原因に該当しなければ、相手方が離婚に応じない限り、別居期間を理由とした離婚は認められません。
ただ、離婚原因は、離婚裁判で裁判官が離婚を認める判決をするための要件です。夫婦間の話し合いや調停の場合には、夫婦が納得するのであれば離婚原因がなくても離婚することができます。
夫婦関係を継続し難い重大な事由といえるのか
長期の別居が、離婚原因の5号である『その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。』に該当するのかが問題となります。
婚姻を継続し難い重大な事由とは、夫婦の婚姻関係が破綻してしまい、回復の見込みが無い状況を指します。
夫婦が、別居を開始させた後、食事をしたり、買い物に行ったり、会話をしたりするなど、夫婦としての共同生活を送ることなく別居を長期間継続させることで、夫婦関係は破綻していると判断されます。
別居が離婚原因となるためには
①夫婦としての生活実態のない別居
②長期間の別居
別居とは何か?
別居が離婚原因となるためには、夫婦の共同生活の実態がない状況が必要です。
離婚原因となり得る別居は、法律上具体的に定義されていません。
ただ、離婚原因となり得る別居を定義するとすれば、『婚姻の本旨に反する別居』と言うことができます。
つまり、婚姻の本旨は、夫婦が協力し合って夫婦の共同生活を送ることですが、そのような生活実態が無くなる別居が離婚原因になり得ます。
そのため、単身赴任を理由とした別居、介護や子供の通学を理由とする別居は、夫婦の協力関係は維持されているといえますから、離婚原因となる別居とは言えないでしょう。
家庭内別居も別居といえない
よくある相談として、家庭内別居の問題。つまり、相手方と同居しつつも、夫婦の共同生活の実態がなくなっている状況を家庭内別居と呼びます。
通常の別居であれば、住民票や別居先の賃貸借契約書等によって別居の事実は証明することは比較的容易です。他方、家庭内別居の場合、外観上、相手方と同居状態が続いています。
家庭内別居が離婚原因となる別居といえるためには、夫婦の共同生活の実態がなくなっていることを客観的な資料により証明する必要があります。
しかし、家庭内の生活実態を客観的資料によって証明することは容易くありません。
生活実態に関する資料を計画的に収集できているケースはほとんどありません。
また、何らかの方法により家庭内の生活実態を証明できたとしても、食事が別、寝室が別、会話がほとんど無いといった程度では離婚原因としての別居にはなりにくいでしょう。
単身赴任は別居ではない
単身赴任は別居とはいえません。
単身赴任も別居と同様、夫婦の居所が同じではない点で共通しています。しかし、単身赴任の場合、夫婦の居所が異なることに正当な理由があります。他方で、別居は離婚に向けて夫婦が生活の本拠を異にするものですから、単身赴任とは明らかに異なります。
そのため、単身赴任の期間は別居期間とは言えません。
別居は何年で離婚原因となるのか?
別居期間が3~4年であれば、別居が離婚原因となる傾向です。
現在の法律では、離婚原因となる別居の年数は定められていません。
ただ、平成8年(1996年)に民法の一部を改正する法律案要綱において、離婚原因として『夫婦が5年以上継続して婚姻の本旨に反する別居をしているとき。』と定められました。
この法律案は採用されず民法の改正にまで至りませんでしたが、この改正案を踏まえて、離婚原因となる別居期間の目安は5年前後と考えられるようになりました。
また、裁判例では、4年以上の別居が継続し、その間、夫婦関係の修復をしようとする努力がなされた形跡がないようであれば、夫婦関係は破綻していると判断されることが多いでしょう。
なお、不貞行為等の有責行為がなく、別居期間が3年3か月であった事案において、妻の病気が治癒すれば、夫婦関係の改善も期待できるとして、夫婦関係の破綻を認めなかった裁判例があります(名古屋高等裁判所判決平20年4月8日)。
別居期間が1年〜2年の場合
あくまでも、この期間は目安にすぎませんが、別居期間が1年から2年程度であれば、別居自体は離婚原因にはなり難い場合が多いでしょう。
しかし、たとえ別居期間が4年以上ではなく、短期であったとしても、同居期間も短く、同居期間よりも別居期間の方が長い場合には、婚姻関係の破綻が認定される余地はあります。
TIPS!
協議離婚により離婚する場合、その全体の86%が1年未満の別居期間により離婚しています。また、裁判離婚により離婚する場合には、56.8%が1年未満の別居により離婚しています。
参照)令和4年度「離婚に関する統計」の概況 厚生労働省
別居期間はあくまでも目安
先程解説しました別居期間はあくまでも目安です。
その他の様々な事情を考慮しながら婚姻関係が破綻しているかを判断していくことになります。
離婚を求める配偶者が不貞行為等の有責行為を行なっている有責配偶者である場合には、別居期間が4年や5年に及んだとしても離婚できないことがほとんどでしょう。そのため、別居期間が長期に及んだからといって、安易に離婚できるとは考えるべきではないでしょう。
考慮される事情とは?
別居期間が離婚原因となるかを判断するにあたっては、単純に別居期間の長さだけを見るわけではありません。
別居により婚姻関係が破綻しているかは、別居期間に加えて、同居期間の長さ、同居期間と別居期間の対比、別居中に関係修復に向けた努力がされたのか、夫婦の年齢や職業等の事情を踏まえながら検討します。
先程述べたように、別居期間が4年に満たない場合でも、同居期間を超えているのであれば、婚姻関係の破綻は認定される可能性はあります。
他方で、同居期間が20年、30年とかなり長期であれば、4〜5年の別居期間だけでは婚姻関係の破綻は認められない可能性はあります。
別居期間が短くても離婚できる場合とは
別居期間が3年に満たない場合でも離婚できる場合があります。
同居期間が短い・同居したことがない
同居期間が短い場合には、別居期間が短くても離婚できる場合があります。別居によって婚姻関係が破たんしているか否かは、同居期間との対比により判断されます。別居期間が同居期間と同じ、あるいは、ほぼこれに等しい程に至った場合には、たとえ別居期間が3年に至っていなくても離婚できる可能性があります。
また、入籍したものの、一度も同居することなく離婚手続が開始された場合にも別居期間が短くても離婚は認められやすい傾向です。
相手方に離婚原因があれば
相手方に不貞行為やDVといった明確な離婚原因があれば、長期の別居は必要ありません。
長期の別居期間が必要な理由は、相手方に不貞行為やDVといった離婚原因がないからです。
そのため、相手方に明確な離婚原因があれば、これを理由とした離婚請求をすれば足りるため、長期間の別居をする必要はありません。
長期の別居はなぜ起きるのか?
長期間の別居を経なければ離婚できないのは、配偶者が離婚に応じない意思が強いからです。
離婚拒否の意思が強い原因には、さまざまなものがあります。これらの原因が絡み合うことで別居を経なければ離婚できなくなっていることが多いです。
子供が幼いから
子供の年齢が幼い場合には離婚に応じてもらえず、別居期間が長期になる傾向です。
子供の養育費や進学による教育費(塾代・入学金・授業料)、持病の治療費など、子供の養育監護のためには、多くの費用を必要とします。離婚することで、経済的に不安定になることを危惧して、離婚には応じられないケースがあります。
離婚原因がないから
配偶者に不貞行為やDVなどの離婚原因がなければ、離婚請求を認める判決は出されません。判決の時点において、別居期間がある程度長期に至っていなければ離婚請求は棄却となります。そのため、配偶者が離婚に応じない限り、別居期間を置かなければ離婚裁判を経て離婚することはできません。
有責配偶者であるから
離婚を求める配偶者が不貞行為やDVを行っている場合には、いくら別居を3年前後行ったとしても、離婚請求は棄却されることが多いです。有責配偶者による離婚請求については、後述しています。
別居が長期になった場合のデメリット
別居が長期間に及べば、様々なデメリットが生じます。
婚姻費用の負担が続く
別居により夫婦の共同生活の実態がなくなっても、配偶者に対する扶養義務を負い続けます。そのため、離婚が成立するまで、配偶者に対して「婚姻費用」を支払い続けなければなりません。
婚姻費用とは夫婦や子供の生活費などの通常の社会生活に必要となる一切の費用をいいます。別居が長期間に及ぶと、支払うべき婚姻費用額の累積額が大きくなります。
経済的な負担が大きくなる
配偶者が住宅ローン付の自宅不動産に居住し、自宅から退去した配偶者がこの住宅ローンを負担している場合、住居費の負担を二重に強いられることがあります。
仮に、住宅ローンを支払い続けているとしても、先ほどの婚姻費用から住宅ローンの全額を控除することはできません。
その上、家を出た配偶者が、実家ではなく賃貸マンションを借りて別居する場合には、住宅ローンとは別に住居費が生じます。
別居が長期間に及ぶと、経済的な負担が増大します。
再婚できない
別居が長期に及べば、当然ですが離婚が成立するまで再婚することができません。
長期間離婚することができないことで、新たな人生の再出発をさせることができません。夫婦の実態がないのに夫婦関係が続くことで、再婚できないだけでなく精神的な負担を増大させます。
早期に離婚するための4つのポイント
長期間の別居は、婚姻費用等の経済的な負担に加えて、婚姻関係が長期間継続することによる精神的な負担を生じさせます。
そのため、可能な限り早期に離婚が成立できるように計画的に進めていくことがポイントです。
別居前に離婚協議する
勇み足で別居を開始させないことです。別居前に配偶者と十分に協議をした上で、できるかぎり協議離婚できるよう策を講じるべきです。
離婚を考える夫婦である以上、夫婦関係が悪化していることが通常です。しかし、一度別居をしてしまうと、さらに夫婦関係は悪化し、離婚協議も一層硬直的になる可能性があります。
そこで、長期の別居を回避するために、別居前に、夫婦間で離婚協議を行い協議離婚できるように努めます。
相手方の離婚原因に関する証拠を収集する
別居が長期間に及ぶ一番の原因は、法定の離婚原因がないからです。
つまり、不貞行為やDVといった明確な離婚原因があるのであれば、長期間の別居をするまでもありません。この明確な離婚原因の存在を証明すれば、離婚請求が認められるからです。
しかし、別居後は、夫婦は生活の本拠を異にする以上、離婚原因に関する証拠を収集することが難しくなります。
そこで、相手方の離婚原因に関する証拠を別居前に計画的に収集しておくことで長期の別居を回避することができます。
別居前に相手方の財産状況を把握する
別居前から、相手方の財産状況を把握しておくことで、離婚協議を有利に進めることができます。
相手方の有している財産額は、離婚時の財産分与の金額を左右させます。相手方の有する財産額が大きくなればなるほど、財産分与の金額が小さくなり、場合によっては、相手方に対して財産分与を請求できる可能性も出てきます。
このように相手方の財産額は財産分与の金額に直結するため、離婚協議を自身に有利な方向で進めることができる可能性があります。これにより、早期の離婚を成立させ、長期間の別居を回避できます。
離婚調停を申し立てる
離婚協議が難航すれば、離婚調停を早期に申し立てるべきです。
たとえ別居が長期間に至っていないとしても、裁判所の仲裁により早期に離婚が成立する可能性は十分にあります。現に裁判離婚をした夫婦のうち56.8%が1年未満の別居期間で離婚しています(令和4年度「離婚に関する統計」の概況参照)。
長期間の別居を経ることなく離婚をする以上、解決金や慰謝料等の経済的な負担を負わざるを得ない状況も生じます。ただ、長期間の別居に伴う婚姻費用の負担や心理的な負担と天秤にかけて、合理的であれば、先ほどの金銭的な負担をしてでも早期の離婚を選択するべきでしょう。
有責配偶者による離婚請求は認められない
有責配偶者による離婚請求は、さらに長期の別居が必要となります。
有責配偶者とは、自ら離婚原因を作り出した配偶者のことです。例えば、不貞行為(不倫・浮気)やDV等を行った配偶者は有責配偶者に該当します。
この有責配偶者が問題となる事案は、配偶者以外の人と不貞行為を行った配偶者が離婚を求めるケースがほとんどです。
有責配偶者による離婚請求は原則として認められません。
なぜなら、有責配偶者は自ら夫婦関係を破綻させる離婚原因を作っています。それにもかかわらず、有責配偶者による一方的な離婚請求を認めてしまうと、夫婦関係の破綻に責任がない相手方があまりにも酷です。
そのため、有責配偶者による離婚請求は信義誠実に反するとして原則として認められていません。
有責配偶者の離婚請求が認められることも
ただ、有責配偶者による離婚請求は常に認められないわけではありません。
有責配偶者であっても離婚請求を認めても不公平・不誠実といえない場合には、有責配偶者による離婚請求も認められます。
もともと有責配偶者による離婚請求は認められていませんでした。
しかし、最高裁判所の判例により、一定の要件を満たす場合には、有責配偶者であっても離婚請求が認められるようになりました。
その要件は以下のとおりです。
TIPS!有責配偶者の離婚が認められるための条件 ①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと ②夫婦に未成熟の子が存在しないこと ③相手方が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が存在しないこと |
これらの要件は全て満たすことまでは必要なく、それぞれの要件を総合的に考慮して離婚請求を認めることが信義に反しないかを判断します。
相当長期間の別居とは?
先程紹介した①の別居期間はどの程度必要なのか。
過去の先例を見ていくと、別居期間の長さだけでなく、相手方に対する生活費の支払いや財産分与等による手当が十分になされているか、子供が成人になっているかといった事情を加味しながら判断していることが分かります。
ただ、少なくとも、先ほど解説した5年前後の別居期間では離婚請求は認められにくいでしょう。
離婚を認めた例
最高裁判所判決平2年11月8日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間23年 別居期間8年 |
家族構成 | 夫52歳・妻55歳、長男は29歳、二男は24歳 |
内容 | ①夫は妻に対して、昭和61年頃までは月60万、その後は月35万、昭和63年5月からは月20万円の生活費を送金しており、そのほかに妻は月収6万円を得ている ②不動産を処分し税金等を引いた残金の半分(1億数千万円相当)を支払い、ローン残高は自分の取得分から支払うことを申し出ていること |
最高裁判所判決平成6年2月8日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間15年 別居期間13年11か月 |
家族構成 | 夫56歳、妻54歳、子ども4人のうち3人は成人、残り1人も高校2年生 |
内容 |
①昭和63年9月より婚姻費用として月17万円(ただし毎年7月は53万円,12月は65万円)の支払を命ずる家庭裁判所の審判が確定し,その後毎月15万円(毎年7月と12月は各40万円)を送金していること ②離婚給付として700万円の支払を提案していること |
東京高等裁判所判決平成14年6月26日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 婚姻期間22年 別居期間6年 |
家族構成 | 夫婦、成人の子供2人 |
内容 |
①夫の不貞行為や妻の不倫疑惑を理由に夫婦としての愛情を喪失して別居に至ったこと ②妻の外国人男性との交遊は、夫婦関係の悪化を促進させる要因となったこと ③妻は学校に勤務して相当の収入を得ていること ④夫は妻に対して、現在妻の居住する自宅建物を財産分与し、この建物に関するローンも支払続けるとの意向を表明していること |
大阪家庭裁判所判決平成26年6月27日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間3年弱 別居期間11年8か月 |
家族構成 | 夫婦、13歳の長女 |
内容 | ①別居期間が同居期間を大幅に超えているため、別居期間は相当長期間に及んでいること ②相手方である妻は医師 ③ 夫は500万円の慰謝料支払を申し出ていること ④離婚問題の継続が長女の福祉に反すること |
離婚を認めなかった事例
最高裁判所判決平成元年3月28日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間26年 別居期間8年 |
家族構成 | 夫婦、子供4人中、第4子が19歳で未成年 |
内容 | 別居期間は8年余であり、夫婦の年齢や同居期間を考慮すると、別居期間が相当の長期間に及んでいるものということはできず、その他本件離婚請求を認容すべき特段の事情も見当たらないとして、夫の離婚請求を認めませんでした。 |
最高裁判所判決平成16年11月18日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間6年7か月 別居期間2年4か月 |
家族構成 | 夫婦、7歳の長男 |
内容 |
①夫婦の別居期間が約2年4か月であり、双方の年齢や約6年7か月という同居期間との対比において相当の長期間に及んでいるとはいえないこと、 ②夫婦間に7歳の未成熟の子が存在すること ③妻が、子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であること |
仙台高等裁判所判決平成25年12月26日
有責行為 | 夫の不貞行為 |
期間 | 同居期間18年6か月 別居期間9年4か月 |
家族構成 | 夫(51歳)、妻(52歳)、長男(26歳)、長女(24歳)、二男(21歳) |
内容 | ①妻がうつ病に罹患して思うように稼働できないこと ② 二男がまだ大学生で社会人となるには少なくとも1年以上を残していること ③ 別居期間が同居期間や各自の年齢に比して相当の長期間に及んでいるとまでは認められないこと ④夫が相当程度の収入を得ながら確定審判によって支払いを命ぜられた婚姻費用の支払いをせず、給与の差押えをされたこと |
長期の別居を回避するには弁護士に相談しよう
別居期間が離婚原因となるか否かはケースバイケースです。
特に有責配偶者による離婚請求の場合、様々な事情を考慮しながら検討しなければなりません。協議離婚が進まない場合には、調停手続や訴訟手続を進めなくてはなりません。
その場合、裁判手続の審理の長さも踏まえながら、離婚請求が認められるかを見通す必要があります。ご自身の離婚請求が認められるかお悩みの場合、まずはお気軽にご相談ください。
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