コラム
公開日: 2025.04.04

遺産分割で弁護士に依頼するメリットと適切なケース|難波みなみ法律事務所

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

遺産分割は、故人の財産を相続人間で分ける重要な手続きです。しかし、多くの人にとって、遺産分割協議は、感情的な問題だけでなく複雑な法律問題を引き起こすことがあります。

そのため、相続人同士の意見の相違や、法的な知識の不足により、適切な遺産分割ができずに悩んでいる方も少なくないでしょう。

そこで、この記事では、遺産分割で弁護士に依頼するメリットと、弁護士に相談するべき適切なケースについて詳しく解説します。弁護士の専門知識や経験を活用することで、遺産分割の問題をスムーズに解決できる可能性が高まります。

遺産分割の問題を弁護士に依頼するメリット

遺産分割の問題を弁護士に依頼することで、以下で紹介するように、多くのメリットを享受することができます。1人で抱え込まずに、相続問題に精通する弁護士に相談することを推奨します。

相続人間の話合いから解放される

遺産分割の問題を弁護士に依頼することで、相続人間の煩わしい話合いから解放されるメリットがあります。

遺産分割は相続人間で、だれがどの遺産を取得するのかを話し合うプロセスです。そのため、遺産分割協議の過程で、相続人間が感情的に対立してしまい、遺産分割を円滑に進めることが困難となることも多々あります。

弁護士が代理人として入ることで、客観的な立場から冷静に協議を進行させることができます。また、弁護士は専門的な知識を活かし、不動産の評価など複雑な問題にも対応できるため、相続人の負担を大幅に軽減できます。

弁護士の介入により、感情的な対立を避け、法的根拠に基づいた合理的な解決策を見出すことができるでしょう。

相続人の調査を適切に行える

遺産分割協議は相続人全員が参加して進める必要があるため、相続人の調査は遺産分割において非常に重要な作業です。

弁護士に依頼することで、相続人調査を適切かつ確実に行うことができます。すなわち、弁護士は戸籍謄本や除籍謄本などの公的書類を取得し、法定相続人を正確に特定することができます。また、養子縁組や離婚歴、認知などの複雑な家族関係にも精通しているため、見落としのない調査が可能です。

このように、弁護士による相続人調査は、遺産分割協議などの相続手続きを円滑に進める上で欠かせない重要な役割を果たします。

遺産の調査を徹底して行える

遺産分割において、弁護士に依頼することで得られる大きな利点の一つが、遺産の徹底的な調査です。 

遺産分割において、遺産の漏れがあると本来受け取ることのできる遺産を受け取れなくなる可能性があります。そのため、漏れのない遺産の調査は非常に重要な相続手続の一つです。

相続財産は多岐にわたり、不動産や預貯金、有価証券だけでなく、死亡保険金や退職金、さらには知的財産権やゴルフ会員権など、見落としがちな資産も含まれます。弁護士は専門的な知識と経験を活かし、これらの資産を漏れなく洗い出します。

さらに、弁護士は債務の調査も綿密に行います。相続財産には権利だけでなく義務も含まれるため、被相続人の借入金や未払いの税金などの負債を正確に把握することが重要です。

このように、弁護士による遺産調査は、遺産分割を適切に行う上で大きな助けとなります。

生前贈与の有無を検討することで具体的な相続分を算出できる

遺産分割において生前贈与の有無を検討することは、具体的相続分を正確に算出する上で不可欠です。

相続人に対する生前贈与は、遺産の前渡しとなるため、遺産分割において特別受益として考慮されることがあります。

弁護士は、相続人に対する生前贈与の金額、日時、内容等を詳細に調査した上で、生前贈与を立証できるだけの客観的証拠を収集します。

このように、弁護士の専門知識と調査能力を活用することで、正確な遺産分割案を作成することができ、相続人間の不公平感を解消し、円滑な遺産分割につながります。

寄与分の有無を検討することで具体的な相続分を算出できる

寄与分は、被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した相続人に対して、本来の相続分とは別に遺産を取得させる制度です。

寄与分には、①療養看護型、②金銭等出資型、③家業従事型、④財産管理型、⑤扶養型などの類型がありますが、いずれの類型においても、特別な寄与をしたことを証拠に基づき十分に証明しなければなりません。

弁護士は、相続人の特別な寄与の有無や程度を客観的に分析し、法律的な観点から寄与分が認められるかを判断します。具体的には、寄与の期間、内容や程度、被相続人の資産状況への影響などを総合的に考慮します。

このように、弁護士が寄与分に関する具体的な主張や反論を行うことで、単純な法定相続分だけでなく、各相続人の貢献度を反映した、より納得感のある具体的な相続分の算出が可能となります。

自身に有利な遺産分割案を作成してもらえる

弁護士に遺産分割を依頼することで、自身に有利な遺産分割案を作成してもらえるメリットがあります。

弁護士は法律の専門家であり、相続法に精通しているため、依頼者の利益を最大限に考慮した分割案を提案できます。

具体的には、遺産の評価額や相続人の寄与度、生前贈与の有無などを総合的に分析し、法的根拠に基づいた公平かつ合理的な分割案を作成します。また、弁護士は交渉のプロフェッショナルでもあるため、他の相続人や関係者との話し合いの場で、依頼者の立場を適切に代弁し、有利な条件を引き出すことができます。

このように、弁護士に依頼することで、依頼者自身の権利を守りつつ、最適な遺産分割案を得られる可能性が高まります。

調停・審判の対応を委ねることができる

遺産分割の調停や審判に直面した際、弁護士に依頼することで専門的な対応を任せられる大きな利点があります。

具体的には、弁護士は法的知識と経験を活かし、調停委員や相手方とのやり取りを適切に行います。特に、複雑な相続案件では、相続人の主張や証拠の整理、法的根拠の説明など、より一層専門的なスキルが求められますが、相続に精通した弁護士に依頼することで適切な対応を期待することができます。

また、弁護士が、調停や審判の場で感情的になりがちな依頼者に代わって、冷静かつ論理的な主張を展開することで、円滑な解決につながる可能性が高まります。

このように、弁護士に依頼することで、専門性と客観性を持って遺産分割の調停や審判に対処することができます。

遺産分割を弁護士に依頼する場合のデメリット

弁護士に遺産分割を依頼する際には、先ほど紹介したメリットだけでなく、いくつかのデメリットが存在します。

費用負担が発生してしまう

弁護士に遺産分割を依頼する際には、避けられない費用負担が発生します。一般的に、弁護士費用には着手金と成功報酬が含まれます。

着手金は依頼時に支払う費用で、遺産額や案件の複雑さによって変動します。

成功報酬は遺産分割が成立した際に支払う弁護士費用で、獲得した遺産額に応じて算出されることが多いです。

これらの費用は、遺産の規模や案件の難易度によって異なりますが、数十万円から数百万円まで様々です。また、調停や審判に進展した場合は、追加の費用が必要となることも多いです。

弁護士に依頼することで多くのメリットを享受できますが、一方で弁護士費用という経済的な負担が生じることも留意するべきでしょう。

かえって相続人間の対立が激化することもある

弁護士に遺産分割を依頼することで、相続人間の対立がさらに激化する可能性があります。

弁護士は依頼者の利益を最大限に追求するため、相続人との対立が激化し、他の相続人との交渉が硬直化することもあります。

また、一方の相続人が弁護士を立てたことで、他の相続人も対抗して弁護士に依頼することで、弁護士間で激しく主張反論を繰り返す事態に陥り、紛争がエスカレートする可能性もあります。

遺産分割の問題を弁護士に依頼するケース

遺産分割の問題は複雑で感情的になりやすいため、弁護士に依頼するケースは多くあります。

専門知識を持つ弁護士は、以下で紹介する難しいケースを適切に処理し、円滑な遺産分割をサポートすることができます。

相続人との対立が激しいケース

相続人との関係が複雑な場合、遺産分割の問題は特に難しくなります。異母兄弟や養子がいる場合、家族間の不仲や疎遠な関係がある場合などは、感情的な対立が激化しやすく、公平な話し合いが困難になることがあります。

このような状況では、専門的な知識を持つ弁護士に依頼することが有効です。

所在不明の相続人がいるケース

所在不明の相続人がいる場合、遺産分割の手続きは複雑化し、解決までに時間がかかることがあります。

相続人の一部が所在不明である場合には、相続人の所在の調査だけでなく、不在者財産管理人の選任や公示送達といった特殊な送達が必要となるなど、専門的な知見が求められます。

このような状況では、相続問題を得意とする弁護士に依頼することで複雑な相続問題を解決できる可能性が高まります。

遺産を取り込んでいる相続人がいるケース

遺産を独占している相続人がいる場合、遺産分割の問題は複雑化し、他の相続人との対立が深刻化する可能性が高くなります。このような状況において、弁護士に依頼することで適切に遺産分割を進めることができます。

弁護士は法的な知識と経験を活かし、遺産を独占している相続人に対して適切な対応を取ることができます。まず、遺産の調査を徹底的に行い、独占されている財産の実態を明らかにします。その上で、遺産の保全を図りながら、費消したり隠匿している遺産の返還を求める交渉を行います。さらに、話し合いでの解決が困難な場合、弁護士は調停や訴訟といった手続きを適切に進めることができます。

多額の生前贈与を受けている相続人がいるケース

特定の相続人に対して多額の生前贈与が行われている場合、相続人間で意見が対立しやすく、第三者の介入なしでは解決が困難になることがあります。

このような場合に、弁護士が代理人として介入することで、客観的な立場から公平な遺産分割案を作成し、円滑な解決へと導くことが可能となります。

遺産分割を弁護士に依頼する時の着目点

遺産分割を弁護士に依頼する際は、相続問題への専門性、明確な費用体系、円滑なコミュニケーション能力に着目することが重要です。

相続問題に注力していること

遺産分割の問題を扱う弁護士を選ぶ際には、相続問題に特化した経験と知識を持つ弁護士であるかに着眼することが重要です。

相続分野に精通した弁護士は最新の法改正や判例を把握し、より効果的なサポートを提供できます。また、相続専門の弁護士は、遺産の評価方法や税務上の問題、さらには家族間の感情的な対立にも精通しており、円滑な遺産分割を実現するための戦略を立てることができます。

また、相続に関連する他の専門家(税理士や不動産鑑定士など)とのネットワークを持っていることも多く、必要に応じて適切な連携を図ることができます。

このような専門性を持つ弁護士は、複雑な相続案件でも的確な対応が可能であり、依頼者の利益を最大限に守ることができるでしょう。

費用体系が明確であること

弁護士に遺産分割を依頼する際、費用体系の明確さは重要な選択基準の一つです。

遺産分割の案件においても着手金と報酬金といった弁護士費用が発生します。その他に郵便切手や印紙代などの実費も発生します。

これらの費用体系が明瞭であり、委任契約書においても明確に記載されていることが重要です。逆に、これらの情報が不明瞭のまま委任してしまうと、弁護士との間でトラブルとなってしまいます。

弁護士との信頼関係を維持しながら相続問題を解決させるためには、費用体系が明確で安心できる内容であることが必要です。

コミュニケーションが円滑に行えること

弁護士に遺産分割を依頼する際、コミュニケーションの円滑さは非常に重要です。

専門知識を持つ弁護士であっても、依頼者の意向や状況を正確に理解し、適切なアドバイスを提供するためには、良好なコミュニケーションが不可欠です。円滑なコミュニケーションにより、依頼者は自身の懸念や希望を明確に伝えることができ、弁護士はそれらを踏まえた上で最適な戦略を立てることができます。また、遺産分割の進捗状況や法的手続きの説明を分かりやすく受けられることで、依頼者は安心して弁護士に任せることができます。さらに、他の相続人とのやり取りや交渉においても、弁護士が適切な言葉遣いや態度で対応することで、円滑な解決につながる可能性が高まります。このように、コミュニケーションの円滑さは、相続問題の円満な解決と依頼者の満足度向上に大きく寄与する重要な要素となります。

遺産分割の問題は難波みなみ法律事務所へ

遺産分割の問題を弁護士に依頼することで、複雑な相続問題を専門的な知識と経験を持つ専門家に任せることができます。相続人との対立が激しい場合や所在不明の相続人がいる場合、多額の生前贈与を受けている相続人がいる場合などは、弁護士への依頼が有効です。

弁護士を選ぶ際は、相続問題に注力していること、費用体系が明確であること、コミュニケーションが円滑に行えることなどに着目すると良いでしょう。

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