「DVの慰謝料は、いくら請求できるのか」——これは、DV被害でご相談に来られる方が最初に気にされる点です。結論から言うと、DV慰謝料の相場は50万円〜300万円で、悪質なケースでは300万円を超えることもあります。
50万円〜300万円
暴力を主な原因とする離婚慰謝料の平均は約123万円(神野泰一「離婚訴訟における離婚慰謝料の動向」ケース研究322号)。ケガの程度・暴力の態様・期間などにより金額は大きく変動します。
この記事では、離婚・DV事件を数多く取り扱う弁護士が、DV慰謝料の相場を金額帯別・種類別に整理したうえで、金額の「計算(見積り)」の考え方、彼氏・恋人・カップル間(デートDV)の慰謝料、実際の裁判例、必要な証拠、請求の流れ、時効までをわかりやすく解説します。
- DV慰謝料の相場と金額の目安(金額帯別・認容額の分布データ)
- 慰謝料額の「計算」の考え方と、増額・減額のポイント
- 身体的・精神的(モラハラ)・性的・経済的DVの種類別の相場
- 彼氏・恋人・カップル間(デートDV)の慰謝料相場と請求方法
- DVの裁判例・必要な証拠・請求の流れ・時効・安全の確保
DV慰謝料の相場は50万円〜300万円|金額の目安
DVの慰謝料額の相場は、50万円から300万円といわれています。もっとも、これはあくまで目安です。実際の裁判例を見ると10万円のケースもあれば、500万円を超えるケースもあり、事案によって大きな幅があります。まずは金額帯ごとのイメージを整理します。
| 慰謝料の目安 | 事案のイメージ |
|---|---|
| 〜100万円 | 暴力の頻度・程度が比較的軽い、期間が短い。証拠が限られるケース。 |
| 100万〜200万円 | 暴力が繰り返され、通院を要するケガを負った。婚姻期間が一定程度あるケース。 |
| 200万〜300万円 | 暴力が長期・執拗で、骨折など重い傷害や強い精神的苦痛を伴う。逮捕・保護命令違反を伴うケース。 |
| 300万円超 | 暴力が極めて苛烈で、後遺症・自殺未遂に至るなど被害が深刻なケース。 |
慰謝料の「平均額」はどのくらい?
離婚慰謝料が争点となった裁判例の分析(平成24年4月〜平成25年12月に東京家庭裁判所で終局した203件)によると、慰謝料の認容率は約37%、平均認容額は約153万円、最も多い金額は100万円(27件)、次いで200万円(13件)でした。このうち暴力(DV)を主な原因とするケースの平均額は約123万円とされています(いずれも神野泰一「離婚訴訟における離婚慰謝料の動向」ケース研究322号)。
注目すべきは、認容率・認容額とも決して高くなく、DV(暴力)は不貞(不倫)よりも認容額が低く抑えられる傾向があるという点です。だからこそ、後述する「証拠」と「主張の組み立て」が金額を大きく左右します。
【データで見る】DV慰謝料の認容額の分布
実際の裁判例では、いくらの慰謝料が認められているのでしょうか。DV慰謝料の裁判例(2008年1月以降の約15年分)を分析した文献をもとに、認容額の分布を可視化しました(平田厚『類型別 慰謝料算定の実務Ⅰ』青林書院)。
① 夫婦間(離婚に伴う)DV慰謝料の認容額
対象20件/横軸は件数(『類型別 慰謝料算定の実務Ⅰ』掲載の裁判例より)
② 婚姻外関係(内縁・恋人など)のDV慰謝料の認容額
対象9件/横軸は件数(同上)
夫婦間のケースでは150万〜180万円と300万円以上が多く、婚姻外(内縁・恋人)のケースでも200万〜250万円が一定数あることがわかります。結婚しているかどうかにかかわらず、悪質なDVには相応の慰謝料が認められているのが実情です。
DV慰謝料は3つの類型に分けられる
DV被害の慰謝料は、当事者の関係性によって次の3つに整理できます(『類型別 慰謝料算定の実務Ⅰ』)。ご自身がどの類型にあたるかで、請求の根拠と手続が変わります。
| 類型 | 内容と法的根拠 |
|---|---|
| ①離婚に伴う慰謝料 (夫婦) | 婚姻関係にある(あった)人が、離婚と同時または離婚後にDV被害の慰謝料を請求するもの。離婚慰謝料として請求します。 |
| ②婚姻外関係の慰謝料 (内縁・恋人) | 内縁・事実婚・恋人など婚姻外の関係にある(あった)人が請求するもの。暴力を不法行為(民法709条)として請求します。 |
| ③保護命令違反 に基づく慰謝料 | DV防止法の保護命令に違反されたことに基づく慰謝料請求。DV防止法に特有の類型です。 |
なお、DVは離婚事由(民法770条1項5号)に当たると同時に、不法行為(民法709条)にも該当します。そのため夫婦間でも、離婚そのものによる精神的苦痛(離婚自体慰謝料)と、DVという個々の違法行為による苦痛(離婚原因慰謝料)を請求できます(実務上は一括して処理されるのが一般的です)。
DV慰謝料の「計算」方法|金額はどう見積もる?
「DV慰謝料をいくら請求できるか」を計算・見積りしたい方は多いと思います。しかし、交通事故の慰謝料と違い、DV慰謝料に決まった計算式はありません。裁判所は、次のような事情を総合的に考慮して、事案ごとに金額を判断します。
実務的には、相場(50万〜300万円)を出発点に、以下の増額事情・減額事情がどれだけ当てはまるかで、金額帯の中の位置づけを見積もるという考え方になります。ご自身のケースに当てはめてみてください。
- 骨折・通院を要するなどケガが重い
- 殴る蹴るなど有形力を伴う悪質な態様
- DVの頻度が高く長期間継続している
- 婚姻期間(交際期間)が長い
- 保護命令・違反による逮捕がある
- 妊娠中の暴力、子どもへの暴力
- 被害者側にも挑発・暴言等の落ち度がある
- 被害者側も暴力を振るった・応戦した
- 暴力が単発で、ケガが軽い
- 破綻の一因が被害者側にもある
より正確な見積りには、証拠から立証できる暴力の内容・程度を踏まえた評価が必要です。当事務所では、初回相談で想定される慰謝料額の見通しをお伝えできますので、まずはご相談ください。
DVの種類別に見る慰謝料の相場
DVには、身体的暴力・精神的暴力(モラハラ)・性的暴力・経済的暴力の種類があります。いずれも慰謝料請求の対象になり得ますが、立証のしやすさや金額の傾向に違いがあります。
身体的DV(殴る・蹴る等)の相場
最も慰謝料が認められやすい類型です。相場は50万〜300万円で、骨折や通院を要する傷害を負った場合は高額化しやすい傾向にあります。診断書・傷跡の写真など、被害を裏付ける証拠が残りやすい点も特徴です。
精神的DV(モラハラ)の相場
モラハラが単なる嫌がらせを超えて、精神的な暴力といえる程に過激で、慢性的に行われている場合には、モラハラもDVといえ、慰謝料を請求できます。実際に、具体的な暴力がなく精神的暴力のみ(長期間一方的に無視されるなど)でも慰謝料が認められた例があり、身体的暴力以外でも請求の検討は十分に必要です(『子ども・親・男女の法律実務』)。
ただし、言葉による暴力は形に残りにくく、事後的な証明が困難な場合が多いです。録音・録画、日記、カウンセリングや心療内科の通院記録など、証拠の計画的な収集が重要になります。金額は被害の深刻さや継続期間により幅がありますが、数十万〜100万円超が一つの目安です。
性的DVの相場
避妊に協力しない、性行為を強要するなど、性的な自己決定を侵害する行為も性的DVとして慰謝料請求の対象になり得ます。被害の性質上証拠の確保が難しく、日記・メール・LINE・相談記録などの積み重ねが重要です。過去には、暴行に加えて性交渉の強要等があった事案で慰謝料300万円が認められた例もあります(東京高判昭和62年11月24日)。
経済的DVの相場
経済的DVとは、収入のすべてを管理し、生活費をほとんど渡さないような形態のDVをいいます。近年増加傾向にあり、生活費を渡さない期間・程度、他のDVと併存しているかによって評価されます。
彼氏・恋人・カップル間のDV(デートDV)の慰謝料相場
DVは夫婦間だけの問題ではありません。結婚していない彼氏・彼女、恋人、婚約者からの暴力(デートDV)についても、慰謝料を請求できます。検索でもよくお調べいただくポイントなので、詳しく解説します。
未婚の場合は「不法行為」に基づく慰謝料請求
夫婦間のDVは離婚慰謝料として請求しますが、結婚していないカップルには「離婚」がないため、暴力そのものを不法行為(民法709条)として慰謝料を請求します。殴る・蹴るといった暴力は刑法上の暴行罪・傷害罪にも該当する違法行為であり、これによって負った精神的苦痛や治療費を損害として請求できます。
なお、法律上の夫婦でなくても、婚約や内縁(事実婚)が認められる場合には、婚姻に準じて手厚く保護されます(準婚理論)。この場合は関係の解消それ自体による慰謝料も認められ得ます。一方、単なる交際関係の場合は、原則として暴行・暴言など個々の違法行為に対する慰謝料が対象となります。
関係性ごとの慰謝料相場の目安
| 関係性 | 慰謝料の目安 |
|---|---|
| 恋人(交際関係) | 10万〜100万円程度が多い |
| 婚約者 | 50万〜200万円程度(悪質な場合は300万円以上) |
| 事実婚(内縁) | 50万〜300万円程度(婚姻に準じて評価) |
恋人同士の場合は、婚姻関係がない分、夫婦のDVより金額が低めに評価される傾向があります。もっとも、ケガが重い、暴力が繰り返されている、交際が長く関係が密接であったといった事情があれば金額は上がります。前掲の分布データでも、婚姻外のケースで200万〜250万円が認められた例が複数あります。
カップル間DVの慰謝料を請求する方法
未婚の場合は離婚調停・離婚裁判という手続がありませんので、①内容証明郵便による請求 → ②示談交渉 → ③(合意できなければ)民事訴訟という流れで請求します。相手が任意に支払わない場合は、訴訟で判決を得たうえで、給与や預貯金などの財産を差し押さえます。
DV慰謝料の増額・減額を左右する事情
高額な慰謝料が認められるのは、身体的な暴力を伴い、骨折等の重症を負うなど、暴力の程度が苛烈で、単発ではなく長期間にわたり執拗に行われているような事案です。慰謝料額を考えるうえでは、以下の事情が総合的に考慮されます。
- DVによる怪我の程度・結果
- DVの態様(有形力の有無・悪質性)
- 婚姻期間(交際期間)の長さ
- DVの責任割合(被害者側の落ち度)
- DVの頻度・回数・期間
- 保護命令の有無・逮捕の有無
怪我の程度・結果
骨折や入院を要する傷害、後遺障害の残存は増額事情です。傷害がなくても、深刻な精神疾患を罹患したり自殺未遂を図ったような場合も増額事由になり得ます。
DVの態様
口頭の暴言よりも、殴る蹴るといった有形力を行使する暴力の方が増額事情になります。配偶者だけでなく子どもにも暴力を振るう、妊娠中の妻を殴る蹴るといった悪質な態様も増額理由です。
婚姻期間(交際期間)の長さ
婚姻期間は算定の大きな要素とされ、長いほど高額になる傾向があります。交際期間が長く関係が密接であったことも、増額方向に働きます。
DVの責任割合
DVに至る経緯に被害者側の落ち度(挑発的言動・暴言、応戦など)がある場合は、減額理由となり得ます。過去には、被害者側にも不貞があった事案で双方の慰謝料請求が否定された例もあります(ただしDV防止法制定前の裁判例)。
DVの頻度・回数・期間
回数が多い・頻度が高い場合や、単発ではなく長期間継続している場合は、増額事由となります。
保護命令の有無・逮捕の有無
保護命令とは、配偶者等からの身体に対する暴力を防ぐために、裁判所が加害者につきまとい等の禁止を命じるものです。違反には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。保護命令を受けていること、これに違反していること、違反して逮捕されたことは、いずれも増額事由となります。
DV慰謝料の裁判例
DVを理由とする慰謝料の裁判例を、金額帯ごとに紹介します。過去の先例を参照することで、増減理由となる事情や、必要となる資料を具体的にイメージできます。
100万円以下の事例
- 食卓をひっくり返す、妻を殴ったり足蹴にしたりする
- 罵詈雑言を浴びせる/テレビのコードを切断した
- 妻の食器を割る、給料からの生活費を渡さないこともあった
- 口論の末、配偶者に包丁を突き付ける行為に及んだ(不法行為に基づく請求)
- 加害者は暴力行為等処罰法違反等で略式命令(罰金20万円)に処された
100万円を超え200万円以下の事例
- 同居期間は約1年。口論のたびに叩く・蹴る・髪を引っ張る等の暴力
- 殴打し傷害を負わせることもあった
- 保護命令が再三発付されたにもかかわらず、長男を実力で連れ去り、未成年者略取罪で起訴されるに至った
- 同居期間は14年。以前から夫の暴力が繰り返されていた
- 口論となり暴力を振るい、左大腿挫傷の傷害を負わせた
200万円の事例
- 同居期間は5年程。侮辱的な言動を度々行っていた
- 連日の夫婦喧嘩で殴る蹴る等の暴力。顔面部を足で蹴り、踏みつける等の暴行
- 左眼窩吹き抜け骨折、鼻骨骨折、上顎骨骨折の傷害を負わせた
200万円を超え300万円以下の事例
- 婚姻期間は5年程。勤務先で殴る蹴るの暴力を受け、妻は退職
- 約2週間の通院加療を要する傷害を負わせた
- 勤務先の鍵穴に接着剤を入れる、実家に火を付けると脅迫するなどした
- 夫は逮捕され、保護命令違反で拘禁刑2年・執行猶予3年の有罪判決を受けた
- 妻に対する度重なる暴行、人格を無視した言動等
300万円を超える事例
- 婚姻期間は4年程。当初は週1回程度だった暴力が3日に1度に増加
- 頭・腹・背中を殴る、髪を掴んで引きずり回す、道具で殴りつける等
- 暴力から逃れるため自殺を図ったこともあった
- 妊娠中の妻の腹を殴り、救急車で緊急入院した
- 夫の暴力により、妻が腰椎椎間板ヘルニアを発症し運動障害の後遺症が残った
DVを証明できる証拠を確保する
DV慰謝料請求では、DVの存在を客観的な証拠で証明することが何より重要です。前述のとおりDVは不貞より認容額が低く抑えられがちで、その差を埋めるのが証拠だからです。泣き寝入りをしないよう、証拠集めを計画的に行いましょう。
- 傷跡の写真
- 診断書等の医療記録
- DVの動画・録音
- 日記
- メール・LINE
- 警察・相談窓口への相談記録
- 陳述書
傷跡の写真・医療記録
受傷した部位を写真・動画で撮影しておきましょう。診断書や診療録は、受傷内容や程度(骨折、全治○週間等)、怪我をするに至った経緯を裏付ける有力な資料になります。
動画・録音、日記
DVの様子を録音・録画できれば、内容を具体的に証明できます。日記は、まとめ書きを避け、記憶が新鮮なうちにその都度、具体的な事実を記載することが大切です。
メール・LINE、相談記録
家族・友人へメールやLINEで相談していれば、それが証拠になり得ます。自治体のDV相談窓口や警察への相談記録・通報記録も、情報公開手続や弁護士会照会で開示を受けられる場合があります。
陳述書の活用
客観的資料が十分でなくても諦める必要はありません。いつ・どこで・どのような経緯で・どのような暴力を受け・どんな怪我を負ったかを、具体的なエピソードとともに丁寧に記載した陳述書は、当事者尋問の内容と整合し、先後に矛盾がなければ、DVの認定につながる可能性があります。
DV慰謝料を請求する流れ
夫婦の場合、DV慰謝料は離婚時に請求することが多く、①離婚協議 → ②離婚調停 → ③離婚裁判の手続を通じて行われます(慰謝料は離婚調停の申立てに附属し、または離婚の訴えに併合して請求できます/人事訴訟法17条1項)。結婚していないカップルの場合は、内容証明郵便による請求 → 示談交渉 → 民事訴訟という流れになります。
離婚協議
夫婦間でDV慰謝料を含む離婚条件を話し合うプロセスです。もっとも、DV加害者は自覚を欠き責任転嫁することも多く、被害者本人による直接交渉は被害を深めるリスクがあります。まず確実に別居し(子がいれば必ず連れて別居)、必要に応じて保護命令を申し立てたうえで、弁護士等の第三者を通じて交渉するのが安全です。
離婚調停
家庭裁判所の調停委員が間に入る話し合いの手続です。当事者は入れ替わりで調停室に入るため、原則として相手と顔を合わせません。慰謝料や財産分与等の条件が調えば調停成立となります。婚姻費用の請求も忘れないようにします。
離婚裁判
調停が不成立の場合、家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。主張・立証を尽くしたうえで、当事者尋問を経て判決に至ります。なお、尋問期日で加害者の面前での証言が困難な場合には、遮へい措置等の配慮を受けられることがあります。多くの事案では、判決前に和解が成立することもあります。
DV慰謝料が支払われない時の対応
調停や訴訟でDV慰謝料の支払義務が確定しても、相手が支払わないことは往々にしてあります。この場合は、相手の財産を差し押さえます。
差押えを行う
調停調書・確定判決・強制執行認諾文言付の公正証書(これらを「債務名義」といいます)があれば、相手名義の預貯金・不動産・生命保険の解約返戻金や、勤務先に対する給与債権を差し押さえられます。ただし給与の差押えは、手取り額の4分の1が上限です。
相手の財産状況を把握する
差押えの実効性を確保するには、相手の財産情報が必要です。特に預貯金は金融機関名だけでなく支店名の特定まで必要になります。裁判所の財産開示手続・第三者からの情報取得手続、弁護士会照会といった制度を利用して、口座の有無や残高等の情報を収集します。
DV慰謝料の時効に注意|何年で請求できなくなる?
DV慰謝料の請求権にも「時効」があります。放置すると請求できなくなるおそれがあり、注意が必要です。時効期間は請求の種類によって異なります。
| 請求の種類 | 時効期間 |
|---|---|
| 離婚慰謝料(夫婦) | 離婚の時から3年 |
| 身体的DVの損害賠償 (不法行為・生命身体侵害) | 損害と加害者を知った時から5年/行為の時から20年 |
| 身体侵害を伴わないDV (精神的DV等) | 損害と加害者を知った時から3年/行為の時から20年 |
離婚慰謝料は離婚時から3年
DVを理由に離婚した場合の離婚慰謝料は、離婚時から3年で時効消滅します。なお、婚姻の解消の時から6か月を経過するまでの間は、夫婦の一方が他方に対して有する権利の時効は完成しません(民法159条)。そのため、離婚成立まで請求権が時効で消滅することはありません。
身体的DVの損害賠償は「知った時から5年」
DVのうち身体的暴力による損害は、身体を害する不法行為ですから、2020年施行の改正民法により損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)の時効です。身体を侵害しない精神的DV等の場合は3年となります。いずれも行為の時から20年を経過した場合も請求できなくなります。
結婚していないカップルの時効
未婚の彼氏・恋人からのDVは不法行為に基づく請求ですので、「知った時から5年(身体的DV)または3年(精神的DV等)」が適用されます。時効は暴力を受けた時(各行為の時)を基準に進行します。過去のDVについて請求を検討している場合は、早めに弁護士へご相談ください。
身の安全の確保も忘れずに(支援措置)
慰謝料の請求と同じくらい大切なのが、被害者ご自身の安全の確保です。市区町村に支援措置を申し出ることで、加害者による住民票の写し等の交付を制限し、転居先の住所を知られないようにすることができます。別居・避難を検討している場合は、こうした制度もあわせて活用しましょう。安全確保と証拠保全は、弁護士に相談しながら並行して進めるのが安心です。
DV慰謝料についてのよくあるご質問
DV慰謝料はいくらもらえますか?
DV慰謝料を相手が払わない場合はどうなりますか?
彼氏・恋人からのDVでも慰謝料を請求できますか?
DVの示談金の相場は?
DVで慰謝料を請求された場合はどうすればいいですか?
DVの慰謝料の問題は弁護士に相談を
DV慰謝料の請求では、計画的に証拠を収集し、その証拠をもとにDVがいかに深刻で、被害者にどれほど深い傷を負わせたかを説得的に主張していくことが極めて重要です。DVは1人で抱えるほど事案が深刻化し、証拠を得る機会も失われます。ご自身で頑張り過ぎず、早めに弁護士へご相談ください。
- DVの証拠を計画的に収集できる
- DV被害の対処法・安全確保について相談できる
- 証拠を基に精神的苦痛の重大さを説得的に説明できる
- 相手と直接やり取りせず、慰謝料請求の手続を一任できる
- 離婚手続全般についてまとめて相談できる
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