コラム
最終更新日:2023.09.25

離婚調停とは?離婚調停の流れや時間、調停成立後の流れを弁護士が解説します

離婚問題 離婚調停とは 調停手続の期間や流れを解説

現在、離婚調停を検討中の方は、実際に調停がどのような流れで進んでいくのか、気になっている方が多いのではないでしょうか?

多くの人にとって、離婚調停の手続きに参加することは初めての体験かと思います。

事前に離婚調停の流れを把握しておくことで、手続きを落ち着いて進められるようになります。すでに離婚調停中という方も、ぜひ参考にしてみてください。

しかし、離婚調停の申立てから調停の成立に至るまで、各当事者が対応するべき事項は多岐にわたります。ただでさえ、当事者は離婚という複雑な男女問題を抱え、多大な精神的な負担を受けている状況にあります。そのため、一人で抱えすぎず、適宜、弁護士の力を借りることも検討しましょう。

本記事では、離婚調停の流れについて離婚問題に精通する弁護士が解説していきます。

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離婚の調停手続きとは何か?

調停手続きとは、家庭裁判所の裁判官と調停委員(2人)で構成される調停委員会が、申立人と相手方の当事者を仲裁して、離婚に関する話し合いを進め離婚問題を解決させる手続きです。

離婚調停は、夫婦間の話し合いを行ったものの、協議離婚が成立できない場合に、一方の配偶者の申立によって開始されます。

調停委員とは

調停委員は、最高裁判所から任命された非常勤の公務員です。調停事件ごとに家庭裁判所から担当調停委員として指定されます。

調停委員には、弁護士資格を有している人のほか、家事事件の解決に有用な専門的知識・経験を持っている人や社会生活上で豊富な知識経験を持っている人で、人格識見の高い年齢40年以上70年未満のもの」の中から選任されます。

調停では、調停委員が調停手続を運営します。担当裁判官は、調停委員の調停運営を見守り、問題があるときにはじめて関与することになります。

離婚調停の申立てをするべき事案

離婚調停や離婚裁判には、半年から1年以上の期間を要します。そのため、夫婦間の問題を早期に解決させるために、まずは離婚協議を進めます。離婚協議が進展しない場合に初めて離婚調停を申し立てます。

離婚協議が進展しない事案としては、次のようなケースが考えれます。

  • 配偶者が離婚を強固に拒否しており、話し合いに応じてくれない。
  • 親権・養育費、慰謝料、財産分与等の離婚条件で調整できない
  • 配偶者のDVにより話し合いができない
  • 配偶者の所在が分からない

離婚調停の期間と回数

離婚調停を含めた婚姻関係の解決期間(審判含む)の解決期間は、半年から1年が平均です

解決までに行われる手続の回数は、1回から3回の割合は50.84%、4回から10回の割合は39.49%、11回から20回の割合は2%、21回以上の割合は1%を下回っています。

関連記事|離婚調停の期間や回数は?離婚調停で解決するまでの期間を弁護士が解説します

離婚調停と離婚協議・離婚裁判の違い

離婚手続には、離婚調停のほか、離婚協議や離婚裁判があります。それぞれ長所もあれば短所もあります。

離婚協議との違い

離婚協議とは、夫婦が離婚するのか否か、離婚の条件を話し合うプロセスです。夫婦が口頭で協議することもあれば、LINEやメールで協議することもあります。離婚協議であっても、一方又は双方に代理人弁護士が就任することもあります。

離婚協議は、裁判所の仲裁を経ずに当事者が直接協議をする点で離婚調停とは大きく異なります。また、離婚協議は、離婚調停とは異なり、短期間で解決できることを期待できます。ただ、中立の立場にある調停委員による仲裁がないため、離婚協議が平行線を辿ることも多くあります。

離婚裁判との違い

離婚裁判とは、離婚調停が成立しない場合に、家庭裁判所において、離婚原因の有無、子の親権・養育費、財産分与等の離婚条件を審理するプロセスです。

離婚裁判は、原告と被告の双方が離婚原因等の争点に関する主張・反論を繰り返し行うことで審理を深めていく手続きです。そのため、離婚裁判では、離婚調停のように当事者間の話し合いの要素は薄くなります。

また、離婚裁判では、1年から1年半の期間を要することが多く、控訴審や上告審まで係属すると、さらに期間は長くなります。他方で、離婚調停では半年から1年が平均期間となります。

離婚調停のメリットとデメリット

離婚調停は、離婚協議と比べると長い期間を要する点でデメリットと言えますが、離婚裁判と比較すると、解決に至る期間は短いと言えるため、その点ではメリットといえます。

さらに、調停委員による仲裁が行われるため、当事者間では埒が明かない離婚問題が進展する可能性もある点では、メリットといえるでしょう。

離婚調停を申し立てるべきケースとは

離婚問題を抱えるすべての夫婦が離婚調停を申し立てるわけではありません。

離婚調停をするべきケース

  • 離婚協議できない場合
  • 離婚条件の調整ができない場合
  • 離婚それ自体に強く反対している場合

離婚協議できない場合

離婚調停を申し立てるべき一つ目のケースは、離婚協議ができない場合です。話合いをすることなく離婚調停をいきなり申し立てるべきではありません。しかし、相手方が離婚協議に一切応じない姿勢を見せている場合には、速やかに離婚調停の申し立てるべきです。家庭裁判所の調停委員の説得により、相手方の頑なな態度が変わる可能性もあります。

離婚条件の調整ができない場合

離婚調停を申し立てるべき二つ目のケースは、離婚条件の調整ができない場合です。離婚協議はできるものの、離婚それ自体や財産分与・子の親権・養育費等の離婚条件の調整ができない場合には、協議離婚を成立させることはできません。特に、財産分与、子の親権、離婚慰謝料などの離婚条件については、夫婦間の対立も強く、簡単には合意に至らないことも多いです。

離婚それ自体に反発している場合

離婚調停を申し立てるべき三つ目のケースは、相手方が離婚それ自体に強く反対している場合です。離婚すること自体に反対していれば、離婚協議をしても意味がありません。離婚調停を行い、調停委員を通じた協議を重ねるべきでしょう。また、離婚調停を経ても進展が期待できないのであれば、離婚裁判をするほかありません。

調停申立前の準備

調停手続きは、調停委員を介した話し合いの場ではあります。話し合いといっても、調停手続きを有利に進めるためには、離婚原因や慰謝料の根拠などを客観的な証拠で裏付けることが非常に大事です。

収集しておくべき証拠の一例は次のとおりです。

  • 不貞行為の証拠(LINEメッセージ、写真・動画、探偵社の調査報告書)
  • 配偶者の財産の資料
  • DV被害の資料(診断書、動画・写真、診断書)
  • モラハラの日記

TIPS! 離婚原因とは?
離婚原因とは、配偶者が離婚に反対していても、離婚することを正当化できる離婚理由をいいます。離婚原因は、民法770条で定められており、その内容は次のとおりです。

① 配偶者に不貞な行為があったとき
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
③ 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき


関連記事|離婚原因とは何か?離婚手続きを弁護士が分かりやすく解説

家庭裁判所への申立て

離婚調停は、家庭裁判所へ申立をすることではじまります。

調停の申立てに際して準備する必要書類や費用は以下のとおりです。

申立時に必要な書類

  • 調停申立書
  • 事情説明書
  • 戸籍謄本
  • 年金分割の情報通知書
  • 収入印紙代
  • 郵便切手代

一般的には、離婚を希望する側が、相手方となる配偶者の住所地の家庭裁判所に調停申立書と事情説明書を提出します。

調停申立書の請求欄には、離婚請求のほか、①子の親権者、②子の養育費、③財産分与、④慰謝料請求、⑤年金分割を選択する欄があるため、希望する請求にチェックを入れます。

さらに、離婚調停の申立は、「戸籍謄本」、「年金分割を求める情報通知書」といった添付書類の他、印紙と郵券を裁判所窓口に提出することで受け付けてもらえます。

受付後は事件番号(例えば令和5年(家イ)第◯◯◯◯号といった具合です。)が付与され、事件番号がスタンプされた申立書の写しを交付してもらうことができます。今後はこの番号を使って裁判所書記官と日程等のやり取りをすることになります。

TIPS! 提出する裁判所(管轄裁判所)
離婚調停の申し立てをする家庭裁判所は、申立人の住所地ではなく相手方の住所地の家庭裁判所となります。例えば、申立人が大阪市に居住、相手方が東京都に居住していれば、大阪家庭裁判所ではなく東京家庭裁判所となります。

離婚調停の費用

離婚調停には、申立時の印紙代や郵便切手代に加えて、戸籍謄本の取寄費用が発生します。

弁護士に依頼する場合には、弁護士費用も掛かります。

申立手数料(印紙代)

申立手数料(印紙代)は1200円分の納付が必要となります。

郵便切手代

郵便切手代について、指定された郵便切手の予納しなければなりません。その内訳も指定されているため、内訳に沿って郵便切手を購入する必要があります。

【大阪家庭裁判所】

1,130円分(140円、84円×5枚、50円×5枚、20円×10枚、10円×10枚、1円×20枚)

戸籍謄本

申立時には戸籍謄本の提出が必要となります。

窓口で取り付ける場合には、450円の手数料を支払う必要があります。郵送で取り付ける場合には、定額小為替と返信用封筒を準備する必要があります。

関連記事|離婚調停に必要となる費用は?離婚調停を弁護士に依頼するメリットを解説

婚姻費用の調停申立て

専業主婦や相手方よりも収入の少ない配偶者は、離婚調停の申立てに際して、婚姻費用の調停申立てもセットで行うことを検討してください。

婚姻費用とは、夫婦が社会生活を送る上で必要となる別居中の生活費をいい、別居解消または離婚成立時まで発生し続けます。お互いの収入を踏まえて、標準算定方式または算定表により婚姻費用の金額を算出します。

婚姻費用の調停申立てをする際には、離婚調停の申立書とは別に、婚姻費用の調停申立書や事情説明書が必要となります。

呼出状の発送

離婚調停の申し立てが受理されると、当事者双方へ家庭裁判所から呼び出し状が発送されます。呼び出し状には、初回の調停期日の日時が記載されています。

離婚訴訟の場合は特別送達郵便で発送され対面での受け渡しとなりますが、離婚調停の場合は普通郵便で届くため、単にポスト投函されるだけです。

申立人側としては問題ありませんが、相手方側が呼び出し状に気付かない恐れもあるため、もし連絡を取れる状況であるならば、ポストを確認するようあらかじめ告げておくのが良いでしょう。

裁判所から発送される呼び出し状には、申立人が提出した離婚調停申立書の写し等の書類が添付されるだけでなく、家庭裁判所の場所や調停の日時、担当書記官名や担当部署の連絡先などが記載された書面も同封されます。

弁護士を代理人としている場合

申立人が弁護士に依頼している場合、あらかじめ裁判所と弁護士との間で、初回期日を調整した上で初回期日を決めることになります。

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照会書(答弁書)の提出

離婚調停の申立てがあった場合、裁判所から相手方に対して、調停期日の呼出状を送付します。その他、申立書の写しや照会書等も同封されています。申立に至る詳細な理由の記載された事情説明書は同封されていないことがありますので、その場合には家庭裁判所に謄写申請を行います。

照会書には、離婚、子の親権や養育費、財産分与等の離婚条件について幅広く質問事項が記載されています。

相手方は、相手方の主張等を照会書や答弁書に記載して裁判所に提出するようにします。

第1回調停期日(第1回目)

指定された日時に家庭裁判所に出向きます。

相手方が出頭していた場合は、当事者は別々の待合室で待機することになり、調停委員から交互に呼び出しがかかります。

別々のタイミングで呼び出されるため、基本的には裁判所内で相手と顔を合わせることはありません。

それでも顔を合わせるのが不安な方は、あらかじめ担当書記官にその旨を伝えれば、別の入り口から出入りする、入る時間をずらしてもらうなどの配慮してもらうことが可能です。

また、暴力、DV、つきまといの事案であれば、事前に裁判所に通知しておくことで、施設内で対面できないよう別室を用意してもらうことができます。

関連記事|離婚調停の服装|調停手続の流れや調停委員との話し方を弁護士が解説します

相手方が欠席する場合

第一回調停期日は、相手方の予定を聞かずに指定されるため、相手方の都合がつかず出頭できない場合も当然ながらあります。

その場合は、あらかじめ裁判所書記官が相手方の都合を確認し、調停当日に申立人と調停委員との間で第二回調停期日を調整し、その日は終了です。

調停委員から聞かれること

調停委員からは、離婚をしたい理由・したくない理由を聞かれます。離婚するにあたっての離婚条件、具体的には、離婚慰謝料、子の親権・養育費、子供の面会交流、財産分与に関する各当事者の言い分を確認します。慰謝料に関しては、不貞行為・DV・モラハラを主張する場合には、その具体的な内容やこれを証明する客観的な証拠を確認されます。

調停委員の聞き取りを通じて、夫婦双方で争いのない事項と対立の生じている事項を明確にしていきます。対立点が浮き彫りになれば、これを中心に双方の調整を図っていきます。

言ってはいけないこと

調停を有利に進めるためには、調停委員の印象を良くしておくことも大切です。

感情的になって心情的な主張に固執すると、調停委員会の印象を歩くします。調停委員とのやりとりにおいては、以下の点を留意します。

  • 主観的・曖昧な発言に固執する
  • 調停委員からの質問に答えない・無視する
  • 虚偽の発言・誇張した発言をする
  • 相手方や調停委員を非難・罵倒する
  • 異性との性行為や交際に言及する

関連記事|離婚調停中にやってはいけないこととは?離婚調停の6つの注意点を弁護士が解説

次回期日の日程

概ね次回の調停期日は、1か月強から1ヶ月半先の日程となります。ただ、お盆休みや年末年始等の長期休暇を挟む場合には、さらに先の日程が次回期日となることが多いでしょう。

場合によっては、調停委員から出席した申立人に対して申立てに至る事情の聴き取りが行われる場合もあります。

調停期日の時間

一回の調停期日の時間は、家庭裁判所にもよりますが、1時間半から2時間程です。

大阪家庭裁判所であれば、以下のタイムスケジュールとなります。

・午前の部  10時〜11時20分
・午後①の部 13時20時〜14時40分
・午後②の部 15時〜16時20分

一回の入室時に20分から30分の聴き取り等がありますから、一回の調停期日で調停室に入室する時間は40分程から50分程になります。

2回目以降の調停期日に向けた準備

調停期日が終わる際、調停委員から次回期日までの準備事項(宿題)が示されます。

調停委員が双方から聞き取った事情を踏まえて争点となる問題を把握します。この争点に関連する事項について書面を準備したり、主張を裏付ける資料を提出するよう求められます。

これら書面や資料の提出期限は、次回期日の10日前から7日前に設定されます。

主張書面と資料は、裁判所と他方の当事者に対して、それぞれファックスや郵送で提出します。

第2回以降の調停期日

第二回目以降の調停期日でも、基本的には別席のまま行われ、調停委員が交互に呼び出しをし、話し合いを進行していきます。

合意ができなければ次回期日が入れられ、調停が成立、もしくは裁判官が不成立と判断するまで続きます。

期間についてはケースバイケースですが、一般的には半年程度で終わることが多くなっています。ただし、いつまでも話し合いが進展なく平行線である場合や、裁判官が調停成立の見込みがないと判断した場合、半年より早いタイミングで不成立となることもあります。

関連記事|離婚調停の期間や回数は?離婚調停で解決するまでの期間を弁護士が解説します

調停成立

話し合いの結果、当事者双方が合意すると、その内容で調停成立となります。

調停の成立により調停離婚は成立します。

調停成立時には、担当する裁判官が調停条項の読み上げを行います。調停条項とは、調停調書に記載する合意内容をいいます。

調停条項の読み上げをする際には、当事者双方が立ち会いをしなければなりません。

当事者の双方に代理人弁護士が就いている場合には、当事者本人が対面せずに調停条項の読み上げをすることができます。申立人と申立人代理人及び相手方代理人の同席の下で読み上げを行った後、これが終わると申立人本人が退出して、申立人代理人及び相手方本人と相手方代理人の同席の下で読み上げを再度行います。

調停条項の読み上げは通常10分前後で終了します。

一方で、話し合いがまとまらなかった場合は、調停不成立となります。

調停成立後の手続き

調停成立となった場合は、裁判所により「調停調書」と呼ばれる書面が作成されます。

調停調書は判決と同様の法的効力を持つ書面です。調停調書にて金銭の支払いについて記載があれば、相手が支払わない場合には、強制的に財産を差し押さえることが可能です。

調停成立したとしても、以下で述べるように色々な手続きをする必要があります。

離婚届の提出

調停の成立により離婚それ自体は成立しています。しかし、戸籍には離婚の事実は自動的に反映されません。そこで、妻側が市区町村役場に離婚届と調停調書の省略謄本を提出することで、戸籍簿上も離婚が反映されます。

通常、離婚により戸籍の筆頭者である夫の戸籍から妻が除籍されます。そのため、離婚届の提出は、妻が行うことが多いでしょう。

なお、調停成立後、離婚届は10日以内に提出しなければなりません。もし届け出が遅れてしまったからといって調停調書の内容が無効になるわけではありませんが、3万円以下の過料が科せられる可能性があるため、離婚届の提出は早急に行いましょう。

新戸籍の編製

離婚に伴い結婚前の苗字に戻ることになります。

これを復氏といいます。

復氏の場合の戸籍の取り扱いは、結婚前の戸籍に戻る、新戸籍を編製するのいずれかになります。

婚姻中の苗字を使い続ける場合(婚氏続称)には、新戸籍を作ることになります。

氏の変更許可

戸籍謄本の処理はあくまでも妻の戸籍上の取り扱いです。たとえ妻が離婚後の戸籍の処理をしたとしても、子供については夫の戸籍に入ったままとなります。

母が親権者となる場合、家庭裁判所に対して、子供の氏の変更許可の申立てをする必要があります。

婚氏続称により母と子供の苗字が同じであっても氏の変更許可の申立てをする必要があります。

年金事務所に年金分割請求

離婚調停において年金分割をしている場合には、年金事務所に対して年金分割の請求をしなければなりません。調停成立により自動的に年金分割されるわけではありません。

年金分割は離婚成立の日の翌日から2年で請求できなくなります。

▶関連記事|離婚後の手続きを弁護士が解説|チェックリストも紹介しています。

調停不成立の場合

調停不成立となった場合は、裁判所にて「不成立調書」と呼ばれる書面が作成されます。その後は、再度の話し合いで協議離婚成立を目指すか、離婚訴訟を提起するかをしなければ、離婚が成立することはありません。稀に、調停不成立時に審判へと移行するケースがありますが、特段の事情がない限りは審判離婚の決定が下されることはありません。

再度の話し合いをする場合

再度の話し合いをする場合は、離婚調停で話し合った内容を踏まえて、もう一度お互いの意見を交換するのが良いでしょう。一度調停委員という第三者を挟んでいることからお互いの視野が広がり、新しい解決策が見つかる可能性は十分あります。

離婚裁判(離婚訴訟)を提起する場合

離婚訴訟を提起する場合、裁判所から取得できる「調停不成立調書」や「事件終了証明書」を添付し(離婚訴訟の管轄が調停と同一の場合は不要)、訴状を提出しなければなりません。そもそも離婚というのは、「調停前置主義」といって、裁判の前に調停を経由している必要があるのです。調停を終えていなければ、原則として訴訟提起することはできません。

離婚調停は途中で取り下げることも可能

離婚調停は、必ずしも成立・不成立で終了するとは限りません。途中で取り下げることが可能となっています。取り下げとは、調停を申し立てた側が自らの意思で申立てを取りやめることです。相手方や裁判所の同意は一切必要なく、好きなタイミングで取り下げることが可能です。もし、離婚について考え直したい場合や、いったん調停をやめたいと感じた場合は、申立人側のタイミングで取り下げてしまって問題はありません。

▶離婚調停に関する裁判所の解説はこちら

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以上が離婚調停の流れとなります。

調停という手続きは、それほど難しいものではありません。家庭裁判所へ足を運べば、申立書のひな形が用意されていますし、わからないことがあれば裁判所書記官が回答してくれます。まったく法律に詳しくない方でも、無理なく利用できる手続きです。

しかし、裁判所書記官は味方になってくれるわけではありませんし、無理なく利用できる手続きであるというだけで、調停自体を有利に進められるわけではありません。

そこで、離婚調停をサポートしてくれる味方が欲しいという方や、調停を有利に進めていきたいと考えている方は、弁護士への依頼を検討しましょう。

弁護士であれば、申立書の作成・提出だけでなく、調停期日への同席も認められています。もちろん発言することもできるため、言葉に詰まってしまった際や、冷静さを失ってしまった場合でも、弁護士が代わって対処してくれるメリットもあります。調停委員も弁護士からの発言には関心を寄せる傾向にあるため、離婚調停を有利に進めていけることも期待できます。

もし、離婚についてお悩みを抱えているという方は、1度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士・中小企業診断士。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。町のお医者さんに相談するような気持ちで、いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。趣味はゴルフと釣り、たまにゲームです。

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