コラム
更新日: 2026.03.29

別居中の不貞行為(不倫)で慰謝料は請求できる?認められる条件を弁護士が解説

離婚問題 別居中の不倫 慰謝料請求の対象となるのか

別居中の配偶者の不貞行為(不倫)が発覚した場合、慰謝料を請求できるのかどうか、多くの方が疑問に思うことでしょう。結論から言うと、一定の条件を満たせば、慰謝料を請求できる可能性があります。

この記事では、別居中の不貞行為で慰謝料請求が認められるための条件や、必要な証拠、慰謝料の相場について、弁護士が詳しく解説します。 慰謝料請求を検討する上で、まずは「不貞行為」が法的にどのような意味を持つのかを理解することが重要です。 ぜひ、参考にしてみてください。

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結論:別居中でも慰謝料請求はできる

別居中の配偶者の不貞行為(不倫)が発覚した場合、別居していることを理由に慰謝料請求を諦めてしまう方が少なくありません。

しかし、結論からお伝えすると、別居中であっても不貞行為に対する慰謝料請求は十分に可能です。一定の条件を満たせば、慰謝料請求は認められる可能性があります。

ただし、その請求が法的に認められるかどうかを判断する上で、非常に重要なポイントがあります。それは、「不貞行為が始まった時点で、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していたかどうか」という点です。この「婚姻関係の破綻」が、慰謝料請求の可否を分ける最大の判断基準となります。

婚姻関係の破綻とは、単に夫婦が別々に暮らしている状態を指すのではありません。具体的には、夫婦としての協力や扶助、貞操義務といった共同生活を維持する意思が完全に失われ、客観的に見て関係修復の可能性が全くないと判断される状態を意味します。

以下に、婚姻関係が破綻していると判断される主な要素をまとめます。

要素具体例
別居期間長期にわたる別居(数年以上が一つの目安)
離婚手続の進捗  離婚調停の申立てや離婚訴訟の提起の有無、離婚協議の進捗
夫婦間の交流連絡を全く取っていない、顔を合わせない
生活への関与互いの生活費を負担していない、協力関係がない
関係修復の意思どちらか一方、または双方が修復を望んでいない
別居の原因DV、浮気、借金など、重大な原因がある場合

最高裁判所の判例(最判平成8年3月26日)でも、婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、不法行為責任を負わないとの判断を示しています。これは、法的に保護すべき夫婦の共同生活の平穏が、不貞行為が始まる時点で既に存在しなかった場合には、その侵害に対する損害賠償(慰謝料)の請求は認められないという考え方を示しています。

したがって、別居中の不貞行為で慰謝料請求を検討する際は、不貞行為が始まる前に婚姻関係が既に破綻していたと判断されないよう、ご自身の状況を客観的に確認することが重要です。単に別居しているという事実だけでなく、別居期間や離婚手続きの進捗、その期間中の夫婦の関係性や交流状況が、慰謝料請求の可否に大きく影響することを理解しておく必要があります。

慰謝料請求の可否を分ける重要ポイントを比較解説

別居中の不貞行為で慰謝料請求が認められるかどうかは、「不貞行為が始まった時点で、すでに婚姻関係が破綻していたか否か」が最大の争点となります。この判断は一つの事実だけでなく、複数の要素を総合的に考慮して行われます。

以下に示す4つのポイントが、慰謝料請求の可否を判断する重要な材料となります。ご自身の状況と照らし合わせながら、全体像を把握していきましょう。

  1. 別居期間の長さ
  2. 別居中の夫婦間の交流状況
  3. 別居に至った目的や経緯
  4. 離婚に向けた協議の有無

これらのポイントが慰謝料請求の可否にどう影響するかを、以下の表で比較して確認しましょう。

比較ポイント慰謝料が認められやすいケース慰謝料が認められにくいケース
別居期間の長さ短期(数ヶ月程度)長期(3〜5年以上)
夫婦間の交流状況定期的な連絡や面会がある交流がない
別居に至った目的関係修復のための冷却期間離婚を前提とした別居
離婚協議の有無離婚に向けた協議が始まっていない離婚協議中、または調停・裁判中

比較①:別居期間の長さ

夫婦の婚姻関係が破綻しているか否かを裁判所が判断する際、別居期間の長さは客観的な指標の一つです。一般的に、別居期間が短いほど、婚姻関係はまだ継続していると判断されやすく、不貞行為に対する慰謝料請求が認められる可能性が高まります。例えば、数ヶ月程度の別居期間であれば、夫婦としての共同生活が完全に失われたとは見なされにくい傾向にあります。

一方、別居期間が長期に及ぶほど、不貞行為が始まる以前に婚姻関係が既に破綻していたと判断され、慰謝料請求が認められにくくなります。特に3年〜5年以上といった長期間の別居は、婚姻関係の破綻を強く示唆する要素と見なされる傾向にあります。ただし、慰謝料請求の可否は、別居期間の長さだけで一律に決まるものではありません。別居に至った経緯や目的、別居中の夫婦間の交流状況など、様々な要素を総合的に考慮して判断されます。

比較②:別居中の夫婦間の交流状況

別居期間中の夫婦間の交流状況は、婚姻関係が破綻していたかを判断する上で重要な指標となります。

具体的には、夫婦間で定期的な連絡(LINEや電話)を取り合ったり、生活費(婚姻費用)の送金が続いていたり、週末や記念日、年末年始やお盆休み等の長期休暇時に会う機会があったり、子どもの学校行事に共に参加したりする状況は、婚姻関係がまだ継続していると判断されやすいでしょう。このような交流がある場合、夫婦としての協力関係や共同生活の意思が残っていると捉えられるためです。

一方で、別居中に夫婦間の連絡が全く途絶えたり、子どものことなど必要最低限の事務的な連絡にとどまったり、長期間一度も顔を合わせていないなど、夫婦としての実質的な交流が失われている場合は、婚姻関係が既に破綻していると判断される可能性が高まります。この場合、不貞行為が始まる前に夫婦としての共同生活がすでに存在しなかったと判断される可能性があります。

比較③:別居に至った目的や経緯

別居に至った目的や経緯は、慰謝料請求の可否を判断する上で重要な要素の一つです。単に別居しているという事実だけでなく、その背景にある具体的な理由が考慮されます。

慰謝料請求が認められやすいのは、夫婦関係の修復を目的とした「冷却期間」としての別居や、仕事の都合による「単身赴任」など、離婚を前提としない理由で別居が始まったケースです。一時的な夫婦喧嘩による家出、あるいは配偶者が一方的に家を出て行った場合なども、婚姻関係が完全に破綻していたとは判断されにくい傾向が見られます。

一方、夫婦双方が離婚に合意し、その準備期間として別居を開始したケースなど、別居の時点で既に婚姻関係が修復不可能なほど破綻していたと判断される場合には、慰謝料請求が認められなくなる可能性があります。離婚調停や訴訟が既に開始されていた場合も、同様に婚姻関係の破綻が認められやすい要素となります。

比較④:離婚に向けた協議の有無

夫婦関係がすでに破綻していたか否かを判断する際、離婚に向けた具体的な協議の有無は重要な要素となります。

例えば、別居時点で離婚協議書が作成されていたり、既に離婚調停の申立てや離婚訴訟が提起されていたりと、法的な手続きを含めた具体的な離婚手続がすでに進展している場合、婚姻関係は破綻していたと捉えられやすくなります。

これに対し、別居はしたものの、離婚に関する具体的な話し合いが一切なく、夫婦関係を修復する可能性が残されている場合は、婚姻関係が継続していたと判断されやすくなります。例えば、「離婚しよう」といった口約束だけでは、具体的な協議とは見なされにくい傾向があります。

慰謝料請求が認められやすい具体的なケース

一般的に、別居中でも婚姻関係が破綻していないと判断され、慰謝料請求が認められる可能性が高い具体的なケースを以下に示します。

別居期間が短い場合

別居中の不貞行為に対する慰謝料請求が認められるかどうかは、別居期間の長さが重要な判断材料の一つです。一般的に、別居期間が比較的短い場合、婚姻関係が完全に破綻していたとは判断されにくいため、慰謝料請求が認められる可能性が高まります。明確な基準はありませんが、数週間から数ヶ月程度であれば、夫婦としての共同生活が完全に失われたとは見なされにくい傾向にあります。

夫婦関係修復のための冷却期間だった

別居の目的が、離婚ではなく夫婦関係を修復するための「冷却期間」であった場合、その期間中の不貞行為は、慰謝料請求が認められやすくなります。これは、たとえ別居中であっても、まだ夫婦としてやり直す意思が残されていたと判断されるためです。

別居後も定期的な連絡や面会があった

「別居後も定期的な連絡や面会があった」というケースは、慰謝料請求が認められやすい典型的な事例です。また、別居していても、夫婦間で性的な関係がある場合も、夫婦関係が破綻していない事情の一つとなります。つまり、たとえ夫婦が別居していても、定期的な連絡や面会交流が継続している場合、裁判所は「婚姻関係がまだ完全に破綻していない」と判断する可能性があります。

別居中の不倫発覚後の慰謝料請求

別居中の不倫が発覚した場合、これが夫婦関係の破綻前の不倫であれば、慰謝料を請求することができます。

慰謝料請求の流れを解説していきます。

証拠の収集

まずは、不貞行為の証拠が必要です。

不貞慰謝料の請求する側で、不貞行為があったことを証明しなければなりません。

そのため、不貞行為に関する証拠を計画的に収集しておくことが慰謝料請求の第一歩となります。

関連記事|不貞行為の証拠集めについて弁護士が解説

慰謝料の通知

証拠の保全ができれば、不貞配偶者または不貞相手に対して、慰謝料請求をしていきます。不貞慰謝料の請求は、口頭でも行うことはできます。しかし、口頭では、いつ、どのような内容の意思表示をしたかが明確にはなりません。

相手方に対して、どのような理由で、いくらの慰謝料の支払いを求めているのかを明示するために、文書により慰謝料請求の通知をするべきでしょう。

内容証明を活用する

事後的に通知内容や送達時期を証明するために、内容証明郵便を用いて慰謝料を通知するのが望ましいです。内容証明郵便は、単なる文書よりも相手方に対して大きなプレッシャーを与えることもできます。

交渉する

慰謝料通知をした後、相手方から何らかの回答があれば、慰謝料請求に関する交渉を進めていきます。

相手方は、不貞行為そのものを否定することもあれば、不貞行為の存在を認めるものの、婚姻関係の破綻を主張してくることもあります。また、損害額の減額を求めてくることもあります。

交渉を重ねて、慰謝料額や支払時期等が調整できれば合意が成立します。

合意書を作成する

相手方との間で合意が成立する場合には、合意内容を明記した合意書を作成します。言った言わないの水掛論にならないようにするためです。

慰謝料の支払いが分割払いとする場合には、公正証書の作成も検討します。

訴訟提起する

相手方との交渉が進まない場合、相手方から何らの応答もない場合、不倫慰謝料を求める訴訟を提起することになります。

訴訟では、当事者双方が不貞行為に関する主張反論を繰り返します。ある程度審理が尽くされた段階で裁判官から和解の提案がなされます。

和解による解決ができれば紛争は解決します。和解が成立しない場合、証人尋問を行なった上で判決が下されます。

▶不倫慰謝料に関する裁判所の解説はこちら

消滅時効に気を付ける

不倫慰謝料にも時効があります。慰謝料を請求することなく放置していると時効が到来することで請求できなくなる可能性があります。

不貞相手に対する慰謝料請求であれば、不貞行為や加害者を知った日から3年が時効期間となります。不貞配偶者に対する慰謝料請求であれば、離婚時から3年となります。仮に不貞行為等を知らなったとしても不貞行為時から20年が経過すれば時効となります。

関連記事|不貞行為の消滅時効は何年か?時効を防ぐための方法を弁護士が解説します

不倫慰謝料の相場

不倫慰謝料額の相場は、50万円から300万円程です。

不倫慰謝料の金額は、婚姻期間、子供の有無、不貞行為の結果、不貞行為の回数や期間等を考慮して判断されます。

また、不貞行為が行われた時点で、婚姻関係が破綻していなかったとしても、円満ではなかった、亀裂が生じていた、破綻寸前であった場合には、夫婦関係が完全に良好ではない以上、慰謝料額は減額される方向で認定されます。

関連記事|不倫・浮気の慰謝料の相場とは?不貞慰謝料の計算方法を弁護士が解説します

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別居により夫婦関係が破綻しているかの判断は簡単ではありません。

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