コラム
更新日: 2024.05.17

ラインで浮気を見破る方法10選|LINEの非表示や削除は証拠となるか解説|難波みなみ法律事務所

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

離婚問題 LINEと不倫浮気 ラインを不倫の証拠とするためには

配偶者が浮気をする場合、その浮気相手とLINEを用いて連絡を取り合っていることが非常に多くなっています。LINEメッセージの写真・動画が不貞行為の証拠となったり不貞行為の手掛かりとなることも非常に多いです。

LINEを通じて性行為の感想を述べたり、ホテル名を指定したり、性行為時の写真を送信しているような場合には不貞行為の存在を強く推認させます。

また、LINEアプリの利用方法によっては、配偶者の浮気を見抜けることもあります。ただ、LINEトークを非表示にしたり、トーク履歴を削除していたとしても、浮気の兆候にはなったとしても、それ自体が不貞行為の直接的な証拠にまではなりません。

また、LINEアプリから証拠収集する際には、不正アクセスにならないように気をつけるべきです。

本記事では、LINEを用いた不貞行為の証拠収集や浮気の見抜き方を解説します。

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LINEから見破る浮気の兆候10選

【ラインの浮気の兆候10選!】
・LINEアプリにパスワードを設定
・常に携帯を下向きに置く
・LINEの通知を非表示にしている
・絵文字やスタンプを急に使い出した
・LINEの返信が遅い、素っ気ない
・新たな「友だち」や「非表示」のリストのチェック
・通知オフの友達がいる
・トーク履歴を削除している形跡
・LINEの表示名が違う
・ラインスタンプのプレゼント履歴がある

LINEの浮気の兆候は、意識をしていなければ、ついつい見過ごしてしまいがちです。

以下で紹介する浮気の兆候がいくつか当てはまる場合には、浮気をしている可能性があります。浮気の兆候を以下のとおり紹介していきます。

LINEアプリにパスコードを設定

パスコード

スマートフォンの画面ロックに加えて、LINEアプリにもパスコード設定をして、二重にロックをしている場合があります。

画面ロックを設定していることはよくあることかもしれません。しかし、LINEアプリにもロックを設定していることは、LINE内のメッセージを見られたくないことの表れかもしれません。

常に携帯を下向きに置く

LINEメッセージを受信すると、待ち受け画面にLINEの通知が表示されます。

その通知内容を配偶者に見られることを警戒して、LINEの通知内容を見えないようスマートフォンを意図的に下向きに置くことがあります。

LINEの通知を非表示にしている

LINEアプリでは、メッセージを受信すると、携帯画面上に受信通知(ポップアップ画面表示)が表示される設定になっています。

しかし、メッセージの内容やメッセージの受信を配偶者に知られたくないという思いから、LINEの通知を非表示設定していることがあります。

絵文字やスタンプを急に使い出した

LINEスタンプ

これまでLINEアプリを全く使いこなせていなかった配偶者が、ある時急にLINEメッセージで、絵文字を使ったり、スタンプを使い始めることは浮気の兆候といえます。

不倫相手とのLINE上のやり取りを通じて、LINEの使用方法を習得したと疑われるからです。

LINEの返信が遅い、素っ気ない

LINEの返信が遅くなったり、既読になったまま返信がなくなる(既読スルー)、返ってきても素っ気ないトーク内容の場合には、正当な理由がなければ浮気を疑わせます。

新たな「友だち」や「非表示」のリストのチェック

LINEの新たな友達に浮気相手とされる人のアカウントが表示されている可能性があります。

また、非表示リスト内に浮気相手らしき人のアカウントがある場合も、目に触れられたくないやり取りをしていることを強く推認させます。

通知オフの友達がいる

トークリスト上の特定の友達を個別に通知オフとすることができます。

通知オフとすることで、特定の友達からメッセージが届いても、メッセージの受信通知がされなくなります。

ポップアップ通知が出ないことで、浮気相手からのLINEメッセージやその内容を隠そうとしているかもしれません。

トーク履歴を削除している形跡

特定の友達のトーク履歴が削除されている場合には、見られたくないメッセージがある可能性があり、浮気の兆候の一つといえます。

トーク履歴が削除されたかを直接確認する方法はありません。ただ、やり取りの内容が不自然である場合には、トーク履歴を削除している可能性があります。また、トークルーム上部に位置するのに、送信履歴がない場合には、トークが削除されている可能性があります。

LINEの表示名が違う

浮気の発覚を避けるため、LINEの表示名を意図的に変えていることがあります。

LINEの表示名とトーク内容が不自然であったり、プロフィールで設定している名前と表示名が一致しない場合には、表示名を意図的に変更している可能性があります。

ラインスタンプのプレゼント履歴がある

スタンプのプレゼントを受けていたり、送っている場合にも、浮気の兆候の一つです。特に、普段スタンプを使用しない、スタンプのプレゼントをしない人に、プレゼントの購入履歴があると不自然です。 プレゼントの履歴は、ライン内のプレゼントボックスから確認することができます。

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LINEが不倫の証拠となるケース

【不倫を証明するLINEの証拠】
LINEトーク上の性行為の写真動画
ラブホテル内で撮影した写真
性行為に関するLINEメッセージ
強
中
弱
ビジネスホテル内の写真
愛情表現に関するメッセージ
単なる継続したやりとり

LINEのメッセージ等が浮気不倫を裏付ける証拠となることがあります。ただ、あらゆるLINEメッセージが不貞行為の証拠となるわけではありません。

LINEそのものが不貞行為の証拠となるケースと不貞行為を証明できないケースを以下のとおり紹介していきます。

不貞行為の証拠となるケース

LINEメッセージの内容から不貞行為を証明できる場合を紹介します。

LINEトーク上の性行為の写真動画

LINE上で、性行為やこれに類する行為に関する写真や動画を送っている場合、不貞行為を強く推認します。

かなり直接的な証拠となるため、不貞行為の証明に十分な資料といえます。

ラブホテル内で撮影した写真

ラブホテル内で配偶者と不貞相手が一緒に写っている写真がLINE上で送信されている場合には、不貞行為を強く推認させます。ラブホテルには入室しているが、性行為には及んでいないと反論することがあります。

しかし、ラブホテルは性行為を行うための施設です。成人する男女がラブホテルに入室している以上、余程の事情がない限り性行為に及んだと認定されます。

性行為の感想や約束に関するLINEメッセージ

ラブホテルに行く約束をするやりとり、あるいは、面会当日の待ち合わせに関するやりとり、性行為後の感想を述べるやりとりなどがある場合には、不貞行為の証拠として「強い」と考えます。

ビジネスホテル内の写真

ビジネスホテル内で撮影された写真や動画を送信している場合です。

ラブホテルとの違いは、ホテルを利用する用途が性行為に限定されていないという点です。

そのため、ビジネスホテルやラブホテル以外のホテル内の写真だけでは、不貞行為を直ちに推認させることはできないでしょう。

ただ、LINEメッセージの内容から分かる内容から、不貞行為を推認させることはできるでしょう。例えば、ビジネスホテルの同室で宿泊していれば不貞行為をある程度推認できます。 

その他、入室する日時・入室する部屋の間取り・入室時間・相手方の関係性を踏まえ、不貞行為の存在を証明できるケースはあると思います。

不貞行為の証拠にならないケース

不貞行為の証明には直ちには繋がらないケースを紹介します。ただ、単体では不貞行為の証明に繋がらないとしても、その他の証拠と掛け合わせることで、不貞行為を証明できるケースもあります。

愛情表現に関するメッセージ

「愛してる」「好き」等の愛情表現を述べるやりとりについても、その他の客観的証拠の状況にもよりますが、このやりとりのみでは不貞行為の証拠としては「弱い」と考えます。

そのほかの証拠がない限り、このLINEメッセージだけでは不貞行為を推認させることはできないでしょう。

デートの約束をしているメッセージ

不貞相手と思しき人と、デートや食事に誘ったり、実際にデート等をした後の感想を述べたりするメッセージが残されていることがあります。

しかし、デートや食事の約束をしているメッセージだけでは、2人の性的な関係を証明することは難しいでしょう。

単なる継続したやりとり

単に継続したやりとりの存在が確認できるだけでは、不貞行為の証拠としては「弱い」と考えます。

不貞相手と思しき人とのトークや通話履歴だけでは、肉体関係があったことまで推認させることは難しいといえるでしょう。

ライントークの非表示や削除は有力な証拠ではない

配偶者がラインのトークを非表示にしたり、浮気相手とのトーク履歴を削除している場合でも、それ自体を不貞行為の証拠とすることはできません。

なぜなら、非表示や履歴の削除は、配偶者の浮気を察知する手掛かりにはなったとしても、不貞行為それ自体を推認させるには不十分といえるからです。そのため、非表示や削除の形跡があっても、それだけで満足せず、さらに不貞行為の証拠を収集するように努めることが大事です。

その他の資料と掛け合わせる

LINE等のやり取りの内容が肉体関係を推認させるに十分なものかどうかがポイントです。

ただ、不十分な内容であったとしても不貞行為の存在を証明できないわけではありませんので、継続して証拠収集に努めるべきでしょう。

また、十分な内容でなかったとしても、男女間で継続してやりとりをしていることの証明に役立ちますので、できるだけ消去することなく保全に努めてください。

関連記事|不貞行為の証拠集めとは?不倫慰謝料に必要な証拠や収集方法を弁護士が解説

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LINEをのぞき見がバレないためには

LINEをのぞき見したことが、相手方に発覚してしまうと、相手方の警戒度が高まり、不貞行為の証拠を収集しにくくなる可能性があります。そこで、LINEを見たことを知られないようにするために、以下の点に気を付けましょう。

別の機器からログインしない

別の通信機器からLINEアプリにログインしないようにしましょう。

不正アクセスに該当するリスクもあるだけでなく、ログインの通知が配偶者のLINEアプリ宛にされてしまいます。

これによって、配偶者のLINEアプリにログインしたことがバレてしまうリスクがあります。

既読を付けない

LINEトークに既読を付けないように注意しましょう。

未読のLINEトークルームをタップすると既読が付いてしまいます。一度、既読となると、これを未読にすることは原則できません。

見た覚えがないトークが既読になっていれば、配偶者によるLINEののぞき見が発覚してしまいます。

【既読を付けないための方法】

・トークルームを長押しする(ブオン機能)
トークルームをタップせずに、それを長押しすると既読を付けずにメッセージの内容を閲覧することが出来ます。
・LINE通知を確認する
LINEアプリでメッセージ通知の内容表示をオンにしている場合には、携帯画面の通知バー上でメッセージの一部を閲覧することが出来ます。ただ、文字数が多い場合には、一部しか表示されません。
・機内モードにする
機内モードにすると、既読を付けずにLINEメッセージの全文を見ることが出来ます。しかし、機内モードをオフにした時点で、LINEメッセージに既読が付いてしまうため、既読を回避するための方法としては有用とまではいえないでしょう。

LINEから不貞行為の証拠を確保する方法

不倫やその兆候をLINEを通じて確認した場合には、LINEのトークを証拠として保存しておくことが重要です。ただ、後述する不正アクセス等にならないように注意する必要があります。

LINEの画面の写真や動画を撮影する

LINEの画面自体を写真撮影したり動画撮影する方法があります。

注意点としては、日付を特定できるようにすることです。日時が不明確であると、不倫の証拠として十分に活用できない場合もあります。

トーク履歴のデータを一括送信する

浮気相手とのトーク履歴を一括送信する方法です。トーク履歴の転送は、本人にばれることなくテキストファイルとして送信することができます。

ただ、一括送信する場合、テキストデータとして送信することになるため、スタンプや写真・動画は送信されないため、注意が必要です。

その他の証拠を確保する

LINEの証拠だけでなく、それ以外の証拠収集も検討します。

LINEだけでは、浮気の証明に十分にはならないこともあります。単なる浮気の兆候だけでは不貞行為の証明にはつながりません。

LINEの内容を踏まえて、証拠の追加収集が必要であるかを検討しましょう。

  • 不倫の証拠の種類
    • ラブホテルの入退室の写真 
    • 探偵社・興信所の調査報告書
    • ホテルの領収書(レシート)
    • 風俗店の会員カード
    • 不倫を行った日時を記載した日記やメモ
    • 浮気を認める録音浮気を認める誓約書や覚書
    • 不貞配偶者と不貞相手の会話やボイスレコーダー

証拠収集で気を付けるべき点

LINEメッセージを証拠として利用する場合、その証拠収集の方法にも気を配ります。不倫の加害者に対しては、「何をしてもいい!」と勘違いされている人も一定数います。

しかし、不倫は犯罪ではありません。かえって、行き過ぎた調査は刑事罰や損害賠償のリスクもあります。不倫の調査には十分に気を付けましょう。

不正アクセス禁止法違反になることも

不正アクセス禁止法では、不正ログイン等の不正アクセス行為を規制しており、これに違反すると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に科せられる場合があります。

例えば、他人のID・パスワード、指紋、電子署名等を無断で入力してロックを解除して、パソコンやスマホをネットワークを通じて利用することができる状態にする行為です。また、不正アプリを利用してLINEに侵入する行為も不正アクセスになる可能性があります。

そのため、配偶者のLINEアプリを覗き見る行為が不正アクセスに該当する可能性がありますので注意が必要です。

プライバシー侵害による損害賠償

LINEやメールなどを覗き見ることで、不貞配偶者のプライバシー権を侵害する可能性があります。プライバシー権の侵害を理由に慰謝料請求される可能性もないわけではありません。

ただし、不貞関連の事案において、プライバシー権侵害の慰謝料請求されるケースは珍しいかと考えます。

証拠能力は否定されにくい

プライバシー侵害や不正アクセスなどにより収集した証拠の証拠能力が民事訴訟で否定されることはあまり多くありません。

著しく反社会的な手段を用いて、人格権を侵害する方法で収集された場合に限り、証拠能力が否定されます。

特に、同居中に採集された証拠の証拠能力は否定されにくいものと考えます。

東京地裁平成21年12月16日判決
夫が、別居後の面会交流中に、子供が「おもちゃ代わり」として持っていた妻の携帯電話に記録していた妻と不貞相手とのメールを抜き取った事案です。裁判所は、本件メールが、違法に入手されたデータに基づくものといわざるを得ず、本件訴訟においてはいわゆる違法収集証拠として証拠能力を否定し、証拠から排除するべきであると判断しました。

違法アプリは控える

違法なアプリを利用して、配偶者の携帯電話をハッキングするなどして情報を引き抜いたり、GPSを無断に設置して位置情報を取得することは控えましょう。

違法性の程度が大きく証拠能力が否定される可能性も十分にありますし、損害賠償請求を受ける可能性も大いにあります。

不貞慰謝料請求の流れ

浮気の証拠を掴んだら、不貞配偶者または不貞相手に対して慰謝料請求を行います。慰謝料請求をしてから支払われるまでの流れを解説します。

証拠を確保する

LINEをはじめとした不貞行為を証明できる客観的な証拠を確保します。

LINEメッセージを証拠とする場合、配偶者のLINEメッセージを撮影したり録画したものを証拠として用いることが多いです。

知人や家族の証言を証拠として利用したいと考える人もいます。しかし、実務では、客観的な資料により証明するのが基本です。人の証言のみで不貞行為が認定されることは珍しいです。

慰謝料請求を行う

証拠を確保すれば、慰謝料請求を行います。

交渉により慰謝料額を譲歩することが予想されます。そのため、請求する慰謝料額は、あらかじめ上乗せした金額とすることが一般的です。

内容証明で通知する

慰謝料請求は、口頭でも行えます。しかし、口頭では、請求する内容が不明瞭になります。その上、口頭による方法では、相手方に対して慰謝料請求に対する本気度が伝わりにくいです。

そこで、慰謝料請求は、内容証明郵便を用いて文書により通知するべきでしょう。

交渉する

慰謝料請求の通知後、相手方と慰謝料の交渉を進めます。交渉は電話で行う方法もありますが、文書やメールを通じて行う方が良いでしょう。言った・言わないの水掛け論になることを防ぐためです。

相手方が不倫を否定してくる場合、収集した証拠を提示するか、掴んでいる不貞行為の具体的な情報を提示し、不貞行為を認めるよう促します。

合意書を作成する

相手方と合意する場合には、必ず合意書を作成します。

慰謝料の金額や支払時期、口外や接触の禁止、違反した場合の違約条項、権利関係の清算などの内容を盛り込んだ合意書を作成します。

相手方が慰謝料額を分割で支払うことを求める場合には、公正証書の作成も検討します。

訴訟提起する

相手方との交渉が頓挫した場合には、慰謝料を求める訴訟を提起します。相手方から何らの連絡もない場合にも、訴訟提起せざるを得ません。

訴訟手続では、当事者双方が主張や証明を繰り返し行い審理を進めていきます。

審理がある程度進めば、裁判官が当事者双方に和解による解決を説得します。和解が成立すれば事案は終結します。

しかし、裁判上の和解が成立しなければ、当事者尋問や証人尋問を行った上で、判決により終局的な判断が示されます。

2週間以内に控訴をしなければ判決は確定します。

差押えを行う

相手方が確定した慰謝料を支払わない場合には、相手方の資産を差押えて強制的に回収する他ありません。

差押えを行うためには、確定判決、調停調書、強制執行認諾文言付き公正証書が必要となります。

差押えの対象は、相手方の預貯金や給料、所有する不動産などが考えられます。

不倫慰謝料の問題は弁護士に相談を

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不倫慰謝料は不貞行為の証拠を確保することが極めて重要です。昨今では、不貞当事者間のLINEメッセージが証拠として利用されることが増えています。しかし、証拠収集の方法を間違えると、損害賠償を受けたり慰謝料を求められるリスクがあり、十分に気をつけなければなりません。

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