コラム
最終更新日:2023.10.26

不貞行為とは何か?どこからが不貞行為かを弁護士が解説します

離婚問題 不貞行為とは 不貞行為にあたらない行為とは

不貞行為とは、妻や夫以外の異性との性行為を指します。

民法には,「配偶者に不貞な行為があったとき」には離婚を求めることができると定められています。つまり、不貞行為は、離婚原因の一つとして規定されています。

また、不貞行為は、慰謝料請求の原因にもなります。

そこで、「不貞な行為」の具体的な内容を離婚問題に精通した弁護士が解説します。

以下で見ていきましょう。

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1.どこからが不貞行為

不貞行為とは、配偶者以外の異性と性的な関係を結ぶことを言います。

性的な関係とは、性器の挿入を伴う性行為に限定されています。

また、不貞行為といえるためには、自由な意思に基づく行為であることも必要です。そのため、暴力や脅迫によって無理矢理性行為を受けた場合や酩酊状態で抵抗できない状態で性行為を受けた場合には、自由な意思によって性行為に及んだものではないため、不貞行為には当たりません。

1-1.不倫・浮気との違い

不貞行為と似た言葉には、「不倫」「浮気」がありますが、「不貞行為」とは厳密には異なるワードになります。

不倫や浮気は、法律上の用語ではありませんが、一般的な定義としては、配偶者や交際相手以外の異性と性行為を含む交際関係を持つことを指すものとされています。

しかし、不倫や浮気には、性行為以外の交際関係も広く含みますので、性行為に限定する「不貞行為」よりも広い言葉になります。

浮気相手が分からない場合

不貞相手が分からない場合でも、不貞行為となります。

不貞配偶者が、他方の配偶者以外の異性と性行為をしている事実があれば、不貞行為となります。

不貞相手の氏名や住所が分からない場合には、弁護士会照会等を通じて、不貞相手の住所や氏名の情報を収集します。

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不貞行為にはならない行為とは

不貞行為は、配偶者以外の異性との性行為を指しますから、それ以外の行為は不貞行為には当たりません。具体例をみていきましょう。

性交類似行為

口淫、手淫は、挿入行為そのものではないため、不貞行為には当たらないと考えられています。ただ、これら性行為類似行為に及んでいる場合には、性行為まで行っていると強く推認されますので、不貞行為を認定される可能性はあります。また、性行為を指す不貞行為と性行為類似行為を厳密に区別せずに、不貞行為であるとして慰謝料請求を認める裁判例もあります。

【福岡地方裁判所平成27年12月22日】夫がデリバリーヘルスの従業員から口淫等の性的サービスを受けたことが「本件不貞行為」と認定し、性器の挿入の有無は婚姻関係の破綻原因であるとの判断を左右しないとしました。

キス・ハグ・胸を揉む行為

キスや胸を触る行為は、挿入行為そのものではないため、不貞行為とは言えません。しかし、口淫等と同様、キス・ハグや胸を触る行為を行っているのであれば、性行為まで行っていると推認できるケースはあります。例えば、ラブホテル等の特定の施設で、キスや胸を触る行為に及んでいれば、不貞行為の存在を強く推認させるでしょう。

同性愛

不貞行為は、配偶者以外の「異性」との性行為を指すと考えられています。

そのため、配偶者が同姓の人と性行為類似行為に及んだとしても、不貞行為にはならないと考えられています。しかし、同性愛に対する社会的な認識の変化もあり、近時では、同性愛者の性的な行為も不貞行為であると認定する裁判例も登場しています。

【東京地判令和3年2月16日】 夫が同性愛者である女性に対して、妻と不貞行為をしたとして損害賠償を求めた事案で、婚姻生活の平穏は害されるとして同性同士の性的な行為も不貞行為になるとしましたが、離婚にまでは至っていないこと、同性に対しての性行為であること等から慰謝料額を10万円と認定しました。

デート

配偶者が異性と食事をする、ドライブに行く、手をつないで歩くといった行為に及んだとしても、その行為は不貞行為には当たりません。

異性とのデートを証明したとしても、その他に肉体関係を推認できる事情がない限りは、不貞行為を証明できる事情にもなりにくいでしょう。

【東京地方裁判所平成20年10月2日】関係者の目撃をした夫が一緒にいた女性と手を繋いでいたとしても、そのことから当然に不貞関係の存在が推認されるものではないとしました。

ビジネスホテルに入室する行為

配偶者が異性とビジネスホテルに入館する行為は、当然に不貞行為に当たるものではありません。

ビジネスホテルは、ラブホテルのように性行為を目的とする宿泊施設ではありません。そのため、ビジネスホテルに入退室する行為だけでは、不貞関係を推認させることは難しいでしょう。ただし、ビジネスホテルといえども、配偶者とその相手が同じ部屋に宿泊している場合には、不貞行為を推認させる可能性はあります。

愛情表現を含めメール

「好きだよ」、「愛してる」といった愛情表現のメッセージは直ちには不貞行為であることを推認させません。

ただし、配偶者が異性と親密なメールやLINEをし、これを他方の配偶者の目に触れれば、婚姻関係の平穏が害される可能性はあります。そのため、愛情表現を含むメッセージは、不貞行為そのものには当たらないものの、不法行為に該当する可能性はあります。ただ、その場合の慰謝料額は、低額になるでしょう。

風俗店の利用

性風俗店を利用して性的サービスの提供を受けた場合、挿入行為を伴わないため、不貞行為それ自体には当たりません。

しかし、不貞行為そのものに当たらないとしても、性風俗店の利用は、夫婦関係の平穏を害する行為です。そのため、性風俗店の利用は不貞行為ではないとしても、不法行為として慰謝料の対象になる可能性があります。

婚姻関係破綻後の性行為

配偶者以外の異性と性行為が行われたとしても、性行為が婚姻関係の破綻後に行われた行為であれば、不貞行為として慰謝料請求の対象にはなりません。

不貞行為が慰謝料の対象となる理由は、夫婦関係の平穏という権利・利益が不貞行為によって侵害されるからです。そのため、性行為の時点で既に夫婦関係が破綻しているのであれば、いくら配偶者以外の人と性行為を行っても、権利を侵害する対象がありません。

よって、婚姻関係の破綻後に行われた性行為は慰謝料の対象とはなりません。

ただ、家庭内別居をしているにすぎない場合や別居後間もない場合には、婚姻関係が修復できないほどに破綻しているとは言えないため、不貞行為として慰謝料の対象になる可能性はあります。

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不貞行為は離婚や慰謝料の理由となる

夫婦は、互いに、配偶者以外の人が肉体関係を持ってはいけない義務(貞操義務)を負っています。そのため、配偶者が貞操義務に反して不貞行為を行った場合には、他方の配偶者は、不貞行為を離婚原因として、離婚を求めることができます。

また、不貞行為は、夫婦の共同生活の平穏を悪化させ、夫婦の婚姻関係を破壊させる不法行為です。そのため、被害配偶者は不貞配偶者や浮気相手に対して、不貞行為を理由に慰謝料請求をすることができます。慰謝料請求の方法については、後述します。

不貞配偶者は有責配偶者となる

配偶者が不貞行為を行った場合、その配偶者は「有責配偶者」となります。

「有責配偶者」とは、不貞行為等の離婚原因を自ら作り出した配偶者を言います。

有責配偶者は、他方の配偶者が離婚に了承しない限り、原則として離婚請求をすることができません。

ただ、例外的に長期間の別居や未成熟の子がいないような場合には離婚請求が認められます。

不貞行為を証明できる行為・証拠

行為それ自体が性行為ではなかったとしても、行為の内容や性質から不貞行為の存在を推認できる場合があります。むしろ、性行為そのものを直接証明できるケースは珍しく、様々な状況証拠から間接的に不貞行為を証明していくことが多いです。

性行為の写真や動画

配偶者以外の異性と性行為をしている写真や動画は、不貞行為を直接的に証明できる決定的な証拠となります。LINE上で送信していたり、データフォルダ内で保存している場合があります。

ラブホテルに入退出する行為

ラブホテルは性行為を行うことを主要な目的とする施設です。ラブホテルに入室・退室する状況は、不貞行為の存在を強く推認させます。

相手方から性的不能であるとの反論がなされることがありますが、性的不能であることを証明することは難しく、また、あえてラブホテルに入退室する合理的な理由を説得的に説明することも難しいことがほとんどです。そのため、性的不能の反論が認められるケースはほとんどありません。

【東京地方裁判所平成25年3月25日】ラブホテルを継続的に利用する行為は、不貞行為が存在するものと社会的に推認できる。仮に不貞行為が存在していないとしても、異性とラブホテルで一緒に過ごすこと自体が、婚姻の継続を著しく困難にさせる事情に当たる。

宿泊する行為

ラブホテルではない宿泊施設や自宅に配偶者以外の異性と宿泊する行為は、不貞行為の存在を強く推認させます。性的不能や性行為に及んでいないとの反論も想定されますが、成人する男女が夜を共に過ごしていれば、性行為に及んでいると考えることが多いでしょう。

性行為を前提とするラインのメッセージ

配偶者以外の異性とメールやラインで交流すること自体は不貞行為ではありません。しかし、その内容が単なる愛情表現ではなく性行為に及んでいることを前提とするやり取りであれば、そのメッセージは不貞行為の存在を強く推認させます。

ホステスとの交際(枕営業)

キャバクラ、ガールズバー、スナック等の女性従業員と性行為に及んだ場合でも、配偶者以外の異性との性行為である以上、不貞行為となります。

ホステス等の枕営業による性行為は、「商売として応じたに過ぎ」ないとして、不法行為には当たらないとした裁判例がありました(東京地方裁判所平成26年4月14日)。

しかし、性行為がホステスとして指名を取るための性行為いわゆる枕営業であったとしても、夫婦関係の平穏を害する不貞行為であると考えるのが一般的です。

【東京地方裁判所平成30年1月31日】性行為がいわゆる「枕営業」と称されるものであっても、不貞関係に及んだことを否定できるものではないし、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為であるから、不法行為が成立すると判断しました。

関連記事|不貞行為の証拠集めとは?不倫慰謝料に必要な証拠や収集方法を弁護士

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不貞行為の慰謝料額

不貞行為を行った場合には、被害配偶者は、加害配偶者と不貞相手に対して慰謝料請求することができます。その理由は、不貞行為により夫婦関係が悪化することで精神的苦痛を受けるため、その精神的な損害を慰謝料として請求することができるからです。

慰謝料額の相場は50万円から300万円

不貞慰謝料の金額は、ケースバイケースですが、50万円から300万円が相場と言われています。

慰謝料額の判断の仕方

不貞慰謝料の金額は、以下のような様々な事情を考慮して判断されます。

慰謝料額の判断要素

  • 不貞行為の期間・回数
  • 不貞行為による結果(離婚したか、別居したか、同居継続か)
  • 婚姻期間の長短
  • 妊娠・出産の有無
  • 反省や謝罪の有無
  • 未成熟な子の有無

関連記事|不倫・浮気の慰謝料の相場とは?不貞慰謝料の計算方法を弁護士が解説します

探偵業者の調査費用も損害となる

加害配偶者の不貞行為を突き止めるために、探偵事務所(興信所)に加害配偶者と不倫相手の追跡調査を依頼する場合があります。その場合に要した調査費用も不貞行為に基づく損害として、その支払いを求めることができます。ただし、探偵業者の調査費用が常に損害として認められるわけではないことを十分に注意するべきです。もともと不貞行為の証拠を持っている場合や不貞行為の証明につながらない調査については、不貞行為の損害として認められないことがあります。

探偵社の調査費用はかなり高額になるケースもあります。そのため、探偵社への依頼に際しては、手持ちの証拠を十分に精査し、探偵社への追跡調査が真に必要かを検討しましょう。

不貞行為の慰謝料請求

不貞行為を理由とした慰謝料請求をする場合の流れを紹介します。

慰謝料請求の流れ

①証拠の確保

②内容証明による通知

③話し合い

④合意書の作成

⑤訴訟提起

不貞行為の証拠を確保する

不貞相手や不貞配偶者に対して慰謝料請求をする前に、不貞行為の証拠を確保しておきます。

不貞行為の慰謝料請求をすると、相手方は、警戒態勢となるため、不貞行為の証拠を確保することが難しくなります。

そのため、慰謝料請求の通知までに不貞行為の証拠を計画的に収集しておくことが重要となります。

浮気相手の住所が分からない場合

浮気相手に対する慰謝料請求は、浮気相手の住所に対して通知書を送付する方法で行います。

しかし、浮気相手の住所が分からないこともよくあります。この場合には、次の方法により浮気相手の住所を特定していきます。

  • 配偶者から聞き出す
  • 携帯番号を基に23条照会(弁護士会照会)を行う
  • 就業場所に送付する

内容証明郵便の送付

不貞行為の証拠がある程度確保できれば、次に、不貞相手や不貞配偶者に対して、慰謝料を請求する通知書を作成し、これを送付します。

話し合いによる早期の解決を図るために、通知書にはできる限り具体的な内容を記載します。例えば、不貞行為の日時や場所を具体的に記載した上で、請求する金額と支払期限を記載しておきます。ただ、不貞相手が既婚者である場合には、不貞相手に送付する通知書には意図的に具体的な内容を記載せずに、代理人が就任した旨を伝えるに留まるケースもあります。

相手方に慰謝料請求する場合には、普通郵便ではなく内容証明郵便を利用します。内容証明郵便であれば、配達された日時や文書の内容を事後的に証明できます。また、普通郵便と比べて、相手方に対して、強い心理的なプレッシャーを与えますので、慰謝料の支払いを促すことができます。

話し合いを進める

相手方に不貞慰謝料の請求をした後、相手方と話し合いをします。

相手方が不貞行為の存在を争う場合には、不貞行為を裏付ける証拠を開示するなどして、不貞行為の主張を補充します。

相手方が不貞行為の存在を認める場合には、慰謝料額の交渉を行います。

その他、口外禁止や接触禁止といった条件についても交渉します。

合意書を作成する

相手方との間で、慰謝料の金額や支払い方法、その他条件について合意ができれば、合意書を作成します。

相手方が不貞慰謝料を一括ではなく分割で支払うことを希望する場合には、単なる合意書ではなく公正証書を作成するようにします。

公正証書は、相手方が支払いを怠る場合に、訴訟手続きをせずに、相手方の資産を差押えることができるため有用な方法です。

訴訟を提起する

相手方との交渉がまとまらない場合には、訴訟を提起します。

訴状を作成した上で、不貞行為の証拠と証拠説明書と一緒に裁判所に提出します。

訴訟手続きは、1か月半から2ヶ月に一度の頻度で、弁論または弁論準備の手続きが行われます。

原告または被告から準備書面と証拠が提出されます。

当事者双方の主張反論が尽くされれば、一般的には裁判官から和解の勧告がなされます。

不貞慰謝料の事案では、和解の勧告を受けて解決することが非常に多いです。

しかし、裁判官の和解勧告でも和解が成立しない場合には、証人尋問(当事者尋問)を行います。この尋問の内容も踏まえて、判決が下されます。

TIPS!慰謝料調停
慰謝料の交渉が頓挫した場合、訴訟提起することが多いです。しかし、訴訟提起以外にも慰謝料の調停申し立てをする方法もあります。
裁判所の慰謝料調停の解説はこちら

不貞行為の慰謝料請求が認められるためには

不貞相手に対する不貞慰謝料が認められるためには、不貞行為が証拠により証明できるだけでなく、不貞相手に故意・過失といった要件が満たされる必要があります。

「故意」とは、端的に言うと、肉体関係を持った異性に配偶者がいることを知っている状態です。

「過失」とは、配偶者がいることを知らなかったものの、知ることができたにもかかわらず、配偶者がいるか否かの調査を尽くさなかったことにより知ることができなかった状態です。

既婚者であることを知らない場合

不貞相手から既婚者であることを知らなかったとの反論が出ることがあります。特に、最近では、出会い系サイトやアプリが浸透しており、不貞配偶者が不貞相手に対して、独身と偽り交際しているケースが増えています。

しかし、既婚者であることを知らなかったとしても、知る機会があったにもかかわらず、注意を尽くさなかったとして、過失の認定を受けることが多いです。

例えば、以下のような事情がある場合には、既婚者であることを知らないことについて、過失があったと認定される可能性があります。

  • 一回きりの関係ではなく、複数回にわたり面会しているような場合
  • 不貞配偶者と不貞相手が同僚や友人関係にあった場合
  • 不貞配偶者が指輪をしていた場合
  • 休日のみ連絡が途絶えていた場合

不貞慰謝料の問題は弁護士に相談を

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不貞行為の慰謝料請求には、証拠を計画的に収集しなければなりません。

また、不貞慰謝料の請求には、不貞相手や不貞配偶者との交渉が必要となります。しかし、対立当事者との話し合いは、心情的になり易く、心理的な負担が大きくなりがちです。

話し合いが頓挫すれば、訴訟提起をする必要がありますが、訴訟手続きは非常に専門的です。

当事務所は不貞慰謝料の問題を多く取り扱っています。

無理をせずに早い時期に弁護士に相談することをおすすめします。

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難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

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