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夫や妻からのモラハラへの効果的な対策を弁護士が解説

夫や妻からのモラハラへの効果的な対策を弁護士が解説

 

「配偶者からのモラハラが辛い」というお悩みを抱えていませんか?精神的に追い詰められて、限界を感じている方もいるでしょう。特に、不貞行為やDVの相談に次いで、モラハラに関するご相談が増えています。

 

モラハラ被害を受けている場合、感情的に動くことはおすすめできません。かえって、モラハラが悪化したり、自分を不利な状況に追い込んでしまうことがあるからです。

お困りの方のために、モラハラの定義、モラハラに対する効果的な対応策、モラハラ加害者にやってはいけない行動などを解説します。

 

1 モラハラとは

 

夫婦間で起こりやすい問題のひとつとしてモラハラがあげられます。モラハラとは、どのような言動・状態なのでしょうか。

 

モラハラ夫(妻)の特徴を知りたい方はこちらのコラムで詳しく解説しています。

 

モラハラとは

モラハラは、モラルハラスメントの略語です。日本語で、モラルは倫理・道徳、ハラスメントは嫌がらせ・いじめを意味します。

つまり、モラハラの直訳は、倫理や道徳などに反する嫌がらせやいじめといった言動です。

これに似た言葉としてパワハラがあげられます。パワハラは、会社の上司等から行われる、優越的な関係を背景とした嫌がらせやいじめです。したがって、パワハラは夫婦間で起こりませんが、モラハラは夫婦間でも起こります。夫婦間のモラハラは、夫から妻だけではなく、妻から夫へも行われます。双方が加害者・被害者になりうる点に注意が必要です。

なお、厚生労働省の令和元年(2019)人口動態統計の年間推計によると、離婚件数は3組に1組以上が離婚をしている状況です。

最高裁判所が開示している平成29年度司法統計のデータによれば、男性は1位の「性格が合わない」に次いで「精神的に虐待する」が2位、女性は1位の「性格が合わない」2位の「生活費を渡さない」に次いで「精神的に虐待する」が3位となっており、昨今の離婚原因とは主たる離婚原因となっていることが分かると思います。

モラハラの具体的な行動

モラハラは、パートナーに対する精神的な攻撃を指すと考えられています。

相手を殴る、相手を蹴るなどの身体的な攻撃は、DVか否かが問題となることはあっても、モラハラに該当するかという問題は生じません。

では、具体的に、どのような行動がモラハラに該当するのでしょうか。

 

代表的な行動といえるのが、相手を執拗に責め続けることです。例えば、自分より先に風呂に入った、帰宅が遅いなど、気に食わないことが起きると、何時間にもわたって相手を責め続ける、大量のメールを送信するなどが該当します。

 

過剰な束縛もモラハラに該当する行動といえるでしょう。偶然、電話がつながらないと、何度も電話をかけてくる、電話に出ると怒鳴り散らす、さまざまな方法で行動を管理するなどが当てはまります。

 

自分が常に正しいと考えているなどもモラハラに該当する恐れがあります。例えば、間違いを認めない、間違いで迷惑をかけても謝らない、間違いを正されると怒る、相手の意見を尊重しないなどの行動はモラハラに該当する可能性が高いでしょう。

 

モラハラは、周囲の人たちを巻き込んで行われることもあります。例えば、子どもの前で配偶者を貶めて印象を悪くする、実家に帰ることや友人に会うことを許さず孤立させるなどが考えられます。

 

2 モラハラ加害者に対する効果的な対策方法

配偶者からモラハラを受けた場合、どのように対応すればよいのでしょうか。モラハラに対する効果的な対処法を紹介します。

過剰に反応せずに冷静に対応する

配偶者から精神的な攻撃を受けたときに、過剰に反応することはおすすめできません。冷静な対応をすることで、さらなる被害を防止することができます。

言い返したり間違いを指摘したりすると、精神的な攻撃をさらに加えられる恐れがあるからです。辛いかもしれませんが、こういう傾向がある人だと考えて聞き流しましょう。

相手を刺激しないことで、被害を最小限に抑えられる可能性があります。ただし、あからさまに聞き流すと、真剣に話を聞いてないなどの理由で相手を怒らせてしまいます。話を聞いている態度は示さなければなりません。

さらに、モラハラ行為を事後的に証明するため、モラハラの言動を録音したり、日々の日記に具体的な情報を書き留めることを必ず行ってください。モラハラは、DVと異なり口頭によって行われることがほとんどですので、記録がないことを理由に事後的な証明ができないケースがかなり多いです。泣き寝入りしないためにも、冷静に対応しつつ、記録化をすることも徹底して下さい。

 

家族や友人、専門家に相談する

 

毎日、繰り返されるモラハラは非常に辛いものです。一人で抱え込むと、体調を崩してしまうこともあります。パンクしそうな方は、信頼できる家族や友人に話を聞いてもらうとよいでしょう。辛い気持ちを打ち明けるだけで、少しは楽になります。非常に簡単な方法ですが、モラハラの被害を受けている方は、なかなか相談できずに抱えているケースが多いです。

 

家族や友人に話しにくい方は、専門家に相談することもできます。どこに相談すればよいかわからない方は、内閣府のDV相談ナビ+(0120-279-889)に相談するとよいでしょう。電話・メール・チャットで専門の相談員が話を聞いてくれるほか、必要に応じて面談・同行支援なども行ってくれます。24時間電話対応している点も見逃せません。

その他にも、お住まいの自治体においても、モラハラに関する相談窓口を設置していることもありますので、これら制度を利用することを検討しましょう。

 

心療内科等で診断書をもらう

配偶者からのモラハラで気分がすぐれない、体調がすぐれないなどを自覚している方は、心療内科や精神科を受診してみてはいかがでしょうか。必要に応じて、適切な治療を受けられます。

また、モラハラの内容や病名などを記載した診断書は、モラハラの証拠として利用できる可能性があります。離婚や慰謝料請求を検討している方は、心療内科などで診断書をもらっておくとよいかもしれません。

その際には、診断書には、モラハラ行為の具体的な内容や被害の内容をできるだけ詳しく記載してもらうように依頼しましょう。先生の方針によっては、対応してもらえないこともありますので留意してください。

カウンセリングを受ける

何らかの理由で、心療内科や精神科を受診しにくい方は、臨床心理士などが実施するカウンセリングを受けることもできます。カウンセリングの内容はさまざまです。

例えば、夫婦でカウンセラーと面談して、よりよい関係を模索していくことなどもできます。注意点は、夫婦でカウンセリングを受ける場合、基本的に相手の同意が必要になることです。

カウンセラーの受診記録も、モラハラを証明するための重要な記録になりますので、カルテには具体的な言動や症状を記載してもらうように依頼しましょう。

 

別居や離婚を検討する

日々行われるモラハラに耐え続ける余り、精神疾患を患う方が非常に多いです。心療内科やカウンセリングへの通院を行っても、打開できない場合には、別居や離婚を行い、生活環境の改善を図りましょう。

 

3 モラハラ被害を訴えるための証拠収集方法

モラハラを原因とした離婚請求や慰謝料請求を考えている方は、モラハラ行為を証拠によって客観的に証明できなければなりません。

モラハラをしている加害者は、間違ったことをしていないと考えているケースが多いため、事後的に加害者側がモラハラ行為を認めることはほとんどありません。そのため、モラハラの有無や内容について争点となりますので、モラハラは立証するための証拠を集めておかなければなりません。モラハラの証拠は、どのように集めればよいのでしょうか。

できれば取り組みたい証拠集めといえるのが、モラハラの現場を録画・録音することです。スマートフォンなどを活用して、相手との会話を録画・録音できます。ポイントは、1回だけでなく複数回録画・録音することと前後のやり取りまでわかるように録画・録音することです。撮影回数が少ないとそのときだけ怒ってしまった、前後のやり取りがわからないと相手に挑発されて怒ってしまったなどの言い逃れをされる恐れがあります。録音録画は、最も取り組みやすい方法である上、裁判の審理において最もモラハラ行為の内容や程度を伝えやすい方法と言っても過言ではありません。そのため、録音録画の方法を工夫しながら、録音録画は継続して実施してください。

 

録画・録音が難しい場合は、モラハラの状況を細かく記録した日記を作成してもよいでしょう。ポイントは、消えないペンと年月日の記載がある手帳などを使って手書きで書くこととモラハラの内容を事細かに書くことです。作成者がわかる方法、事後的に編集や改ざんできない方法で記録することにより証拠としての価値を高められます。注意点としては、過去のモラハラ行為を記憶を辿りながらまとめて記載することは控えてください。モラハラを受ける都度、具体的に日記に記載してください。日記は、その作成方法によっては効果的な証拠にならないこともあります。モラハラ被害を受けている方はお早めに弁護士などに相談し作成方法についてアドバイスを受けましょう。

 

モラハラの加害者は、怒ってモノを投げるなどの行動をすることが少なくありません。このような行動をする場合は、壊れたものを写真で撮影しておけば証拠として利用できる可能性があります。併せて、その時の行動を日記に記録しておくと、状況がわかりやすくなります。

 

モラハラは、メールや電話などで行われることもあります。例えば、メールで叱責され続ける、しつこく居場所を追及されるなどが考えられます。これらのメールは、モラハラの有力な証拠になりえます。腹が立ってもデータを消去せず、スクリーンショットなどで記録しましょう。ポイントは、日時がわかるように記録することです。また、着信履歴について、執拗に携帯電話に着信を入れ続ける行為もモラハラ行為の一つと言えます。履歴画面をスクリーンショットしたり、携帯会社に着信履歴の開示をしてもらうなどして、相手方からの執拗な着信を証明できるようにしましょう。

 

公的機関への相談履歴も、モラハラの証拠として活用できる可能性があります。例えば、自治体が運営するDV相談窓口への相談履歴などが考えられます。必要な支援も受けられるため、困ったときは積極的に活用するとよいかもしれません。

 

前述の通り、心療内科などの診断書やカルテもモラハラの有力な証拠になりえます。先程解説したとおり、できる限り具体的な言動や症状を診断書やカルテに記載してもらうように依頼しましょう。気分や体調がすぐれない方は、無理をせず医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

 

4 モラハラ加害者に対してやってはいけないこと

 

モラハラ加害者に、敵意や憎しみを抱く方は多いでしょう。反撃したくなる方もいるはずです。

しかし、感情的に動くことは問題の解決に繋がりません。ここでは、モラハラ加害者に対してやってはいけないことを紹介します。

 

最初に気をつけたいのが、執拗な精神的攻撃に耐えきれず暴力をふるってしまうことです。例えば、小さなミスを責め続けられた結果、我慢しきれず相手を殴ってしまうなどが考えられます。物を投げたりする行為も同様です。

冷静に対応することが非常に大事ですが、そうは言っても被害者本人の立場からすると、モラハラ行為の影響により冷静さを保つことは難しいのも現実です。『相手方がモラハラをすればするほど、録音や録画によって証拠収集がたくさん出来ている』など、気持ちの切り替えをするように努めましょう。辛い時は一旦中断したり、カウンセリングを行うなどして下さい。

 

同様に気を付けたいのが、不貞行為をしてしまうことです。不貞行為は、一般的に配偶者以外の異性と肉体関係をもつことです。性行為やこれに準じる行為ではない行為、例えば、キスや飲食に止まる行為は不貞行為とはいえません。

度重なるモラハラで精神的に弱っているときに優しくしてくれた異性と肉体関係をもってしまうなどに注意が必要です。

 

不貞行為やDVはモラハラと比べると客観的な証拠によって証明し易い有責行為です。

これらの有責行為をしてしまうと、本来はモラハラの被害者であるはずが、かえって離婚原因を作った有責配偶者となってしまいます。そうなると、こちらからの離婚請求が認められにくくなったり、慰謝料の請求を受ける事態も生じます。このように、難しい状況に追い込まれる可能性が高いため、モラハラ加害者に対する暴力と不貞行為は控えなければなりません。

 

 

モラハラとは夫婦間の嫌がらせやいじめ|モラハラに対する効果的な対応策が必要

モラハラとは、倫理や道徳に反する嫌がらせやいじめです。

昨今ではモラハラが、離婚原因となるケースがひしょに増えています。パートナーによるモラハラにお悩みの方は、この記事で紹介したモラハラに対する効果的な対応策を試すとよいでしょう。離婚を視野に入れている方は、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

 

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