コラム
更新日: 2024.08.22

ホテル不倫で慰謝料請求するためには?ホテル不倫の証拠になるケースとならないケース|難波みなみ法律事務所

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

不貞行為が行われる場所は様々です。ただ、最も多い場所はホテルです。

ホテルには、ラブホテルやビジネスホテルが含まれますが、いずれのホテルを利用したかによって、不貞行為を証明する方法が変わってきます。

つまり、ラブホテルを利用した場合であれば、その施設の特徴から、配偶者以外の異性とラブホテルに入室したことが分かれば、不貞行為の証明は比較的容易といえます。

他方で、ビジネスホテルはラブホテルのように性行為を行うことを主要な目的とする施設とはいえません。そのため、ビジネスホテルを利用しただけでは、ただちに不貞行為があったことを証明できません。

本記事では、不貞行為となるホテル不倫を証明できるケースとできないケースを詳しく解説していきます。

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不貞行為とは何か

不貞行為とは、配偶者以外の人と性行為をすることをいいます。また、性行為だけでなく、これに類する行為、例えば、口淫、手淫、前戯、裸で抱き合うなどの性交類似行為も不貞行為に該当します。

他方で、デートをしたり食事をする、キスをするといった程度の行為では、不貞行為に該当しません。

不貞行為は、離婚原因の1つになるだけでなく、慰謝料請求の根拠になります。

他方で、配偶者が行なった行為が不貞行為に該当しない場合には、その行為は原則として慰謝料請求や離婚原因には該当しません。

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ホテルの利用が不貞行為といえるか

ホテルの利用そのものは不貞行為には当たりません。性行為や性交類似行為が不貞行為であることは上述したとおりです。

ただ、ホテルを利用した事実を証明することで、ホテル内で性行為や性交類似行為等の肉体関係を持ったことを証明することができるケースがあります。以下では、ホテルの種類に応じて解説します。

ラブホテルを利用した場合

ラブホテルを利用した場合には、特段の事情がない限り、不貞行為に及んだと推認されます。

ラブホテルとは、性行為を行うことを主たる目的とした休憩・宿泊施設です。

配偶者以外の人とラブホテルに入室しラブホテル内で時間を過ごしている場合には、性行為やこれに類似する行為に及んでいると通常考えられます。

配偶者や不貞相手からラブホテル内では不貞行為に及んでいないとの反論が出されるケースもありますが、余程の事情がない限り、そのような反論が認められることはありません。

ビジネスホテルを利用した場合

ビジネスホテルは、ラブホテルのように性行為を主たる目的とする施設ではなく、出張時などに利用する宿泊施設です。

そのため、ビジネスホテルを利用した事実をもって、直ちに不貞行為の証明ができるわけではありません。

ただし、ビジネスホテルの利用であっても、不貞行為の証明をすることができるケースがあります。

宿泊している場合

配偶者以外の人とビジネスホテルを利用し宿泊している場合には、不貞行為を立証できる場合があります。

あえてビジネスホテルを利用して宿泊する合理的な理由がないにも関わらず、男女がビジネスホテルに宿泊している場合には、性行為に及んだと解するのが自然です。例えば、自宅から離れていないビジネスホテルで、仕事上の付き合いがない異性と面会し宿泊しているような場合です。

そのほかに、相手方とのLINEやメールなどのやり取りの内容から、配偶者と相手方の間柄を証明した上で、この事実とビジネスホテルでの宿泊の事実を合わせることで、不貞行為を立証させることもあります。例えば、愛している等の愛情表現をしている配偶者と相手方が、ビジネスホテルで宿泊する必要がないにも関わらず、ビジネスホテルに宿泊し夜を共にしているようなケースでは、不貞行為があったと推認できる可能性があります。

一時利用の場合

ビジネスホテルを一時利用する場合、直ちに不貞行為を推認させることはできません。ビジネスホテルは、ラブホテルのように性行為を行うことを主たる目的とする施設ではないからです。

しかし、仕事上の取引関係もなく、わざわざビジネスホテルを利用して面会する必要がないにも関わらず、頻繁にホテルを利用している場合には、不貞関係を証明できます。つまり、ビジネスホテルに行く回数、ビジネスホテルの場所、滞在時間、配偶者と相手方との関係から、ビジネスホテルを性行為を行うために利用していることを証明できる場合には、不貞行為を証明することができます。

例えば、マッチングアプリで知り合った男女が、LINE上で性行為に関するやり取りをしているケースで、通勤圏内のビジネスホテルを定期的に利用している場合には、不貞行為を証明できる可能性があります。

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ホテル不倫を証明するための証拠

不貞行為を根拠に慰謝料請求したり離婚請求する場合、これら請求をする側で不貞行為の存在を証明しなければなりません。

ホテル不倫を証明して不貞行為を証明するためには、客観的な証拠が必要です。

しかし、すべての証拠が不貞行為の証拠になるわけではありません。

以下では、ホテル不倫を証明する証拠の種類を紹介したいと思います。

ラブホテルに出入りする写真や動画

ラブホテルに出入りする写真や動画は、不貞行為を証明できる典型的な証拠の一つです。

ラブホテルに出入りしている事実が証明されることで、ラブホテル内で性行為を行なっていると合理的に推認できるからです。

仮に、不貞行為をしていないと反論したとしても、性行為を行えない理由やわざわざラブホテルを利用した理由を合理的に説明できれなければ、その反論は認められる余地はありません。

探偵社の調査報告書

探偵社や調査事務所が作成した調査報告書がホテル不倫の証拠になる場合があります。

探偵社の追跡調査の結果、ラブホテルやビジネスホテルを利用したり宿泊している写真や動画を撮影することができれば、その様子を写した調査報告書は、不貞行為の証拠になります。

ただ、探偵業者への依頼には、多額の費用を要することがあります。その上、調査費用のすべてを損害賠償として請求できるわけではありません。そのため、探偵社へ依頼する場合には、

ホテル内の性行為の写真や動画

ラブホテルやビジネスホテル内で、撮った裸の写真や動画、性行為や類似行為の写真もホテル内の不貞行為を立証できます。

ホテル内で撮影された写真や動画は、配偶者のスマートフォンのデータフォルダやラインで送受信されたデータから見つかることが多いです。

ビジネスホテルの宿泊が分かる写真や動画 

ビジネスホテルに配偶者以外の異性と宿泊していることが分かる資料もホテル不倫の証拠になり得ます。例えば、宿泊者名簿、ホテルの明細書、ラインやメールのやり取り、ホテル内の写真・動画が挙げられます。これら証拠を掛け合わせることで、ホテル不倫の事実を推認させます。

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ホテル不倫を証明できない証拠

配偶者がホテルを利用したことを証明できたとしても、それ以上に不貞行為に及んだことを証明できなければ意味がありません。

以下では、不貞行為の証明には直ちに繋がらない証拠を紹介します。

ビジネスホテルの一時利用の写真や動画

ビジネスホテルを利用したことが分かる写真や動画だけでは、直ちに不貞行為の証拠となりません。

上述したように、ビジネスホテルの利用目的からすれば、ビジネスホテルの利用から性行為の事実を推認させることは飛躍しています。その他の証拠と掛け合わせることで、不貞行為の立証へと繋げていくしかありません。

ビジネスホテルの明細書や領収書

ビジネスホテルの明細書や領収書だけでは直ちに不貞行為を証明することはできません。

配偶者のカバンやデスクからビジネスホテルの領収書を発見することがあります。

しかし、ビジネスホテルの明細書等だけでは、配偶者以外の異性との性行為を推認させることはできません。先ほどと同じように別の証拠と掛け合わせることで不貞行為を立証させるほかありません。

ホテル不倫で請求できること

ホテル不倫を証明できれば、不貞配偶者に対して、不貞慰謝料の請求や離婚請求をすることができます。

慰謝料請求できる

不貞行為は、夫婦関係の平穏を害する違法な行為です。そのため、不貞行為を理由に慰謝料等の損害賠償請求をすることが認められています。

慰謝料額の相場は、不貞行為によって、夫婦が離婚したのか、別居したのか、同居を継続しているのかによって大きく異なります。つまり、離婚している場合には、150万円から200万円、別居している場合には、120万円から150万円、同居を継続している場合には100万円前後が慰謝料額の相場といえます。ただし、性行為の態様が悪質である場合、例えば、不貞行為により妊娠・出産をしている場合には、慰謝料額が300万円以上となるケースもあります。

不倫相手にも慰謝料請求できる

不貞慰謝料は、不倫相手にも請求することができます。

不貞行為は、不貞行為をした配偶者と不貞相手によって行われる共同不法行為です。

そのため、不貞配偶者だけでなく不貞相手に対して、慰謝料請求をすることができます。

ただ、不貞相手だけでなく、不貞配偶者からも二重に慰謝料を取ることはできません。不貞相手か不貞配偶者のいずれか一方から慰謝料を回収すれば、慰謝料請求権は消滅するからです。

また、不貞相手が慰謝料を支払った場合には、不貞相手は不貞配偶者に対して支払った慰謝料のうち半分前後を返還するように求めることができます。これを求償権といいます。

離婚請求できる 

不貞行為を理由に離婚を求めることができます。

民法には離婚原因が以下のとおり規定されています。

第770条【裁判上の離婚】
① 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

このうち770条1項1号に定められている離婚原因が不貞行為となります。

離婚原因とは、配偶者の一方が離婚に反対していたとしても、裁判所が離婚を命じることができる理由をいいます。

そのため、配偶者が不貞行為を行った場合には、たとえ、その配偶者が離婚に反対していたとしても、離婚を求めることができます。

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ホテル不倫を理由に慰謝料請求するためには、客観的な証拠の確保が重要です。しかし、あらゆる証拠が不貞行為の証拠になるわけではありません。

計画的に証拠を確保して確実に不貞行為を立証できるように準備をしておくことが肝要です。あらかじめ弁護士に相談をして、どのような証拠が不貞行為の証拠になるのかを吟味して、計画的な証拠収集を心がけましょう。

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