コラム
公開日: 2025.01.07

30代夫婦の離婚で注意するべき点とは?離婚時に決めておくべきことを解説|難波みなみ法律事務所

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

30代の夫婦が直面している離婚の問題は年々深刻化しています。夫婦関係の悪化や子育ての負担など、様々な理由から離婚を選択する夫婦が増えているのです。

30代夫婦の離婚にはメリットだけではなくデメリットも当然あります。メリットとデメリットを比較検討して、本当に離婚するべきかを考えてみてください。その上で、離婚を決意された場合には、離婚後の生活に困らないように、あらかじめ離婚後の生活をシミュレーションし、請求できる権利を漏れなく請求するようにしましょう。

この記事では、30代夫婦の離婚で注意するべき点と、離婚時に決めておくべき重要事項について詳しく解説します。適切な準備と対策を行うことで、円滑な離婚プロセスを進め、新たな人生の一歩を踏み出すことができるでしょう。

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30代夫婦が離婚する割合

厚生労働省が発表した令和4年人口動態統計によると、夫婦ともに30~34歳の年齢層が最も離婚率が高くなっています。この傾向は、夫については昭和55年以降、妻については平成17年以降続いています。

また、離婚相談を行う夫婦の年齢層も徐々に若年化している傾向が見られ、30代夫婦の離婚がより一般的になってきていることがうかがえます。

30代夫婦が離婚する理由

30代の夫婦が離婚に至る背景には、様々な理由が存在します。ここでは、30代夫婦の離婚理由について、詳しく見ていきましょう。

性格の不一致

結婚生活を続けていく中で、お互いの性格の違いが顕著になってくることがあります。価値観や生活スタイルの相違から、次第に溝が深まっていくケースが少なくありません。

特に、30代は仕事や子育てなど、様々な責任が増してくる時期です。ストレスが高まる中で、性格の不一致が浮き彫りになりやすくなるのです。

仕事の関係(転勤や単身赴任)

30代は、キャリアアップのために転勤や単身赴任を経験する人も多い年代です。夫婦が離れて暮らすことで、コミュニケーション不足に陥ったり、孤独感を感じたりすることがあります。

特に、子育て中の妻にとって、夫の不在は大きな負担となります。夫婦間の意思疎通が困難になり、次第に夫婦関係が悪化していくこともあるのです。

不妊(不妊治療の負担)

30代は、出産適齢期とされる年代です。しかし、不妊に悩むカップルも少なくありません。不妊治療は、肉体的にも精神的にも大きな負担を伴います。

健康保険の適用対象にもなりましたが、治療費の捻出に加えて、治療に専念するための仕事の調整や不妊治療に伴う精神的な負担など、様々な課題が生じます。不妊治療による様々な負担が、夫婦関係に亀裂を生じさせることもあるのです。

子どもの育児方針の違い(ワンオペ・育児不参加)

子育ては、夫婦で協力して行うべきものです。しかし、育児方針の違いから、対立が生じることがあります。特に、妻が一人で育児を担うワンオペ状態や、夫の育児不参加は大きな問題です。

育児をめぐって夫婦間の溝が深まると、関係修復が困難になります。子どもの将来への影響も懸念されるため、慎重な対応が求められます。

セックスレス

セックスレスは、夫婦間の重大な問題の一つです。セックスレスに至る要因は様々ありますが、特に子育て世代では、子供の出産や育児に伴って、夫婦のセックスレスが常態化することも珍しくありません。

セックスレスを放置すれば、夫婦関係の悪化は避けられません。

不貞行為

配偶者の不貞行為は、夫婦関係に決定的な亀裂を生じさせます。セックスレスが原因で不貞行為に走るケースもあります。また、30代は、社会的な交流も多くなり、異性との接触の機会も増えることで、不倫関係に発展することもあります。

不貞行為により一度失われた信頼関係を取り戻すのは容易ではありません。不貞行為が発覚した場合、離婚に至るケースが多いのが実情です。

DVやモラハラ

DVは、配偶者に対する暴力・虐待であり、身体的なダメージだけでなく精神的なダメージも相当大きいものです。

モラハラは、配偶者の人格を否定する暴言などを指しますが、モラハラも配偶者に対して大きな精神的なダメージを与えます。

DVやモラハラの被害を受け続けると、被害者は、配偶者に対する恐怖心や不信感を根強く持ち、夫婦関係が破綻していきます。DVやモラハラが長期化すれば、離婚もやむを得ない選択肢となります。

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30代の離婚のメリットとデメリット

30代という人生の節目で直面する離婚は、様々なメリットとデメリットが存在します。ここでは、30代の夫婦が離婚を検討する際に考慮すべき点について詳しく解説します。

メリット

30代での離婚は、人生の再出発をするには比較的適した時期であると言えます。この年代では、就職の機会も比較的多く、新たなキャリアを築くチャンスがあります。

また、30代はまだまだ若い世代であるため、新たなパートナーを探すことにも前向きになれるでしょう。

さらには、適切なタイミングで離婚をすることで、生活環境を改善し、より充実した人生を送ることができる可能性があります。

デメリット

一方で、30代での離婚にはデメリットも存在します。

子どもがいる場合、離婚によって子どもの養育環境が悪化する可能性があります。親権や面会交流の問題で争いが生じたり、非監護親と離れて暮らすことで、親の愛情を受け取れず、子どもの心理的負担が大きくなったりすることもあるでしょう。

また、離婚によって世帯収入が減少することも大きな問題です。世帯収入の減少により、生活レベルが低下することも想定されます。さらには、財産分与や慰謝料の支払いや自宅の住宅ローンにより経済的な負担が大きくなります。

離婚手続き自体がストレスとなり、精神的な負担が大きくなることも考えられます。円満に協議離婚が成立するのが望ましいですが、時に対立が激化し長期化することもあるため、離婚手続に伴い精神的な負担は大きくなります。

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30代夫婦が離婚する時の注意点

離婚を検討する際には、様々な注意点があることを認識しておく必要があります。

離婚するまでの生活費を確保する

離婚を決意した場合、まず考えなければならないのが、別居してから離婚するまでの生活費の確保です。離婚協議中は、夫婦の収入が別々になるため、生活費の捻出に苦労することがあります。

そのため、収入の少ない配偶者は収入の多い配偶者に対して、婚姻費用の請求をしておくべきです。婚姻費用とは、夫婦が社会生活を送るために必要となる生活費であり、離婚するまで受け取ることができるものです。婚姻費用の金額は、夫婦の収入額に応じて計算されます。

婚姻費用だけでは不十分なこともあるため、生活費の不足を避けるために事前に貯蓄を確保しておくことも重要です。また、親族に経済的な支援を求めることも検討しておきましょう。

離婚後の生活をシミュレーションする

離婚後の生活をイメージすることも大切です。収入や支出、子どもの教育費など、具体的な数字を算出してみましょう。

離婚後の収入をどう確保していくのか、離婚後の生活を安定させるために必要となる貯蓄や収入額はいくらになるかを慎重に検討する必要があります。その際には、子どもの教育費なども見越して、長期的な視点で生活設計を立てることが求められます。

自宅不動産と住宅ローンをどうするのか検討する

離婚時には、自宅不動産と住宅ローンの取り扱いも大きな問題となります。

自宅を売却するのか、どちらかが住み続けるのかを決める必要があります。

住宅ローン付の自宅に、ローン名義人ではない配偶者が住み続ける場合、住宅ローンの債務承継、自宅の売買契約、名義を変えずに賃料を受け取るなどの方法が挙げられるため、夫婦間でよく話し合う必要があります。

また、財産分与をする際にも、自宅不動産をいくらで評価するのかが問題となります。さらに、オーバーローンする場合には、オーバーローン部分とプラスの財産を相殺するのかなどを協議する必要もあります。

離婚による子供の影響を最小限に抑える

離婚は、子どもにとって大きな心理的負担となります。親権や養育費の取り決めなど、子どもの利益を最優先に考えることが肝心です。

また、離婚後も、子どもとの良好な関係を維持するために、子の利益を優先して面会交流の取り決めをしておくことも大切です。

子どもにとって、両親の離婚は避けられないとしても、精神的なダメージを最小限に抑えるための配慮が求められます。

慰謝料や財産分与の資料を確保する

離婚手続では、慰謝料や財産分与が大きな争点になることがあります。請求する側は、相手の不貞行為などの証拠を収集しておく必要があります。また、財産分与に関して共有財産の資料を準備しておくことが賢明です。いずれにしても、冷静な協議を進めるためには、客観的な資料の存在が不可欠と言えます。

合意内容を書面化しておく

夫婦間で、離婚条件を協議し合意に至った場合には、必ず合意内容を書面にしておきましょう。

なぜなら、合意内容を書面化しておかないと、合意内容に食い違いが生じる可能性があるからです。また、文書がなければ合意内容を事後的に証明できず、夫婦間の新たな紛争を招くことにもなります。

そのため、夫婦間で合意できれば合意書を作成します。できれば、公正証書を作成しておくことが望ましいです。公正証書があれば、慰謝料、財産分与、養育費といった金銭の請求権について、不払い時に調停や訴訟をせずに差押えをすることができるからです。

転職活動や資格取得を検討する

離婚後の生活を安定させるためには、収入の確保が欠かせません。特に、専業主婦だった方は、再就職に向けた準備が必要になります。

転職活動を始めたり、新たな資格取得に挑戦したりすることで、自立への道筋をつけることができるでしょう。離婚を機に、自分の可能性を広げるチャンスと捉えることも大切です。

離婚時に取り決めておくべきこと

離婚にあたっては、子どもの親権や養育費、面会交流、財産分与や慰謝料など、様々な事項について取り決めておく必要があります。特に30代の夫婦の場合、幼い子どもがいることが多く、将来に向けた慎重な協議が求められます。

子どもの親権と養育費

離婚する際、子どもの親権者を決定し、養育費の金額について取り決める必要があります。親権は、子どもの身上監護と財産管理に関する権利と義務を指します。一般的に、子どもと多くの時間を過ごし、主たる監護者となっている親が親権者となる傾向にあります。

養育費については、裁判所の算定表を参考に、子どもの年齢や親の収入などを考慮して決定します。未成熟な子どもの健全な成長を図るためにも、適切な養育費の合意が必要です。

面会交流

子どもと別居する親との面会交流については、子どもの心身の健全な発達のために欠かせません。面会交流の頻度や方法、日程などについて、具体的に取り決めを行うことが望ましいでしょう。

ただし、監護親が面会交流を強く拒否することで、面会交流について合意できずに調停手続に移行することも多くあります。

監護親は、面会交流が子供の利益となることを理解し、できる限り前向きに面会交流を実施できるように再考することも大切です。他方で、非監護親も、無茶な条件を提示せずに、安定した交流を実現できるように監護親との信頼関係の構築に努めましょう。

財産分与の金額

30代の夫婦の場合、婚姻期間が短いことから財産分与の対象財産が多くないことが特徴です。

しかし、30代夫婦であっても、婚姻期間が長ければ共有財産を構築していることもありますし、収入額が高い場合にも多くの共有財産を得ていることもあります。

また、自宅の住宅ローンを抱えている場合には、自宅の評価額と住宅ローンの金額を踏まえて、財産分与の金額を適切に算出することが大切です。

さらに、財産分与の金額を適切に計算する前提として、双方の財産関係の資料や情報を把握しておくことが重要となってきます。なお、財産分与に似た制度として年金分割があります。年金分割についても離婚後2年の期間制限がありますので、失念しないように請求しておきましょう。

慰謝料の金額

離婚の原因が一方の配偶者の不貞行為や暴力などにある場合、慰謝料を請求することができます。慰謝料の金額は、婚姻期間や有責行為の悪質さなどを考慮して決定されます。

不貞行為であれば、150万円から200万円が相場の金額となりますが、婚姻期間や不貞行為の内容によっては300万円を超えるケースもあります。

慰謝料の金額だけでなく支払期限や支払方法などの条件面についても夫婦間で協議します。夫婦間で合意ができれば、合意書または公正証書を作成し、合意内容を明確にしておくことが重要です。

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30代の離婚は、子育てや離婚後の生活の課題を抱えつつも、人生の再出発のチャンスでもあります。離婚を検討する際は、子どもの親権や養育費、財産分与などについて、早期に弁護士に相談し、離婚後の生活が不安定とならないように適切な取り決めを行うことが重要です。

特に、幼い子供がいる場合には、子どもの利益を最優先に考え、親権や面会交流について協議する必要があります。

離婚後の生活を見据えて、転職や資格取得にも積極的に取り組むことが望ましいでしょう。新たなスタートを切るためにも、十分な準備と計画的な行動が欠かせません。

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