コラム
公開日: 2026.07.13

入院中・入所中の誤嚥事故は病院・施設の責任?損害賠償請求できるケースを弁護士が解説

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

「入院中の親が食事中にのどを詰まらせ、そのまま亡くなった」 「施設で誤嚥性肺炎を繰り返し、容態が急変した」

誤嚥(ごえん)事故は、高齢の患者・入所者に起こりやすい事故の代表例です。裁判例の統計を見ても、被害者の多くは70〜80歳代の高齢者で、その多くは認知症のある方が占めています。食べ物が気道に入って窒息に至るケースや、誤嚥をきっかけに肺炎(誤嚥性肺炎)を発症して死亡に至るケースは、決して珍しくありません。

「高齢だから仕方ない」「持病があったのだから」と言われ、そのまま受け入れてしまうご家族も多いのですが、実際の裁判では、慰謝料2,000万円を超える賠償が認められた例が複数ある一方、請求が認められなかった例も多くあります。その分かれ目は、病院・施設が負う「4つの注意義務」を果たしていたかどうかにあります。

この記事では、入院中・入所中の誤嚥事故における病院・施設の法的責任について、判断の枠組み、実際の裁判例、事故後にご家族がとるべき対応を、弁護士が解説します。

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誤嚥事故とは:3つの類型

誤嚥・嚥下障害とは

嚥下障害とは、疾病や高齢化などの原因により、食べ物や水の咀嚼・飲み込みがうまくいかなくなる状態をいいます。嚥下障害が起こると、食物をうまく摂取できないことによる栄養低下とともに、食物が気道へ流入する「誤嚥」が問題となります。

嚥下障害は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、神経・筋疾患のある方に高い割合で生じますが、そうした疾患がなくても、加齢による全身機能の衰えに伴って嚥下機能が低下し、むせやすくなったり、口の中が乾燥して食物を飲み込みにくくなったりすることで引き起こされます。

嚥下事故の3つの類型

誤嚥事故は、法的責任の観点から、大きく3つの類型に分けられます。

① 窒息型

食事中に食べ物がのどや気道を塞ぎ、窒息に至る類型です。発見や応急処置が遅れると、低酸素脳症による重い後遺症や死亡につながります。裁判例では、餅、こんにゃく、さつま芋、パン等が誤嚥の生じやすい食品とされており、実際にこんにゃく、パン、白玉だんご、メロンパンなどをめぐる訴訟が多数起こされています。

②誤嚥性肺炎型

食物や唾液が細菌とともに気道・肺に侵入し、肺炎を発症する類型です。誤嚥性肺炎は高齢者に最も多い肺炎といわれており、目立ったむせがないまま少しずつ誤嚥を繰り返す「不顕性誤嚥」によって発症することもあります。

③誤嚥の見落とし・発見の遅れ型

食物や入れ歯などの異物を誤嚥したこと自体が見過ごされ、気管支炎などと誤診されたまま放置される類型です。誤嚥そのものだけでなく、「誤嚥を疑って検査すべきだったのにしなかった」という診断上の過失が問題となります。

誤嚥事故で病院・施設が負う法的責任

安全配慮義務としての誤嚥防止義務

病院は診療契約に基づき、介護施設は入所契約(利用契約)に基づき、患者・入所者の生命・身体の安全に配慮すべき義務(安全配慮義務)を負っています。この義務に違反して誤嚥事故が発生し、損害が生じた場合、病院・施設は債務不履行(民法415条)に基づく損害賠償責任を負います。また、介助を担当した職員に不注意があった場合には、職員個人の不法行為責任(民法709条)と、病院・施設の使用者責任(民法715条)が問題となることもあります。

医療過誤・医療事故における損害賠償の基本的な考え方は、こちらの記事で解説しています。

「誤嚥=病院・施設の責任」ではない

高齢者の誤嚥・窒息は、どれだけ注意を尽くしても100%回避することは不可能な事象であり、誤嚥事故が起きたという結果だけで直ちに責任が認められるわけではありません。訴訟では、誤嚥に対して予見可能性と結果回避可能性があったか否かが争点となります。

同じ「療養中の管理」に関する事故である転倒・転落事故の判断枠組みについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

責任判断の柱となる「4つの注意義務」

誤嚥事故の裁判例を分析すると、病院・施設の注意義務は次の4つに整理できます。誤嚥を回避するための義務が①〜③、誤嚥が発生した際に重大な結果を回避するための義務が④です。

① 嚥下障害の有無・程度を把握すべき注意義務

まず、その患者・入所者が具体的にどのような嚥下障害の状況にあるのかを把握する義務です。高齢者において、次のような症状が現れているときには、嚥下障害を疑うべきとされています。

  • 食べ物を飲み込むのが困難になる、口から食べ物がこぼれる
  • 口の中に食べ物が残る
  • 飲み込むときや飲み込んだ後にむせたり咳き込んだりする
  • 食べるのに時間がかかる
  • 痰がからんでガラガラ声になる

裁判例では、医師が診察により嚥下しにくい状態を認識していた場合、家族が「食べ物をのどに詰めやすいのでパンなどの食事には留意してほしい」と申し出ていた場合、施設サービス計画書に誤嚥の危険性が高い旨が記載されていた場合など、客観的な嚥下障害の情報があった事案では、この把握するべき義務を前提に、後述の各義務が判断されています。

逆に、事故前に誤嚥の兆候がまったく認められなかった事案や、アセスメント表に「常食・嚥下普通」と記載され、自宅での誤嚥経験もなく、主治医・家族からの要望もなかった事案では、誤嚥の危険を具体的に予見することは困難として、責任が否定される傾向となります。

② 患者に適した食品・調理方法を選択すべき注意義務

餅、こんにゃく、さつま芋、パン等は誤嚥が生じやすい食品とされており、嚥下障害の状況を踏まえ、これに適した食品を選択すること、適度な大きさに切り分ける、とろみをつける、ミキサーで流動食にするなど、嚥下障害の程度に応じた調理方法を選択することが求められます。

もっとも、誤嚥を防ぐだけなら「すべてミキサー食にすればよい」ことになりますが、それでは食生活の質、ひいては本人の尊厳の確保につながりません。裁判所も、安全性を前提としつつ、通常の献立に近づけ、本人が自ら摂食することを目指すという要請とのバランスの中で、食品・調理方法の選択の適否を判断しています。

③患者や食品に応じた食事介護方法・介護体制をとるべき注意義務

嚥下障害の有無・程度と、提供する食品に応じて、1対1で付きっきりの介助を行う方法、付きっきりではないが目を離さずに見守る方法、相応の人数の集団を少数の職員で監視する方法などの中から、適切な介護方法・体制を選択する義務です。

裁判例では、嚥下障害がなく具体的な誤嚥の危険性が認識されていない場合には、付きっきりの介助や継続的な見守りまでは義務とされず、これに至らない体制がとられていれば足りるとされています。

他方、嚥下障害があり具体的な危険が認識されている場合には、きちんと飲み込めているかを注意深く見守り、誤嚥した場合には即時に対応すべき義務があるとした例や、食事中に食べ物を口にしない状況があれば誤嚥による呼吸困難を疑うべきとした例があり、格段に高い水準の見守りが求められます。

④ 誤嚥発生後に救急救命措置をとるべき注意義務

誤嚥・窒息が起きた後の対応も、独立した責任判断の対象です。窒息事故は数分の対応の遅れが生死を分けるため、裁判例でも、救急車等の要請が遅れないようにすることが肝要とされています。

注意すべきは、介護職員と医師等の医療関係者とで、求められる水準が異なる点です。

介護職員の場合:背部叩打や口腔内の異物除去、吸引、救急要請の迅速さが問われます。喉に飴を詰まらせた事案で、飴を背部叩打法等の措置により取り出そうとしたが功を奏さず、顔色不良となったのであるから、この時点で救急車を要請すべきであったのに、救急車を要請したのは10分後であり、この救急車の要請が遅れた点で注意義務違反があるとしました。

他方で、事故後に速やかにタッピング、入れ歯の取り出し、吸引器での吸引等という通常一般的に行われている救急救命措置を行い、速やかに病院に搬送した事案、直ちに背中を叩いたりした上、顔色悪化直後に救急車の要請し、気道確保や背部叩打を続けた事案、異常発見から7〜10分程度で救急要請し、その間も心肺蘇生を継続した事案では過失はないと判断されました。なお、エアウェイ挿入や本格的な吸引などは介護福祉士には法令上許されない医行為にあたる可能性が高いため、介護士がこれらを行わず看護師を呼んだこと自体は過失とされていません。

医師等の場合:より高度な注意義務が課され、気道を確保するためにどのような方法によるべきであったかが具体的に判断されます。気管内挿管が困難と判明した時点で速やかに気管切開に切り替えるべきであったとして医師の過失を認めた例があります。

実際の裁判例:責任が認められたケース・否定されたケース

病院・施設の責任が認められた裁判例

嚥下障害の記録がありながら「こんにゃく」を提供した例(名古屋地判平成16年7月30日) 

総入れ歯で、家族から飲み込みが悪いことなどが看護職員に告げられ、ショートステイの記録にも嚥下障害がある旨が記載されていた75歳の利用者に、昼食でおでんのこんにゃく2片を提供し、のどに詰まらせて窒息死した事案です。 

裁判所は、総入れ歯であったこと、飲込みが悪いこと等が看護職員に告げられ、記録にも嚥下障害がある旨が記載されていたこと、こんにゃくは嚥下障害の患者や高齢者に向かない食物であると指摘されていることから、こんにゃくを食べさせる際には誤嚥を生じさせないよう細心の注意を払う必要があったとして過失を認め、慰謝料2,100万円を含む約2,426万円の賠償を認めました。

医師の指示義務と救命措置の遅れが問われた例(東京地判平成13年5月30日) 

食物を嚥下しにくい状態にあることを医師が診察で認識していた4歳の入院患児が、病院食のバナナを誤嚥して窒息死した事案です。

裁判所は、医師には、食物を嚥下しにくい状態にあり、かつ、誤嚥した場合には、容易に窒息するおそれがあることや、当時4歳になったばかりの幼児であり、かつ、満足に食事がとれないことによって空腹感を訴えていたことを考慮して、食事をさせるに当たっては、誤嚥など生じないよう食物の種類・範囲を制限するだけでなく、食事を担当する看護師に対し少しずつゆっくり食べさせる・監視するなどの措置をとるよう具体的に指示すべき注意義務があったのに、漫然と食事をさせていた過失があるとしました。さらに、事故後の救命処置についても、高度の気管狭窄で気管内挿管が困難と判明した時点で速やかに気管切開に切り替えるべきであったとして医師らの過失を認め、慰謝料1,500万円を含む約5,120万円の賠償を認めました。

病院・施設の責任が否定された裁判例

適切な食事・巡回体制・迅速な救命措置をした例(横浜地判平成12年6月13日) 

格別の摂食障害のない中程度認知症の76歳の入所者が、夕食のこんにゃく田楽をのどに詰まらせて窒息死した事案です。

裁判所は、腸を整える等の理由から食材として選択し、小さく切り分けるなど高齢者に提供する食材として十分配慮していたこと、自分で食事ができる約40名の入所者に対し職員3名が食堂内を巡回してその都度必要な介護を提供しており監視体制に問題はないこと、事故後は速やかにタッピング、入れ歯の取り出し、吸引器での吸引等の一般的な救急救命措置を行い病院に搬送したことから、注意義務違反はないとして請求を棄却しました。

事故前に誤嚥の兆候がなかった例(神戸地判平成16年4月15日) 

認知症で全盲の82歳の入所者に、一口大のパンをとろとろの状態にしたパン粥等を提供したところ窒息死した事案です。

裁判所は、事故前に誤嚥の兆候は認められず、パン粥を口に溜め込みなかなか飲み込まないという事態から職員が誤嚥の可能性を認識することは不可能であり、食事介護中に常に肺や頸部の呼吸音を聞き、嚥下造影までする義務を特別養護老人ホームの職員に認めることはできないとし、事故後の救命措置(背部叩打、吸引、人工呼吸、心臓マッサージ、救急搬送)にも落ち度はないとして、請求を棄却しました。

白玉だんごの提供と救命措置に過失なしとされた例(旭川地判平成13年12月4日)

嚥下障害の副作用がある薬剤の投与を受けていた22歳の入院患者が、夕食の白玉だんごをのどに詰まらせ、低酸素による全脳梗塞で死亡した事案です。

裁判所は、副作用を抑制する薬も投与されており、直径約2cmの白玉だんごはとくに誤嚥事故発生の危険が高くなく、従来から入院患者に提供して事故は発生していなかったこと、事故は一気に飲み込もうとしたことによるものであることから、白玉だんごの提供に過失はなく、除去に時間はかかったものの、背部叩打法・ハイムリック法、吸引機による吸引や手指・長摂子による異物除去を試みており、救命措置にも過失はないとして、請求を棄却しました。

裁判例から見える「分かれ目」

  • 嚥下障害の情報があったか:家族の申出、診療録・計画書・アセスメントシートへの記載、日頃のむせ込みなど、客観的な情報があった事案では責任が認められやすく、兆候が全くなかった事案では予見可能性が否定されやすい
  • 情報に見合った食品・調理・介助だったか:嚥下障害の記録がありながら、こんにゃくや切り分けないパンなど危険な食品をそのまま提供した事案は責任が認められている
  • 監護体制:わずか数メートル・数分間でも、リスクの高い利用者から目を離した間に事故が起きた事案では過失が認められうる
  • 救命措置の適切であったか:異変発見から救急要請までの時間と、とられた措置の内容が精査される

刑事事件としては、ゼリー系の間食とすべき利用者にドーナツを提供した事案(いわゆる「あずみの里事件」)で、第一審は有罪としたものの、控訴審が具体的な予見可能性は相当に低いとして無罪とした例があります(東京高判令和2年7月28日)。刑事責任と民事責任は判断枠組みが異なりますが、誤嚥事故の注意義務のあり方に一石を投じた事件として知られています。

誤嚥事故で争点になりやすいポイント

① 死因・因果関係の争い

誤嚥事故では「本当に誤嚥(窒息)が死因なのか」が最大の争点になることが少なくありません。ショートステイ利用中の方が食後に意識不明となり死亡した事案で、死体検案書には「食物誤嚥による窒息」と記載されていたものの、解剖が実施されていなかったところ、裁判所が、直前の介助から短時間で心肺停止に至ったのは不自然であること、突然の発作や心不全による突然死の可能性も否定できないことなどから、死因を証拠上特定することは困難であるとして請求を棄却した例があります(東京地判平成24年1月16日)。

死体検案書があっても、解剖が実施されていなければ、訴訟で死因が争われたときに立証が困難になることがあります。死因に少しでも疑問がある場合には、事故直後の段階で解剖の実施を検討することが極めて重要です

② 誤嚥の「見落とし」も責任の対象になる

入院中の高齢患者が入れ歯や食物を気道に詰まらせたにもかかわらず、医師・看護師が誤嚥を疑わず、気管支炎などと誤診したまま発見が遅れるケースがあります。ピーナッツを食べた、入れ歯がなくなったなど、誤嚥を疑うべき事情を医師や看護師が把握していたにもかかわらず、十分な聴き取りや検査をすることなく誤嚥を見過ごし、異物除去が遅れたような場合には、その間の肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料が認められると考えられています(福岡地判平成19年6月26日参照)。

誤嚥の見過ごしによって膿瘍や肺炎、窒息などのより重篤な症状が招かれたといえるときは、その結果についても賠償を求めることができます。

③ 過失相殺・素因減額

賠償額の算定では、患者・利用者側の事情を理由とする減額が争われることがあります。例えば、医師の指示で刻み食等に変更されていたにもかかわらず、家族の意向で普通食に近い食事へ戻した後に事故が起きた事案では、施設側の過失を認めつつ、家族の要望を捉えて5割の過失相殺がなされています。また、認知症の急速な進行に伴う盗食(他人の食べ物を食べてしまう行動)による事故で、本人の病状に内在する危険が現実化した側面があるとして7割の減額がなされた例もあります。

他方で、もともと嚥下障害や持病があったことのみを理由に大幅な減額が当然に認められるわけではなく、事案ごとの検討が必要です。

損害賠償として請求できるもの

病院・施設の責任が認められる場合、治療費、入院雑費、付添看護費、入通院慰謝料のほか、後遺障害(低酸素脳症による障害など)が残った場合には後遺障害慰謝料・逸失利益、死亡の場合には死亡慰謝料・逸失利益・葬儀費用・近親者慰謝料などを請求できます。

また、誤嚥の見落とし型では、死亡や後遺障害に至らなくても、異物が放置されていた期間の肉体的・精神的苦痛に応じた慰謝料の請求が考えられます。金額の見通しは事案によって大きく異なりますので、専門家にご相談ください。

事故が起きたときにとるべき対応

① 死因に疑問があれば、解剖の実施を検討する

前記のとおり、誤嚥事故では死因の特定が勝敗を分けます。解剖は事故直後にしか実施できないため、死因に疑問がある場合には、ためらわずに医療機関や警察、弁護士に相談してください。

② 病院・施設に事故状況の説明を求める

いつ・どこで・何を食べていて・誰が介助していて・最後に見守りをしたのはいつで・どのように発見され・どんな救命措置がとられ・救急要請は何分後だったのか、時系列で説明を求め、その内容を日時とともに記録しておきましょう。

③ 証拠を確保する(記録の開示請求)

誤嚥事故の責任追及では、4つの注意義務に対応する次の記録が重要な証拠となります。

  • 診療録(カルテ)、看護記録
  • 嚥下機能評価の記録
  • 入所時のアセスメントシート、施設サービス計画書
  • 食事箋・栄養管理計画
  • 実際に提供された食事の内容がわかる記録(献立表・配膳記録)
  • 食事介助や食事場面の観察に関する記録、介護記録
  • 事故報告書、事故後の経過記録
  • 死体検案書・死亡診断書、解剖記録

「計画書に記載された誤嚥リスク」と「実際に提供された食品・介助体制」のズレ、家族からの申出の記録、最後の見守りから発見までの空白時間、異変発見から救急要請までの時間経過などは、これらの記録を突き合わせることで初めて明らかになります。カルテ開示の具体的な手順や証拠保全については、こちらの記事で詳しく解説しています。

④ 時効に注意する

病院・施設に対する損害賠償請求権には消滅時効があります。起算点の考え方には専門的な検討が必要ですので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

⑤ 早めに弁護士へ相談する

誤嚥事故は、「防げた事故」なのか「不可抗力」なのかの見極めが特に難しく、さらに死因の特定という独特のハードルがある分野です。嚥下評価の記録や食事箋、介護記録を4つの注意義務の観点から分析し、死因・因果関係の争いに備えるには、医療事件の知識と経験が不可欠です。

ご家族が直接病院・施設と交渉すると、「持病による急変です」という説明を受けたまま、十分な資料開示もなく話し合いが終わってしまうことも少なくありません。弁護士が代理人となることで、記録に基づいた冷静な検証と交渉が可能になります。

「持病のせい」と言われて納得できない方へ

誤嚥事故の責任の有無は、嚥下評価・食事箋・介護記録を突き合わせて初めて判断できます。記録の取り寄せから死因・因果関係の検討まで、医療事故の経験がある弁護士がサポートします。初回相談無料(30分)。

誤嚥事故の問題は難波みなみ法律事務所へ

入院中・入所中の誤嚥事故について病院・施設の責任が認められるかは、①嚥下障害の有無・程度を把握していたか、②それに適した食品・調理方法を選択していたか、③患者や食品に応じた食事介助・介護体制をとっていたか、④誤嚥発生後の救急救命措置が適切かつ迅速だったか、という4つの注意義務の観点から判断されます。

高齢者の誤嚥を100%防ぐことはできず、胃ろうにしても誤嚥性肺炎を完全には避けられません。しかし、嚥下障害の記録や家族の申出がありながら危険な食品をそのまま提供した場合、リスクの高い方から目を離した場合、救急要請が遅れた場合には、責任追及の余地は十分にあります。そして、死因に疑問がある場合の解剖の検討と、嚥下評価・食事箋・介護記録の早期確保が、適切な解決への第一歩となります。

難波みなみ法律事務所では、医療事故・医療過誤に関するご相談をお受けしています。「これは病院・施設の責任なのか判断がつかない」という段階でも構いません。初回相談は無料(30分)ですので、大阪・関西圏で誤嚥事故・誤嚥性肺炎にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

誤嚥事故・誤嚥性肺炎のご相談は難波みなみ法律事務所へ

医療事故・医療過誤のご相談は初回無料(30分)です。嚥下評価記録・食事箋・介護記録の分析から病院・施設との交渉、訴訟まで、大阪・なんばの弁護士が一貫してサポートします。ご遺族からのご相談も歓迎です。

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