コラム
更新日: 2026.09.02

自賠責の被害者請求とは|必要書類13点と3年の期限

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

交通事故にあうと、たいていは相手の任意保険会社が病院に治療費を払い、示談のときにまとめて精算します。そのあいだ、被害者の方が自分で保険金を請求する場面はありません。

ところが、この流れが止まることがあります。相手の保険会社が「今月で治療費の支払いを打ち切ります」と言ってきたとき。過失が大きいことを理由に、はじめから対応してくれないとき。相手が任意保険に入っていなかったとき。

そのときに使えるのが、被害者請求です。

この記事の結論

被害者請求は、相手の自賠責保険に、被害者から直接お金を請求する手続です。自賠法16条にもとづくもので、実務では「16条請求」とも呼ばれます。

示談を待つ必要はありません。限度額の範囲内であれば、治療費を払った都度、何度でも請求できます。

そして期限は3年です。訴訟を起こしても、この3年は止まりません。ここを取り違えると、権利そのものが消えます。

被害者請求は、相手の自賠責に直接請求する手続です

はじめに、制度の位置づけからお伝えします。

自賠責保険は、加害者が被害者に負う損害賠償責任を、保険会社が肩代わりする保険です。契約しているのは加害者ですから、本来、保険会社にお金を請求できるのは加害者だけのはずです。

ところが自賠法は、被害者が保険会社に直接請求できる権利を、わざわざ条文で用意しました。

自賠法16条1項

第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。

被害者は、保険契約の当事者ではありません。それでも直接請求できるようにしたのは、被害者の救済をより現実的なものにするためです。加害者が資力を失っても、加害者が誠実に対応しなくても、被害者が自分の手で最低限の補償を取りに行けるようにした制度です。

この権利は、差し押さえられません。自賠法18条により、被害者請求の権利と仮渡金請求の権利は差押えが禁止されています。社会保障に近い性質を持つ権利だからです。

債権者が代わりに行使すること(債権者代位)もできないと考えられています。被害者本人のために用意された権利です。

お金が被害者に届く3つのルート① 一括対応相手の任意保険会社病院・被害者自賠責の分もまとめて支払うふだん動いているのはこれです。法律上の制度ではなく、保険会社の取扱いです。② 加害者請求(15条)加害者被害者先に賠償金を支払う先に支払った限度でしか、加害者は自賠責に請求できません。③ 被害者請求(16条)被害者相手の自賠責保険会社請求直接支払結果もお金も、被害者本人に直接届きます。

お金が被害者に届くまでの3つのルートです。ふだん動いているのは一番上の一括対応です。

加害者請求(15条請求)との違い

自賠責への請求には、もうひとつの入口があります。加害者側からの請求です。

自賠法15条

被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。

ここに「自己が支払をした限度においてのみ」とあります。加害者が先に被害者へ支払い、そのあとで自賠責から回収する、という順番です。先に払わなければ、加害者は請求できません。

この仕組みは、被害者を守るためのものです。加害者が保険金だけ受け取って、被害者に渡さないという事態を防ぐことに、条文の趣旨があります。

加害者請求(15条請求) 被害者請求(16条請求)
請求する人 加害者(被保険者) 被害者
前提 先に被害者へ支払っていること 相手に運行供用者責任が発生していること
お金の届き先 加害者 被害者に直接
結果の連絡先 加害者側 被害者本人
時効 支払った日の翌日から3年 損害の種類ごとに3年

被害者請求のいちばんの利点は、結果も、お金も、被害者本人のところに直接来ることです。相手の保険会社を経由しません。

一括対応が「ふつう」で、被害者請求はその外側です

実際の交通事故で、被害者請求が使われる場面はそれほど多くありません。ほとんどの事故では、相手の任意保険会社が一括対応をしているからです。

一括対応とは、任意保険会社が自賠責の分も含めてまとめて支払う扱いのことです。病院への治療費は保険会社が直接払い、示談のときに全部まとめて精算されます。被害者の方が自分で請求する必要がありません。

一括対応は、法律で決まった制度ではありません。任意保険会社が、加害者の15条請求権を加害者の委任にもとづいて行使する、という形で説明されています。保険会社のサービスとして行われているものです。

ですから、一括対応をするかどうかは、相手の保険会社が決めます。断ることもできますし、途中でやめることもできます。

相手の保険会社が一括対応をしないときは、理由があります。よくあるのは次の3つです。

被害者側の過失が大きいと見ているとき。自賠責の枠内で終わることが見込まれる事案では、一括対応がされないことが多くなります。

そもそも損害賠償責任があるかどうかを争っているとき。事故の態様に争いがあるときです。

相手が任意保険に入っていないとき。この場合は自賠責しかありません。手続は相手が無保険のときの請求先で説明しています。

相手の車に任意保険が付いているのに一括対応がされていないなら、その理由を確かめてください。理由がわかると、次に何をすべきかが決まります。

示談を待つ必要はありません|何度でも請求できます

ここは、いちばん誤解されているところです。

「自賠責は、示談がまとまってから一度に受け取るもの」と思われている方が少なくありません。そうではありません。

国土交通省が明記していること

総損害額の確定前であっても、被害者は医療機関へ治療費等を支払った都度、限度額の範囲内で何度でも損害保険会社に対して請求をすることができます。

つまり、治療の途中でも、通院しながらでも請求できます。限度額に達するまでは、回数の制限もありません。

これが、生活を守る意味を持ちます。治療費を立て替えたまま、収入も途絶えている——という状態は、被害者の方にとってもっとも苦しい局面です。

示談の場では、この苦しさがそのまま交渉の弱みになります。「早く終わらせたい」という気持ちにつけ込まれる形で、低い金額を受け入れてしまう。被害者請求は、その状態を避けるための手段でもあります。

過失が大きいときほど、先に使う意味があります

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。

自賠責の減額のルールは、民事裁判の過失相殺とはまったく違います。この違いを知らないまま順番を決めると、受け取る金額が変わります。

重過失減額は、7割からしか効きません

民事裁判では、被害者に3割の過失があれば賠償額は3割減ります。2割なら2割減ります。過失の割合が、そのまま金額に反映されます。

自賠責は違います。被害者の過失が7割以上あるときにだけ、決められた率で減額されます。これを重過失減額といいます。

減額適用上の被害者の過失割合 後遺障害または死亡に係るもの 傷害に係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額 2割減額
9割以上10割未満 5割減額 2割減額

過失が6割でも、自賠責は1円も減りません。民事の基準なら4割しか受け取れない場面で、自賠責は満額を出します。

傷害の分には、下限もあります。傷害による損害額が20万円未満のときはその額とされ、減額した結果20万円以下になるときは20万円とされます。

順番を変えると、金額が変わります

この違いが、どれだけの差になるのか。具体的な数字で見てみます。

損害総額6,000万円・被害者の過失6割の死亡事案たどる順番で、受け取れる金額が変わりますいきなり訴訟を起こす6,000万円 × 0.42,400万円先に被害者請求をする過失6割では減額なし3,000万円差 600万円自賠責の減額は、被害者の過失が7割以上のときにだけ行われます。先に受け取った分がなくなるわけではなく、不足分はあとから上乗せで請求します。

損害総額6,000万円・被害者の過失6割の死亡事案で、たどる順番によって受け取る金額が変わります。

損害総額6,000万円・被害者の過失6割の死亡事案

先に被害者請求をした場合。自賠責は過失6割では減額されないため、限度額の3,000万円を受け取れます。

いきなり訴訟を起こした場合。6,000万円から6割の過失相殺をして、2,400万円になります。

600万円の差が生まれます。自賠責は被害者の過失が7割未満であれば減額されないため、過失が大きい事案では、民事の過失相殺による金額(2,400万円)よりも自賠責の支払額(3,000万円)が高くなることがあります。任意保険会社は民事基準でしか支払わないため、自賠責の3,000万円を上回る追加支払いは発生しません。だからこそ、過失が大きい事案では、先に被害者請求で自賠責の満額を確保しておくことが有利になります。

当事務所がご相談でお伝えしていること

「自分にも過失がありそうだから、あきらめている」とおっしゃる方が、少なくありません。

ですが、過失が大きい事案ほど、被害者請求の価値は上がります。相手の保険会社が一括対応をしてくれないのも、まさにそういう事案です。動かないまま3年が経つと、自賠責からも受け取れなくなります。

一括対応されていても、使う場面があります

相手の保険会社がきちんと治療費を払ってくれている。それでも被害者請求を使うことがあります。

ひとつは、当座の生活資金を確保するためです。治療費は病院に払われていても、収入が途絶えていれば生活は成り立ちません。示談までの期間が長引くほど、生活の苦しさが交渉の足かせになります。先に自賠責から受け取っておけば、腰を据えて交渉できます。

もうひとつは、公平な判断を無料で得られるからです。自賠責の損害調査は、保険会社ではなく損害保険料率算出機構が公正かつ中立の立場で行います。費用はかかりません。後遺障害の等級について、被害者側が主導して判断を求められます。

この2つ目の点は、後遺障害の場面でとくに大きな意味を持ちます。あとの章であらためて説明します。

請求先は、相手の車の自賠責保険会社です

ここから、実際の手続に入ります。

まず間違えやすいところから。請求先は、相手の車にかかっている自賠責保険会社です。ご自身の車の自賠責ではありません。

自賠責は「車にかける保険」です。相手の運転によってけがをしたのですから、賠償責任を負うのは相手側で、その責任を肩代わりするのは相手の車の自賠責です。ご自身が加入している自賠責は関係しません。

相手の自賠責保険会社と証明書番号は、交通事故証明書でわかります

では、相手の自賠責保険会社をどうやって調べるか。交通事故証明書に書いてあります。

交通事故証明書には、当事者ごとに自賠責保険関係の欄があり、そこに保険会社名(組合名)と自賠責証明書番号が記載されています。相手が甲欄に載っていれば甲欄の、乙欄に載っていれば乙欄の記載を見てください。

交通事故証明書は、自動車安全運転センターで取得します。取り方と見方は交通事故証明書の取り方で説明しています。被害者請求では必須の書類ですので、まだお持ちでなければ先に取得してください。

まず、電話で書式を送ってもらいます

請求先がわかったら、次にすることは決まっています。

交通事故証明書を取り、相手の自賠責保険会社と証明書番号を確認する。
その保険会社に電話をして、被害者請求をしたい旨を伝える。手続に必要な書式一式を送ってもらえます。
書式が届いたら、書類を集めて記入する。診断書や診療報酬明細書は病院に依頼します。
一式を、相手の自賠責保険会社に提出する。

書類がそろわなくても、先に出してかまいません。手元にあるものだけを添付して提出し、以後は調査事務所から求めがあった都度、追加で出す形でも受け付けてもらえます。

等級認定には数か月かかるのが通常です。そろうまで待つより、早く手続に入るほうが結果的に早く終わります。

必要書類は、傷害・後遺障害・死亡で変わります

提出する書類は、何を請求するかで変わります。国土交通省が示している一覧が下の表です。◎は必ず提出するもの、○は事故の内容によって提出するものです。

書類 取付け先 死亡 後遺障害 傷害 仮渡金
(死亡) 仮渡金
(傷害)
支払請求書
保険金・損害賠償額・仮渡金支払請求書 保険会社に備付け ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
交通事故証明書(人身事故) 自動車安全運転センター ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
事故発生状況報告書 事故当事者等(備付け) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
医師の診断書または死体検案書・死亡診断書 治療を受けた病院 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
診療報酬明細書 治療を受けた病院 ◎ ◎ ◎ - -
通院交通費明細書 備付け ○ - ◎ - -
付添看護自認書または看護料領収書 備付け ○ - ○ - -
休業損害証明書(源泉徴収票を添付)
自営業等は納税証明書・課税証明書・確定申告書 勤務先/税務署・市区町村 ○ ○ ○ - -
印鑑証明書(受領者が請求者本人であることの証明) 市区町村 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
委任状および委任者の印鑑証明 市区町村 ○ ○ ○ ○ ○
戸籍謄本 市区町村 ◎ - - ◎ -
後遺障害診断書 治療を受けた病院 - ◎ - - -
レントゲン・CT・MRI画像等 治療を受けた病院 ○ ◎ ○ - -

「備付け」とあるものは、保険会社が用意しています。電話をすれば書式が送られてきますので、自分で探す必要はありません。

仮渡金で出した書類は、あとで損害賠償額を請求するときに出し直す必要はありません。先に仮渡金だけ請求しておいて、あとから本請求をする形でも、二度手間にはなりません。

死亡事故で請求できる方が複数いるときは、代表者を1名決めます。原則として1名を代理者として、ほかの請求権者全員の委任状と印鑑証明が必要になります。

被害者が未成年で親権者が請求する場合は、上記に加えて、そのお子さんの住民票または戸籍抄本が必要です。

診断書と診療報酬明細書は、病院に依頼します

この2つは、被害者の方が病院に頼んで作ってもらう書類です。いずれも自賠責の所定の書式があります。保険会社から送られてくる書式を、そのまま病院にお渡しください。

健康保険を使って通院していた場合は、その分の明細も必要になります。診断書の種類と役割は交通事故の診断書は3種類で説明しています。

仮渡金なら、示談の前にお金が出ます

もうひとつ、覚えておいていただきたい制度があります。仮渡金です。

損害額が確定していなくても、けがの程度に応じた定額を、先に受け取れる制度です。金額は自賠法17条を受けて政令で決まっています。

金額 対象となる場合
290万円 死亡した場合
40万円 脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状/上腕または前腕の骨折で合併症のあるもの/大腿または下腿の骨折/内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの/14日以上の入院を要し、医師の治療を要する期間が30日以上のもの
20万円 脊柱の骨折/上腕または前腕の骨折/内臓の破裂/入院を要し、医師の治療を要する期間が30日以上のもの/14日以上の入院を要するもの
5万円 11日以上、医師の治療を要する傷害

仮渡金の強みは、速さです

自賠法17条2項は、保険会社は、請求があったときは、遅滞なく、請求に係る金額を支払わなければならないと定めています。

本請求は損害の調査に時間がかかりますが、仮渡金は定額ですので、調査を待たずに支払われます。

11日以上の治療で5万円が出ます。むち打ちなどで通院している方も、要件を満たすことがあります。金額としては大きくありませんが、手続の入口としては使いやすいところです。

受け取りすぎた分は、返すことになります。仮渡金が最終的に支払われるべき損害賠償額を超えたときは、その超えた分の返還を求められます(自賠法17条3項)。

相手に責任がないと判断された場合も同じです。もっとも、この場合に保険会社は政府に補償を求める仕組みになっています。

限度額は、傷害120万円と後遺障害が別枠です

自賠責には上限があります。ここも誤解が多いところです。

押さえておくこと

傷害の120万円と、後遺障害の枠は、別々です。治療費や休業損害で120万円を使い切っていても、後遺障害が認定されれば、その分は別に支払われます。

区分 限度額(被害者1人につき)
傷害による損害
治療関係費・文書料・休業損害・慰謝料 120万円
後遺障害による損害(介護を要するもの)
常時介護を要する場合(第1級) 4,000万円
同上 随時介護を要する場合(第2級) 3,000万円
後遺障害による損害(上記以外)
第1級から第14級まで 3,000万円〜75万円
死亡による損害 3,000万円
死亡に至るまでの傷害による損害 120万円
傷害の120万円には、何が入るか

治療費だけではありません。支払基準では、次のものが120万円の枠に入ります。

費目 支払基準
治療費 必要かつ妥当な実費
看護料 入院1日4,200円、自宅看護または通院1日2,100円。これ以上の収入減の立証があれば近親者は19,000円まで
諸雑費 原則として1日1,100円
通院交通費 必要かつ妥当な実費
義肢等の費用 必要かつ妥当な実費。眼鏡は50,000円が限度
診断書等の費用 発行に要した実費
文書料 交通事故証明書・印鑑証明書・住民票などの発行手数料の実費
休業損害 原則として1日6,100円。これ以上の収入減の立証があれば19,000円を限度に実額
慰謝料 1日4,300円。対象日数は、傷害の状態や実治療日数などを勘案して治療期間内で決められます

被害者請求のために取った書類の費用も、文書料として請求できます。交通事故証明書や印鑑証明書の発行手数料がこれにあたります。領収書は残しておいてください。

自賠責は、人身損害だけを対象とします。車の修理代などの物的損害は、自賠責からは支払われません。物損は相手の任意保険か、相手本人への請求になります。物損事故で請求できる費目で説明しています。

調べているのは、保険会社ではありません

被害者請求を出したあと、書類はどこへ行くのか。ここを知っておくと、待ち方が変わります。

請求から支払までの流れ判断しているのは、相手の保険会社ではありません被害者請求書類を提出相手の自賠責保険会社書類を送る損害保険料率算出機構の調査事務所公正かつ中立の立場で損害調査調査結果を報告支払額の決定被害者へ支払※ 特に慎重な判断を要する事案は「特定事案」として、機構の本部に置かれた審査会で審査されます。

請求から支払までの流れです。判断しているのは、保険会社ではありません。

被害者が、相手の自賠責保険会社に請求書類を提出する。
保険会社が、損害保険料率算出機構の調査事務所へ書類を送る。
調査事務所が損害調査を行う。事故の発生状況、自賠責の対象となる事故かどうか、傷害と事故の因果関係、発生した損害額などを、公正かつ中立の立場で調べます。
調査事務所が保険会社に調査結果を報告する。
保険会社が支払額を決定し、被害者に支払う。

等級を判断しているのは、相手の保険会社ではありません。損害保険料率算出機構という別の団体が、公正かつ中立の立場で調査しています。ここが、相手の保険会社に任せる事前認定との違いにつながります。

慎重な判断を要する事案は、審査会にかかります。特に慎重かつ客観的な判断を必要とする事案は「特定事案」として、機構の本部に置かれた自賠責保険・共済審査会で審査されます。

審査会には、そもそも自賠責の支払対象になるかどうか(重過失減額を含む)を判断するものと、後遺障害と事故との因果関係や程度を評価するものがあります。

支払までに時間がかかることがあります。自賠法16条の9は、保険会社は事故と損害賠償額の確認に必要な期間が経過するまでは遅滞の責任を負わない、と定めています。調査に必要な期間は、待つことになります。

急ぎで資金が必要なときは、先に仮渡金を請求してください。仮渡金は調査を待ちません。

期限は3年|訴訟を起こしても止まりません

ここが、この記事でもっとも大事な注意点です。

被害者請求の権利は、3年で時効にかかります(自賠法19条)。平成22年3月31日以前に起きた事故は2年です。

ここが決定的です

16条請求権と、加害者に対する損害賠償請求権は、別個の権利です。ですから、加害者を被告として損害賠償請求訴訟を起こしても、16条請求権の時効は当然には止まりません。

逆も同じです。被害者請求をしても、加害者に対する損害賠償請求権の時効は止まりません。

「訴訟をしているのだから大丈夫」と思っていると、訴訟の途中で自賠責への請求権だけが消えるということが起こります。相手に賠償できるだけの資力がないときに、これが致命的になります。

時効の起算点は、損害の種類ごとに違います傷害による損害事故発生の翌日3年後遺障害による損害症状固定日の翌日3年死亡による損害死亡日の翌日3年一括対応の間は、時効は進みません。一括払いが解除された時点から進み始めます。加害者を被告として訴訟を起こしても、この3年は止まりません。

時効の起算点は、損害の種類ごとに違います。一括対応の間は進みません。

起算点は、損害の種類ごとに違います
請求の対象 いつから 期間
傷害による損害 事故発生の翌日 3年
後遺障害による損害 症状固定日の翌日 3年
死亡による損害 死亡日の翌日 3年

時効は、損害の種類ごとに別々に進みます。後遺障害の分について時効が更新されても、その効果は傷害の分には及びません。治療が長引いている間に、傷害の分だけ先に時効を迎えるということが起こります。

後遺障害が複数あって、症状固定日がそれぞれ違うときは、直近の症状固定日を起算日とする扱いです。

死亡事故で、ご遺族が死亡の事実を知らなかったことに合理的な理由があるときは、知った日の翌日が起算日として扱われます。

一括対応の間は、時効は進みません

相手の任意保険会社が一括対応をしている間は、時効は進行しない扱いになっています。一括払いが解除された時点から、あらためて進み始めます。

裏を返せば、打ち切られた日から3年が動き出します。「今月で治療費の支払いを終わります」と言われた日を、記録に残しておいてください。そこが時効のスタートになります。

危ないときは、時効更新(中断)申請書を出します

3年が近づいているのに手続が終わりそうにない。そういうときは、相手の自賠責保険会社に「時効更新(中断)申請書」を提出します。

申請すれば、まず通ります

時効期間が満了する前に申請書を出し、承認をもらえば、その承認日の翌日から、新たに3年が進行します。この申請が拒否されることは、まずありません。

時効が更新される事由は、次の3つです。

被害者請求に対して、自賠責保険金が支払われたとき。支払日の翌日から新たに進行します。
被害者請求に対して、自賠責から支払不能の通知が来たとき。通知の日の翌日から新たに進行します。
時効更新(中断)の承認を受けたとき。承認日の翌日から新たに進行します。

異議申立ては、新たな被害者請求として扱われます。後遺障害の等級認定に異議を申し立てた場合、等級が認定されれば損害賠償額の支払日から、非該当とされれば支払不能通知書を受け取った日から、それぞれ3年が再スタートします。

時効更新申請書を出しても、加害者に対する損害賠償請求権の時効は止まりません。こちらは民法のルールで別に進みます。2つの期限を、別々に管理する必要があります。

なお、加害者に対する損害賠償請求権が時効で消滅すると、16条請求権も消滅すると扱われると考えられています。どちらか一方だけを管理していれば足りる、というものではありません。

後遺障害は、事前認定と被害者請求のどちらを選ぶか

後遺障害の等級認定には、2つの入口があります。

事前認定は、相手の任意保険会社に後遺障害診断書を渡し、あとは保険会社に手続を進めてもらう方法です。被害者請求は、被害者側が資料を集めて、自分で相手の自賠責保険会社に出す方法です。

事前認定の強みは、手間がかからないことです

事前認定なら、後遺障害診断書を提出するだけで済みます。あとは相手の保険会社が関連書類や資料を集めて、手続を進めてくれます。書類集めの負担がないことが、事前認定の最大の利点です。

提出される書類が同じであれば、どちらの方法でも結果は変わりません。骨折や脱臼のように、画像で客観的に確認できる所見によって症状が裏づけられている場合には、事前認定のほうが手続として簡便です。

被害者請求の強みは、出す資料を自分で選べることです

それでも当事務所が被害者請求をおすすめすることが多いのは、被害者に有利な資料を、自分の判断で追加できるからです。

ここが分かれ目です

事前認定では、相手の保険会社が集めた資料だけで判断されます。保険会社が積極的に集めない資料は、審査の場に出てきません。

被害者請求なら、何を出すかを被害者側が決められます。手間はかかりますが、この差は小さくありません。

当事務所が実際に追加している資料には、次のようなものがあります。

実況見分調書。事故の態様そのものを裏づける資料です。事故が自賠責の対象になるかどうか、過失をどう見るかの判断材料になります。取り寄せ方は実況見分調書の取り寄せ方で説明しています。
自覚症状に関する陳述書。画像に写らない症状について、事故直後からの経過と、日常生活や仕事にどう支障が出ているかを、ご本人の言葉で残すものです。
主治医の意見書。診断書の欄には収まらない説明を、あらためて書いていただくものです。
未提出だった検査結果。治療の途中で撮った画像や検査記録のうち、提出されていないものです。

むち打ちのように、画像上の所見が乏しい症状のときに、この差が効きます。骨折のように誰が見てもわかる所見があるわけではないぶん、経過をどう伝えるかが結果を左右します。

示談の前にお金を受け取れることも、被害者請求の利点です。事前認定では、示談が成立してからでないと賠償金は受け取れません。

後遺障害診断書の書き方は、認定の結果を大きく左右します。損害保険料率算出機構や調査事務所は、労災の障害認定の基準をもとにして等級認定の手続を行っています。提出前に、記載がその基準に沿った表現になっているかを確認することをおすすめします。書き方は後遺障害診断書の書き方で説明しています。

事前認定で出した結果に納得できないときは、異議申立ての段階で被害者請求に切り換えることができます。そのときは、あらためて資料を選び直せます。等級認定の全体像は後遺障害認定とはをご覧ください。

支払われない・少ないときの手当ては4つあります

請求したのに支払われない。認定された等級に納得できない。減額されている。そういうときに使える手続が、順番に用意されています。

まず、書面をもらってください

保険会社には、書面を交付する義務があります。請求したとき、支払うとき、支払わないとき、それぞれで内容が決まっています。

場面 交付される書面の内容
請求したとき 支払基準の概要、支払手続の概要、紛争処理制度の概要
支払われるとき 支払金額、後遺障害等級とその判断理由、重大な過失による減額割合とその判断理由、異議申立ての手続
支払われないとき 支払わない理由、異議申立ての手続

「なぜこの等級なのか」「なぜ減額されているのか」は、書面に書かれていなければなりません。届いていないなら、まず求めてください。

書面による説明は、30日以内にしなければなりません

交付された書面だけでは足りないときは、さらに詳しい説明を書面で求めることができます。自賠法16条の5にもとづく手続です。

自賠法16条の5第3項

説明等は、説明を求められた日から起算して30日以内にしなければならない。

説明を求められる事項は、大きく3つです。

支払わないと判断した理由。因果関係をどう見たのかが示されます。
後遺障害等級の認定結果、または認定しなかったこと。等級認定の判断の中身が示されます。
損害額から減額を行ったこと。事故の状況をどう見て減額したのかが示されます。

この説明を取ってから、次の手を決めます。どこが評価されなかったのかがわかれば、異議申立てで何を補えばよいかが見えます。理由を確かめないまま異議を出しても、同じ結論が返ってくるだけになりがちです。

異議申立ては、無料で何回でもできます

認定された等級に不服があるときは、異議申立てができます。事前認定でも被害者請求でも、どちらの方法で認定を受けた場合でも申し立てられます。

項目 内容
提出先 被害者請求なら自賠責保険会社を通じて、事前認定なら相手の任意保険会社を通じて、損害保険料率算出機構宛て
費用 無料
回数 時効期間内であれば何回でも
書式 特段の定めはありません
不利益 すでに認定された等級が下がることはありません

等級が下がらないので、先に受け取ってから考えることもできます。認定された等級に応じた金額を受領したうえで、異議申立てを時間をかけて検討する、という進め方もできます。

ただし、新しい資料を出さなければ結果は変わりません。「納得できない」とだけ書いても通りません。異議申立ての理由と趣旨を具体的に示し、それを裏づける新たな医証を添える必要があります。医師の意見書や、まだ出していなかった検査結果などです。

新たな資料の提出がなければ、結果は覆りにくいのが実際のところです。主治医の協力が要りますので、代理人が病院に足を運んで、記載すべき内容を一緒に検討することもあります。

異議申立ての対象は、後遺障害の等級だけではありません。そもそも自賠責の支払対象になるかどうかの判断も対象になります。重過失減額の適用、因果関係の判断が困難だとして減額された場合、運行によって生じた事故といえるかどうかなども含まれます。

紛争処理機構の調停は、1回限りです

異議申立ての結果にも納得できないときは、自賠責保険・共済紛争処理機構に調停を申し立てることができます。自賠法にもとづいて指定された、公正中立な第三者機関です。

費用は無料です。ただし1回しか申し立てることができません。調停といっても実質は書面審査が中心で、医師、弁護士、学者などの合議で判断されます。

結果に不服があれば、訴訟を起こすことになります。使いどころを見極める必要のある手続です。

国土交通大臣に申し出ることもできます

あまり知られていませんが、保険会社の対応そのものを、国に申し出る制度があります。自賠法16条の7にもとづく申出制度です。

申し出られるのは、次の場合です

支払が支払基準に従っていないとき。

交付されるべき書面が交付されていないとき。

書面による説明を求めたのに、説明がされないとき。

国土交通省は、支払基準に従っていない例として、次のようなものを挙げています。

給与所得者または事業所得者について、休業損害が認められたにもかかわらず、最低日額である6,100円以上が支払われていないとき。パート・アルバイトの方の場合は除かれます。
治療費が損害として認められたにもかかわらず、それに対応する慰謝料が支払われていないとき。
12歳以下の子どもの入院に近親者等が付き添ったにもかかわらず、看護料が認められていないとき。

様式に決まりはありません。国土交通省が参照様式を公開しています。宛先は「国土交通省 物流・自動車局 保障制度参事官室」で、専用の郵便番号があるため住所の記載は省略できます。

申出を受けた国土交通大臣は、必要と認めれば保険会社に指示を行います。指示に従わなければ公表され、それでも従わなければ命令が出されます。

自賠責が出ない事故もあります

ここまで被害者請求の使い方を説明してきましたが、自賠責が必ず出るわけではありません。

無責事故

100パーセント被害者の責任で発生した事故については、相手車両の自賠責保険金の支払対象になりません。

国土交通省は、無責事故になりやすい代表例として次の3つを挙げています。

類型 内容
センターラインオーバー 被害車両がセンターラインを越えたことによる事故
信号無視 被害車両が赤信号を無視したことによる事故
追突 追突した側が被害車両である場合

逆に言えば、相手にわずかでも責任があれば、自賠責は出ます。過失が9割あっても、5割の減額を受けたうえで支払われます。ゼロか満額か、ではありません。

相手の責任の有無に争いがあるときは、実況見分調書などで事故の状況を裏づけることが要になります。過失割合の決まり方は交通事故の過失割合は誰が決めるかをご覧ください。

健康保険を使うかどうかで、結論が変わることがあります

交通事故の治療に健康保険を使えるかどうかは、よく聞かれる質問です。使えます。そして、被害者請求との関係では、使うかどうかで受け取れる金額が変わることがあります。

自賠責への被害者請求は、健康保険組合の求償より優先して扱われます。健康保険を使った場合と使わなかった場合とで、最終的に手元に残る金額が変わってきます。

過失が大きい事案では、健康保険を使う意味が大きくなります。自賠責の120万円という枠は限られています。健康保険を使えば治療費の自己負担が下がり、そのぶん枠を慰謝料や休業損害に回せます。

健康保険を使うときは、加入している健康保険に第三者行為による傷病届を出す必要があります。

代行をうたう業者にご注意ください

最後に、ひとつだけお伝えしておきます。

被害者請求や後遺障害の申請について、弁護士以外の事業者が報酬を得て代行することは、弁護士法72条との関係が問題になります。認定額の何パーセントという成功報酬を定めた契約が無効とされた裁判例があり、報酬の請求そのものが違法とされた例もあります。

「後遺障害の申請を代行します」という広告を見かけたときは、誰が行う手続なのかをご確認ください。結果に不服があって異議申立てや訴訟に進むとき、その事業者は手続を続けられません。

当事務所の考え方

被害者請求は、手間のかかる手続です。書類を集め、書式を埋め、病院に依頼して、待つ。相手の保険会社に任せておけば、この手間はかかりません。

それでも当事務所がこの手続を大切にしているのは、被害者の方が自分で判断できる場面を増やせるからです。

ご相談でお伝えしていること

治療費を打ち切られた。過失が大きいと言われて相手にしてもらえない。相手が保険に入っていなかった。そういうときこそ、被害者請求が働きます。

そして、動かないまま3年が経つと、この権利は消えます。訴訟をしていても止まりません。迷っている時間が、そのまま損失になります。

ご自身で手続を進めることもできます。書式は保険会社が送ってくれますし、費用もかかりません。迷われたときだけ、一度お話をお聞かせください。

交通事故の被害者請求について、大阪の弁護士がご相談をお受けします

難波みなみ法律事務所は、大阪市中央区なんば・心斎橋で交通事故の被害者側のご依頼をお受けしています。治療費の打ち切り、過失割合の争い、後遺障害の等級——どの段階からでもご相談いただけます。

ご相談は初回無料です。弁護士費用特約をお使いいただける場合もあります。

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よくある質問

Q. 被害者請求とは、どういう手続ですか。

A. 相手の車にかかっている自賠責保険に、被害者から直接お金を請求する手続です。自賠法16条にもとづくもので、実務では16条請求や直接請求とも呼ばれます。本来、保険にお金を請求できるのは契約者である加害者ですが、被害者救済のために、被害者が直接請求できる権利が法律で用意されています。

Q. 請求先はどこですか。自分の保険会社ですか。

A. 相手の車にかかっている自賠責保険会社です。ご自身の車の自賠責ではありません。自賠責は車にかける保険で、賠償責任を負う相手側の自賠責が支払います。

Q. 何から始めればよいですか。

A. 交通事故証明書を取り、相手の自賠責保険会社を確認したうえで、その保険会社に電話をして被害者請求をしたい旨を伝えてください。手続に必要な書式一式を送ってもらえます。書式が届いたら、診断書などを病院に依頼して集めます。

Q. 示談がまとまるまで待たなければなりませんか。

A. 待つ必要はありません。総損害額が確定する前でも、治療費を支払った都度、限度額の範囲内で何度でも請求できます。国土交通省もこの点を明記しています。

Q. 必要な書類は何ですか。

A. 傷害の請求では、支払請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、医師の診断書、診療報酬明細書、通院交通費明細書、印鑑証明書が必ず必要です。後遺障害の請求ではこれに後遺障害診断書と画像が加わり、死亡の請求では戸籍謄本が必要になります。休業損害を請求する場合は休業損害証明書などが加わります。

Q. 書類がそろわないのですが、どうすればよいですか。

A. 手元にあるものだけを添付して先に提出してかまいません。以後、調査事務所から求めがあった都度、追加で提出する形で進められます。等級認定には数か月かかるのが通常ですので、そろうまで待つより早く手続に入るほうが結果的に早く終わります。

Q. 仮渡金とは何ですか。

A. 損害額が確定していなくても、けがの程度に応じた定額を先に受け取れる制度です。死亡した場合は290万円、傷害の場合は程度に応じて40万円、20万円、5万円が請求できます。自賠法17条2項により、保険会社は請求があったときは遅滞なく支払わなければならないとされており、損害調査を待ちません。

Q. 自賠責の限度額はいくらですか。

A. 傷害による損害の限度額は、被害者1人につき120万円です。後遺障害による損害の限度額は、介護を要する場合で第1級4,000万円・第2級3,000万円、それ以外は第1級3,000万円から第14級75万円までです。死亡による損害の限度額は3,000万円です。なお、ここでいう限度額は、後遺障害慰謝料そのものの金額とは別のものです。

Q. 治療費で120万円を使い切ったら、後遺障害の分はもらえませんか。

A. もらえます。傷害の120万円と後遺障害の枠は別々です。治療関係費や休業損害で120万円を使い切っていても、後遺障害が認定されれば、その等級に応じた金額が別に支払われます。

Q. 過失が大きいと、自賠責はもらえませんか。

A. もらえます。自賠責の減額は民事の過失相殺とは違い、被害者の過失が7割以上ある場合にだけ行われます。7割未満なら減額はありません。7割以上8割未満で2割、8割以上9割未満で3割、9割以上10割未満で5割の減額です。傷害の分については7割以上で一律2割の減額とされています。

Q. 期限はいつまでですか。

A. 3年です。傷害による損害は事故発生の翌日から、後遺障害による損害は症状固定日の翌日から、死亡による損害は死亡日の翌日から、それぞれ3年で時効になります。平成22年3月31日以前に発生した事故は2年です。

Q. 訴訟をしていれば、自賠責の時効は止まりますか。

A. 止まりません。16条請求権と加害者に対する損害賠償請求権は別個の権利ですので、加害者を被告として損害賠償請求訴訟を起こしても、16条請求権の時効は当然には止まりません。逆に、被害者請求をしても加害者に対する損害賠償請求権の時効は止まりません。二つの期限を別々に管理する必要があります。

Q. 時効が近づいています。どうすればよいですか。

A. 相手の自賠責保険会社に時効更新(中断)申請書を提出してください。時効期間が満了する前に申請し、承認をもらえば、承認日の翌日から新たに3年が進行します。この申請が拒否されることは、まずありません。

Q. 事前認定と被害者請求は、どちらがよいですか。

A. 事案によります。事前認定は後遺障害診断書を出すだけで済み、書類集めの手間がかかりません。骨折や脱臼のように画像で客観的に確認できる所見がある場合は、事前認定のほうが簡便です。一方、被害者請求は手間がかかりますが、被害者に有利な資料を自分の判断で追加できます。むち打ちのように画像上の所見が乏しい症状では、この差が結果に影響します。

Q. 自賠責が支払われない事故はありますか。

A. あります。100パーセント被害者の責任で発生した事故は、相手車両の自賠責の支払対象になりません。国土交通省は代表例として、被害車両のセンターラインオーバー、被害車両の赤信号無視、追突した側が被害車両である場合を挙げています。

この記事は、自動車損害賠償保障法および同法施行令の条文、国土交通省が公表する自賠責保険・共済に関する資料、交通事故の被害者側の賠償実務に関する文献をもとに、難波みなみ法律事務所の弁護士が作成しました。個別の事案については、具体的な事情によって結論が変わることがあります。

交通事故の被害者請求や損害賠償でお悩みの方はは、大阪で自賠責・被害者請求に強い弁護士に相談する。初回相談30分無料・土日祝/夜間対応・弁護士費用特約に対応しています。

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