- X(旧Twitter)の誹謗中傷は消せますか?
- 消せます。方法は、①Xの報告(通報)機能、②削除請求のウェブフォーム(日本専用窓口)、③裁判手続(仮処分・訴訟)です。最高裁も、X上の投稿について人格権に基づく削除請求を認めています(最判令和4年6月24日)。ただし著作権侵害以外の投稿については、裁判外の申請だけでは対応されにくく、裁判手続が必要になりやすい点に注意してください。ログの保存期間の問題もあるため迅速な対応が必要となります。
- 誰が書いたか特定できますか?
- 特定できます。ただしXはログイン型のサービスで、投稿した瞬間のIPを記録していないことが多く、開示してもらえるのは主にログイン時のIPアドレスです。これは「特定発信者情報」と呼ばれ、通常より要件が一つ増える(補充性)点に注意が必要です。手続きは開示命令と提供命令を使う道もありますが、実効性や期間を踏まえると、Xでは「IPアドレスの開示の仮処分」を選ぶのが実務的です。
- 放っておくとどうなりますか?
- Xは拡散(リポスト)が速く、放置すると被害が急拡大します。さらに、特定に必要なアクセスログはアクセスプロバイダによっては数か月で消えるため、発信者情報を特定するためには早く動くことが重要です。まずは投稿URL・日時・アカウントをスクリーンショットで保全してください。
X(旧Twitter)は匿名で投稿でき、リポストで一気に拡散するため、誹謗中傷の被害が短時間で広がりやすいプラットフォームです。この記事では、Xの投稿を消す方法と判例、そしてX特有の「ログイン型サービスだから特定に一手間かかる」という実務のポイントまでを、大阪の弁護士が現行法(情報流通プラットフォーム対処法(旧:プロバイダ責任制限法))に基づいて解説します。
1Xの誹謗中傷が広がりやすい理由
Xは、匿名アカウントで投稿できること、リポストで拡散が速いこと、検索やトレンドで人目に触れやすいことが特徴です。悪質な投稿は数時間で数千・数万人に届くこともあり、放置は禁物です。一方で、Xの投稿は削除も特定も法的手段が確立しており、適切な順序で動けば対応できます。まずは投稿のURL・投稿日時・アカウント名・内容をスクリーンショットで保全することが出発点です。
2Xの投稿を削除する方法
X(旧Twitter)はアメリカ法人(X Corp.)が運営するSNSです。削除依頼は、まず自分で申請でき、応じてもらえない場合は裁判手続に進みます。もっとも、著作権侵害以外の中傷・嫌がらせは、裁判外の申請だけでは対応してもらえないことが多く、最終的に裁判手続が必要になりやすいのが実情です。
| 方法 | 誰が行うか | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ① 報告(通報)機能 | 本人(自分で) | 無料 | 手軽だが対応されないことも多い |
| ② 削除請求のウェブフォーム | 本人・弁護士 | 弁護士依頼で数万〜十数万円 | 日本専用窓口あり。ただ、中傷は対応されにくい |
| ③ 裁判手続(仮処分・訴訟) | 弁護士(裁判所) | 着手金・報酬で20万〜40万円程度〜 | 確実性は高いが、下記の注意あり |
※ 費用は目安です。事案・投稿数により変わります。正確な見積りは無料相談でご説明します。
① 報告(通報)機能
問題の投稿のメニューから「ポストを報告」を選び、ルール違反として申告します。無料で自分でできますが、Xの独自ルールで判断されるため、名誉毀損やプライバシー侵害でも必ず削除されるとは限りません。まず試す価値はありますが、時間の制約もあるため、対応がなければ速やかに次の手段に移ることが大切です。
② 削除請求のウェブフォーム(日本語の窓口)
Xのヘルプセンターにある各種フォームから削除を求めます。近年は、情報流通プラットフォーム対処法への対応として、日本のユーザー向けの削除請求フォームも用意されました(侵害された権利を名誉・プライバシー・肖像権などから選んで申告する形式です)。もっとも、著作権侵害は比較的対応してもらえる一方、それ以外の中傷・嫌がらせは対応されないことも多いため、応じてもらえなければ裁判手続を検討することになります。
③ 裁判手続(削除の仮処分・訴訟)
申請で応じてもらえない場合は、裁判所を通じて削除を求めます。人格権(名誉権・プライバシー権など)に基づく差止請求です。ただしX特有の注意点があります。
3投稿者の特定はできる?(X特有のポイント)
Xの投稿者を突き止めるには発信者情報開示の手続きを使います。Xは書面での任意のお願いには基本的に応じず、裁判所を通じて命じてもらう必要があるうえ、回答までに時間がかかりやすいのが実情です。さらに、一般の掲示板にはないログイン型サービス特有のハードルがあります。
開示の大まかな流れ
4特定できたら請求できること
① 慰謝料(民事)
名誉毀損やプライバシー侵害による精神的損害の賠償です。個人への名誉毀損では、裁判例では概ね10万円〜50万円程度とされるものが多いですが、拡散した・悪質・営業損害が生じたといった事情で増額されます。加えて、特定にかかった調査費用(開示手続きの弁護士費用など)も損害として請求でき、投稿1件でも総額が大きくなることがあります。
② 刑事責任(名誉毀損罪・侮辱罪)
公然と事実を摘示して社会的評価を下げれば名誉毀損罪(刑法230条・3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)、事実を示さず侮辱すれば侮辱罪(刑法231条)にあたり得ます。侮辱罪は2022年7月に厳罰化され、公訴時効も3年に延びました。いずれも親告罪(刑法232条)で、告訴が必要です。
5弁護士に依頼する費用の目安
| 手続き | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 送信防止措置依頼(任意削除) | 数万〜十数万円 | 投稿数・難易度による |
| 削除の仮処分 | 着手金・報酬で20万〜40万円程度 | 裁判所手続。確実性が高い |
| 発信者情報開示(特定) | 別途。段階的に発生 | コンテンツプロバイダに加えてアクセスプロバイダにも開示請求が必要 |
※ 一般的な目安です。当事務所では初回相談30分無料で、削除・特定・賠償を含めた総額の見通しをご説明します。
6Xで「訴えられた」「開示請求された」方へ
逆に、あなたのポストについて開示請求や意見照会が来た側(投稿者・発信者側)の方は、対応の期限や方針が結果を左右します。無視は最も危険で、早期の削除・謝罪・示談で負担を軽くできる場合があります。詳しくは開示請求されたら|投稿者側の対処法で解説しています。
7よくあるご質問
8あわせて確認したい
▶ ネット誹謗中傷の削除・損害賠償請求(削除・発信者特定・損害賠償・刑事告訴までの全体像と弁護士費用の一覧)
▶ 5ちゃんねる(5ch)の誹謗中傷を削除する方法(掲示板の書き込み削除とミラーサイト対応・投稿者特定の手続き)
▶ 発信者情報開示請求とは?投稿者を特定する手続き(特定手続きの流れ・費用・期間)
▶ 開示請求されたら|投稿者側の対処法(Xで訴えられた・開示請求された側の対応)
▶ ネット誹謗中傷の慰謝料相場(特定できた相手に金銭賠償を求める民事の手続き)
▶ 名誉毀損・侮辱の刑事告訴(悪質な投稿者の刑事責任を問う手続き)
Xの誹謗中傷は、削除の方法選びと、ログイン型ならではの特定手続きの設計で結果が変わります。ログが消える前に動くことが重要です。まずは無料相談で、削除・特定・賠償を含めた最適な進め方をご説明します。
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※本記事は一般的な情報提供であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。X(旧Twitter)の仕様・報告手順や法令の運用は変更されることがあります。掲載した判例・条文は公表されたものに基づきますが、個別の当てはめは弁護士にご相談ください。監修:難波みなみ法律事務所 代表弁護士 南宜孝(大阪弁護士会)。





