コラム
更新日: 2026.09.10

爆サイの開示請求とは?投稿者を特定する流れ・費用・難しいと言われる理由を弁護士が解説

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

爆サイの開示請求で投稿者を特定する方法
ネット誹謗中傷/発信者情報開示

爆サイに書き込まれた誹謗中傷は、発信者情報開示請求によって投稿者(書き込んだ人)を特定できます。爆サイ自体はウェブフォームからの裁判外開示請求(任意の開示請求)に応じていますが、投稿者を最終的に特定するには経由プロバイダへの裁判手続が必要で、アクセスログの保存期間という時間制限もあるため、早い段階で手続きに着手することが特定成功のカギになります。この記事では、爆サイの開示請求で投稿者を特定するまでの2段階の流れ、弁護士費用の目安、「難しい」と言われる理由と対処法を、大阪・難波の弁護士がわかりやすく解説します。

まず結論
爆サイの投稿者は特定できますか?
特定できます。発信者情報開示請求により、爆サイからIPアドレス等を、経由プロバイダから契約者の氏名・住所を開示させる手続きが可能です。ただし成功には投稿から日が浅いうちの着手が重要です。
爆サイの開示請求は難しいと聞きましたが本当ですか?
個人での手続きは難しいのが実情です。爆サイ自体は任意の開示請求に応じますが、投稿者の最終特定には経由プロバイダへの裁判手続(開示命令)が必要です。とくに爆サイ側のログは保存期間が短いとされるため、投稿を見つけたらすぐに動く必要があります。
費用はどのくらいかかりますか?
弁護士費用は着手金35万〜55万円が目安です。事案の難易度や、削除・損害賠償まで進めるかで変動します。まずは無料相談で見通しと費用をご説明します。

1爆サイの投稿者は特定できる

爆サイに誹謗中傷を書き込んだ匿名の投稿者は、発信者情報開示請求という法的手続きによって特定できます。根拠となる法律は、従来の「プロバイダ責任制限法」を改正・改称した情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)で、2022年10月には手続きを一体的・迅速に行える「発信者情報開示命令」という非訟手続きも新設されています。

匿名掲示板であっても、投稿には必ず通信の痕跡(IPアドレス・タイムスタンプ等)が残ります。この痕跡をたどることで、最終的に回線契約者の氏名・住所まで到達できるのが開示請求の仕組みです。投稿者を特定できれば、損害賠償請求(慰謝料)・投稿の削除・悪質な場合は刑事告訴へと進めます。

ポイント:「匿名だから誰が書いたか分からない」は誤解です。適切な手続きを踏めば、爆サイの投稿者も法的に特定できます。重要なのは「いつ動くか」です。

2爆サイ開示請求の流れ(2段階)

爆サイの投稿者特定は、「①爆サイから投稿者のIPアドレスを取得する」「②IPアドレスから経由プロバイダを割り出し、契約者情報を取得する」の2段階で進みます。爆サイ本体は契約者の氏名・住所までは持っておらず、氏名・住所は投稿者が使った通信回線のプロバイダが保有しているためです。

  1. 証拠の保全投稿のURL・スクリーンショット・投稿日時(スレッド番号・レス番号)を保存します。削除されると特定が難しくなるため、見つけた時点での確保が最優先です。
  2. 爆サイへIPアドレス等の開示請求(裁判外請求)爆サイの弁護士・法務関連の申告フォームから、テレサ書式(発信者情報開示請求書)で投稿時のIPアドレス等の開示を求めます。爆サイは投稿時のIPアドレス等(一般発信者情報)を保有しており、裁判外の任意請求が可能です。実印を押した請求書・印鑑登録証明書(3か月以内)・該当ページのスクリーンショットを添えて申請します。
  3. 経由プロバイダの特定(WHOIS)開示されたIPアドレスから、WHOIS等の公開情報で経由プロバイダ(回線事業者)を特定します。この特定自体に裁判手続きは不要です。
  4. 経由プロバイダへ契約者情報の開示請求(開示命令)経由プロバイダに契約者の氏名・住所の開示を求めます。経由プロバイダは任意開示に応じないため、発信者情報開示命令を申し立てます(単独型を基本に進めます)。爆サイは提供命令に対応しないため、爆サイへの請求とは別に個別に進めます。
  5. 投稿者の特定開示された契約者情報により投稿者を特定します。特定後は損害賠償請求・削除・刑事告訴へ進みます。
開示を目指すなら「削除請求」を先にしないでください。爆サイは、削除依頼・管理人による削除・投稿者自身の削除で消えた投稿のログを保存していません。レス(投稿)を削除するとIPアドレス等の通信ログも消え、投稿者を特定できなくなります。特定を優先する場合は、削除より先に(または並行して)開示の手続きを進めます。
「開示命令」のメリットと爆サイでの注意:発信者情報開示命令(2022年10月施行)は、従来の「仮処分→訴訟」より迅速な非訟手続きです。ただし、CPとAPを一体的につなぐ「提供命令」に爆サイは対応しないため、爆サイへの請求と経由プロバイダへの開示命令は、それぞれ個別に進める必要があります。

3「爆サイの開示請求は難しい」と言われる理由

爆サイの開示請求が難しいと言われるのは事実です。主な理由は次の6つで、いずれも早期の専門家関与で乗り越えやすくなります。

  • ログ保存期間のタイムリミット爆サイ(掲示板側)が持つ投稿時IPアドレスのログは、保存期間が短いとされます(正確な期間は非公表)。さらに先の経由プロバイダの接続ログも、携帯電話は約3か月、固定回線は6か月〜1年程度です。消えると特定はほぼ不可能になるため、とくに爆サイへの請求は急ぐ必要があります。
  • 経由プロバイダからの契約者情報開示に裁判手続が必要爆サイからIPを取得でき、そのIPから経由プロバイダ(回線事業者)はWHOIS等で判明します。ただし経由プロバイダに契約者の氏名・住所を開示させるには、通常、発信者情報開示命令などの裁判手続が必要で時間がかかります。
  • モバイル回線・共有IPで特定できないことがあるスマホの回線(キャリアのCGN/共有IP)では、IPアドレスから契約者を一意に絞れない場合があります。
  • 投稿が削除されると発信者情報も消える爆サイでは投稿が削除されると発信者情報も消去されます。保存期間を過ぎた場合も含め、消えると特定の手がかりが失われます。
  • 契約者=投稿者とは限らない家族共用回線・フリーWi-Fi等では、契約者と実際の投稿者が異なることがあります。
  • 個人での手続きが技術的・法的に困難相手方の特定、裁判所への申立書作成、プロバイダとの交渉には専門知識が必要です。
最大のリスクは「待つこと」です。「まず自分で調べてから」と時間をかけているうちにログが消え、永久に特定できなくなる例が少なくありません。投稿を見つけたら、まず相談することが重要です。

4特定を成功させる3つのポイント

  • とにかく早く動く爆サイ側が持つ投稿時IPのログは保存期間が短いとされます。投稿を見つけたら数日以内に相談し、まず爆サイへの請求に着手することが重要です。
  • 経由プロバイダへ早期に開示命令を申し立てるログの保存期間が問題になるのは経由プロバイダ(アクセスプロバイダ)です。経由プロバイダへ発信者情報開示命令を申し立てると、経由プロバイダが情報の保有を確認した時点でログが保存され、消去を防げます。
  • 最初から弁護士に依頼する爆サイ・裁判所・プロバイダへの手続きを一気通貫で進められ、爆サイへの裁判外請求から経由プロバイダへの開示命令まで適切に対応できます。

5弁護士費用の目安

爆サイの開示請求を弁護士に依頼した場合の費用は、着手金35万〜55万円が目安です。爆サイへの請求とプロバイダへの請求の2段階に対応する費用が中心で、その後の削除や損害賠償請求まで進めると事案により変動します。

開示請求(着手金の目安)
35万〜55万円
爆サイ+プロバイダの2段階
投稿の削除
事案による
同時に依頼可能
損害賠償請求
特定後に別途
回収額に応じた報酬等
爆サイ独自の開示手数料に注意:爆サイは発信者情報開示請求について、対象のレス1件あたり3万3000円(税込・クレジットカード決済)の手数料を求めています(爆サイ公式・2025年〜)。手数料を支払っても必ず開示されるとは限りません。対象の投稿が多い場合は、この手数料がかからない可能性のある発信者情報開示命令の利用も検討します。
費用の考え方:特定後の損害賠償で費用の一部を回収できる場合もありますが、賠償額が費用を下回ることもあります。依頼前の無料相談で、見込みと費用対効果をご説明します。

6特定後にできること

投稿者を特定できれば、次の3つの対応が可能になります。

対応内容
損害賠償請求名誉毀損・侮辱等による精神的損害の慰謝料を請求します。時効は加害者を知った時(=特定した時)から3年です。
投稿の削除残っている投稿の削除を求めます。開示請求と並行して進めることも可能です。
刑事告訴名誉毀損罪・侮辱罪など、悪質な場合は刑事告訴により刑事責任を追及できます。

7解決に向けた実務の傾向

実務の傾向

当事務所でも、爆サイの投稿について投稿から日が浅いうちにご相談いただいたケースでは、発信者情報開示命令に提供命令・消去禁止命令を組み合わせて経由プロバイダのログを早期に保全し、契約者情報の開示に至った例があります。

一方で、相談時にすでに数か月が経過しログが消去されていたケースでは、特定を断念せざるを得ないこともありました。結果は事案によって異なりますが、「早く動いたかどうか」が結果を大きく左右するのが実務の実感です。

爆サイの投稿者を特定したい方へ

難波みなみ法律事務所(大阪・難波/心斎橋)では、爆サイの開示請求・削除・損害賠償を一括してサポートします。ログが消える前に、まずはご相談ください。

8よくあるご質問

爆サイの開示請求の費用はいくらですか?

弁護士費用は着手金35万〜55万円が目安です。爆サイとプロバイダへの2段階の手続きに対応する費用が中心で、削除や損害賠償まで含めると事案により変動します。無料相談で具体的にご説明します。

爆サイの開示請求はなぜ難しいのですか?

爆サイ自体は任意の開示請求に応じますが、投稿者の最終特定には経由プロバイダへの裁判手続が必要で、ログ保存期間(概ね3か月〜半年)という時間制限があるためです。早期に弁護士へ依頼することで乗り越えやすくなります。

開示請求は何日くらいかかりますか?

数か月かかるのが一般的です。爆サイへの請求からプロバイダの契約者情報開示まで、開示命令を使っても数か月程度を要します。ログ保存期間内に終える必要があるため、着手の早さが重要です。

開示請求で相手からいくら取れますか?

賠償額は事案により幅があります。投稿の内容・回数・拡散の程度・実害によって変わり、慰謝料が弁護士費用を下回ることもあります。金額の見込みは無料相談でご説明します。

開示請求したことは相手にバレますか?

手続きの過程で相手に通知されます。プロバイダは契約者情報を開示する前に、契約者本人へ意見照会(開示してよいか)を行うため、開示請求があったことは相手に伝わります。

自分で開示請求できますか?

制度上は可能ですが、現実には非常に困難です。爆サイの任意非対応・裁判所への申立て・プロバイダとの交渉・ログの時間制限に一人で対応するのは難しく、手続き中にログが消えるリスクもあります。

投稿が削除されても特定できますか?

条件次第で可能です。投稿が消えていても、プロバイダにログが残っていれば特定できる場合があります。ただし時間の経過でログが消えると難しくなるため、早期の相談が不可欠です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案への法的判断を示すものではありません。開示の可否・費用・見込みは事案により異なります。具体的な対応は難波みなみ法律事務所(代表弁護士 南宜孝/大阪弁護士会)までご相談ください。掲載内容は2026年時点の法令に基づきます。

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