「旦那と離婚したい」——そう思ったとき、最初にすべきことは離婚届を用意することではありません。
結論からお伝えします。離婚を切り出す前に「お金」「住まい」「証拠」の3つを固められるかどうかで、離婚後の生活は大きく変わります。感情が高ぶったまま切り出し、条件を詰めないまま離婚届を出した結果、財産分与も養育費も受け取れずに後悔される方は少なくありません。
本記事では、旦那と離婚したいと考えたときに何から手をつけ、どの順番で進めればよいのかを、離婚事件を多く扱う弁護士が実務の視点で整理します。
この記事のポイント
- 切り出す前にやるべきことは「お金の把握」「住まいの確保」「証拠の保全」の3つ。
- 離婚の方法は協議・調停・裁判の3種類。全体の約9割は話し合いによる協議離婚で成立している。
- 取り決めは口約束にせず公正証書にする。支払いが止まったときに給与を差し押さえられるかが変わる。
- 財産分与と年金分割の請求期限は、2026年4月1日以後の離婚なら5年(それ以前の離婚は2年)。慰謝料は原則3年。
- 収入がない・専業主婦の場合でも、別居中の婚姻費用や法テラスの制度を使えば離婚は進められる。
「円満に別れたい」と考えている方へ
旦那と離婚したいと考える方の多くが、できれば争わずに別れたいと望みます。話し合いだけで離婚が成立する協議離婚は、日本の離婚全体の約9割を占めており、円満な形で終えることは十分に可能です。
ただし「もめずに終わらせたい」という気持ちが強すぎると、財産分与や養育費の取り決めを曖昧にしたまま離婚届を出してしまい、あとから困ることになりがちです。穏便に進めることと、条件を詰めないことは別だと考えてください。
円満離婚そのものの意味・メリット・デメリット・必要な準備については、別の記事で詳しく解説しています。
このページでは、「旦那と離婚したい」と考えたときに実際に何から手をつければよいのかを、準備・切り出し方・手続の順で整理します。
旦那と離婚したいと思う7つの理由
離婚理由には様々なものがありますが、妻が旦那と離婚したいと思う理由としては、以下の7つが代表的です。
1. 性格や価値観の不一致
離婚理由として最も多いのが、「性格の不一致」「価値観の不一致」です。夫婦といえども元は他人ですから、性格や価値観にズレがあるのは当然のこと。仕事や家事への取り組み方、子どもの教育方針、日常の所作動作に至るまで、多少の違いはあるものです。頻繁に意見が対立し、相手に嫌気が差すと、離婚を考えるようになるでしょう。
2. 金銭感覚の違い
金銭感覚の違いは夫婦生活に直結するため、一方が大きな不満を持つと離婚につながりやすいといえます。旦那が浪費で借金を抱えていたり、生活費を渡してくれなかったりすれば、妻は生活を守るために離婚を考えるようになるでしょう。
3. 異性トラブル(不倫・浮気)
旦那の不倫や浮気といった異性トラブルも、離婚理由の上位を占めます。信頼していた旦那に裏切られることで、嫌悪感や生理的な拒否感を抱き、夫婦生活を続けることが難しくなります。なお、不貞行為は法律上の離婚原因(後述)にも該当し、慰謝料請求の対象にもなります。
4. 暴言(モラハラ)
旦那からの暴言(モラハラ)に耐えかねて離婚を考える女性も多いです。大声で怒鳴る、人格を否定する、無視する、行動を監視・束縛するなどの行為は、モラルハラスメントに該当します。
関連記事:モラハラで慰謝料を請求できるのか?モラハラの意味や慰謝料の条件を弁護士が解説
5. 暴力(DV)
旦那による暴力(DV)も女性側の離婚理由として多いものです。DVは放置すると心身に重大なダメージを受けるおそれがあり、子どもにまで危害が及ぶ危険もあります。身の危険を感じるときは無理をせず、離婚を考えたほうがよいケースが多いです。
関連記事:DVの慰謝料請求の相場は?弁護士が解説
6. 旦那の親族との不仲
旦那の親族との不仲も女性側の離婚理由として多く、嫁・姑のトラブルが代表例です。旦那が親族の肩を持つケースでは、妻の精神的ストレスがさらに重くなり、離婚につながりやすいでしょう。
7. 愛情や思いやりの欠如
特段の大きな原因がなくても、愛情や思いやりが欠如したことを理由に離婚を考える女性も少なくありません。家事や育児をして当たり前という態度、会話や愛情表現の不足が積み重なると、妻は報われない気持ちになり、愛情が冷めてしまうこともあります。
旦那と離婚する方法は3種類
旦那と離婚する方法には、「協議離婚」「離婚調停」「離婚裁判」の3種類があります。円満な離婚を実現するためにも、まずは3つの方法の内容を理解しておきましょう。
| 方法 | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 協議離婚 | 夫婦の話し合いで合意し、離婚届を提出する | 合意すればすぐ |
| 離婚調停 | 家庭裁判所で調停委員を介して話し合う | 3〜6か月程度 |
| 離婚裁判 | 訴訟を提起し、判決で離婚を決める | 1〜2年程度 |
協議離婚
協議離婚とは、夫婦で離婚について話し合うことを指します。協議の結果、お互いに合意して離婚することを協議離婚といい、手続きは離婚届に署名・押印して役所に提出するだけです。夫婦間の合意さえあれば、どのような理由でも離婚できます。ただし、合意が得られなければ強制的に離婚を成立させることはできません。
離婚調停
協議離婚が難しい場合には、離婚調停に進みます。離婚調停とは、家庭裁判所の調停手続きを利用して、夫婦が離婚について話し合う手続きのことです。調停では、中立・公平な立場の調停委員を介して話し合うため、夫婦だけで話し合うよりも冷静に進めやすいといえます。財産分与や慰謝料、親権、養育費などの離婚条件についても話し合っていきます。
関連記事:離婚調停とは?流れや時間、調停成立後の流れを弁護士が解説
離婚裁判
離婚調停が不成立となった場合には、離婚裁判に進みます。離婚裁判とは、家庭裁判所へ訴訟を提起し、訴訟手続きで離婚について争うことを指します。判決で離婚が認められれば、強制的に離婚できます。ただし、裁判離婚が認められるには、次の法定離婚事由が必要です。
民法770条(裁判上の離婚事由)
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき【2026年4月1日施行の改正民法により削除された類型です。現在は「婚姻を継続し難い重大な事由」の中で考慮されます】。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(引用元:民法|e-Gov法令検索)
旦那の不倫やDV、モラハラなどは法定離婚事由に該当し得ます。一方、性格の不一致や愛情の欠如は、それだけでは直ちに法定離婚事由に該当しないため、別居期間の長さなどを踏まえて「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるかが判断されます。裁判の可能性が出てきたら、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
もめずに離婚するための4つのコツ
円満に離婚するには、家庭裁判所での手続きに進む前に、夫婦でじっくり話し合って協議離婚を成立させることを目指すのがおすすめです。ここでは、協議離婚を円満に成立させるための4つのコツを紹介します。
- 冷静に話し合う:お互いが感情的になると、話し合いは進みません。まずはご自身が落ち着いて、伝えたいことを整理しましょう。相手も落ち着いているタイミングを見計らって切り出すのがポイントです。面と向かうと感情的になってしまう場合は、手紙やメールで伝えるのも一つの方法です。
- 相手を否定しない:旦那に納得してもらうためには、自分の意見だけを押しつけるのではなく、相手の意見を尊重することも大切です。相手の言い分を否定してばかりでは反発を招きます。譲れる部分は譲り、妥当な条件での協議離婚を目指しましょう。
- 証拠を用意しておく:不倫やDV、モラハラなどの離婚原因があれば、切り出す前に証拠を用意しておくことが重要です。離婚を切り出した後は相手も警戒し、証拠を残さないよう気をつけるようになります。写真・動画・音声データ・メールやSNSのやり取り・日記などが証拠になり得ます。
- 不安な場合は専門家に相談する:冷静な話し合いが難しい場合や、DV・モラハラを受けていて直接の話し合いが難しい場合などは、弁護士に相談・依頼するのが賢明です。弁護士に依頼すれば、代理人として法的観点から論理的に交渉し、適切な条件での協議離婚成立が期待できます。
旦那に離婚を切り出す方法とタイミング
円満離婚では、「いつ・どう切り出すか」が結果を大きく左右します。感情的な場面で唐突に切り出すと、相手も身構えてしまい、話し合いがこじれる原因になります。次のポイントを押さえておきましょう。
切り出す前に準備しておくこと
- 離婚の意思と理由を自分の中で整理する(なぜ離婚したいのか、譲れない条件は何か)。
- 離婚後の生活設計を考えておく(住まい・収入・子どもの養育など)。
- 不貞やモラハラ等がある場合は、先に証拠を確保しておく。
- 財産分与に備え、夫婦の財産(預貯金・保険・不動産等)を把握しておく。
伝えるタイミングと伝え方
お互いが落ち着いて話せる時間・場所を選びましょう。子どもがいる場合は、子どもがいない時間帯を選ぶ配慮も必要です。伝える際は、相手を責める言い方ではなく、「私はこう感じている」という自分を主語にした伝え方を意識すると、相手の反発を招きにくくなります。
面と向かって話すとどうしても感情的になってしまう方は、要点を整理した手紙やメールで一度気持ちを伝え、その後に話し合いの場を持つ方法も有効です。
避けたい切り出し方として、けんかの勢いで「離婚だ」と口にする、条件を何も決めずに離婚届だけを突きつける、DV・モラハラがあるケースで二人きりで詰め寄る(安全確保を最優先に。弁護士や第三者を介しましょう)などが挙げられます。
離婚が成立するまでの期間と全体の流れ
協議離婚であれば、夫婦が合意すればすぐにでも離婚できます。もっとも、円満に進めるには条件の取り決めに一定の時間をかけるのが通常です。一般的な流れは次のとおりです。
- 準備・情報収集:離婚の意思を固め、財産や証拠を把握・確保する。
- 離婚の切り出し・話し合い:離婚の意思と希望条件を伝え、財産分与・慰謝料・親権・養育費・面会交流などを話し合う。
- 離婚条件の合意:取り決めた内容を離婚協議書にまとめる。金銭の支払いがある場合は公正証書にしておくと安心。
- 離婚届の提出:役所に離婚届を提出して離婚が成立。子どもがいる場合は親権者を定める必要がある。
養育費や慰謝料など金銭の支払いを約束した場合、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、相手が支払わないときに裁判を経ずに給料や預金などの財産を差し押さえることができます。
子どもがいる場合に決めること(親権・養育費)
子どもがいる場合、円満離婚のためには親権・養育費・面会交流の取り決めが特に重要です。2026年4月に、離婚後の親権や養育費に関する制度が見直されたとされていますが、本記事執筆時点での正確な運用内容までは確認が取れていません。具体的な制度の詳細や、ご自身のケースへの当てはめについては、必ず弁護士に最新の情報をご確認のうえ進めてください。
親権について
離婚後の親権のあり方は、父母の話し合いで決めるのが基本です。話し合いで決められない場合は、家庭裁判所が「子の利益」の観点から判断します。近年の法改正の動向も踏まえ、親権に関するルールは今後変わる可能性がありますので、最新の制度については弁護士へお問い合わせください。
関連記事:母親が親権を取れない場合|親権争いで母親が負けるケースを弁護士が解説
養育費について
養育費についても制度の見直しが議論・実施されているとされていますが、具体的な金額の目安や請求方法、支払いが滞った場合の対応については、事案ごとに異なりますので、必ず弁護士にご確認ください。実際の生活に見合った養育費を確保するには、裁判所の「養育費算定表」を目安に金額を取り決め、公正証書に残しておくことが引き続き重要です。
関連記事:養育費の調停を徹底解説|有利に進めるためのポイント
関連記事:面会交流とは?ルール・頻度や子供が拒否する場合を弁護士が解説
旦那が離婚に応じてくれない場合は?
旦那がどうしても協議離婚に応じない場合には、家庭裁判所での手続きが必要になります。
離婚調停の申立てを行う
夫婦だけの話し合いで解決できない場合には、離婚調停を申し立てて、家庭裁判所で話し合いを行います。調停では、良識を保った態度で、事実に基づき筋の通った主張をして、調停委員を味方につけることが重要です。譲れる部分は譲り、妥当な解決を目指しましょう。
離婚裁判を提起する
離婚調停が不成立となった場合は、改めて家庭裁判所に離婚裁判を起こします。なお、離婚問題については、裁判を起こす前に必ず調停を申し立てなければなりません(調停前置主義)。裁判離婚をするには、前述の法定離婚事由の存在を主張・立証する必要があります。離婚裁判には平均で1〜2年の期間がかかるため、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
関連記事:離婚に夫が応じない場合の対処法は?夫の心理や注意点を解説
離婚に関する実際のトラブル事例3つ
ここでは、離婚に関して実際にあったトラブル事例を3つ紹介します。解決した方法もご説明しますので、参考になさってください。(※守秘のため内容は一部改変しています)
モラハラがエスカレートして生活費を止められた事例
旦那からのモラハラを理由に奥様が離婚を切り出したところ、モラハラがエスカレートし、生活費も渡してもらえなくなった事例がありました。
別居中でも離婚するまでは夫婦なので、収入が低い側から高い側に対して「婚姻費用」として生活費を請求できます。奥様から依頼を受けた弁護士は別居を進め、速やかに家庭裁判所へ「婚姻費用分担調停」を申し立てました。
結果:調停は1回の期日で成立し、奥様は生活費を受け取れるように。その後、弁護士が離婚協議を代行し、最終的に協議離婚が成立しました。
関連記事:婚姻費用の支払いを拒否できるのか?請求する方法を弁護士が解説
養育費の支払いを拒否された事例
旦那が離婚には応じるものの、子どもの養育費は支払わないと主張していた事例がありました。弁護士が話し合ったところ、旦那は奥様への不満から金銭を支払いたくないと考えていることが分かりました。
そこで弁護士は、離婚しても親子の縁は切れないため養育費の支払い義務があることを説明し、裁判所の「養育費算定表」を目安に交渉をまとめました。口約束だけでは支払いが滞る可能性が高いと思われたため、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しました。
結果:公正証書化により、支払いが滞れば裁判を経ずに差押えが可能に。現在まで、合意どおり養育費が支払われています。
関連記事:養育費の強制執行を検討している人へ|手順・注意点を弁護士が解説
離婚協議中に子どもを連れ去られた事例
奥様とお子様が家を出て別居した後に離婚協議を開始したケースで、旦那が子どもを連れ去った事例がありました。無断で子どもを連れ去る行為は、自力で子どもを奪い返す行為も含め、法律上問題があります。
奥様から依頼を受けた弁護士は、速やかに離婚調停と併せて「子の引渡しの審判」と「審判前の保全処分」を同時に申し立てました。
結果:旦那が調停委員の説得に応じて任意に子どもを引き渡し、事なきを得ました。子どもを連れ去られた場合は、早急に弁護士へ相談のうえ、法的手続きをとるべきです。
離婚を切り出す前に必ず準備する3つのこと
「旦那と離婚したい」と伝えた瞬間から、相手は身構えます。準備は切り出す前にしかできません。順番を間違えると、取れるはずのものが取れなくなります。
1. お金:夫婦の財産の全体像を把握する
財産分与の対象は、原則として別居時に存在した夫婦の共有財産です。別居してから相手の口座を調べるのは容易ではありません。切り出す前に、次のものを確認して控えを残しておいてください。
- 預貯金(通帳・支店名・口座番号)
- 生命保険(解約返戻金のある保険は分与の対象になります)
- 証券口座・持株会
- 退職金の見込額(勤続年数がわかる資料)
- 住宅ローンの残債と不動産の査定額
- 相手名義の借金
2. 住まい:別居するのか、家に残るのか
別居するかどうかは、離婚全体の進み方を左右します。別居した場合、収入の低い側は相手に生活費(婚姻費用)を請求できます。婚姻費用は請求した時点から認められるのが家庭裁判所の一般的な運用ですので、別居したら速やかに請求してください。請求が遅れた分は、原則として遡って受け取れません。
3. 証拠:慰謝料を請求するつもりなら切り出す前に
不貞やモラハラ、DVを理由に慰謝料を請求するのであれば、証拠が要ります。相手が警戒する前が、最も集めやすいタイミングです。写真・メッセージのやり取り・日記・診断書・録音などを、日付がわかる形で保存しておいてください。
収入がない・専業主婦でも離婚できる?
できます。「お金がないから離婚できない」と諦める必要はありません。
- 別居中の生活費——夫婦は互いに生活費を分担する義務を負います(民法760条)。収入の低い側は、別居していても婚姻費用を請求できます。
- 弁護士費用——収入と資産が一定の基準以下であれば、法テラスの民事法律扶助を利用して費用を立て替えてもらい、分割で返済できます。
- 離婚後の公的支援——児童扶養手当、ひとり親家庭医療費助成などの制度があります。
旦那と離婚したいときにやってはいけない3つのこと
1. 条件を決めないまま離婚届を出す
離婚届は、親権者さえ記載されていれば受理されます。財産分与も養育費も慰謝料も、書かれていなくても離婚は成立します。離婚が成立してしまうと交渉の材料が減り、話し合いは一気に難しくなります。勝手に提出されるおそれがある場合は、本籍地または住所地の市区町村役場に離婚届の不受理申出をしておいてください。
2. 取り決めを口約束で済ませる
養育費や慰謝料の分割払いを口約束や念書だけで済ませると、支払いが止まったときに、あらためて裁判を起こさなければなりません。強制執行認諾文言を入れた公正証書にしておけば、裁判を経ずに給与や預貯金を差し押さえられます。
3. 子どもを連れて家を出るかどうかを独断で決める
子どもを連れて別居するか、置いて出るかは、のちの親権の判断に影響します。どちらが正解かはご家庭の事情によって異なり、一般論では決められません。動く前に一度ご相談ください。
離婚後に請求できる期間には限りがあります
「とりあえず離婚だけして、お金のことは後で」と考える方がいますが、離婚後に請求できる期間は法律で区切られています。
- 財産分与——離婚から5年(民法768条2項ただし書)。2026年4月1日施行の民法改正で、従来の2年から5年に延長されました。この期間は時効ではなく除斥期間で、話し合いを続けていても止まりません。
- 年金分割——離婚から5年。年金制度改正法により、財産分与に合わせて2年から5年に延長されました。こちらも2026年4月1日より前の離婚は2年のままです。
- 慰謝料——原則3年。離婚そのものを理由とする慰謝料は離婚が成立した時から、不貞を理由とする慰謝料は不貞の事実と相手を知った時から進行します。
- 養育費——期限なし。ただし過去にさかのぼって請求できるのは原則として請求した時点からです。放置した期間の分は取り戻せません。
【FAQ】旦那と離婚したいときのよくある質問
Q. 旦那と離婚したいとき、まず何をすればいいですか?
離婚届を用意する前に、お金・住まい・証拠の3つを確認してください。財産分与の対象は原則として別居時に存在した夫婦の共有財産なので、別居する前に預貯金・生命保険・退職金の見込額・住宅ローンの残債を把握し、控えを残しておくことが重要です。
Q. 専業主婦で収入がなくても離婚できますか?
できます。別居している間は、収入の低い側から相手に生活費(婚姻費用)を請求できます(民法760条)。弁護士費用についても、収入と資産が一定の基準以下であれば法テラスの民事法律扶助を利用し、費用を立て替えてもらって分割で返済できます。
Q. 旦那が離婚に応じてくれない場合はどうすればいいですか?
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停でも合意できないときは離婚訴訟を提起し、法律上の離婚原因(民法770条1項)があるかどうかを裁判所が判断します。相手が応じないというだけで離婚できなくなるわけではありません。
Q. 離婚した後でも財産分与や慰謝料を請求できますか?
期限内であれば請求できます。財産分与と年金分割の請求期限は、2026年4月1日以後に離婚した場合は5年、それより前に離婚した場合は2年です。慰謝料は原則として3年です。財産分与の期間は除斥期間であり、話し合いを続けていても進行が止まりません。離婚を急ぐ場合でも、条件は離婚前に固めておくのが安全です。
Q. 離婚届を勝手に出されそうです。防ぐ方法はありますか?
本籍地または住所地の市区町村役場に「離婚届の不受理申出」をしておいてください。申出をしておけば、申出人本人が窓口に出頭して届け出た場合を除き、離婚届は受理されません。取下げをしない限り効力は続きます。
一人で抱えこまず弁護士へ相談を
円満に離婚するためには、協議離婚を目指し、冷静に話し合うこと、相手を否定しないこと、証拠を用意しておくことなどが大切です。しかし、こちらが適切に離婚を切り出したとしても、相手が反発してトラブルに発展するケースも少なくありません。そんなときは、弁護士を介して離婚協議をしたり、法的手続きをとったりすることも必要です。
弁護士の専門的なサポートを受けることで、納得のいく離婚を実現できる可能性が高まります。難波みなみ法律事務所は離婚問題全般に注力しており、円満な離婚の実現にも真摯に取り組んでいます。ご自身で頑張り過ぎずに、適切に弁護士に相談することが大切です。
初回相談30分を無料で実施しています。面談方法は、ご来所・zoom・お電話による方法でお受けしています。離婚問題で困ったときは、一人で抱えこまず、早めに弁護士へご相談ください。
難波みなみ法律事務所への相談:06-6786-8103(受付時間 9:00〜22:00・土日祝も対応)






