- したらば掲示板の書き込みは削除できますか?
- 削除できます。まずは各掲示板の管理人へ削除を依頼し、応じないときは運営事務局への送信防止措置依頼、それでも消えないときは人格権に基づく削除仮処分で削除を実現できます。
- 書き込んだ相手(投稿者)は特定できますか?
- 特定できます。運営会社に対して投稿時のIPアドレス等の開示を求め、開示されたIPから経由プロバイダに契約者情報の開示を求める二段階で、投稿者にたどり着けます。
- 費用や期間の目安は?
- 削除仮処分は概ね1〜2か月、投稿者の特定は開示命令などで数か月〜半年程度が一般的です。弁護士費用は着手金・報酬制で事案により幅があります。難波みなみ法律事務所は初回相談無料です。
したらば掲示板(したらば)で、誹謗中傷や個人情報をさらす書き込みをされる被害が起きています。「書き込みを消したい」「書き込んだ相手を特定して責任を追及したい」という2つの目的では、進め方が変わります。この記事では、大阪市なんば・心斎橋の難波みなみ法律事務所が、したらば掲示板の削除・投稿者特定・費用・時効を、実務にそって解説します。
1したらば掲示板とは(削除・特定の前提)
したらば掲示板は、無料のレンタル掲示板サービスで、現在は株式会社フェイズが運営しています。テーマごとに誰でも掲示板を開設でき、それぞれの掲示板には「管理人(開設者)」がいます。ログインなしで匿名の書き込みができる「通常型」の掲示板です。
この2つの特徴が、削除・特定の進め方を決めます。まず削除は、個別の掲示板の管理人が第一の窓口になり、管理人が対応しないときに運営会社(運営事務局)や裁判手続に進みます。次に特定は、通常型のため投稿したときのIPアドレス・時刻が開示の対象になります(ログインして使うSNSと違う点です)。
2したらば掲示板の書き込みを削除する方法
方法1:掲示板の管理人へ削除依頼(任意の削除)
まずは、書き込みがある個別掲示板の管理人に削除を依頼します。レンタル掲示板では、各掲示板の削除権限は管理人にあるのが原則だからです。掲示板のトップ画面の最下部にある「掲示板管理者へ連絡」のリンクから、掲示板のURL・氏名・メールアドレスを入力し、質問の種類で「削除依頼」を選んで送信します。管理人がしっかり運用している掲示板なら、この連絡で削除に応じてもらえることもありますが、返信や対応が保証されるわけではありません。7日程度たっても対応がないときは、管理日数の超過を理由に、再度の依頼を出す方法もあります。
方法2:運営事務局へ送信防止措置依頼
したらばでは、削除は各掲示板の管理人が行うのが建前で、運営事務局は原則として自ら削除は行わない立場です。ただし、送信防止措置依頼(プロバイダ責任制限法に基づく削除の申告)には一定の場合に対応するとしています。したらば掲示板トップの「お困りの方へ」から「弁護士・法務関連、捜査関係のお問い合わせ」→「プロバイダ責任制限法に関する申告」に進み、依頼内容の入力・本人確認・必要書類の提出・審査という流れで手続します。申告は当事者ご本人、または弁護士を通じて行うことができます。管理人への削除依頼で対応してもらえないときの選択肢になります。
方法3:削除仮処分(裁判手続)
任意の削除に応じないときは、運営会社(株式会社フェイズ)を相手に、名誉権・プライバシー権といった人格権に基づく削除の仮処分を裁判所に申し立てます。運営会社は国内の事業者のため、海外SNSより手続を進めやすいのが特徴です。
3投稿者を特定する方法(発信者情報開示)
したらばは通常型の掲示板のため、投稿者の特定は、投稿したときのIPアドレス・タイムスタンプの開示から始めます。任意の開示に応じる事業者はまずないため、発信者情報開示命令(令和3年改正で新設された非訟手続)や仮処分で進めます。
ここで重要なのは、運営会社から開示されるのはIPアドレス等までで、投稿者本人の氏名・住所は分からないという点です。開示されたIPから通信を提供した経由プロバイダ(携帯会社・回線事業者)を特定し、そのプロバイダにもう一度開示を求める――という二段階(少なくとも2回の手続)で、はじめて投稿者にたどり着きます。
4コピー・ミラーサイトへの転載に注意
したらばの書き込みは、他の匿名掲示板と同じように、内容がコピーサイト・ミラーサイトへ転載されることがあります。本体の書き込みを削除しても、転載先に残っていると被害が続くため、転載先ごとに別途、削除の対応が必要になる場合があります。
5費用・期間の目安
| 手続 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 管理人・運営会社への削除依頼 | 数日〜数週間 | 費用をかけず試せる。削除は管理人・運営の判断で不確実。 |
| 削除仮処分 | 概ね1〜2か月 | 運営会社を相手に人格権に基づき削除。 |
| 投稿者の特定(開示) | 数か月〜半年程度 | 運営会社で投稿時IPを取得→経由プロバイダで契約者を特定(二段階)。 |
弁護士費用は、着手金・報酬制で、削除のみか、特定・損害賠償まで行うかによって幅があります。具体的な金額は、被害の内容をうかがったうえでご説明します。難波みなみ法律事務所は初回相談無料です。
6時効と、急いだほうがよい理由
投稿者特定の鍵になる通信記録(アクセスログ)は、事業者ごとに保存期間が限られ、経過すると特定が難しくなります。これが「急ぐべき」最大の理由です。
また、慰謝料などの損害賠償を請求できる権利(不法行為に基づく損害賠償請求権)は、損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります。匿名投稿の場合、この「加害者を知った時」は投稿者を特定できた時にあたるため、3年の時効は投稿者が特定できてから進行を始めるのが原則です。もっとも、その特定の前提となるログには保存期間の限りがあり、消えてしまえば特定自体ができなくなります。時効よりも、この保存期間こそが「急ぐべき」理由です。
7よくある質問
▶ ネット誹謗中傷の削除・損害賠償請求(削除・発信者特定・損害賠償・刑事告訴までの全体像と弁護士費用の一覧)
▶ 発信者情報開示請求とは?投稿者を特定する手続き(特定手続きの流れ・費用・期間の基本)
▶ 5ちゃんねる(5ch)の削除・開示請求(同じ匿名掲示板の削除・特定手続き)
▶ 爆サイ.comの削除・投稿者特定(同じ地域系掲示板の削除・特定手続き)
▶ ネット誹謗中傷の慰謝料相場(特定できた相手に金銭賠償を求める民事の手続き)
▶ 名誉毀損・侮辱の刑事告訴(悪質な投稿者の刑事責任を問う手続き)
▶ 雑談たぬきの開示請求で投稿者を特定する方法(たぬき掲示板の投稿者特定の流れ・費用・注意点)
▶ ネット誹謗中傷の削除方法(3つの削除方法・費用・削除前の注意点)
監修:難波みなみ法律事務所(大阪市中央区なんば・心斎橋/代表弁護士 南 宜孝)。本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。具体的な対応は、弁護士にご相談ください。





