- 転職会議の口コミは削除できますか?
- 削除できる場合があります。転職会議は原則として口コミを削除しませんが、個人特定・誹謗中傷・虚偽(在籍情報の信憑性が低い投稿)などガイドライン違反や、名誉毀損・信用毀損にあたる投稿は、運営への削除依頼・送信防止措置依頼・削除仮処分で削除できる可能性があります。
- 投稿した相手(元従業員など)は特定できますか?
- 特定できる場合があります。運営会社に対して登録情報や投稿時のIPアドレスの開示を求め、経由プロバイダへ二段階で開示請求します。ただし口コミには真実性・公益性が認められやすく、開示が認められるハードルは投稿内容によります。
- 費用や期間の目安は?
- 削除仮処分は概ね1〜2か月、投稿者の特定は数か月〜半年程度が一般的です。弁護士費用は着手金・報酬制で事案により幅があります。難波みなみ法律事務所は初回相談無料です。
採用や取引に影響する「転職会議」のネガティブな口コミにお困りの企業・経営者の方へ。「事実と違う口コミを消したい」「悪質な投稿をした元従業員を特定したい」という2つの目的では、進め方が変わります。この記事では、大阪市なんば・心斎橋の難波みなみ法律事務所が、転職会議の口コミの削除・投稿者特定・費用・時効を、事業者の立場から実務にそって解説します。
1転職会議とは(削除・特定の前提)
転職会議は、株式会社リブセンスが運営する、企業の評判・年収・社風などを共有する会員制の口コミサイトです。口コミは、会員登録をして前職・現職の情報を登録したユーザーが投稿する仕組みで、閲覧も会員向けが中心です。
ここで重要なのが、転職会議の基本方針です。転職会議は「ポジティブな投稿だけでなく、厳しい意見も、誹謗中傷や個人特定にあたらない限りできる限り掲載する」としており、原則として口コミの削除を受け付けていません(投稿者が退会しても掲載は続きます)。そのうえで、投稿ガイドラインに違反する口コミは例外的に削除の対象になります。
2転職会議の口コミを削除する方法
方法1:ガイドライン違反として運営へ削除を依頼する
まずは、運営(リブセンス)のお問い合わせフォームから、投稿ガイドラインへの違反を理由に削除を申請します。運営が審査し、違反と判断されれば削除されます。なお転職会議は、テレコムサービス協会のガイドラインに準じた手続で削除・開示請求を受け付けています。転職会議が自ら公表している主な削除対象は、次のとおりです。
| 削除対象になりうる投稿 | 具体例 |
|---|---|
| 個人が特定される投稿 | 特定の個人のプライバシーを侵害する内容(氏名・部署などから個人が分かる書き込み) |
| 誹謗中傷にあたる投稿 | 建設的でない、他者への配慮を欠く侮辱的な表現 |
| 実体験に基づかない投稿 | 憶測・伝聞・虚偽・噂。在籍情報の信憑性が低い投稿(給与や労働時間・休日数が現実にあり得ない数値など)は原則削除対象 |
| 機密・犯罪等 | インサイダー・機密情報、事件性・犯罪性のある投稿、無関係の企業・団体への言及 |
| 宣伝・評価操作 | 広告・外部リンク誘導、企業の評価・評判を操作する意図の投稿 |
費用をかけずに試せる第一歩ですが、削除するかどうかは運営の審査次第で、確実ではありません。とくに後述のとおり、事実に基づく率直な意見は削除されにくい点に注意が必要です。
方法2:送信防止措置依頼(プロバイダ責任制限法)
運営への通常の依頼で対応されない場合は、送信防止措置依頼を検討します。これは、情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダ責任制限法)にもとづき、権利を侵害する投稿の削除を正式に求める手続です。会社の社会的評価を下げる名誉毀損、事業上の信用を害する信用毀損、従業員個人のプライバシー侵害などを根拠に、侵害の事実を示して申し入れます。
方法3:削除仮処分(裁判手続)
任意の対応で削除されないときは、運営会社(リブセンス)を相手に、名誉権・信用・プライバシーといった人格権にもとづく削除の仮処分を裁判所に申し立てます。運営会社は国内の事業者のため、海外SNSより手続を進めやすいのが特徴です。
3「事実に基づく口コミ」は削除が難しい
会社にとって不利な口コミでも、内容が真実で、公益にかかわり、表現も相当な範囲であれば、名誉毀損は成立せず(違法性が認められず)、削除は困難です。労働環境・待遇に関する率直な意見は、転職希望者にとって公共性の高い情報とされやすく、正当な口コミとして保護される傾向があります。
もっとも、「事実に基づくから消せない」とあきらめる必要はありません。具体的な事実を摘示して会社の社会的評価を下げる投稿は、名誉毀損として削除・特定が認められています。転職会議の口コミについても、次のように会社の社会的評価の低下を認めた裁判例があります。
・「上司が部下に手をあげる」「パワハラしている方は自覚が無い」といった投稿について、社内で暴行事件が発生しパワーハラスメントが横行する劣悪な環境と理解されるとして、社会的評価の低下を認めた例(東京地判令和3年3月23日)。
4投稿者(元従業員など)を特定する方法
悪質な投稿について、投稿者の責任を追及したい場合は、発信者情報開示で投稿者を特定します。転職会議は投稿ごとのIPアドレスを記録しており、発信者情報開示にも応じています。会員制(登録型)で運営会社がユーザーの登録情報を把握している点も、特定の手がかりになります。手続は、削除と同じくガイドラインに準じた裁判外の請求や、発信者情報開示命令(令和3年改正で新設された非訟手続)・仮処分で進めます。もっとも、開示が認められるには、その投稿に権利侵害が明白であることが前提です。
運営会社から開示されるのはIPアドレス等までで、投稿者本人の氏名・住所は分かりません。開示されたIPから通信を提供した経由プロバイダを特定し、もう一度開示を求める――という二段階(少なくとも2回の手続)で、はじめて投稿者にたどり着きます。
5費用・期間の目安
| 手続 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 運営への削除依頼(フォーム) | 数日〜数週間 | 費用をかけず試せる。ガイドライン違反かは運営の審査で不確実。 |
| 送信防止措置依頼 | 数週間〜 | 権利侵害を根拠に正式に削除を申し入れ。 |
| 削除仮処分 | 概ね1〜2か月 | 運営会社を相手に人格権・信用にもとづき削除。 |
| 投稿者の特定(開示) | 数か月〜半年程度 | 運営で登録情報・投稿時IPを取得→経由プロバイダで契約者を特定(二段階)。 |
弁護士費用は、着手金・報酬制で、削除のみか、特定・損害賠償まで行うかによって幅があります。具体的な金額は、投稿内容をうかがったうえでご説明します。難波みなみ法律事務所は初回相談無料です。
6時効と、急いだほうがよい理由
投稿者特定の鍵になる通信記録(アクセスログ)は、事業者ごとに保存期間が限られ、経過すると特定が難しくなります。これが「急ぐべき」最大の理由です。
また、名誉毀損・信用毀損による損害賠償を請求できる権利(不法行為に基づく損害賠償請求権)は、損害および加害者を知った時から3年で時効にかかります。匿名投稿では、この「加害者を知った時」は投稿者を特定できた時にあたるため、3年の時効は投稿者が特定できてから進行を始めるのが原則です。もっとも、その前提となるログには保存期間の限りがあるため、早期の着手が重要です。
7よくある質問
転職会議の口コミ対応は、大阪の難波みなみ法律事務所へ
削除・投稿者特定・損害賠償まで、投稿内容に応じた最適な進め方をご説明します。ログが消える前に、まずは無料相談を。
無料相談を予約する LINEで相談する▶ Googleの悪い口コミを削除する方法(事業者向け)(同じ口コミ・レビュー削除の手続きと注意点)
▶ ネット誹謗中傷の削除・損害賠償請求(削除・発信者特定・損害賠償・刑事告訴までの全体像と弁護士費用の一覧)
▶ 発信者情報開示請求とは?投稿者を特定する手続き(特定手続きの流れ・費用・期間の基本)
▶ ネット誹謗中傷の慰謝料相場(特定できた相手に金銭賠償を求める民事の手続き)
▶ 名誉毀損・侮辱の刑事告訴(悪質な投稿者の刑事責任を問う手続き)
▶ ネット誹謗中傷の削除方法(3つの削除方法・費用・削除前の注意点)
監修:難波みなみ法律事務所(大阪市中央区なんば・心斎橋/代表弁護士 南 宜孝)。本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。掲載の法令・サイトの運営状況は執筆時点のものです。具体的な対応は、弁護士にご相談ください。





