コラム
更新日: 2026.09.27

誹謗中傷はどこに相談?弁護士・警察・専門窓口の選び方

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回、15回、75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコム、ココナラ、弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

誹謗中傷はどこに相談すべき?弁護士・警察・専門窓口の選び方
誹謗中傷

ネット上の誹謗中傷に遭ったとき、「どこに相談すればいいのか分からない」という声は少なくありません。相談先は弁護士・警察・専門の相談窓口に大きく分かれ、それぞれ「できること」と「できないこと」がはっきり違います。この記事では、目的別に最適な相談先を弁護士が整理します。

結論から

誹謗中傷はどこに相談すればいい?

相談先は大きく4つです。①削除・投稿者の特定・損害賠償までまとめて対応できる「弁護士」、②刑事事件として扱ってほしいときの「警察」、③無料で削除の助言が受けられる専門の相談窓口(違法・有害情報相談センター・誹謗中傷ホットライン)、④費用に不安があるときの「法テラス」です。

被害を回復したいなら、まずどこ?

投稿を消し、書いた相手を特定して損害賠償まで求めたいなら、弁護士への相談が最短です。削除・発信者情報開示・賠償請求は密接に関係し、これらを一貫して代理できるのは弁護士だけだからです。

お金をかけずに相談する方法は?

あります。総務省委託の「違法・有害情報相談センター」や「誹謗中傷ホットライン」、法務省の人権相談窓口(みんなの人権110番)はいずれも無料で、削除の助言や要請を受けられます。多くの法律事務所も初回相談を無料または低額で実施しています。

1誹謗中傷の相談先は大きく4種類

まず全体像です。誹謗中傷の相談先は、対応してくれる範囲と費用で次のように整理できます。「何をしてほしいか(ゴール)」で選ぶのが失敗しないコツです。

相談先できることできないこと費用向いている人
弁護士削除・発信者情報開示(特定)・損害賠償・刑事告訴の代理まで一括対応ー相談は無料〜、依頼時に費用被害回復(消す・特定・賠償)まで求めたい人
警察脅迫・ストーカー等の犯罪への対応、被害届・告訴の受理投稿の削除、投稿者の特定、損害賠償無料刑事事件として扱ってほしい人
専門相談窓口削除依頼の方法の助言、プロバイダへの削除要請・通知投稿者の特定、損害賠償無料自分で削除依頼を進めたい人
法テラス無料法律相談の案内、弁護士費用の立替(資力要件あり)直接の削除・交渉(弁護士に取り次ぐ窓口)無料相談費用の負担が難しい人

ポイントは、「削除」「投稿者の特定」「損害賠償」の3つをまとめて実現できるのは弁護士だけだということです。専門の相談窓口は無料で助言や削除要請をしてくれますが、相手を特定して賠償を取るところまでは扱いません。

2目的別・あなたに合う相談先の選び方

「やってほしいこと」から逆算すると、相談先はすぐに決まります。

投稿を「消したい」

削除だけが目的なら、無料の相談窓口(違法・有害情報相談センター・誹謗中傷ホットライン)で削除依頼の進め方を教えてもらう方法があります。ただし、これらの窓口による削除はあくまで「要請・通知」で強制力はなく、応じるかはサイト側次第です。確実性を高めたい、あるいは裁判所の手続き(送信防止措置・仮処分)まで視野に入れるなら弁護士に相談してください。詳しくは誹謗中傷を削除する方法で解説しています。

書いた相手を「特定したい」

投稿者を特定するには、発信者情報開示という法的手続きが必要です。この手続きを代理できるのは弁護士だけで、警察や公的窓口では行いません。特定は削除・賠償の前提になるため、早めの相談が有効です。→発信者情報開示請求とは

「損害賠償(慰謝料)を求めたい」

相手にお金を請求したいなら、特定→示談交渉または訴訟という流れになり、こちらも弁護士の領域です。→誹謗中傷の慰謝料相場/誹謗中傷で訴えるには

「刑事罰を求めたい(相手を処罰してほしい)」

名誉毀損罪や侮辱罪などの刑事責任を問いたい場合は警察へ相談し、被害届や告訴を検討します。もっとも、刑事手続きだけでは投稿の削除やお金の回復はできません。弁護士は告訴のサポートも行えます。→誹謗中傷は警察に相談できる?/刑事告訴するには

3弁護士に相談するとできること

弁護士は、誹謗中傷への対応を「削除」「発信者情報開示(特定)」「損害賠償」「刑事告訴のサポート」までワンストップで代理できる唯一の相談先です。窓口ごとに問い合わせる手間がなく、証拠保全から見通しの説明、相手方との交渉、裁判所の手続きまで一貫して任せられます。

弁護士からのひとこと

誹謗中傷は「削除」と「特定」に時間制限があるのが実務上の勘所です。投稿が消えたり、通信記録の保存期間が過ぎたりすると、後から相手を特定するのが難しくなります。迷っている段階でも、まず証拠を残し、早めに相談していただくほど選べる手段が増えます。

相談するタイミング

「削除できるか」「相手を特定できそうか」を判断するうえで、早いほど有利です。とくに投稿がまだ残っている段階、拡散が広がる前の段階での相談が望ましいといえます。

無料相談・費用について

多くの法律事務所が初回相談を無料または低額で受け付けています。当事務所も初回30分無料です。費用の全体像は誹謗中傷の弁護士費用で確認できます。

4警察に相談できること・できないこと

警察は刑事事件を扱う機関です。緊急でない相談は、警察相談専用電話「#9110」で受け付けており、各都道府県警の相談窓口や最寄りの警察署につながります(受付は平日日中が原則で、警察本部により異なります)。事件性が高い場合は110番を使います。ネット犯罪については各都道府県警のサイバー犯罪相談窓口もあります。

一方で、警察は投稿の削除・投稿者の特定・損害賠償といった民事の解決は行いません。また、名誉毀損罪・侮辱罪は親告罪で、原則として被害者の告訴が必要になるほか、国外のサービスが絡む投稿などは捜査が及びにくく、動きにくいこともあります。こうした被害回復は民事手続き(削除・開示・賠償)で進めるのが確実です。詳しくは誹謗中傷は警察に相談できる?で解説しています。

当事務所は刑事事件そのものの受任は行っていません。もっとも、民事(削除・発信者情報開示・損害賠償)の観点から、告訴を検討する場合の証拠整理などのサポートは可能です。

5無料で使える公的・専門の相談窓口

「まずは無料で相談したい」「自分で削除依頼を進めたい」という場合は、次の窓口が役立ちます。いずれも相談料は無料です。

窓口運営してくれること連絡先・方法
みんなの人権110番法務局(法務省)人権侵害かを判断し、プロバイダへ削除を要請。削除方法の助言電話 0570-003-110/インターネット人権相談受付窓口(Web)
違法・有害情報相談センター総務省の委託事業削除依頼の方法など専門相談員が助言・情報提供Webで利用登録後に相談フォーム
誹謗中傷ホットラインセーファーインターネット協会相談を受け、プロバイダへ削除を促す通知Webの相談フォーム(本人等が対象)
法テラス日本司法支援センター無料法律相談の案内、弁護士費用の立替(資力要件あり)電話・Web

これらの窓口は無料で頼れる一方、共通する限界があります。いずれも投稿者の特定や損害賠償までは扱わず、削除も「要請・通知」にとどまり強制力はありません。誹謗中傷ホットラインは個別の対応結果の連絡は行わず、削除されるかはサイト側の判断によります。相手を特定してお金を請求する、確実に消すために裁判所の手続きを使う、といった段階では弁護士への相談が必要になります。

6相談前に準備しておくこと

どの窓口に相談する場合も、先に証拠を残しておくと話が早く進みます。とくに削除を依頼すると投稿自体が消え、後から証拠にできなくなるため、消す前の保存が重要です。

  • 問題の投稿のスクリーンショット(画面全体・日時が分かる形で)
  • 投稿のURL(ページのアドレス)と、投稿・アカウントのID
  • 投稿された日時、閲覧した日時
  • 被害の内容(拡散状況、実生活・仕事への影響など)
  • 可能であれば、第三者にも見えるようURLを記録(保存サービスの利用など)

これらが揃っていると、弁護士は削除や特定の見込みを判断しやすくなり、公的窓口でも具体的な助言を受けやすくなります。
証拠の残し方・確保のポイントはこちら

▶ ネット誹謗中傷の削除・発信者特定・損害賠償はこちら(削除・特定・損害賠償・刑事告訴の全体像と弁護士費用の一覧)

7よくある質問

誹謗中傷は無料で相談できますか?

できます。違法・有害情報相談センター、誹謗中傷ホットライン、法務省の人権相談窓口(みんなの人権110番)はいずれも無料です。多くの法律事務所も初回相談を無料または低額で受け付けています。

まず警察に相談すれば解決しますか?

解決しないことが多いです。警察は刑事事件を扱う機関で、投稿の削除・投稿者の特定・損害賠償は行いません。被害回復まで求めるなら、民事の手続き(削除・開示・賠償)を弁護士に相談してください。

相手を特定して慰謝料を請求したいときは、どこに相談すべきですか?

弁護士です。投稿者の特定(発信者情報開示)と損害賠償を代理できるのは弁護士だけで、警察や公的窓口では扱いません。

無料の相談窓口だけで解決できますか?

難しい場合があります。違法・有害情報相談センターや誹謗中傷ホットラインは無料で削除の助言や要請をしてくれますが、削除は「要請・通知」にとどまり強制力はなく、投稿者の特定や損害賠償までは扱いません。確実に消したい、相手を特定して賠償を求めたいときは弁護士に相談してください。

相談前に何を用意すればよいですか?

投稿のスクリーンショット、URL、投稿日時、被害の内容をそろえてください。削除すると証拠が消えるため、消す前の保存が重要です。

弁護士に相談するタイミングはいつがよいですか?

早いほど有利です。投稿が残っているうちや拡散が広がる前のほうが、削除や特定の選択肢が増えます。迷っている段階でも証拠を残して相談してください。

費用を払えるか不安です。相談できますか?

できます。法テラスの民事法律扶助は、資力の要件を満たせば無料法律相談や弁護士費用の立替を利用できます。まずは相談してください。

匿名の相手でも対応できますか?

対応できます。匿名の投稿でも、発信者情報開示の手続きで投稿者を特定できる場合があります。特定の見込みは投稿の内容やサービスによって異なるため、弁護士にご確認ください。

大阪・関西で相談できる弁護士を探しています。

難波みなみ法律事務所(大阪なんば・心斎橋)が、削除・発信者情報開示・損害賠償までワンストップで対応します。電話・メール・LINEで相談を受け付けています。

誹謗中傷の相談先に迷ったら、まずご相談ください

削除・投稿者の特定・損害賠償まで、難波みなみ法律事務所がワンストップで対応します。初回相談30分無料。大阪なんば・心斎橋。夜間・土日祝も電話・メール・LINEで受け付けています。

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監修:難波みなみ法律事務所 代表弁護士 南 宜孝(大阪弁護士会)
大阪市中央区西心斎橋2-4-3 難波御堂筋ビル403/電話 06-6786-8103。ネット誹謗中傷について、削除・発信者情報開示・損害賠償といった民事の対応を行っています(刑事事件そのものの受任は行っておりません)。本記事は一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事案の結論を保証するものではありません。

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