Q. 医療事故の相談から解決まで、どれくらいかかりますか?
事案によりますが、調査から解決まで数か月〜数年かかることが多く、裁判になった場合の医療訴訟の平均審理期間は約2年です。示談やADRで解決できれば、より早く終わることもあります。
Q. どんな順番で進みますか?
大きくは、①相談 → ②証拠(カルテ)の確保 → ③医療調査で見通しを立てる → ④示談交渉/⑤ADR・調停/⑥訴訟、という流れです。いきなり裁判ではなく、まず調査で見通しを立てるのが基本です。
Q. まず何をすればよいですか?
お薬手帳・診断書・領収書など手元の資料を保管し、早めに弁護士へ相談することです。カルテは時間が経つと確保が難しくなり、時効もあります。当事務所は初回相談無料です。
「医療事故にあったかもしれないが、これから何が始まるのか分からず不安」という方は少なくありません。医療事故の解決は、いきなり裁判に飛び込むのではなく、証拠を確保し、医学的に見通しを立てたうえで、示談・ADR・訴訟のいずれで進めるかを選んでいく流れになります。この記事では、相談から解決までの全体像を、患者側の立場から弁護士が一枚の地図として解説します。各段階の詳しい内容は、それぞれの専門記事へリンクしています。
医療事故の解決までの全体像
まず、相談から解決までの流れを一覧にすると、次のようになります。
- 相談:状況を整理し、医療事故にあたりそうかの見通しと、費用の目安を確認します(当事務所は初回無料)。
- 受任・証拠の確保:カルテ開示を請求し、必要に応じて証拠保全でカルテ・画像・記録を確保します。
- 医療調査:診療記録を精査し、協力医の意見も踏まえて、過失と因果関係の見込みを検討します。
- 見通しの判断:勝てる見込みと、見込まれる賠償額・費用を比べて、次に進むかを一緒に判断します。
- 示談交渉:病院・保険会社と交渉し、合意できれば示談で解決します。
- ADR・調停:交渉がまとまらないとき、医療ADRなどの裁判外の話し合いや、裁判所の民事調停を利用することがあります。
- 訴訟:話し合いで解決しないときは、裁判所に訴訟を提起します。
- 解決:訴訟でも、判決の前に和解で解決することが多くあります。
医療事故の全体像そのものは、医療過誤とはの記事もあわせてご覧ください。以下、各段階を順に見ていきます。
①相談〜②証拠(カルテ)の確保
お薬手帳・診断書・領収書・録音・メモなど、手元にある資料を持って相談します。この段階で、医療事故にあたりそうか、費用をかける価値がありそうかの見通しをお伝えします。当事務所は初回相談無料です。
診療記録は病院が保管しており、時間が経つと失われたり書き換えられたりするおそれがあります。カルテ開示を請求し、改変のおそれがあるときは裁判所の手続である証拠保全を検討します。手順は証拠収集・カルテ開示の記事で解説しています。
③医療調査で見通しを立てる
確保した診療記録を医学的に精査し、その場面で医師に求められた注意義務は何か、それが尽くされたか、そして過失と結果との間に因果関係があるかを検討します。同じ分野の協力医の意見や意見書が、見通しを立てるうえで重要な役割を果たします。医療調査の進め方は、医療過誤の調査の記事で詳しく解説しています。
いきなり訴訟ではありません。医療事故は、まず調査で見通しを立てるのが基本です。見込みが乏しい事案について、無理に訴訟をおすすめすることはありません。当事務所は手続きの段階ごとに費用をいただく方式で、調査だけを依頼して結果を見てから次に進むかを判断することもできます。費用の仕組みは弁護士費用の記事をご覧ください。
④示談交渉/⑤ADR・調停/⑥訴訟 ―― 3つの解決手段
調査で一定の見通しが立ったら、どの手段で解決を目指すかを選びます。主な選択肢は次の3つです。
| 手段 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 示談交渉 | 病院・保険会社と直接交渉して合意を目指す。裁判所を使わない。 | 過失や因果関係について、ある程度の共通認識がある場合。早期解決を望む場合。 |
| ADR・調停 | ADR(医療ADR)は、弁護士会の紛争解決センターなどで第三者を交えて行う裁判外の話し合いです。民事調停は裁判所での話し合いの手続で、成立すると判決と同様の効力があります。いずれも訴訟より柔軟です。 | 交渉は決裂したが、いきなり訴訟は避けたい場合。話し合いでの解決を残したい場合。 |
| 訴訟 | 裁判所に提起し、判決または和解で解決する。 | 争点が大きく、話し合いでは解決が難しい場合。判決による判断を求める場合。 |
ADR(裁判外紛争解決)の詳しい流れは医療ADRの記事で、訴訟で問われる過失・因果関係の立証は手術ミスの記事で解説しています。実際には、訴訟を提起しても、判決の前に和解で解決することが多くあります。
どれくらい時間・費用がかかるか
医療訴訟は、一般の民事訴訟より審理が長くなりがちです。裁判になった場合の平均審理期間は約2年とされ、調査の期間も含めると、解決までに数年かかることもあります。また、医療訴訟で患者側の請求が認められる認容率は約2割と低く、一方で判決の前に和解で解決する割合が約5割を占めます。なお、認容率が低く見えても、和解の中には病院側の責任が実質的に考慮されたものも含まれるため、数字だけで結論は出せません。こうした統計の詳しい数字は、医療裁判の勝率の記事で解説しています。
費用については、当事務所は手続きの段階(調査・示談交渉・ADR・訴訟)ごとに費用をいただく段階制で、まとまった着手金を一度に用意する必要はありません。カルテ開示や協力医への費用などの実費も別途かかります。詳しくは弁護士費用の記事をご覧ください。
医療事故は、「まず調査で見通しを立て、その結果を見て次に進むかを決める」という進め方ができます。最初から訴訟を覚悟する必要はありません。当事務所には元裁判官の弁護士が在籍し、証拠から見通しをどう立てるか、どの手段で解決を目指すのが合理的かを、率直にお伝えします。
早く相談したほうがよい理由
医療事故の相談は、早いほど選択肢が広がります。理由は2つあります。
- 証拠が時間とともに失われる:カルテや記録は、時間が経つと確保が難しくなり、書き換えのリスクも高まります。早く動くほど、証拠保全などの手を打てます。
- 時効がある:損害賠償請求権には消滅時効があり、時間の経過は立証の面でも不利に働きます。時効の起算点や期間は医療過誤の時効の記事をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
医療事故の相談から解決まで、どれくらいの期間がかかりますか?
事案によりますが、調査から解決まで数か月〜数年かかることが多く、裁判になった場合の医療訴訟の平均審理期間は約2年とされています。示談やADRで解決できれば、より早く終わることもあります。まず調査で見通しを立てることが出発点です。
どんな順番で進みますか?
①相談 → ②カルテなど証拠の確保 → ③医療調査で見通しを立てる → ④示談交渉/⑤ADR・調停/⑥訴訟、という流れが基本です。いきなり裁判ではなく、まず調査で過失と因果関係の見込みを検討したうえで、どの手段で解決を目指すかを選びます。
相談したら、まず何をすればよいですか?
お薬手帳・診断書・領収書・録音・メモなど、手元の資料を保管してお持ちください。そのうえで、カルテが失われたり書き換えられたりしないうちに、カルテ開示や証拠保全を検討します。時効もあるため、早めのご相談をおすすめします。
必ず裁判になりますか?
いいえ。解決手段には示談交渉・ADR(裁判外の話し合い)・訴訟があり、事案に応じて選びます。訴訟を提起した場合でも、判決の前に和解で解決することが多くあります。いきなり訴訟を覚悟する必要はありません。
相談だけでも費用はかかりますか?
当事務所は初回相談無料です。また、手続きの段階ごとに費用をいただく方式で、まずは調査だけを依頼し、その結果を見てから次に進むかを判断することもできます。費用の仕組みは弁護士費用の記事で解説しています。
途中でやめることはできますか?
できます。当事務所は段階制のため、調査の結果を見て見込みが乏しいと判断した場合などに、次の段階へ進まない選択ができます。見込みが乏しい事案について、無理に手続をおすすめすることはありません。
勝てる見込みは、どうやって判断しますか?
確保した診療記録を医学的に精査し、協力医の意見も踏まえて、過失と因果関係の見込みを検討します。医療訴訟は認容率が約2割と低いため、見込まれる賠償額と費用も比べたうえで、次に進むかを一緒に判断します。
早く相談したほうがよいですか?
はい。カルテなどの証拠は時間が経つと確保が難しくなり、書き換えのリスクも高まります。また、損害賠償請求権には消滅時効があり、時間の経過は立証の面でも不利に働きます。早いほど選択肢が広がります。
医療事故かもしれない、と思ったら
まずは見通しを立てるところから始められます。証拠の確保には期限があり、早いほど選択肢が広がります。初回無料で、これからの進め方と費用の目安をお伝えします。大阪・なんばの弁護士が、お電話・メール・LINEで承ります。
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監修:難波みなみ法律事務所 代表弁護士 南 宜孝(大阪弁護士会・登録番号 49544/中小企業診断士)。大阪市中央区西心斎橋2-4-3 難波御堂筋ビル403。初回相談30分無料。本記事は一般的な解説であり、個別の事案の結論を保証するものではありません。統計はおおよその傾向で、年によって変動します。



