コラム
公開日: 2026.08.19

交通事故の過失割合は誰が決める?決まり方と4類型

難波みなみ法律事務所代表弁護士・中小企業診断士。大阪弁護士会所属(登録番号49544)、大阪中小企業診断士会所属(登録番号 420113)、幻冬舎「GOLDONLINE」連載第1回15回75回執筆担当。法的な問題には、法律の専門家である弁護士の助けが必要です。弁護士ドットコムココナラ弁護士ナビに掲載中。いつでもお気軽にご相談ください。初回相談無料(30分)。

まず結論
過失割合は、誰が決めているのですか?
保険会社ではありません。本来これは損害賠償額をいくらにするかという法律上の問題であり、最終的には裁判所が判断します。示談の場面では保険会社どうしが話し合って決めていますが、その結論に納得しなければならない義務はありません。
追突されたら、必ず10対0になりますか?
なりません。追突といっても、止まっていた車に突っ込んだのか、前の車が理由もなく急ブレーキをかけたのか、路上に駐車していた車だったのかで、出発点となる割合が変わるからです。実務では100対0・70対30・20対80という3つの型が使い分けられています。
「ゴネ得」ということはありますか?
ありません。過失割合の判断には、裁判所が用いる共通の物差しがあるからです。声の大きさではなく、事故の態様をどこまで資料で示せるかで決まります。

「治療費も慰謝料も認めるが、過失割合は8対2だ」——保険会社からこう言われて、初めて過失割合という言葉を知る方は少なくありません。

過失割合は、賠償額そのものを左右します。損害が1,000万円だとして、過失割合が0対100なら1,000万円ですが、2割の過失があるとされれば800万円になります。200万円の差が、この数字ひとつで生まれます。

この記事では、大阪市中央区なんば・心斎橋の難波みなみ法律事務所の弁護士が、過失割合が誰によって、どういう物差しで決められているのかを説明します。そのうえで、最も件数の多い追突事故を例に、割合がどう組み立てられるのかを具体的に見ていきます。

過失割合とは|損害を当事者で分け合うための割合

交通事故は、一方だけが悪いとは限りません。被害者の側にも不注意があった場合に、その分を賠償額から差し引くのが過失相殺です(民法722条2項)。この差し引きの割合が過失割合です。

過失割合は「悪さの度合い」ではなく「損害の分担」の話です。刑事責任や行政処分とも別問題です。刑事では加害者として扱われた人が、民事の過失割合では2割しか負担しないということも起こり得ます。この3つは別々に判断されるということを、まず押さえてください。

過失割合を決めているのは、保険会社ではありません

実務では、双方の保険会社が話し合って過失割合を決めています。そのため「保険会社が決めるもの」と受け止めている方が多いのですが、これは正確ではありません。

過失割合は、損害賠償額をいくらにするかという法律上の判断です。当事者間で合意できなければ、最終的に決めるのは裁判所です。保険会社の提示は、あくまで「うちはこう考えます」という一方当事者の主張にすぎません。

そして忘れてはならないのが、相手方の保険会社の担当者は、相手方のために交渉しているという事実です。丁寧に説明してくれたとしても、あなたの代理人ではありません。

とくに、あなたに過失がまったくない「もらい事故」では、あなたの保険会社は交渉に出てこられません。賠償責任を負わない者が報酬を得て他人の法律事務を扱うことは弁護士法72条が禁じているためです。過失ゼロの被害者ほど、相手方の担当者と1人で向き合うことになります。詳しくは弁護士費用特約の記事をご覧ください。

判断の物差し|事故の型ごとに基準が決まっています

では、何を根拠に割合が決まるのか。実務では、裁判所の裁判官が編集した事故類型別の基準(別冊判例タイムズ)が共通の物差しとして使われています。

この基準は、事故の態様を細かく類型化し、それぞれについて出発点となる割合(基本割合)と、個別の事情に応じてそこから増減させる項目(修正要素)を定めています。保険会社も弁護士も裁判所も、まずこの基準を見ます。

共通の物差しがあるということは、「ゴネれば得をする」という余地がないということでもあります。逆にいえば、事故の態様さえ正確に示せれば、割合は動きます。大事なのは主張の強さではなく、資料です。

過失割合はこう組み立てられます

段階やること
① 事故の型を決める信号の有無、道路の形、双方の進行方向などから、どの類型に当たるかを特定します。ここを間違えると、その後の議論がすべてずれます。
② 基本割合を出すその類型の出発点となる割合を確認します
③ 修正要素を当てはめる速度違反、著しい過失、重過失、道路状況などを加減算します。該当するものは合算します

争いになるのは、ほとんどが①の型の特定③の修正要素です。とくに①は、事故態様そのものについて双方の言い分が食い違うため、刑事記録やドライブレコーダーの映像が決め手になります。

追突は「10対0」とは限りません|4つの型

追突事故は、過失割合の話が最も分かりやすく現れる類型です。そして「追突されたら10対0」という理解が、最も多く裏切られる類型でもあります。

追突事故の基本は、追突した側の前方不注視(道路交通法70条違反)や車間距離不保持(同26条違反)による一方的な事故と考えられています。しかし、追突された側の状況によって、出発点は次のように変わります。

型① 信号待ちや渋滞で停止していた車への追突

赤信号や一時停止の規制に従って止まっていた車、渋滞で止まっていた車に追突した場合です。

A 100 : B 0
B 停止中 A

追突した側の前方不注視(道路交通法70条違反)や車間距離不保持(同26条違反)による一方的な事故と評価されます。いわゆる「10対0」になるのは、この型です。

この型については、基準に個別の一覧表は置かれていません。赤信号や一時停止の規制に従って止まっていた車、渋滞で止まっていた車に追突した場合、止まっていた側の基本の過失割合は0になる、という考え方が示されているだけです。

つまりここが追突事故の原点であり、次に見る型②以降は、止まっていた側に何らかの事情があった場合の話になります。

型② 前の車が理由もなく急ブレーキをかけた場合

危険を避けるためではないのに急ブレーキをかけた場合です。道路交通法24条は、危険を防止するためやむを得ない場合を除いて急ブレーキをかけてはならないと定めています。

A 70 : B 30
B 急ブレーキ A

追突された側にも3割の過失が認められます。なお、24条違反とまではいえない程度の不必要・不確実なブレーキ操作にとどまる場合は、2割程度にとどめるのが相当とされています。

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主な修正要素修正
住宅街・商店街等+10
A 15km以上の速度違反+10
A 30km以上の速度違反+20
A の著しい過失+10
A の重過失+20
B 幹線道路の走行車線上で停止−10
B 制動灯(ブレーキランプ)の故障−10〜20
B の著しい過失−10
B の重過失−20
住宅街や商店街で「+10」となるのは、そこが歩行者の多い場所だからです。人が横断すると見誤って急ブレーキをかけることは予想され、買物や配達のために停止することも頻繁です。後続車としては、あらかじめそうした事態を織り込んで運転すべきだ、という考え方です。

逆に幹線道路の走行車線で「−10」となるのは、そこでは車の流れに従って走るのが通常であり、後続車もそれをある程度信頼しているためです。実情として車間距離を十分にとっていないことが織り込まれています。

型③ 道路の左端に駐停車していた車が、右へ発進した場合

車を停めるときは、できる限り道路の左側端に沿わせなければなりません(道路交通法47条1項)。そこから発進するときは、必然的に右寄りへ進路を変えて、他の車が通る車線に戻ることになります。この動きと、後ろから直進してきた車の進路が重なって接触した場合です。

A 20 : B 80
道路の 左側端 B 右寄りに発進 A 直進

ここでは割合が逆転し、発進した側が8割を負担します。停止した状態から動き出すタイミングは発進する側が決められるのに対し、後ろから来る車にとっては、止まっている車がいつ動き出すかを読むことは容易ではありません。しかも発進直後は速度が低く、後続車の進行を妨げる程度が大きくなります。

この20対80という数字は、発進する側が方向指示器などで合図を出していたこと(道路交通法53条1項・2項、同法施行令21条)と、後続車に軽い前方不注視があったことを前提に置かれています。だから合図を出していなければ、後続車側が20%有利に修正されます。

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主な修正要素修正
A 15km以上の速度違反+10
A 30km以上の速度違反+20
A の著しい過失+10
A の重過失+20
B 発進の合図なし−20
B の著しい過失−10
B の重過失−20
この型が当てはまるのは、発進が始まって間もない時点でぶつかった場合に限られます。発進からある程度の時間が経ったあとで後ろから直進してきた車がぶつかったのであれば、両車の進路や位置関係を見たうえで、進路変更の事故として、あるいは追突に近い事故として、別の基準で考えることになります。

また、渋滞の車列に割り込もうとして車列の車にぶつかった場合や、停留所で乗客を降ろしたバスが合図をして発進する場合(この場合、後方の車は原則としてバスの進路変更を妨げてはならない義務を負います。道路交通法31条の2)は、いずれもこの型の対象外です。「発進した車にぶつかった」というだけで20対80が決まるわけではない、ということです。

型④ 駐停車していた車への追突

道路に駐停車していた車に、後方から走ってきた車が追突した場合です。

A 100 : B 0
B 駐停車中 A

出発点は100対0ですが、この基本割合は「駐停車していた車が、非常点滅表示灯を点けたり停止表示器材を置くなどして自車の存在を警告していたこと」を前提にしています。ここが型①との決定的な違いです。

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主な修正要素修正
B が退避できなかった+10
A 15km以上の速度違反+10
A 30km以上の速度違反+20
A の著しい過失+10
A の重過失+20
視認不良(降雨・濃霧・暗所など)−10
駐停車禁止場所−10
B 非常点滅表示灯等の不点灯−10〜20
B 駐停車の方法が不適切−10〜20
B の著しい過失−10
B の重過失−20
ハザードも点けず、停止表示器材も置かずに路上に停めていたなら、追突された側にも過失が生じます。実際にそう判断された裁判例を、このあと紹介します。

※上の図はすべて当事務所が作成したものです。数値は裁判官が編集した事故類型別基準(別冊判例タイムズ)にもとづきますが、実際の割合は個々の事故の態様によって異なります。+は追突した側Aの割合を増やす要素、−は減らす(=追突された側Bの割合を増やす)要素で、該当するものは合算します。

提示された過失割合に納得できていますか

事故の型が正しく選ばれているか、修正要素が見落とされていないか。大阪市中央区なんば・心斎橋。交通事故のご相談は初回無料です。

「著しい過失」と「重過失」|何が該当するのか

どの型にも出てくるのが、この2つです。著しい過失で10%、重過失で20%という大きな修正がかかるため、該当するかどうかで結論が変わります。

著しい過失とは

基本割合は、その事故の型で通常想定される程度の不注意をすでに織り込んで作られています。したがって著しい過失とは、その型で通常想定されている程度を超えるような過失を指します。

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区分該当する例
車両一般 脇見運転などの著しい前方不注視著しいハンドル・ブレーキ操作の不適切携帯電話を通話に使用したり、画像を注視しながらの運転おおむね時速15km以上30km未満の速度違反(高速道路を除く)/酒気帯び運転。駐車場の通路では一時停止・通行方向標示等の違反
バイク特有 ヘルメット不着用/ことさらに危険な体勢での運転
自転車特有 二人乗り無灯火並進/脇見運転などの著しい前方不注視/携帯電話の使用・画像注視イヤホンやヘッドホンを使用しながらの運転
イヤホンについては、使っていれば直ちに著しい過失、というわけではありません。そのイヤホンが周囲の音を遮断するものだったのか、聴覚から得られる情報を聞き逃したことが事故につながったのか。そこまで検討する必要があります。

重過失とは

著しい過失よりもさらに重い、故意に比肩する重大な過失をいいます。

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区分該当する例
車両一般 居眠り運転無免許運転おおむね時速30km以上の速度違反(高速道路を除く)/酒酔い運転/過労・病気・薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある場合
バイク特有 高速道路でのヘルメット不着用
自転車特有 いわゆる「ピスト」など制動装置(ブレーキ)の不良

速度超過は「時速30km」が分かれ目

一般道では、制限速度を時速30km以上超過したかどうかが、著しい過失と重過失を分ける基準とされています。15km以上30km未満なら著しい過失(+10)、30km以上なら重過失(+20)です。

飲酒は「酒気帯び」と「酒酔い」で扱いが違います

酒気帯び運転は著しい過失、酒酔い運転は重過失です。酒気帯び運転とは酒気を帯びて運転すること(道路交通法65条1項)で、罰則が適用されるかどうかは問いません。これに対し酒酔い運転は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転することをいいます。

著しい過失と重過失は、重ねて適用されません。重過失があったとされる場合は、その数値を修正すれば足り、さらに著しい過失の分を上乗せするわけではありません。「両方あるから+30」にはならない、ということです。

シートベルトとヘルメット

シートベルトの着用義務違反そのものは修正要素として掲げられていませんが、着用していなかったことが損害の拡大に寄与しているようなときは、著しい過失に準じて、けがをした側の過失割合を加算修正するのが相当とされています。自転車の乗車用ヘルメットについては、令和4年の法改正で努力義務とされましたが、現時点で違反をもって著しい過失に準じて評価するのは困難です。ただし頭部外傷を負った場合など、損害の拡大に寄与しているときは5%程度の加算修正が相当とされています。

実際の裁判では、どう判断されたか

基準はあくまで出発点です。実際の裁判でどう動いたのかを、3つ見ておきます。

裁判例

東京地方裁判所 平成28年3月23日判決|駐停車車両への追突(型④)

路上に一時停車していた車に、後方から走ってきた車が追突した事案です。追突した側はダッシュボードの中のガムを取ろうとしてわき見をしており、重大な過失があるとされました。他方、停車していた側は灯火を点けず、反射板も置かず、後続車に自車の存在を警告する措置をとっていませんでした。深夜の事故で、視認状況も良好ではありませんでした。

結論:停車していた側 15% : 追突した側 85%

追突した側は「停車場所が横断歩道の直近で駐停車禁止場所だった」とも主張しましたが、認められませんでした。道路交通法44条1項3号は横断歩道の前後の側端からそれぞれ前後5m以内を駐停車禁止場所と定めていますが、そこに当たる証拠がなかったためです。逆に停車していた側の「深夜でも照明は十分だった」という主張も、付近の施設が営業を終えた後の事故であることから採用されませんでした。

基本は100対0の型でも、警告措置を怠っていれば15%を負担することになります。この事案では、追突した側の「わき見」という重過失と、停車していた側の「無灯火・反射板なし」という落ち度が、両方とも評価されています。
裁判例

東京地方裁判所 平成21年11月5日判決|ETCゲートでの追突

高速道路のETC専用レーンで、先行車がETCカードを入れ忘れて開閉棒が開かず、直前で停止。後続車は時速20〜30kmで走行しており、車間距離が縮まったところで先行車が止まったため急制動しましたが、止まりきれずに追突しました。

裁判所は、ETC車線を通行する運転者には、不具合等で開閉棒が開かず前車が停止することがあり得ることを予見し、追突せずに停止できるよう車間距離を十分にとって徐行すべき義務があるとしました。他方、先行車にもETCカードの挿入を怠った過失があるとしています。

結論:先行車 20% : 後続車 80%

決め手になったのは、ETC専用レーンは「ETC/一般」の混在車線と違い、後続車の運転者にとって「先行車は止まらずに通過するはずだ」という期待が大きいという点でした。同種の事案では、後続車の一方的な過失とした裁判例(横浜地裁平成19年9月28日判決)や、後続車に速度違反があったことを考慮して先行車10対後続車90とした裁判例(横浜地裁平成20年8月12日判決)もあります。

裁判例

大阪地方裁判所 平成28年4月25日判決|左折車とバイク

四輪車が路外の駐車場へ左折進入しようとしたところ、左後方を走行していたバイクと衝突した事案です。四輪車はハンドルを左に切るより前に、遅れながらも左折の合図を出していました。合図の地点からハンドルを切った地点までは約9.6mでした。

結論:バイク側に 5% の過失相殺

合図が出ていた以上、バイク側にも軽度の前方不注視があったと認められたためです。なお、ハザードを点けて完全に停止していたタクシーにバイクが追突した事案では、原因はもっぱらバイクの前方不注視にあるとして、タクシー側の責任が否定されています(東京高裁平成31年1月17日判決)。

「ゴネ得」はあるのか

結論から言えば、ありません。ここまで見てきたとおり、過失割合には裁判所が用いる共通の物差しがあるからです。強く主張したから割合が動く、という世界ではありません。

ただし、これは「動かない」という意味ではありません。動くのは、次の2つが示せたときです。

ひとつは、事故の型そのものが違う場合。相手が別の類型を前提に計算していれば、出発点から間違っていることになります。
もうひとつは、修正要素が見落とされている場合。相手に速度違反や著しい過失があったのに評価されていない、というケースです。

どちらも、必要なのは資料です。刑事記録、実況見分調書、ドライブレコーダーの映像、車両の損傷写真。これらが事故の態様を語ります。感情ではなく証拠で動かす、というのが過失割合の交渉です。

過失割合はいつ決まるのか

過失割合の話が具体的になるのは、示談交渉の段階です。治療が終わり、損害額が固まってから、保険会社が過失割合を織り込んだ金額を提示してきます。

事故の直後に警察が過失割合を決めることはありません。警察は刑事事件としての捜査と、実況見分調書の作成を行うだけです。「警察がこう言っていた」は、民事の過失割合を決めるものではありません。
ただし、実況見分調書は民事でも重要な資料になります。事故直後の記憶が新しいうちに、双方の車の位置や速度、ブレーキの状況を記録した書面だからです。人身事故として届け出ておくと、この調書が作成されます。物損事故として処理されると、簡単な物件事故報告書しか残らず、後から事故態様を争うときの材料が乏しくなります。

提示された割合に納得できないとき

  • まず、どの型を前提にしているのかを確認する保険会社に、どの事故類型を適用しているのかを聞いてください。ここが違えば、その後の議論は噛み合いません
  • 実況見分調書を取り寄せる人身事故として処理されていれば作成されています。事故態様を争うための出発点になります
  • ドライブレコーダーの映像を確保する上書きされる前に保存してください。最も強い証拠になり得ます
  • 相手方の修正要素を洗う速度違反、脇見、携帯電話の使用、飲酒。該当すれば10〜20%動きます
  • 示談する前に相談する示談は和解契約であり、成立すれば原則としてやり直せません。詳しくは示談の記事をご覧ください
過失割合が争いになると、示談交渉だけでは決着せず、訴訟や交通事故紛争処理センターの和解あっ旋に進むことがあります。その見通しを含めて、早い段階でご相談ください。

過失割合のよくある質問

過失割合は誰が決めるのですか?

保険会社ではありません。最終的に決めるのは裁判所です。過失割合は損害賠償額をいくらにするかという法律上の判断だからです。示談交渉では双方の保険会社が話し合って決めていますが、その提示は一方当事者の主張にすぎず、従う義務はありません。実務では裁判官が編集した事故類型別の基準が共通の物差しとして使われています。

追突されたら必ず10対0になりますか?

なりません。追突といっても状況によって出発点が変わるためです。信号待ちや渋滞で停止していた車への追突は100対0ですが、前の車が理由もなく急ブレーキをかけた場合は70対30、道路の左端に駐停車していた車が右へ発進したところへの接触は20対80となります。駐停車していた車への追突も出発点は100対0ですが、これはハザードなどで存在を警告していたことが前提です。

駐車していた車に追突されました。こちらにも過失がつきますか?

警告措置をとっていなかった場合はつきます。駐停車車両への追突の基本割合は、非常点滅表示灯を点けたり停止表示器材を置くなどして自車の存在を警告していることを前提としているためです。実際、灯火も反射板もない状態で深夜に停車していた事案で、停車していた側に15%の過失が認められた裁判例があります(東京地裁平成28年3月23日判決)。

過失割合の「著しい過失」とは何ですか?

その事故の型で通常想定されている程度を超えるような過失です。基本割合には通常程度の不注意がすでに織り込まれているためです。脇見運転などの著しい前方不注視、携帯電話の使用や画像の注視、おおむね時速15km以上30km未満の速度違反、酒気帯び運転などが該当します。該当すると10%の修正がかかります。

過失割合の「重過失」とは何ですか?

著しい過失よりもさらに重い、故意に比肩する重大な過失です。居眠り運転、無免許運転、おおむね時速30km以上の速度違反、酒酔い運転などが該当し、20%の修正がかかります。なお、著しい過失と重過失は重ねて適用されません。重過失があった場合はその数値を修正すれば足り、さらに著しい過失の分を上乗せすることはありません。

過失割合は「ゴネ得」で変わりますか?

変わりません。裁判所が用いる共通の物差しがあるためです。ただし、事故の型そのものが誤っている場合と、相手方の修正要素が見落とされている場合には、割合は動きます。必要なのは強い主張ではなく、刑事記録・実況見分調書・ドライブレコーダーの映像といった資料です。

警察が過失割合を決めてくれるのですか?

決めません。警察が行うのは刑事事件としての捜査と実況見分調書の作成であり、民事の損害賠償の割合を決める立場にないためです。ただし実況見分調書は、民事でも事故態様を示す重要な資料になります。人身事故として届け出ておくと作成されますが、物損事故として処理されると簡単な報告書しか残らず、後から事故態様を争う材料が乏しくなります。

交通事故の過失割合はいつ決まりますか?

示談交渉の段階です。治療が終わって損害額が固まったあと、保険会社が過失割合を織り込んだ金額を提示してきます。提示を受けた時点で初めて具体的な数字を知る方がほとんどです。納得できない場合は、まずどの事故類型を前提としているのかを確認してください。

過失割合でお困りの方へ

大阪市中央区なんば・心斎橋。年間500件以上のご相談をお受けしています。交通事故のご相談は初回無料です。

  • どの事故類型が適用されているかを確認します出発点が違えば、その後の計算はすべて変わります
  • 刑事記録や実況見分調書を取り寄せます事故態様を争うための資料を揃えます
  • 示談前のご相談をお受けしています示談は成立すると原則やり直せません

監修:弁護士 南 宜孝(大阪弁護士会 登録番号49544/中小企業診断士)。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案についての法的助言ではありません。過失割合は個々の事故の態様・道路状況・当事者の行動によって結論が異なります。記載した基本割合と修正要素は裁判官が編集した事故類型別の基準(別冊判例タイムズ)にもとづくものですが、同誌の図表は使用しておらず、掲載した図はすべて当事務所が作成したものです。実際の割合を保証するものではありません。

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